268話

「268話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

268話」(2008/02/16 (土) 22:31:02) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第268話:新たなる始まりの為の遁走曲 吹き抜ける風の中、 リュカとリノアが、武器防具屋の外にいた。 ――――話は、少し前に戻る。 放送を聞いたリュカは、静かに考えていた。 それは優先順位。自分のしたい事と全員がしたい事、その優先順位だ。 この武器防具屋内では、セフィロスとクジャの討伐が最優先という流れになっていた。 それは当然の事だろうし、リュカもそうしたかった。 だが、まだ見ぬ家族の姿が頭を掠める。 ビアンカの微笑む姿、タバサのはしゃぐ姿、ピエールの勇む姿、はぐりんの走り行く姿。 そして更に、パパスのあの大きな背中が……瞼に写った。 決めた。 今のこの迷いのある自分ではきっと足手まといだ。 そうでなくとも、妻や子どもたちの事となれば自分は絶対に暴走してしまう。 こんな事ではいけない。彼らの足枷となってはいけない。 だから決めた。 「ごめん、皆……僕は一旦抜けるよ」 「……家族がらみの事、か?」 すぐにサイファーが心を読んだかのように言った。 その事にリュカは少し戸惑ったが、すぐに続ける。 「あの殺人者達の事も先決だけど……僕はその前に僕の家族に会いたい。だから、これ以上は無理だ」 「だから抜けるってのか?お前の子どもの敵討ちはどうすんだよ!」 「放棄するわけじゃない!ただ…僕が今思っている事で君達の足を遅くさせる訳には行かないから…。  家族に会えたら、君達と再会してまた一緒に戦うよ。これは絶対の約束だ。だから……ごめん」 サイファーの反射的な反論とリュカの消えそうな声で紡がれたその言葉の後、静寂が室内を包んだ。 そしてその静寂から全員を解放したのは、リノア。 「じゃあ私、リュカさんに着いて行っていいかな?…リュカさんが良ければだけど、さ」 「てめェまで……っ!」 「私も『一旦』よ。これだけの人数でかかっても勝てない相手なんだし……仲間が必要でしょ?」 サイファーはそれ以上何も言わなかった。 否、言えなかったのか。 そしてリノアは続ける。 「リュカさんの仲間がいる場所に私の求める仲間がいるかもしれないし…。  大丈夫、絶対あなた達の味方になる様な人だから!だからリュカさん…良いかな?」 「君が探したい人よりも僕が探したい人の方を優先するけど……それでもかまわないなら良いよ」 「OK!じゃあ決まりね。私はリュカさんの手助けを、あなた達はあの敵を倒す!お互い、頑張ろう」 サイファーは面白くない顔をしながらも、頷いた。 ロザリー達も静かに頷いた。止める理由が無いのだろう。 そして二人はそのまま、部屋から外へと出ていった。 ロザリー達が、静かにその後姿を見ていた。何も言わずに、何も言えずに―――― そして、今に至る。 「う~~ん、久々のシャバの空気ぃ~~……って、これじゃ悪い事した人みたい」 「まずは次の世界への扉…とか言うのを探さないとね」 二人はそう言うと、目ぼしい場所を探し始めた。 何かしら判りやすい物などは無いのだろうかと目を凝らす。 そしてそのまま注意深く視線を色々な方向へと向けていると…蒼い光が漏れているを見た。 「旅の扉…?井戸の中からか」 「タビノトビラ?それが次の世界への~ってやつ?」 「多分そうかもしれない。見てみよう」 急いで見てみると、確かにあった。 井戸の底で蒼い光が渦巻いている。 「じゃあ行こう…と言いたい所だけど……」 「残った皆に場所を伝えないと、よね。私が行ってこようか?」 「お願いしようかな」 そしてリノアは皆のいる建物へと走っていった。 それを見ながら、リュカは1人考えた。 レックスとサンチョとピピンとマリアさんが死んで、ものすごく悔しい。 悔しくて悔しくて悔しくて、けれど悲しくて…崩れ落ちそうになる。 けれど、一緒に来てくれた彼女は、明るく振舞っていた。 いや……かなり無理していたのかもしれない。 でも無理してでも…自分を元気付けてくれているのが判った。 生き物は全て、目を見ればわかる。喜びも、悲しみも。善も、悪も。 そして彼女の目は…間接的にだけれど、この暗い影を削ぎ落とそうとしている目だ。 ならばこんな所で腐ってはいけない。前向きに行かなければ。 まだ、全てを失ったわけではない。これからは絶対に失ってはいけないんだ……。 リノアが走ってくる。 少し遠くにあるその姿をその目で見ると、ふと気づいた。 それは、彼女の後ろの影。片足を少し引き摺りながら近づいてくるあの姿は……。 「ただいま、伝えてきたよ」 「あとついでに…俺も来ちゃったんだけど……さ」 「君は……」 少しはにかみながら、ジタンはそこにいた。 どうやら彼もリュカに着いていきたいらしい。 「ジタンも仲間を探したいって言うからさ。思い切って誘ったのよ」 「まぁ俺もそういう事だし、リノアの言う事にも賛同できる部分あったしさ……」 「サイファーに怒鳴られちゃったよね、『場に流されんな阿呆!!』って」 「まぁそれは良いんだ…で、俺もリノアと同じ考えだ。リュカのしたい事に協力したい……いいかな?」 2人の明るい声に、リュカはつい笑ってしまった。 さっきまでの空気を払拭してくれた二人に感謝しながら、笑ってしまった。 そして、リュカは言う。 「じゃあ宜しく、ジタン」 「おう、宜しく!……ありがとう」 そしてその後、「この中でいいんだよな?」とジタンが井戸の底を見る。 そして光を確認すると振り返った。 「じゃ、もう行くのか?」 「そうしよう……いや、その前に」 「その前に?」 「まずはこれだ……ベホマ」 リュカが呪文を唱え、ジタンの右足にその癒しの光を当てた。 すると足の傷は見る見る内に…という訳ではないが、マシにはなって行く。 そして暫くそれを時間をかけて続けると、普通に歩ける程度まで回復した。 「おお、凄いな!」 「回復魔法が制限されているのか…?ちょっと治りが甘いけど」 「いやいや、助かった助かった」 「よし、それじゃ行こうか」 そしてリュカ達は飛び込んでいった。 次の世界で仲間達に会えるよう、そう祈りながら……。 「もう、行った頃か?」 「恐らくそうでしょうね……」 一方、室内にはまだサイファー達がいた。 だが先程とは空気が違う。目に光が宿っている。 「よし!じゃあもう一回確認するぞ。イザ、今後の行動方針は?」 「この街を襲った殺人者の討伐」 「そうだ。その為に俺たちは積極的に行動する。そして……」 そして一呼吸おいて、サイファーは井戸の方向を見た。 彼らの姿は見えない。予想通り行ってしまった後のようだ。 「あいつらの言葉を信じて、新たな仲間を見つけたあいつらと再会する…だ」 「ではもう少し休んでから私たちも行きましょう。まずはサイファーさんの回復が先決ですしね」 「余計なお世話…と言いたいところだが、文句言えねぇな」 ふとサイファーは、窓から空を見た。 透き通るような蒼が眩しい。 この空の下で、また必ず再会してやる。生きて再会してやる。 「それまで待ってろよ……てめェら」 「おや、何か言いましたか?」 「……なんでもねぇよ、気にすんな」 【リュカ 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ スナイパーCRの残骸  基本行動方針:家族、及び仲間になってくれそうな人を探し、守る】 【ジタン 所持品:英雄の薬 厚手の鎧 般若の面 釘バット(FF7)  グラディウス  基本行動方針:仲間と合流+首輪解除手段を探す 最終行動方針:ゲーム脱出】 【リノア 所持品:賢者の杖 ロトの盾 G.F.パンデモニウム(召喚不能)  基本行動方針:スコールを探す+首輪解除手段を探す 最終行動方針:ゲーム脱出】 【第一行動方針(共通):リュカの仲間を探す】 【現在位置:新フィールドへ】 【イザ(HP2/3程度) 所持品:ルビスの剣、エクスカリパー、マサムネブレード  基本行動方針:同志を集め、ゲームを脱出】 【サイファー(右足軽傷) 所持品:破邪の剣、破壊の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能) 白マテリア 正宗 天使のレオタード  基本行動方針:ロザリーの手助け 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ロザリー 所持品:世界結界全集、守りのルビー、力のルビー(ルビーの指輪)、破壊の鏡、もう一つ不明  基本行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【第一行動方針(共通):体を休め、新フィールドへ 第二行動方針(共通):セフィロスとクジャを倒す】 【現在地:アリアハン城下町・武器防具屋の結界内部】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。