152話

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*第152話:彼の失敗、彼女のミス 僕、疲れてたんだよね。 何せ四回もバトルして、山を走り抜けてこの村までやってきたんだ。 おなかは空いたし、息は上がるし、足もガクガクするし…… 最悪のコンディションで、当然のことながら注意力も散漫になっていた。 だから、その赤い草のような物が何なのか、一目ではわからなかったんだよね。 (ナニ、コレ?) 家の影からにょきっと伸びたそれに気を取られ、僕は反射的に近づいてしまった。 今から思えば、さっさとボウガンを撃ち込むべきだったんだよ。 でも、僕が武器を構えることを思い出した時には、もう遅かった。 「ラリホーマ!」 その不思議な言葉を聞いた途端、僕をものすごい睡魔が襲った。 口を開く間もなく、視界はフェードアウト。僕の意識もブラックアウト。 ちょこっとだけ、悪戯っぽく微笑む赤髪の女の子の姿が見えて……それで、おしまい。 ――そうして気が付くと、僕はベッドの上にいた。 首を横に回してみると、すぐ隣のベッドに緑色の髪をした男の人が横たわっている。 僕より十歳は年上だろうか。オジサンとお兄さんの中間って感じのオジサ……もとい、お兄さんだ。 「よぉ、気が付いたか」 「ここは?」 「村の宿屋だよ。道端で眠ってたお前を、ソロの奴が連れてきたんだ。  風邪引いて死なれたら、寝覚めが悪いからってさ」 道端で? 眠ってた? 「しかしお前もドジだな。支給品の食料どっかに落としてくるなんてよ」 食料? 落とした? そんなはずは…… 「……あーーっ!?」 あの赤い髪の女の子!! 「な、なんだよ、大きな声出して」 「ほ、ほほほ、本当に僕の袋なかったの?」 「袋はあったぜ。空っぽだったけどな。お前の横の壁にかけてある」 「僕、袋以外に何か持ってなかった?」 「全部、そこのテーブルの上に置いてある」 テーブルの上って……置いてあるのはグレートソードと、ランプと地図だけなんだけど。 ……やられたよ。あの女の子、今度見つけたら絶対に殺してやる~! でも、もう近くにはいないだろうな……第一、探しに行く気力も体力も残ってないよ。 「盗まれたのか?」 「ラリホーマって声が聞こえて、赤い髪の女の子が見えて、そのまま眠っちゃった」 「ああ、そりゃ眠りの呪文だな。ま、生きてるだけでもマシってことにしとけ」 ……確かに、普通ならそのまま殺されても文句言えない状況だけどさ。 まさか、ティナのボウガンも、ナイフも、ミスリルの小手も、食料も、全部盗られるなんて! 竜騎士の靴は、履きっぱなしだったせいか無事だけど…… ディアボロスは盗りようがなかったんだろう、ジャンクションされたままになってるけど…… 「食料なら心配しなくていいぞ。今、ソロが夕飯作ってるところだ。  他にも缶詰や瓶詰で良ければここにあるし、パンと水は俺たちのを分けてやるよ」 ありがとう、親切なオジサン。 でもね、僕が心配してるのはそういうことじゃないんだ…… これから先、不得手な剣一振りでどうやって相手を仕留めるかってのと、 スコール達が追ってきたらどうやって切り抜けよう、ってことであって。 けれど、本当の事なんか口が裂けても言えない。 うう……銃かボウガンが手に入るまで、この人たちと一緒に大人しくしてるしかないか。 二人ともかなりのお人よしみたいだし、少しは僕のことも守ってくれるはずだ。 ――もし、この人たちに僕の正体がバレたら? その時はその時で考えよう。今はボウガンを盗られたショックが強くて、考える余裕なんてない。 今日はもう、疲れちゃったよ……セフィ…… 大・成・功ー! まさかこんなに上手く行くなんて! 苦労して、盗賊と魔法使いの修行を積んだ甲斐があったってものよね。 ボウガンに、ナイフに、小手にー……食料もたくさん。 これだけ物が揃えば、当分の間は心配することなんかないわ。 デールさんも一・二時間程度で来ると思うし、もう矢でも鉄砲でもムドーでも、どーんと来いって感じ。 ……でも、あのお兄さんには、悪いことしちゃったかな。 ううん、きっと大丈夫だよね。 ランプと地図と、一番強そうな剣は残してきたし……食料だって、村の中にあるし…… もしバッタリ会っちゃったら、素直にゴメンナサイって言えば許してくれるよね? ……無理かなぁ。 けど、こっちだっていつまでも草束抱えてウロウロするわけにもいかないじゃない? ひそひ草や薬草、毒消し草、満月草、山彦草は便利だけど、攻撃に使えるわけじゃないし。 他は、使ってどーするの? 何に使うの? って物がほとんどで、不安だったのよ。 だからアレだけ武器を持ってるんだし、少しぐらい分けてくれてもいいよねー、って…… ……ごめんなさい、コートに帽子のお兄さん。 今度偶然出会ったら、きちんと謝って返すから。 それまで、ちょっとの間だけ貸したってことにしておいてね。 【バーバラ 所持品:ひそひ草、他に様々な種類の草たくさん(説明書付き)  キラーボウ エアナイフ ミスリルの小手 食料二人分(マリベル+アービンの分)  第一行動方針:デールが来るまで待つ 第二行動方針:エドガー達と合流/ゲーム脱出】 【現在位置:レーベの村・民家】 【アーヴァイン(HP4/5程度、疲労中) 所持品:竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) グレートソード  第一行動方針:休息/銃かボウガンを手に入れる(それまでは大人しくしてる) 第二行動方針:ゲームに乗る】 【ソロ(MP消費・疲労) 所持品:さざなみの剣 天空の盾 水のリング  第一行動方針:ヘンリーに付き添う/自分の休息】 【ヘンリー(負傷) 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 第一行動方針:傷の治療】 【現在位置(共通):レーベの村・宿屋】

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