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*第258話:正義
(良かった…アグリアスさんは生きてるんだ)
放送によって眠りから覚めたラムザは胸を撫で下ろした。
(さてと…)
全身を丸め、間髪入れずに一気に伸び上がった。
次の瞬間彼は空へと舞い上がっていた。
滞空時間中、出来る限りの周囲を見渡した。
地面に降り立ってラムザは一人で呟いた。
「民家が連なっていた…レーべの村だな…」
放送によるとその村にも旅の扉は開くらしい。
扉の周辺をうろついていれば仲間になってくれる人が見つかるかもしれない。
(一先ずそこを目指そう)
アグリアスにもそのうち会えるだろう。
アグリアス…オヴァリア王女…ディリータの顔が浮かんだ。
(ディリータならどうするかな…)
彼なら、恐らくどんな手段を使ってでも生き残るだろう。
もし、それが盟友のラムザであっても、ディリータは躊躇い無く殺すに違いない。
彼をそのような人格に豹変させたのはラムザ自身の所為でもあると、
ラムザは未だにそれを引きずっていた。
ゲームが始まって結構な人数の人が死んでいる。
こんな狂った行為何としてでも止めてやる、ゲームに乗っていない人も
僕が守ってみせる。
自らの正義ゆえに歴史の影に葬り去られた彼は、再びその正義に自分を支配された。
(マーダーもなるべくは殺したくは無い…しかし悠長な事も言ってられないからな)
獅子戦争を潜り抜けた彼はもう“甘ちゃん”ではなかった。
交渉が出来る状態であれば、話術によってマーダーすら仲間に引き込む
事は出来るだろうが、その前に殺されてしまっては元も子もない。
ジャンプで逃げるか…或いは殺す。
それに、戦闘を続けながらでも話術は展開できる。
イヴァリースで身に付けたリアクションアビリティの“白刃取り”は狙撃すら受け止める。
自分はそうやすやすと死にはしない。
仲間を探すにあたって
この期に及んで単独行動をしているのは、マーダーと勘違いされるかもしれないという
不安があったが、その不安を話術によって取り除く自信はあった。
仲間に出来るほど戦闘能力の秀でた者でなくてもいい。そういう場合は
彼らを守る。
何にせよ動かなくては。
彼の腕のブレイブブレイドの刃が輝き始めた。
【ラムザ(話術士 アビリティジャンプ)
所持品: アダマンアーマー ブレイブブレイド
第一行動方針:レーべに行く 第二行動方針:仲間を集める。マーダーも一応説得するが話が通じなければ殺す
最終行動方針:ゲームから抜ける、もしくは壊す】
【現在位置:レーベ東の森の最東端→レーベへ】