15話

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*第15話:精霊と勇者と ロトの勇者、アレフは洞窟の中、今正直に迷っていた。 なぜなら彼の目前に―――― 「お願い!力を貸してくれないかな??」 そう、もこもこした物体が自分に話し掛けてきたのだ。 可愛い外見で、とてもこのふざけたゲームに乗っているとは思えない。 しかし、人間ではない、もしかすると襲われるかもしれない。 そうやって、支給武器の小手を装備しながら、対峙していた。 素手という不利な条件の中彼は一時も物体から意識を離さなかった 「言え、用件を言え。」 と重く答える。 そして、その奇妙な物体は泣きそうなで答えた。 「テリーっていう、僕ぐらいの小さな青い帽子を被った子を探してるんだ、彼がいないと、タイジュは――――」 突如、そこでその物体は言葉を切る。 そして、迷いを振り払うかのごとく首を横に振った。 「ううん、なんでもないよ。とにかく力を貸してほしいんだ!お願い!僕のこれならあげるから!」 と、その物体は頭を下げ始めた、ペコペコと。 それと同時に、アレフの目の前に剣と鎧が落ちてきた。 (敵意は無い、ならば――――) と彼は、腕をぶらりと下げ、警戒を解いた。 「事情はわかった、そのテリー君というのを探してあげよう、僕も探さなければならない人がいる…」 そう、彼もこのゲームに巻き込まれた、ある人物を探しているのだ。 それは、ラタドーム城の姫、ローラだった。 「この剣は使わせてもらうよ、でもこれはどうも僕の腕には填まらない、君が使うといいよ。」 と言って、一つの腕輪を投げ出した。 それを拾い、その物体は笑顔で答えた。 「ありがとう、アレフ!僕はわたぼう、よろしくね!」 そして、握手を交わしたのである。 アレフは知らなかった、このわたぼうと名乗るものがタイジュという国の精霊で、魔王を遥かに上回る力をもつことを。 【アレフ 所持品:メタルキングの剣 刃の鎧 クリスタルの小手 【わたぼう 所持品:星降る腕輪  第一行動方針:テリーとローラを探す】 【現在地:いざないの洞窟最深部】

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