7話

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*第7話:天然僧侶と凶悪僧侶 ナジミの塔の最上階にて、一人だけ空気の違う人物がいた。 「どこに飛ばされるかと思ったら…なんだ懐かしいアリアハンじゃないですか」 そう、何の緊迫感も無い声でおっとりの述べていく。 かつて、勇者と共に冒険したとは思えないほどの緊迫感の無さである。 しかし彼女こそが、正真正銘、あの勇者と冒険した僧侶フルートなのだ 「えっと、何をするんでしたっけ。……そうでした、武器を確かめるんでした。」 そういって、彼女は袋の中から武器を取り出した、中から出てきたのは、剣とマフラーの二つだった。 「綺麗な剣ですね…軽いし、やっぱりこの剣は扱いやすいですね  そしてこのマフラー、とっても暖かいです、少し寒かったから丁度良いですねぇ」 相変わらずおっとりとした口調で喋っている 剣の方は、不思議な妖力を持つ草薙の剣だった、彼女も一度手にしている。 マフラーのほうはとても暖かく、体に丁度良かった。 しかし彼女にとっては、只の防寒具としか思っていないこのマフラーが、伝説の防具をも上回る防御力を誇ることを、彼女は知らない。 「さて、元通りのアリアハンですし、ご飯でも食べますか。」 と、ザックの中からいそいそと食事を取り始めた。 塔の地面に綺麗に並べられたパン、フルートはそれを黙々と食べていた。 パンを綺麗に食べ終るその少し前、背後から迫る剣があった。 「あのときの恨み!おぅりゃあ!」 その威勢の良い声と共に現れたのは、盗賊カンダタ。 一度フルート達勇者に、懲らしめられている。 そして、改心したはずだが今になって復讐心が湧いてきたのだろう。 しかし、フルートは以前食事を続けている、何の警戒も無い…かに見えた。 剣は刺さった、だが深くない、そして…フルートのほうを見ると…? 「…てめェ……人が気持ち良く飯を食ってるときに邪魔すんじゃねぇよ!オラァ!」 と、いきなり強烈な罵声がカンダタを襲った。そう、フルートは強烈な二重人格なのである。 普段は天然とも言えるボケキャラだが一度キレると取り返しがつかなくなる、かつて勇者も手を焼いていた。 「う、うぉぉぉぉっ?!」 易々と剣を跳ね返されるカンダタ、そのまま反撃へ映ろうとするが…。 フルートは早かった、何せ元武闘家、素早さはかなりある。 そしてカンダタの腹に草薙の剣が斬りかかる、とんでもない速さで何回も斬り付けている 傍から見れば、これは完全に楽しんでいる、虐殺だ。 しかし、フルートの表情は怒り一色だった、理由は簡単。「食事の邪魔をされたから」 カンダタは、その猛攻を受けひとたまりも無く後ろによろめき頭から落ちていった。 頭から着地したカンダタは、砕けた頭から血を流しながら、薄れ行く意識の中で、彼はこう、呟いた。 「やっぱりやめときゃよかった」と。 戦闘の後、彼女は元の人格に戻った。 「あら?私は一体…ひゃあ、剣に血がついてるじゃないですか!」 それを自分がやったとも知らず、フルートは慌てふためいている。 しかし、一定時間の後、落ち着きを取り戻し、パンの最後のひとかけらを食べた。 その後、塔から真下を見下ろしてみた。 「おや?あそこに人が…会って見ますか」 そうしてフルートは、塔から走って降りていった。 【フルート(DQ3僧侶、元武闘家) 所持品:草薙の剣 スノーマフラー  行動方針:塔の下の人と会ってみる】 【現在位置:ナジミの塔最上階西側】 【カンダタ 死亡】 【残り 136名】

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