55話

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*第55話:偉大なる父親たち 深い森の中を行く男が一人。 「やれやれ…。まだまだ隠居とはいかないようだな…」 神龍の力によって、黄泉の国からこの世へと舞い戻ったオルテガだ。 その後はアリアハンで平和な生活に身を置きながらも、日々の鍛錬は怠っていなかった。 彼の脳裏に浮かんでいたのは、息子アルスのことであった。 この腐ったゲームを破壊するためには、アルスとの合流が最優先と判断したのだ。 息子の実力であれば、ゲームに乗った相手に襲われてもそう簡単にやられはしないだろう。 それまでは自分も何としても生き残らねばならない。 もちろん、オルテガ自身も、かつて地上最強の漢と謳われた勇者である。その力は今でも衰えてはいない。 それに――。彼には「切り札」ともいえるアイテムがあった。 「まさか、再びこれを使わなければならない時が来るとはな…」 前方に気配を感じたのはその時だった。右手に持った斧を構えなおす。 「――私はこのゲームに乗る気はない。だが、君が乗るというのであれば…ここで倒さねばならぬ」 よく通った声でオルテガは語りかけた。それに答えるかの様に、物陰から人影が姿を現す。 年はオルテガと大差ないだろうか。ワイルドな身なりであるが、それでいて気品と風格を漂わせた男、パパスである。 「…私も乗る気はない。お互い考えることは同じであるようだな」 パパスはオルテガに近づき、右手をさしだすと続けた。 「私の名はパパス。このゲームから抜け出すためには、私一人ではできることにも限界がある。  貴公、なかなかの実力者と見た。力を貸してくれぬか?」 「……パパス殿と言ったか。私はオルテガだ。私の力でよければ一向に構わんッッ!」 パパスの手を取るとオルテガは力強く答える。 そして、ここに正義に燃える親父タッグが誕生した。 【オルテガ 所持品:ミスリルアクス 覆面&マント  第一行動方針:アルスを探す 最終行動方針:ゲームの破壊】 【パパス 所持品:パパスの剣 ルビーの腕輪  第一行動方針:仲間を探す 最終行動方針:ゲームの破壊】 【現在位置:レーベ南の森】

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