5話

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*第5話:不可抗力とお人よし 悪魔の作為か、神のいたずらか。 旅の扉を潜った青年を待ち受けていたのは、はるか下方に広がる茂みであった。 「え? え、お、おおおおおおい!?」 一瞬の浮遊感が身体を包む。実際は落っこちていたのだが。 拡大する地面、バランスを取ろうとするも間に合わず、頭から草むらの中へ―― ――遠くから聞こえてくる若者の声。「もしもし」――「あのー」―― ああ、と彼は薄れる意識の中でため息をついた。 このまま自分は死ぬのだろうか。気絶した男なんて、殺し合いでは格好の獲物だ。 相手がよほどの馬鹿なお人よしでもない限り、このまま止めを刺される。 はは、なんて間抜けな死に方だろう。一生の笑いものだ。その一生ももうすぐ終わるだろうが。 ああ。せめて、死ぬ前に愛しい妻の料理をもう一度食べたかった。 アイツとパパスさんに会って一言話したかった。 それから、デールのことも気がかりだ。あいつは今一つ気弱で頼りないから。 そういやピエールのやつ元気してるかなあ。最後に会ったの八年前だっけ。 そうそう、コリンズにザリガニ釣り連れて行ってやる約束があったなあ。どうしよう。 そういえばアイツの子供たちの誕生日が近いとか言ってたな。プレゼント買ってないぞ。 あと、よく考えたら俺たちの結婚記念日ももうそろそろだったような…… (なんなんだ、この人ーッ!) ソロは、焦点の合わない瞳で延々呟き続けている青年を見下ろしていた。 彼は元々、困っている人を見過ごせない性格の持ち主である。 世界を見通す竜神からも、魔界を統べた王からも、今時珍しいぐらいのお人よしと評されたほどである。 広間での無残な殺戮を見せ付けられてなお、殺し合いに乗る気が全く起きないどころか 一人でも多くの人を助ける方法を探そうと考える。彼はそういう人間だった。 だから、青年が旅の扉から中空に放り出されたのを見て慌ててやってきたのだ。 だが、そのソロでさえ助けるべきかどうか躊躇する。 それほど青年の姿は異様で、電波じみている。 (なんかやばい。逃げたほうがいいような気もする。だが人として、怪我人は助けるべきだ。  でも正直関わりあいたくない、でも頭を打った人を見捨てるというのも……) 悩んで悩んで悩みぬいた末、ソロはようやく決断を下した。 「……よし。頭の傷だけ回復してあげて、すぐに逃げよう」 ――それでいいのか、天空の勇者よ。 【ソロ(DQ4勇者) 所持品:不明  第一行動方針:仲間と合流 第二行動方針:一人でも多くの人が助かる方法を探す】 【ヘンリー 所持品:不明 状態:混乱(軽度、放置で直る)  第一行動方針:知り合いに会う】 【現在地:レーベ近くの茂み】

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