193話

第193話:今日のところは


デールは、ヘンリーの下から撤退した後、近くの山間部の方向へと走っていた。
疲労がたまるので、別に馬鹿正直に山間部に行こうとは思わない。
しかしその近くまでは行く予定だ。灯りも無い場所は潜伏が容易だからだ。
だが……

「もうすぐ尽きるのか?」

愛用していたマシンガンの残り弾数に気がついたのだ。
見るともう1/3ほどしかない。これではしばらく長期戦など無理だ。
アラームピアスがあるが、やはり心強かったこのマシンガンに不安があるのは頂けない。

「この武器も、少しはしゃぎ過ぎたかな……」

銃弾を補給したいが、レーベの村に戻るのも危険だ。
というか、この世界には銃弾というものが無いのかもしれない。
デールも説明書を読んで理解しただけだ。ラインハットと同じような技術力で、こんなものがあるとは考えにくい。

「まぁいい。今の僕に出来ないことは何も無い。この刃物だけでも十分壊せる」

それに、同じような弾を持っている人間もいるだろう。
ならば奪ってしまえば良いだけだ。

「まずは思案だ。明日の朝に使える良い策を考えなければ…」

そう呟いた後、デールは止まった。
これ以上の疲弊は危険すぎる。それに狙い通り、山間部には近い。

闇の中に、ただ、ただ、紛れることにした。
その顔に…冷たい笑みを浮かべて。

【デール 所持品:マシンガン(残り弾数1/3)、アラームピアス(対人)、ひそひ草、アポカリプス+マテリア(かいふく) リフレクトリング
 第一行動方針:闇に紛れて夜を過ごす 第二行動方針:皆殺し(バーバラ[非透明]とヘンリー(一対一の状況で)が最優先)】
【現在位置:レーベの西の山間部付近】

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最終更新:2008年02月17日 23:22
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