70話

第70話:竜王の側近の決断


これは一体どうした事か。

 先程まで感じていた竜王さまの力を感じぬ…


 ―――理由は大体判る。ニンゲン達と戦い、敗れたのだろう…
  竜王さまが我等魔物の王であるとはいえ、此処に集められた者も歴戦の戦士達が多いようだ。
  現にこの地にはロトの力を複数感じる。竜王さまが敗れる事があっても不思議では無い。


 ……竜王さまが目覚めたのならばお会いしたかったものだが、それも叶わぬ願いか。

我の目的は潰えた。
生き残る気もない。
後はこの地で死を待つのみ。

「まいったな。まさか支給品がこんなのだなんて…」
イザの袋の中に入っていたのは3本の剣。
1つ、黄金に光り輝く脆そうな剣。
2つ、これぞ騎士剣、といった感じに見えるが、何故か全く切れない剣。
3つ、常識を超える長さを持つ刀、っぽいオモチャ。
どう見てもハズレな武器を掴まされたイザは落胆しながらも海底通路を進み、
そして自分の目の前に何かの影を見つけた。

「あれは…、ドラゴン…!?」
目の前に見えるそれは明らかに魔物。
今までに一度も見た事のない魔物だが、一目でドラゴンだとわかった。
ドラゴンも自分に気付いたのか、こちらを見据えている。
戦闘は避けられないと感じ、イザは金色に輝く(正直役に立ちそうにない)剣を持ち、構えるが。

「ニンゲンよ、我を殺すがよい」
ドラゴンから放たれた言葉は、イザが全く想像していなかったものだった。
「戦う気は無い。我も竜王様と同じく永い眠りに就こう」
その言葉を聞くと、イザは剣をザックに入れ、無防備な状態でドラゴンに近づく。
「何のつもりだ?」
「敵意がない相手から命を取るような真似はしない。それよりも何故殺せだなんて…」

「…我にする事はもう無い。ここで死を待つだけだ」
「なら、僕に協力してくれないかい?」
「……」
どっしりと構えるドラゴンに向かい、イザは語りかける。
「このゲームを抜け出したい。その為にあなたの力を貸して欲しい」

ドラゴンはイザに向かってゆっくりと語りかける。
「このゲームを抜ける、か。
 それにはあの強大な力を持った魔女を倒す必要があるのだぞ?」
「だからこそ参加者達が協力する必要があるんだ。殺し合いなんてしている場合じゃない。
 皆で力を合わせれば何とかなるはずさ」

―――ニンゲンとの協力。竜王さまが何と言うかは判らぬが、それもまた一興かもしれぬな…。
「いいだろう。御前に協力しよう。
 我はドルバ、竜王さまに仕えし竜の生き残りだ」

【イザ(DQ6主人公) 所持品:きんきらの剣、エクスカリパー、マサムネブレード
 行動方針:同志を集め、ゲームを脱出する】
【ドルバ(ドラゴン) 所持品:不明
 行動方針:イザに協力する】
【現在位置:海底通路(ナジミの塔への階段付近】

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最終更新:2008年02月17日 23:34
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