475話

第475話:闇に生まれる


暗い暗い暗黒の洞窟。
その闇の中でスミスはゆっくりと目を覚ました。
昼間のブオーンとの戦いから既に6時間以上の時間が過ぎ去っている。

「ふぁあ~~よく寝た」

そういってスミスはゆっくりと身体を起こした。

「あれ?」

そして自分の身体の違和感に気付く。
身体は以前より幾分も巨大になり、濃紺の鱗に覆われていた。
折れた翼は完全に再生され漆黒に染まっている。

「これは一体……あの爺さんを食べたせいかな?」

その通りだった。
古の大魔導師ノア。その強大な魔力を受け継いだドーガ。
スミスはドーガの身体を食事という形で体内に取り込むことでその魔力を吸収したのだ。
そしてその魔力はスミスをより強大な存在へと変態させた。
その姿は世界によっては「闇のドラゴン」と呼ばれただろう。

「まあいっか。強くなったみたいだし不便はないよね」

あっけらかんとスミスは自身の変化を受け入れると洞窟の外に出ようと足を踏み出した。

「あいたっ!」

全身に激痛が走り、スミスは再び身体を伏せる。
ブオーンの痛恨の打撃の後遺症と強引な変態による影響によって
スミスの身体は未だ満足に動ける状態ではなかった。

「う~ん、自由に動けるようになるにはもう少し休まないと駄目だなぁ」

彼個人としてはなるべく早くゲームに復帰したかったのだがこの状態で無理に外へ出ても
何も出来ないだろう。
すぐに殺されるか満足に動くこともできず放置されるだけだ。

「仕方ないね」

恐らくカインとの約束の時間も既に過ぎ去っているだろう。
手遅れならばカインには悪いが無理に急ぐ理由もない。
スミスは諦めると再び目を閉じた。
次に目覚める時こそゲームに復帰する時。
その時はこの新しく手に入れた力で自ら殺しに行ってもいいかも知れない。
そんな事を考えながらスミスは自身を回復させるための眠りに落ちていった。

そして闇の洞窟の中に動く物は再び無くなった。
しかし、確実に一つの脅威が産声を上げていた。

【スミス(HP1/5 変身解除、洗脳状態、闇のドラゴン)
 所持品:魔法の絨毯 ブオーンのザック
 第一行動方針:眠り、身体を癒す
 第ニ行動方針:身体が癒えたらカインと合流する
 行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】
【現在地:封印の洞窟 地下1F】

※スミスはドラゴンライダーから闇のドラゴン@DQ7へと変化しました。
 全体の能力がアップしましたが、巨大になったため飛行速度が若干減退しました。
 ・激しい炎 ・氷の息 ・かまいたちの3つの特技を新たに使用できるようになりました。

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最終更新:2008年02月17日 23:57
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