106話

第106話:爆発と影と


ふわりと橋のすぐ傍に着地する竜騎士フライヤはボーっと空を見ていた。
(―わしは…このゲームで生き残ることが出来るのじゃろうか?)
ふと、袋の中に入っていた剣と形を持たない盾のようなものを見て思う。
このゲームに勝つには人を殺して最後まで生き残らねばならない。
それが敵なら容易に出来ただろう、ただこの中には仲間が居る。
彼らを殺すことは出来るだろうか?いやできない……。
「一体…どうすれば良いのじゃ…」
すると、彼女の後ろあたりで爆発が起こった。それと同時に走り去る一つの影。
…彼女はとりあえず爆発のあった方向へ向かった。
途中、紫の血を流した人間とすれ違ったが、それよりも爆発のあった先へ向かった。

「おい!御主等!大丈夫か?!」
フライヤは白いローブを纏った女性と、緑のフードを被った青年の元へ走った。
青年は刀を構えていたが、剣が転がる音を聞くと、刀の構えを解く。
「あ、あの…すみませんが、少しの間だけ廻りを見ておいてくれませんか?」
女性がそういった、どうやら暗闇に包まれているようだ。
ゆっくりとゆっくりと、魔法を唱えていく…すると三人を明るい光が包んだ…。
「ふぅ…魔力に制御が掛ってるみたいですね、少し手間取ってしまいました」

女性は落ち着いた表情でフライヤに言った。すると、青年が今度はフライヤに問いつめた。
「あ、あの…有難うございます。
 ところで…金髪の王子様っぽい人とか、綺麗な女の人とか、頭巾を被った女の子…見ませんでした?」
首を横に振りながら答えるフライヤ。その声は少し暗かった。
「いや…わしが見たのは赤いローブを纏った老人だけじゃった。
 それにわしは何もやっておらんぞ?」
その答えに青年と女性は顔を一瞬落とす。だが、女性は次にふっと顔を起こす。
あの剣を受け止めたのはこの人じゃない、赤いローブ?老人?…じゃあさっきのは…?
「すみません、その方はどちらへ向かいました?」
女性がフライヤに問う、するとフライヤは川の方を指差す。
「ところで…もしよかったらわしも連れて行ってくれんか?
 一人より三人のほうがいろいろと得もあるじゃろうし…」
弱気に呟くフライヤだが青年と女性はニコリと微笑み手を差し向けてくれた。
「もちろん!二人だと結構心細いし、大歓迎さ!
 僕はフィン、宜しく!」
「え、と…援護しか出来せんが……宜しく御願いします、アルカートと言います」
フィンは意気揚々とアルカートはぺこりと一礼で、フライヤを快く受け入れた。
ほっと安心したフライヤは、二人にこう言った。
「わしはフライヤ…ところで御主等、あの老人を追うのではないのか?」
あっ、と言われて気づくアルカート、そして、指差された方向へ走っていった。
フィンとフライヤは顔を見合わせ、走り去るアルカートを追った。

【フライヤ 所持品:アイスソード えふえふ(FF5)
 第一行動方針:アルカート達と行動を共にする  第二行動方針:仲間に会う】
【アルカート 所持品:ナッツンスーツ グラディウス 白マテリア(ホーリー)
 第一行動方針:ドーガを追う  第二行動方針:ジオを探す
 第三行動方針:白い球体について研究する】
【フィン 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)
 第一行動方針:アルカートを追う  第二行動方針:仲間を探す】
【現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原】

【ドーガ(負傷)  所持品:不明
 行動方針:ギルダーを追う】
【現在位置:アリアハン北の橋からすこし東の平原>大陸中央の川へ】

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最終更新:2008年01月26日 18:20
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