FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 549話


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第549話:初心思い出して

カズスは思ったより静かだった。相変わらず風の音はしていたがな。
まあそれが分かるくらいには静かだったってことだ。
はじめは待ち伏せされてるんじゃねえか、と思ったわけよ。
待ち伏せ自体は卑怯でもなんでもねえけどな。俺もよく使ってたし。
やつもどうせどっかに隠れて後ろから奇襲してくるんだろ、
その手は食わないぜ、ってな感じで慎重にカズスを進んでいたわけだ。

カズスの荒れようのひでえこと。焼かれたムーアの大森林だってここまで荒れちゃいなかったぜ。
大穴の開いた地面。崩れた家屋。黒コゲの木々。小洒落た表現をすりゃあ、草一本生えなさそうな不毛の土地ってか。
身を隠すところはほぼ無かったが、壁の影、泉の中、あとは鉱山の入り口か。
やつらが隠れそうな場所はこれくらいしかなかった。
やつらは翼なんかないし、レビテトの上位魔法なんて聞いたことがねえ。
スミスが空から見渡してみたらしいが、やっぱり誰も居なかったようだしな。

ちなみにスミスはカズスに着く前に、ちょっとの間なら飛べるくらいに回復しておいた。
今朝使ったときは集中できないせいかと思っていたが、本当に回復量は減ってやがった。
それでも魔力を惜しまずに治療してやったわけよ。そしたら、へ~ぇ?って反応がきたけどな。
そんなに俺が魔法を使うのはおかしいかと聞いたら、脳筋だと思ってたとかほざきやがった。
あいつ曰く、肉弾戦のプロって意味があって、戦士にとっての褒め言葉らしいが、本当かぁ?
とにかく、人を外見だけで判断するのは未熟だって諭してやったら、アンタ人じゃないだろって返されて、
いつの間にかうやむやにされちまった。魔族こそ見た目で判断したらダメだと思うんだがなあ。

初めにスミスが持ってきた情報だと、
カズスにはフリオニールの他にレオンハルト、覆面男と大剣の剣士が居たってことだった。
さすがにそれだけの人数が壁の後ろに隠れてて空から見つからないわけがねえし、水の中も長時間は無理だ。
土の中ということもあるが、普通の人間数人が痕跡無しに地面に潜れるか?
思えば向こうがこっちに気付いてる可能性自体が低いわけだ。
つまり、やつらはどっかで夜を過ごしてる、ならもう鉱山の中しかないだろうって思って、
というかスミスにそう言われて、抜き足差し足忍び足ってな具合に敵地に潜入したわけだ。

ちなみにスミスは鉱山の外で見回りをすると言って、入っては来なかった。
だが、結果は残念すぎるものだった。内部で二人死んでいて、
フリオニールたちがいるのかと思ったが、奥はもぬけの殻。
いや、ここに来てすらいなかったのかもしれないが、それは俺には分からねえ。
鉱山って割にはあまりに短かったんで、変だと思ったら壁に隠しスイッチ。だが、その先にも誰もいない。
結局何も見つからず、鉱山から出たところで俺は突如スミスに絨毯に乗せられた。
着いた先は村はずれの一角。そこにあったのはたくさんの死体だったな。
五人死んでた。軽装の女、赤髪の女、半裸の男。そして、フリオニールとレオンハルト。

見た瞬間に、全身の力がスッと抜けていった。
あの感情は、がっくり、というようなぬるいものじゃなかったな。
気がついたときには両膝を地に付けて、大きなため息をついてた。
俺今何しているんだっけという疑問が頭ん中をめぐってた。
神様のいたずらとは思えなかったな。神様に俺の生き様を否定された感じだった。
他のやつらは人を助けたり、ここから逃げる方法を考えたり、
そうでなけりゃどうやって勝ち残るかを考えたり、とにかく前に向かって行動してきてる。
そんな中で俺はこの半日、仲間の仇を取ることだけを考えて、意図的に他のやつらを避けてきたんだ。
だが、仇を討ったあとにどうするのかは全く考えてなかった。
半日かけてフリオニールを探し回って、やっとのことで尻尾を掴んだと思ったらこのザマだ。
俺と戦う前に向こうが勝手にくたばっちまってるなんて思いもしなかった。
どうして間に合わなかったか? どこで見当を違えたか? あまりに楽観的すぎたのではないか?
後悔はいくらでもできたが、だからといって何か行動しようという気にはなれなかった。
もう死んじまった相手に攻撃しても、その時点でただただ虚しいだけと分かってた。
色々と自分の中にあった熱も冷めちまってたんだな。完全に方向を見失って、しばらく途方に暮れていたんだ。

あのあと、俺が何十分うずくまってたのかは分からねえ。
スミスがしばらく何か言ってたが、生返事しかしてなかったと思う。
そんなわけでスミスが業を煮やしたのか、俺に問いかけてきたんだ。
初めここに降り立ったとき、俺が何をしようとしたのか思い返せってな。
俺がこの会場に降り立ってすぐに考えたのは、主催者をぶっ飛ばしてやろうってことだった。
だが、どうやってあの主催者のヤロウのところへ行くかが思いつかなくて、
適当に歩いてたら殺し合ってるやつらがいた。殺し合いを止めようと思ったのか、それとも助けようと思ったのかは忘れた。
とにかく二人の戦いに乱入して、これをきっかけにわるぼうに会い、サリィに会った。

最初に何をしようと思ったか。
俺はなるべく犠牲を減らそうと、殺人者を止めようと動いてたってことだ。
そしてスミスはこうも言った、サリィもわるぼうも、俺の行動が正しいと感じたからこそ一緒に付いてきたんだと。
なら、何も悩む必要はない、最初にやったとおりのことを目指せばいいと。
神様は生き様を否定したんじゃなくて、復讐に走る俺を元の正しい道へ連れ戻してくれたんだと。

フリオニールとレオンハルトの裏切りで、仲間を失ったことが尾を引いているんだろう。
初対面の相手を信じることはまだ出来そうにない。
だが、積極的に人を殺してるやつらを討つことならできる。
少し元気が出た気がした。俺の手で仇を取れなかった後悔はまだある。
だが、今前を向いて歩くことは出来ると思った。

フリオニールとレオンハルトの他に死んでた三人の名前はユフィ、バーバラ、オルテガらしい。
オルテガっておっさんはどこかで見たことがあるような気はするが、思い出せねえ。
こいつらはここで、おそらくフリオニールらに殺されてたのをスミスが弔ったらしい。
遺品らしい剣、斧、杖はいただいた。正直、武器が頼りなかったのでありがたい。
ユフィの遺品は使える自信がなかったので放置した。

フリオニールとレオンハルトには仲間がいた。レオンハルトはともかく、フリオニールの表情。
この恨みはらさでおくべきかなんて顔をしてやがった。
スミスに意見を求めたら、仲間に裏切られでもしたんじゃないかとのことだ。
だから覆面野郎がラグナロクを持ってたんだ。動機もラグナロクが欲しかったから、かもな。
フリオニールと組んでる時点でクソ野郎だが、その覆面野郎と大剣も相当なクソ野郎なようだ。
それから、スミスが翼を斬られたっていう銀髪の剣士。ひとまずこいつらの討伐を目的とすることにした。
さて、覆面と大剣だが、どうも俺たちがカズスに着いたときにはもう北へ向かってたようだ。
俺が鉱山で迷って、ここでぼうっとしていたから、数時間の差をつけられてしまった。
追っていくのもアリだが、まもなく放送の時間だ。
旅の扉に間に合わなくてボンでは話にならない。ひとまずは放送を聞くとしよう。
……バッツ、レナ、カイン、お前らの名前が呼ばれないことを祈る。

【ギルガメッシュ(HP3/5程度、少々人間不信)
 所持品:厚底サンダル 種子島銃 銅の剣 デジタルカメラ デジタルカメラ用予備電池×3 ロングソード ミスリルアクス
 変化の杖 りゅうのうろこ 波動の杖
 第一行動方針:放送を待つ
 第二行動方針:アルスらを倒し、ラグナロクを取り戻す
 基本行動方針:殺人者の討伐】
【スミス(HP1/3 左翼軽傷、全身打撲、洗脳状態、闇のドラゴン)
 所持品:魔法の絨毯 ブオーンのザック
 第一行動方針:ギルガメッシュを利用する
 第ニ行動方針:カインと合流する
 行動方針:(カインと組み)ゲームを成功させる】
【現在位置:カズスの村】