105話

第105話:療養


森の中、普段はのどかな川のほとり。そこで、ギルダーは木にもたれかかり、必死で荒い呼吸を整えていた。
彼の通った後を、点々とピンク色の水が汚している。水に溶けかかった血の色だ。
「…はぁっはぁっ、…げほっ… ……」
…苦しい。意識がぼんやりする、眠い。しかし、もちろん眠るわけにはいかない。
何とか目を開けて、傷口に手をあてがいながら回復魔法の詠唱をする。ますます体力が減るが、まず傷を治さなくては。
傷自体はそんなに酷くないのだが、水の中に入った事で必要以上に血が抜けてしまい、体力をかなり消費してしまった。
…そのせいか、上手く魔力が高められない。ケアルラ三回でやっと傷口がふさがった。

(俺を追ってくるだろうか…ドーガ)
ふと、思い出す。…まさか、剣を素手で受け止められるとは思わなかった。ライトブリンガーには紫の血液が付着している。
クリスタルの力を決して悪用してはならないとはよく言われた。ドーガは道を踏み外した自分を、殺すのだろうか。
おそらくは…そうだろう。次も逃げられるとは限らない。遭遇しないように気をつけなくては。

空の色が変わり始めている。日没が近い。とりあえずマントを手ごろな木に引掛ける、気温の下がる前に乾かさなくては。
…夜が明けるまでは、ここでじっとしていよう。ここなら身も隠せる、下手に動くよりは安全だろう。

【ギルダー(MP大幅消費・疲労) 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×3・ミスリルボウ
 行動方針:夜明けまでは身を隠し休息 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】
【現在位置:アリアハン東山脈中央部の森・川辺付近】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年02月05日 04:59
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。