FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 31話


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第31話:アリアハンの攻防


アリアハンのある民家の中で、ぼさぼさ髪の青年が独り佇んでいた。
彼、バッツは浮かない顔で手に持った一本の短剣を見ている。
「やれやれ…」
ため息をついたけれど、それを気にかけてくれるものは誰もいない。
短剣の名はチキンナイフ。持ち主の臆病さに呼応して強くなるというなんともひねくれた武器である。
極度に臆病になればその強さは計り知れないものの、その威力に強気になれば弱くなる。
そのうえ普通に斬りつけようとすると体が反射的に逃げ出してしまうという、あらゆる意味で伝説の武器といえる。
また、もうひとつの支給品は妙なトリガーのついた剣だ。
説明書にはGun Bladeと書いてあり、どうも剣と銃のあわさったようなものらしいが、
試し切りをした感じでは使いこなすにはまだ修練が必要のようだった。
二つとも実戦で使うには頼りない。
バッツはナイトにジョブチェンジしながらも、アビリティとして黒魔法の他にかくとうをつけた。
これならば、最悪素手でもかなり戦えるという寸法だ。
回復に関しては先の道具屋らしき場所で、やくそうやどくけしそうを一通り手に入れた。
ひとまずは万全といったところか。
落ち着いたところで名簿を取り出す。もう何度も見た。
そこには馴染みのある名前がいくつか並んでいた。
「クルルとレナがいることは知ってたけどなあ」

クルルはバッツよりもはやく呼ばれ、レナは偶然というのか、初めの場所ですぐ側にいた。
それが幸運なのか不運なのかはバッツにはわからなかったけれど、
あの場で気心知れたものと話せたのは少なくとも特異なことではあった。
まわりが張り詰めた空気の中黙っているのに対し、二人はある程度は心が和らいでいた。
二人はひとつ、約束をした。
「なにがあっても、生き残って、また会おう」
クルルの名前が呼ばれたときは、「クルルもいっしょに」と付け加えた。
あのとき、それだけ平静でいられた。
「そっか、ファリスもいるのか。みんな揃ったな…」
ファリスが呼ばれたときレナはどんな顔をしたのか、自分やクルルが呼ばれたとき、ファリスは何を思ったのか。

みんな今どこにいるのだろうかと思い窓の外を見ても、そこは相変わらず同じ景色があるばかりだ。
天上を見る。
自分の声を聞きながら、不思議に思った。
「独りって、こんな感じだったっけかな」
そう呟くと、バッツはそれきり口を開かなかった。

静寂が続いて暫く、バッツはある気配に気づいた。
明らかに違う空気が流れ込んできている…それは戦士の勘だ。
身構える。流れを感じる。今、上流に凄まじい空気の振動が起こる!
バッツは瞬間大きく飛び退き、もといた場所には轟音とともに煙幕とかけらがたちのぼっていた。
先までみていた天上からは青空が広がり、煙の中に人が見える。
「誰だ!?」
バッツは叫んだけれど、それには答えず凄まじいスピードで相手は迫ってくる。
何とか攻撃を受け流して態勢を整え、ガンブレード――ライオンハートを手に取ると、相手は空高くに浮かび上がった。
(…竜騎士だ!)
竜騎士についてもかなり練達しているバッツは、相手の動きをまさしく正真正銘のプロのものとわかった。
(まずいな、相手は本職の槍、こっちは不慣れな武器だけだ…このままじゃ分が悪い。
 でも、約束をしたんだ…レナたちに会うまで絶対に…死ぬわけにはいかない!)
バッツはライオンハートを構えなおし、相手のジャンプを間一髪で避けた。
風圧だけでも、それが非常に大きい破壊力を有していることがわかる。

(この相手に勝つには、不意だ…不意をつくしかない!)



バッツとカインの激しい斬り合いの最中、アルスの家では――

なーんか、さっきからすごい爆音がするんだけど…。
ここでどんぱちはじめたやつがいるんじゃないだろうな…。外、見てみるか。
…はい、戦争中。
っておいおい!巻き込まれたらたまったもんじゃねえぞ。
でも首輪調べてるときにやらなくてよかったよ、
もしそのときなら集中力の凄い俺のことだからきっときづかな…ってこんなこと言ってる場合じゃないな。
荷物をまとめてさっさとずらかるとするか。
さよなら誰かの家、でもベッドの下にエロ本があったのはどうかと思うぜ――
さあて、見つからないように見つからないように…って、ん!?
前に誰か居るぞ!?誰だいったい…。
金髪で長身の男…今町からでようとしてるということは、このどんぱちに参加する気はないってことだよな。
ってことは、話したらもしかすると仲間になったりするかな。
俺弱いし、心の優しいつよーい味方がいてくれると助かるんだがなあ…
首輪の謎を解く自信だってあるしさ。
…しかし、どうも気のせいかもしれないが、あいつさっきから草に話しかけながら歩いてないか!?
もしかして危ないヤツだったりして…。話しかけない方がいいか…どうしよ…。



デッシュとエドガーの他に、この戦いを見る男がもうひとりいた。
「チッ、人が平和主義者を捜してる手前からこれかよ…」
そうそうそんな人が見つかるはずもないのだが。
気配を殺して、ローグは二人の争いを見守る。
「どうやらあの茶色い髪のほうが不利みたいだな。最初のほうなんか動揺してたし、仕掛けたのはあの金髪か」
剣は槍の攻撃を捌くのに精一杯でいまいち反撃にでられず、見ている限りこのままではじき勝負がつく。
「助太刀にでるべきか、我関せずを保つべきか」

剣と槍の重なる音がする。
二人とも相当の熟練者だ。
もし使い慣れた剣を使えるのであれば、ほぼ互角の戦いとなったであろう。
だが、今はその状況ではない。

キン、キン、キン――キィン!!

ついに剣が空を舞った。
(あーあ、こりゃだめだ。もう死ぬな)
(……)

「……クソっ!なんで俺はこう運がねえんだ!」
そう叫び、ローグが飛び出そうとしたまさにそのときだった。

ぼんっと音を立てると、刹那――火炎、ファイラがカインを包み込む。
「なっ!?」
カインは戦闘が始まって以来初めて声を挙げ、予期せぬ攻撃に驚愕の表情をする間もなく体に膨大な熱が入り込むのを感じる。
「ぐっ、ぐああああああああ!!!!!!」
絶叫。勝利を確信していたカインは、防御の警戒をまったく解いてしまっていたのだ。
そのために、ナイトの決して高くはない魔力のファイラに思いがけないダメージをうけてしまっている。
態勢を整える暇もなく、素手のままバッツはカインに殴りかかった。
その一撃はナイトの体術といったレベルではなく、モンクの専門がもつ技にほかならなかった。
(こいつ、魔法が使えたのか…!そしてこの体術…一端の戦士じゃない!)
カインはなんとか間合いをとり、槍を再び構えた…が。
「うぐっ…!」
「えっ?」
何もしていないのにカインは前にのめりこみ、その先にはみたこともない男がいる。
「だ、誰だ!」
「俺はローグ。助太刀に入ろうと思ったんだけど…なんか必要なかったみたいだな。
 まさか魔法が使えるなんてねえ。隠し玉かい?うまいな、俺までしてやられたよ」
バッツは戸惑いの色を隠せない。
「ま、それより今はこいつをどうするかだな」
「あっ」
カインはうつ伏せになったまま動かない。
「死んだのか?」
「いや、気絶してるだけさ。でもほっとくわけにもいかな…うわあっっ!!」

氷の矢がローグを掠めた。反射的によけなかったら直撃していたところだ。
彼が盗賊で、抜群の反射神経をもっていたことが幸いであった。
「な…なんだ!?」
ローグはそう叫ぶと、氷の飛んできた先をみる。

そこには緑髪の少女がいて、こっちを睨んでいる。
「あなたたち!カインになにをしたの!?」
(こいつカインっていうんだ…)
名前を聞いたのに答えてくれなかったので、バッツは実のところ少し気になっていた。
「ってそうじゃない!おまえはこのカイン?とかいうやつの知り合いか!?」
バッツがそう叫ぶと、リディアが答えるまもなく呻くような声が下からきこえた。

「リ…ディア」
「なっ、まだ意識があったのか!」
「カイン!大丈夫!?」
「…お、れに……構うな!!」
カインは瞬時におきあがり、負傷をものともせず猛烈なスピードでその場を飛び立った。
バッツとローグはあっと声をあげたけれど、振り返ったころにはもう姿は見えなかった。
まずは近くに隠れ、そのまま移動したのかもしれない。

「え?ちょ、ちょっと!」
助けようとしたのに、カインは自分を見ると急にいなくなってしまった。
わけがわからない、という表情をするリディアにバッツは肩をすくめて言った。
「リディア?だっけか、なんだかよくわからないけれど…多分あいつ、ゲームにのってるぜ?」
リディアは寸時躊躇った。
「知り合いみたいだし信じられないかもしれないけどさ…
 殺し合いをする気がないなら、とりあえず話し合わねえ?」
暫くの間、その場に沈黙が流れた。

【バッツ 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:ローグ、リディアと話す 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ(男盗賊) 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:バッツ、リディアと話す 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】
【リディア  所持品:?
 第一行動方針:目の前の事態の整理 第二行動方針:仲間を捜す】
【現在位置:アリアハン城下町中央】

【カイン(負傷) 所持品:ランスオブカイン  
 第一行動方針:逃げて、傷の回復を待つ 第二行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
【現在位置:アリアハン城下町から脱出】

【エドガー 所持品:ひそひ草(エドガー自身の支給品はまだ不明) 
 第一行動方針行動方針:逃げる 第二行動方針:バーバラとのコンタクト】
【デッシュ 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる)
 第一行動方針:逃げながらもエドガーに話しかけるか決断 第二行動方針:首輪の研究を試みる】
【現在位置:アリアハン城下町出口】