FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 400話


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第400話:answers


ブリザガで生み出した氷を核にドーガの魔力で作り出した氷の船。
船というよりは小型のテーブル型氷山だが、役割は十分に果たす。
長いこと封印の洞窟に隔離されていた二人はそれで大急ぎで湖を渡っていた。
湖へ飛び出してすぐ、フィンが問い掛ける。

「ねえ、ドーガさん…あの赤魔道師、ギルダー…だっけ。
 あの人はよく知っている人で、仲間だったんでしょう?」
「…ギルダー、か」
「やっぱり、戦って…やっつけないといけないんですか。
 たとえ仲間とでも、その人が他人を傷つけてしまうなら、やっぱり…」
「うむ。…ギルダーはの。かつて世界を救った光の戦士でな、
 クリスタルの力を得た者じゃ。クリスタルの力は正しく用いられねばならない。
 まさかギルダーが、こんな事があるとは思わなかったが」
「…クリスタルの力で人を殺すから、だから…?」
「…ああ、そうじゃ。だがの…、それは建前という奴じゃな。
 たとえ誰であれ、仲間であれ親友であれ道を、踏み外してしまったならば、止めねばならん。
 人を襲う様子、赤く染まった剣。ギルダーはおそらくすでに幾人か傷つけ殺めていたのだろう。
 そして、あれから、今さえも…どこかで罪を重ねつづけている、じゃろうな」

ギルダー、かつての光の戦士。
だが今は自分を見て驚愕に固まる表情ばかりが思い浮かぶ。
血に汚れたライトブリンガーを振り回す姿。何が彼を変えてしまったのか。
なんにせよ、彼を見つけ出しその真意を質さねばならぬ。
そして…おそらく否定できないのだろうが、
道を踏み外してしまったのであれば自分の手で。
時間はあったのだ、覚悟は十分にできている。
何よりもそれがこの世界への、今のドーガの解答。

他のノアの弟子たちがそれぞれ何事かを画策する中、今もドーガの心中を占めるのは一人の赤魔道師。
人に、転機に遭わなかったが故に実はすでに生命を失った一人の人物に占め続けられている。


それきり、二人とも口を閉ざし、沈黙が場を支配する。


仕方の無いこととはいえかつての仲間でさえ殺さなければならない。
生き残るために誰かが誰かを殺す、それがこの世界のパラダイム。
それはフィンの心の奥の伏流を敏感に刺激する。
マリベル、キーファ、メルビン、アルカート。既に会う事もできない人達。
彼等も誰かに殺されたのだ、一体誰に、どこで、どのように…?

省みれば自分は、何をやってきた?
他にあてもなかったし、流されるまま、なりゆきのまま
ドーガと一緒に来たけれど、誰も救えなかった。
何も知らないまま、できないままに、いつの間にかみんな死んでいた。
もし一人で行動していたら、別の道を行っていたら。
変わらなかったかもしれない。自分が死んでいたかもしれない。
それでも、もしかしたら……
選び取れなかった未来への後悔は無力感と混ざり合い、
心中一片の影となり、闇となってゆく。

まだ生きているはずの仲間たちとの再会の希望、それらがフィンの心を支えている。
でも――こんなことで救うことができるのだろうか?
また、また手の届かないところでみんな失われていってしまうのではないか?

弱い部分から際限なく湧き上がる不安、焦り、怖れ、無力感、絶望感。
この世界へのフィンの解答はまだ、無理矢理にでも希望でそれに蓋をする。



結局、話しかけるか躊躇している間に頭上の人は思いっきり自分を蹴っ飛ばして
跳んでいってしまった。痛かった。あんな脚力の人間がいるのか。
ともかく、そういうわけでやはりブオーンは隠遁に全力を挙げることに決めた。

身動き一つせず息を潜めて、来訪者をやり過ごす。
ずっと、ずっとそうやって来た。
それなりに戦える自信はある。あるけれど、積極的にやろうなんてとんでもない。
誰が死のうと関係ないし、そもそも無意味に傷ついたり死ぬなんてたくさんだ。
このままみんな全滅してくれないかな、なんて思う。
それでも最後の1人とは戦わなくちゃならないかもと考えると憂鬱だ。
それはきっととびっきりの強者だろうから。
まあ、それは…そのとき考えよう。
隠遁、潜伏、消極策。殺伐とした世界の背景に徹する、それがブオーンのこの世界への解答。

今氷の船でやって来たフードの二人組も余裕でやり過ごしてみせる。


だが、この世界での潜伏は今までと決定的に異なる点が一つあった。
湖上の島という形を選んだこと。
爽やかな湖水がすこしずつブオーンの体温を奪い続け、
それは、くしゃみという形で結実しようとしていた。
傍らを通り過ぎていく船の上から視線がこちらへ向けられている。
ここでばれるわけにはいかない。耐えろ、耐えるんだブオーン。

…無理でした。



湖を離れたラムザはアンジェロを連れ徒歩で森を南下していた。
とりあえず当面の移動目標は、地形と町の位置から見て交通の要になりそうな
森の南に広がる平原部。
多くの人が行き交う可能性が高いということは仲間を得るチャンスが多いということだ。
まあ、危険な相手に会う可能性も高いけれど。

道々考えるのは名簿にあった気になる顔。
ウィーグラフとアルガス、結局戦うしかできなかった人達。
因果だろうか、彼らも同じ参加者としてどこかにいる。
彼らを、自分は説得することができるだろうか。仲間として同じ道を歩むことができるのか。
いや、彼らとだって状況が違えば、きっと分かり合えるはずだ。
狂気の世界で、誰だって意味も無く他人を殺したくなんか無いはずだと。
でも…説得を聞き入れてくれないほどに害意のある人物がいるのならば戦うしかない。
それも仕方の無いことだと思う。
なるべく他人を殺したくないという思考の裏で、幾多の戦闘を潜り抜けた彼には覚悟がある。
剣を交えなければならない相手、状況があるということ。それに立ち向かうということへの。

いつかと同じように、ただ僕は正義を、自分の信念を貫き通す。
それがこの世界でのラムザの解答。


不意にアンジェロが足を止め、耳をそばだてる。

「?どうしたんだい、アンジェロ」
「…いえ、なんでもない。ただ、誰かの雄叫びが聞こえたような気がして」
「僕には何も聞こえなかったけど。犬の聴覚は人間の何千倍って言うしなぁ…
 ずいぶん遠くなのかな」



山に囲まれた地形に反響して響き渡るブオーンのくしゃみ。
どこの世界にくしゃみする島があるだろう。
それは隠遁作戦の破綻を意味していた。

既に船は動きを止め、老人は気迫のこもった目で、少年は不思議そうな目で
こちらをじっと見つめている。
急に襲ってくるってことは無い、無いけれども、視線が、雰囲気が痛い。
一応身動きをせず、まだ島のふりをしてみる。
…いや、これ無理、絶対無理だ。…どうしよう、どうすればいい?


ブオーンがこの空気に耐えられなくなるまで時間はかかりそうになかった。

【フィン 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)
 第一行動方針:びっくり 基本行動方針:仲間を探す】
【ドーガ(軽傷) 所持品:マダレムジエン、ボムのたましい
 第一行動方針:この偽島の調査 第二行動方針:フィンの仲間とギルダーを探す 
 第三行動方針:ギルダーを止める】
【現在位置:封印の洞窟前の湖上(氷の船の上)】

【ブオーン 所持品:くじけぬこころ、魔法のじゅうたん
 第一行動方針:焦燥 第二行動方針:頑張って生き延びる】
【現在位置:封印の洞窟南の湖の真ん中】

【ラムザ(話術士 アビリティジャンプ)
 所持品:アダマンアーマー ブレイブブレイド アンジェロ
 第一行動方針:仲間を集める(テリー、ファリス、アグリアス、リノア優先)
 最終行動方針:ゲームから抜ける、もしくは壊す】
【現在位置:中央部森林地帯、その中央あたり】