FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 423話


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第423話:魔王の訪問、魔王の出立


ウルは、浮遊大陸を、そこにいる人物を繋いでいる過酷な定めとは無関係に、
静かだった。
10人もの数がその静寂の中で身を休めている。
今その村へとたどり着く、魔王の姿があった。

静かだ。
村の西側の入り口。ザンデはそんな感想を漏らしながら、歩みを止める。
本物の静寂の中、静けさを装う気配の存在に気付いたため。
「見張りか。ファファファ……そこにいるのだろう?出て来たらどうだ」
言いながらゆっくりと抱えていたレナの身体を静かに地面へ下ろす。
返事は素早かった。
「レナッ!?」
物陰から重装備に身を固めた少女が飛び出し、レナの元へと駆け寄る。
「レナ…良かった、気を失ってるだけか」
横たわるレナの生存を確認し、直立不動でそれをじっと凝視しているザンデを見上げる。
「あのさ、レナと…いや、レナは……うー、レナは一体どうしたのっ?」
「錯乱していたところを拾っただけだ。ただそれだけのこと」
「えーと、でもさ、レナを助けてくれたんだよね?あたしはリュック、あんたは?」
「ザンデだ。ノアの弟子、といってもわかるまい。だが、まずは」

わたぼうの連絡を受け急いでこちらへ向かっていたロックが見たものは、
威圧するようにリュックを見下ろす男の姿、
そして瞬時にリュックを捉える二つの魔力の直方体の像――

魔力が導いた像が消えるまで、ロックは身動きできなかった。
しかし、直ぐに思考を取り戻す。
ロックの視線にゆっくりとこっちを振り向いたその男と目が合う。体が躍動する。
「リュック!大丈夫か!?おい、なにしやがる!」
クリスタルソードを手に、持ち前のスピードで一気に間を詰めてゆく。
「ちょっとロック、やめてよ!あたしはなんともないよ!」
リュックの制止は耳に入らない。
けれども他に選択肢が思いつく状況であったかは別にしても
結果は未知の相手に対して無警戒が過ぎたと言えるものであった。
西日に照らされて長く伸びたザンデの影に切り込んでいくロックの影が触れた瞬間。
「シェイド」
短く影縛りの魔法が唱えられ、盗賊はその動きを止める。あたりは一転して静の情景へ。
「私は不毛な争いに来たわけではない、話をしに来たのだ。落ち着いて欲しいものだな。
 最もその状態では口を開くこともままならないか。さて、貴様はこの女の知り合いか」
麻痺して動けないロックを一瞥し、足元のリュックに話し掛ける。
「あ、うん。レナとは前の世界から一緒だった」
「から、か。ずいぶんと酷い状態だった。何があった」
「…それは、えーと……」
リュックの表情が判りやすく暗くなる。詮索する興味はそれで失せた。
「まあ特に私には関係ないことだな。それよりも貴様の仲間はこの男だけか」
「え、あ、ごめん。いや、他にもいるよ。向こうの宿屋でみんな休んでるんだ。
 話があるって?えーと、さっきわたぼうにみんなに知らせに行ってもらったから……ほら」
向こうに、わたぼうと報告を聞いて駆けつけたソロとピサロの姿が現れる。
「ごめーん、わたぼう、こっちは大丈夫。他の皆も呼んできてくれない?って、ええっ!?」
リュックの横で、動けないロックをライブラが襲っていた。
事情を説明しもう一度わたぼうに他のみんなを呼びに行ってもらっている間、
ライブラと分析癖についてザンデは四人に一応説明はしたが、それは別の話。


 とりあえず目を覚まさないレナを宿屋とは別の建物―防具屋に運び込む。
 この際、ロックの主張により彼女の持ち物は全てリュックの管理下に移された。
 宿屋で眠り続ける人のためにビビとわたぼうについていてもらい、
 残りは村の真ん中、宿屋と防具屋を一望できる広場に集まる。
 そして、彼らの会談が始まった。

(屋内に何人残っているかは分からぬが、たいした人数が集まっているものだ)
 集まった者の顔を見回しながらザンデはにやりと笑う。
 ライブラで確かめるまでも無く目の前の銀髪の男と
 眼光の鋭い方の緑色の髪の男には強力な力を感じていたからである。
 それに私が求めているものとは異なるが、
 もう一人の緑髪の方にも異質な力を感じる。こっちは分析してみたい、と思うが。
 他にもレナと呼ばれた女と仲間だったという重装の女、
 疑った目でこちらを見ている盗賊、
 先ほどから連絡の役を負っている私にとって未知なる力あるモンスター、
 それに宿屋の入り口からちらりとこちらを覗き見ていた黒魔道士の子供。

 協力者として引き込めるなら能力も人数も望んだ以上だ。
 しかし、監視をくぐりつつ説明と説得が出来るだろうか。
 このような道楽を考え実行しているような奴等だ、目的は未だ不明だが、
 自分で楽しみを壊すような真似はしまい。おそらくそう妨害には出てこないはず。
 しかしルールを覆すような行動が可能となれば黙ってはいないだろう。
 全ては、賭けるに足る可能性を得てから一気にやってしまわねばならない。

「さて……では、話しても良いかね?私はザンデ、ノアの弟子だ」

 各人の紹介がそれに応える。それから、ザンデはペースを崩すことなく淡々と話始めた。
「まず単刀直入に私の目的を伝えておこう。私はこの世界からの脱出を考えている」
 ゆっくりと5人を見回す。
「そのために私は高い魔力と、旅の扉についての情報を求めている。
 だから協力しろ、というわけだ。以上だ」
 簡潔すぎる、そしてあまりに一方的。賛同を得られるはずも無く、誰の反応もない。
「それだけか?たったそれだけであんたの事を信用して協力しろってか?」
 ロックが、最初に口を開いた。
「ほう、一体どのあたりに疑問があるのか」
「はっきり言って信用が無い。あんたがやりたいことも見えないし、素性もわからない。
 そもそも交渉の態度じゃないだろ、それ。大体ライブラだって何のつもりだか」
 一息に文句が口をつく。最後の方はシェイドとライブラの恨みか。
「ファファファ……今は向こうも様子見といったところだろうな」
「はぁ?何の話だよ」
 疑問の色を含んで全員の視線がザンデへ集まっていた。
「わからぬか?監視だ。程度はわからぬがこの世界には当然に監視の網があるだろう。
 そのような状況で危険な話を我が頭脳から外に出す愚行など犯さぬ。
 積極的に動く事は無いようだが明確な反抗を見過ごすはずはあるまい。
 脱出の意思を口にしただけで既に目をつけられていると考えても問題はない」
 反射的に自分の首輪へ手を伸ばすロック。言葉は出ない。
「それに素性、というがこの世界に集められた者どもは大抵お互いに見知らぬもの同士であろう。
 貴様らの関係は知らぬがそういった者がまとまるのは利害や目的の一致のためだ。
 その点で見て私に協力することが貴様らの利害に反するか?」
 ロックがそれに答えるより早く、ピサロが威圧感のある声が横から割り込んだ。
「貴様の謳う目的はほぼ全員の利益だ。しかし、ロックの言うことも尤もだろう」
 声のほうを向いたザンデとピサロの眼光が空中でぶつかり合う。
「貴様自身かなりの使い手のようだが、さらに魔力を手に入れて一体何をするつもりだ?
 口では脱出を唱えていてもその確証はどこにもない。
 全員に打ち勝てるだけの魔力を手に入れ勝者となる、と考えていない確証がな」

 場の雰囲気はやや険悪な方向へと傾きかけているようだった。
 フォローを入れようかとソロが口を開くのを制する様に大きな笑い声が上がる。
「ファファファ……今この場にいる私以外がどういったもので結びついているかはわからぬ。
 信頼を重んじるというのであるならば今すぐに私にそれを示す手段などありはしまい。
 つまり、交渉は物別れのようだな」
「待ってください、ザンデさん」
 唐突に打ち切りを宣言した相手にソロが待ったをかける。
「引き止めるか?そうだな…貴様らとの話し合いは時間の無駄だ。私は自らの求めるものを探すのみ。
 だが、一つだけ頼みたいことがある。レナとやらを預かってもらえぬだろうか。
 やはり怪我人を負っていては動きに支障があるのでな」
「お前なっ、自分の言いたいことだけいいやがって…」
「うん、わかったよ」
 食って掛からんばかりのロックを無視してリュックがそれを受ける。
「そうだな。起きたら聞きたいこともある。あいつには辛いかもしれねぇけどよ」
 微妙な表情のまま、ヘンリーがそれに同意する。
「うん…でもっ、もともとあたし達の仲間なんだし。
 そりゃ、不安も心配もあるけど落ち着いて話してみないとわからないことだってあるだろうし。
 でもとにかく連れてきてくれてありがとね、ザンデさん」
「気にするほどのことでもない。
 明朝には私はこの村の北の洞窟にいるはずだ。協力する気になったなら来てもいい。
 さて、私は先に行くことにしよう」
 踵を返し歩き出そうとするザンデを、再び後ろからさっきと同じ声が引きとめた。
「いえ、まだです。待ってください、ザンデさん」
「まだ何か言いたい事でもあるのか?」
「確かにあなたは信用できない。それはピサロの言うとおりだ。
 だけどこれから信用することはできます。だから、僕はあなたを見定めたい。
 ザンデさん、今は誰とも敵対するつもりは無いのでしょう」
「向こうが仕掛けてこなければな。私の目的は定まっている。それは敵を増やすことではない」
「なら、僕も一緒に行きます」
「おい、ソロ!?」

「いや、心配は要りません。ヘンリーさん。ところでザンデさん、
 さっき明朝には北の洞窟にいるといいましたが、どこへ向かうつもりなんです?」
「カズスとサスーンへ向かい同様に目的のものと協力者を探すつもりだ。
 真夜中までにはサスーンへたどり着きそこから折り返す予定にしている。
 洞窟で一応待ち合わせの約束があるのでな」
「なるほど。…ピサロ、それにみんな。僕が戻るまでターニア達を守ってやってくれませんか?」
「いや、ソロよ。それは受け入れ難いな」
 さっきからやり取りをじっと見ていたピサロが立ち上がり、口を開く。
「目的のため、動きたいのはお前だけではない。はっきり言って明朝までの時間拘束は痛い。
 それに、お前も万全ではないだろう。それでは不安が残る」
 言葉を切り、いったん辺りを見回す。
「つまりは…だ。その見極めの役、私が引き受けよう。
 そろそろ動きたいと考えていたところだ。理由としてはちょうどいい」
 視線をザンデで止め、睨みつけたまま言葉を続ける。
「ザンデ。貴様を信頼したわけではない。そこの男、ソロを信用したのだ。
 それに私も自らの目的のために行動する。貴様を仲間と思って同行するわけではない」
「ファファファ……私の邪魔さえせぬなら誰なりと勝手についてくればいい。
 私はもう発たせてもらおう」
 そのまま背を向けるとザンデはもう歩き出していた。
「おい、勝手に決めんなよ」
「怪我人はおとなしく安静にしていることだ。後は…レナだ、気をつけて見ておけ」
「…ピサロ、それじゃあ僕の代わりを頼む。みんなは僕が守るから」
「お前も無理は避けてゆっくり休め」
「おい待てって!」
 ヘンリーとロックが何かわめいているが聞き入れもせず、ピサロはザンデの後を追って歩き出す。

入るは一人、出るは二人。二人の魔王が目指す次の目的地は――カズス。



「ったくよ。何様だよあいつ。勝手に決めやがって、行っちまいやがった」
「まあヘンリーさん、落ち着いて」
「俺だって元気なら何とかしたい相手がいるってんだよ…?おい、ロック?」
 目の端に動くものを感知して振り返るヘンリー。だがそこには既に誰もいなくて。
「おいローックッ!どこ行くんだよーっ!」
 村の出口へ向け駆け出しているロックの姿があった。
「ソロ、ヘンリー、リュック、悪い。でも俺も行かせてもらうぜ!
 あいつらだけじゃ信用ならねぇからよ、俺もいろいろと見極めたい!」
「お前なぁっ!!」
「それじゃ、またなっ!お互い無事でいようぜ!!」
 言い残し、反転。それから小さくなった二つの人影を追いダッシュで走り去った。

「全くよ、どいつもこいつも…勝手だぜ」
「ええ、でもヘンリーさん、このゲームが始まってもう二日目の夕方です。
 僕の仲間も含めてたくさん死んでしまったし、動かなきゃって焦る気持ちも分かります」
「だからって怪我人も放っては置けねぇしなぁ。くそっ、こんなゲームが…」
「……ああーーっ、そーーだっ!!」
「ーーーっ、何だよリュック、大声出して」
「ごめんごめん。あー、ピサロさんもロックももう行っちゃったよね…
 みんなに伝えなきゃいけないことがあったんだけどなぁ」
「大事なことならいまさら思い出すなよな」
「だって色々あって大変だったじゃない。みんな疲れて休んでたしさ」
「それで、大事なことって、なんですか?」
「ああ、えーとね、アリーナって子の………」

【ソロ(魔力ほぼ枯渇 体力消耗) 所持品:さざなみの剣 天空の盾 水のリング
 第一行動方針:休息 基本行動方針:これ以上の殺人(PPK含む)を防ぐ+仲間を探す】
【ヘンリー(手に軽症)
 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可、HP3/4) キラーボウ グレートソード
 第一行動方針:休息 基本行動方針:デールを止める(話が通じなければ殺す)】
【リュック(パラディン) 
 所持品:バリアントナイフ マジカルスカート クリスタルの小手 刃の鎧 メタルキングの剣
 ドレスフィア(パラディン)、チキンナイフ、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:アリーナの仲間を探し、アリーナ2のことを伝える
 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す  最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【現在地:ウルの村 外(中心の広場)】

【ビビ 所持品:スパス 毒蛾のナイフ
 第一行動方針:休息 基本行動方針:仲間を探す】
【わたぼう 所持品:星降る腕輪 アンブレラ
 第一行動方針:アリーナの仲間を探し、アリーナ2のことを伝える
 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す  最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【エリア(瀕死からは回復 体力消耗 怪我回復) 所持品:妖精の笛、占い後の花
 第一行動方針:睡眠中】
【バッツ(左足負傷・睡眠中)
 所持品:ライオンハート、ローグの支給品(銀のフォーク@FF9 うさぎのしっぽ 静寂の玉 アイスブランド ダーツの矢(いくつか))
 第一行動方針:眠って頭の整理中 基本行動方針:レナ、ファリスとの合流】
【ターニア(心労過多) 所持品:微笑みの杖
 第一行動方針:睡眠中 基本行動方針:イザを探す】
【現在地:ウルの村 宿屋内部】

【レナ(気絶) 所持品:なし
 第一行動方針:不明】
【現在地:ウルの村 防具屋内部】

【ザンデ(HP 4/5程度) 所持品:シーカーソード、ウィークメーカー
 第一行動方針:仲間、あるいはアイテムを求め、カズスの村へ
 基本行動方針:ドーガとウネを探し、ゲームを脱出する】
【ピサロ(MP1/2程度) 所持品:天の村雲 スプラッシャー 魔石バハムート 黒のローブ
 第一行動方針:ザンデに同行し相手を見極める 基本行動方針:ロザリーを捜す】
【ロック 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード
 第一行動方針:ザンデ(+ピサロ)の監視
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】
【現在地:ウルの村→カズスの村へ】