250話

第250話:願い


親を殺された――それは私の過去
戦いに身を投じた――それも私の過去
胸を突き刺されて死に絶える――それが私の現実

わかっていた。

セシルが死んだ、ローザが死んだ。
だから、次はきっと私の番。

光が何処からともなく降り注ぐ。
目の前が真っ白に染まる。
まるで、雪のように視界を段々と覆い隠していく。

ただ、綺麗で、美しくて。

なぜこんなにも心地がいいんだろう。

理由なんかいらない。

ただ、心地よくて。

エッジは今頃どうしているんだろう。

もしかしたら、女の子を引っ掛けてたりして。
そう、何回言っても、女好きだけは直らなかったよね。
いつもばかな事で喧嘩をして。

楽しかった。

うん、楽しかった。

本当に、楽しかった…

やだ…、涙が溢れ出てくる。
周りがゆがんで…

…ぃやだ
…やだ、いやだ、まだ死にたくない。
エッジ、まだ…私、死にたくないよぉ。

私はまだ……貴方に……

…だめ…意識が………
…い…やだ……
…ま…だ……死に……たくな…い……









―――私の死が、彼を苦しませることに、なりませんように








【リディア 死亡】
【残り 88名】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年02月15日 23:14
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。