FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 135話


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第135話:聞こえた音


カーン カーン

金属音が断続的に響く。
わるぼうは何をするでもなく、夢中で鍛冶を続けるサリィをぼんやりと見つめていた。
その足元には、ところどころに赤いラインのひかれた参加者名簿。
――普段は悪態をついていても、いや、だからこそ、心が痛む。
ほんの数日前までは、モンスターに囲まれて笑顔を見せていたイルが、もういないなんて。
(そういや、ルカの奴もここにいるんだったか…)
名簿をもう一度開いて、ルカの写真を見てみる。いつもと変わらない顔が、そこにはあった。
「――おい、大丈夫か?」
唐突に声をかけられて顔を上げる。サリィが手を止めてこっちを見ていた。
「あたい、こういうのって上手く言えねえけどさ…その…」
上手く言えなくてもその顔をみりゃわかる――と思った。元気出せって言いたいんだろう。
そんなに落ち込んでるように見えたのか?
「…何言ってんだ、大丈夫に決まってんだろ!それより、その剣はどうなんだ?」
そう訊ねると、サリィはぱっと顔を輝かせた。
「ああ、やっぱこいつはすげぇ剣だぞ!見てろ、きっと朝までには終わらせてやるからよ!」
サリィはそう言うと、頬を叩いて気合を入れ直してから、ふたたび鍛冶に取り掛かり始めた。

「…おい!いつまでしょぼくれてんだ!」
少し元気の出たわるぼうは、黙って拳を握り締めているギルガメッシュを叩いてみる。
「……うるせえよ」
ギルガメッシュは静かににわるぼうを睨みつけた。
放送が終わった時に『嘘だろ…クルル』と大声で叫び、力任せに地面を殴りつけてからはずっとこんな調子である。
「いい加減にしやがれ!自分だけが悲しいとか思ってんのかてめえは!!」
わるぼうはイラつきながら怒鳴り――ギルガメッシュは、力を込めて地面を叩いた。
「俺が悲しいとかそんなんじゃねえ!!クルルは死ぬはずじゃなかった…!」
「そんなん、イルだって一緒だっつの!弱虫ヤロー!!」
「なっ…んだと!?この…ッ!」
思わず跳びかかるギルガメッシュだが、わるぼうが避けたため勢いよく地面に顔をぶつけてしまう。
わるぼうは呆れ顔で言った。

「だったら何だ?お前そのまま後追って死ぬつもりなのか?幸せな奴。
 俺様はあのクソババアに一発ぶちこまないと気がすまないっつってんだ、バカ!」
「…誰が!いつ!んな事言った!てめぇの話は何か飛んでんだよ、バカ!!」
「んだとお!!?」
「やんのか!!?」
「うるせーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

バキッ ドカッ

サリィの拳骨が二人の脳天を直撃した。

「…人が集中して仕事してんのによ、ちっとは静かにしやがれ!」
「「……す、すいません…」」
頭を抑え震える二人をよそに、ぶつぶつ言いながらも再び鍛冶を続けようと金槌を握るサリィ。
目の前で倒れているお互いを見て、わるぼうもギルガメッシュも、やりきれない苦笑いを浮かべた。
サリィはまだこちらを見ている。…これは、彼女なりの励まし方なのかもしれない。少々痛いが。
(俺がこんなんでどうすんだ…)
自分が酷く不甲斐なく思えて、ギルガメッシュは溜息をついた。
こんなんじゃ、バッツやレナやファリスにも会わせる顔がないってもんだ。
(しっかりしねえとなあ…)
冷たい夜風が、頬を撫でていく。今は鍛冶の金属音もしない。
数秒の間だけ戻る夜の静けさは――ギルガメッシュにある音を伝えた。

―――― …キィン…

「…あれ?」
倒れたまま、きょろきょろと辺りを見渡すギルガメッシュ。
今の音は?もしかして…
「どうしたワル?」
「…何か…聞こえねえか?」
「え?」

―――― …キン…カキィ…

(…やっぱり、剣の音じゃねえか!)
微かな、それでも確かな音にギルガメッシュは瞠目する。
わるぼうとサリィは相変わらず疑問符を浮かべているが、自分には間違いなく聞こえた。
誰かが剣を交えている。多分、そんなに遠くない場所で。しかし、一体誰が?
(まさか…バッツ…じゃあねえだろうな…?)
ありえない話ではない。
一度そう思うと、気になって仕方がなくなってきた。ギルガメッシュは勢いよく立ち上がる。
「すまん、ちょっと様子見てくるわ!すぐ戻るから待ってろ!」
そう言うや否や、夜の平原を全力で駆け出した。
わるぼうの「おい!?待て!!」という声を、背に聞きながら。

【ギルガメッシュ 所持品:厚底サンダル 種子島銃
 第一行動方針:様子を見に行く 第二行動方針:剣が鍛えられあげるのを待つ】
【現在位置:レーベ北の平原→レーベ西の平原、レオンハルトとベアトリクスの所へ】

【わるぼう 所持品:ビームライフル (後何かを所持)
 第一行動方針:剣が鍛えられあげるのを待つ、ギルガメッシュが戻るのを待つ】
【サリィ 所持品:鍛冶セット ボロい剣(伝説系の剣) 光の鎧(装備不可)
 第一行動方針:不思議な力を放つ剣を鍛えなおす、ギルガメッシュが戻るのを待つ】
【現在位置:レーベ北の平原】