212話

第212話:Disaster


「レックス!レーックス!!」

リュカは必死に息子の名前を叫んだ。
炎が支配する地を駆け、息子の姿を探す。
だが、城門も建物も崩れていく中で見付かるはずもなく。
目を焼くような激しい炎の中で、声が届くはずもなく。

轟音と炎が支配するのみ。
絶望と恐怖が支配するのみ。

「どこだ!どこだ!レックス!!」

『求めれば必ず会えます。しかし、大切なものを失います』
という言葉を思い出す。
大切なものを失うのであれば、この状況だろうと嫌な思いが駆け巡る。
その思いを抱いたまままた一歩炎の中に踏み出そうとしたとき、後ろから声が聞こえた。

「リュカさーん!」

ケット・シーだった。
リュカが会ったことがない人と一緒に走ってくる。
そして何かを話した後、ケット・シーだけこちらにやってきた。

「リュカさん!こんなんやと危なすぎます…離れましょ!」
「でも…僕の息子が!!」
「どちらにせよこの状況で探すんは自殺もんです!!冷静になってアレの犯人を「でも!!」

ケット・シーが最後まで言い終わる前に、リュカの声が遮った。

「でも……やっと…やっと会えたんだ!ここに来る前に!やっと……っ!!」

リュカの声には、涙が混じっているように思えた。

ケット・シーと男が何か口論している。
キーファ達が見ている映像からはそれくらいの情報しかわからなかった。

リュカを見るなり「ちょっと待っといてください!」と行って駆けてしまった。
そして今は口論。混乱させる状況を見事に揃えた敵には反吐が出る。
キーファが心底そう思っていると、リノアが話しかけてきた。

「ねぇ、中の物を確認したんだけど…」
「ああ…何が入ってた?」
「えっと…」

中に入っていたのは、茶色い木の杖に蒼い宝石を埋め込んだシンプルな物に盾。
説明書を見ると「賢者の杖」「ロトの盾」と書かれてある。
杖の方は高い攻撃力と癒しの効果を持ち、盾の方は持ち主を選び力を発揮する、と書かれてある。

「そういえば…持ち主を選ぶ装備があるって攻略本に書いてた様な……」
「じゃあこれがそうかな…通りで何か頼りなさそう……」
「真の持ち主がいれば良いわけだな。それも血が濃い奴」
「血……?」

キーファの話はこうだった。
持ち主を選ぶ剣は意思を持っているかの如くその力を変える。
どうやら持ち主の血脈に反応しているらしい。
かつて勇者の末裔が伝説の剣を持ってはいたが…それを越える剣が存在したという事例まであるらしい。
その装備を自在に操るには、その血脈が流れるもののみ。
あえて特別な事例を言うなら…その装備自体が力を貸してやろうとした時だけだ。

「信じられない話だけど…もしそうだとしたらこれは……」
「当たりかもしれないな。しかもかなりの値打ちものだ。あとこっちの杖も多分」

2人の会話はそこで終わった。ケット・シーが急いで走ってきたからだ。
名残惜しそうに、悔しそうに、息子がいる筈の場所を眺めながら走ってくるリュカと共に…

【キーファ 所持品:攻略本 釘バット(FF7)
 第一行動方針:ジタンに加勢 第二行動方針:フィンと合流しゲーム脱出】
【リノア 所持品:賢者の杖 ロトの盾
 第一行動方針:ジタンに加勢 第二行動方針:スコールを探す+首輪解除手段を探す 最終行動方針:ゲーム脱出】
【ケット・シー 所持品:正宗 天使のレオタード
 第一行動方針:キーファ達と行動を共にする 基本行動方針:リュカを守る】
【リュカ 所持品:竹槍 お鍋(蓋付き) ポケットティッシュ×4 デスペナルティ スナイパーCRの残骸
 第一行動方針:ケット・シーと行動する 第二行動方針:レックスを探す
 基本行動方針:家族、及び仲間になってくれそうな人を探し、守る】
【現在位置:アリアハン城門→城外へ】

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最終更新:2008年02月16日 15:59
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