FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 338話


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第338話:負の思考


しまった、と思ったときにはもう遅かった。
肉体は光に飲まれ、青い異次元空間に引きずり込まれた。
ここで自分がいなくなってしまったらどうなる?
戦いの場に残るのは丸腰の女性と負傷した男、それだけでピンピンしたあの切れ者の魔物を出し抜くのは困難極まりない。
だからこそ、何としてでも相手を黙らせるべきだった、あの魔物とあの二人という状況だけは絶対作らせてはいけなかった。

だが、自分は敵の罠にはまり、戦いの場から追放されてしまった。
いくら戻ろうともがいても、青い空と砂の衣は自分から遠ざかるだけ。
そして世界がぶれたかと思うと、自分は建物の中に立っていた。

急いで辺りを見回す。
もしかすると、まだ戻れるかもしれないからだ。
だが、周りの空間自体には何ら違和感はない。もう戻れない。もがいてもどうにもならない。
続いて、壁を背に、辺りを警戒する。人はいない。

そばにあった椅子に腰を下ろす。
先ほどの戦闘、自分は最良と思われる行動を取った。
それでも対応できなかったのは、まだ自分が相手より未熟であることのあらわれに他ならないのだろう。

…こんなになってしまったのは、自分のせいなのか?
できもしないのに、守ってやりたいなどと大口を叩いて、リーダーぶっていた自分へのしっぺ返しなのか?
そんなはずない。馬鹿なことを考えるものだと思う。
けれど。けれどもしあの時、素直にアリアハンに向かっていたら?
もし寄り道をせずに、一直線に旅の扉まで向かっていったなら?
過ぎたことを悔やんでも仕方がない。が、一旦沈んだ気分は容赦なく今までの出来事を負の方向を以て想起させる。

…怖い。今までの比でなく次の放送が怖い。
最初の放送でエアリスが呼ばれた。
次の放送でクラウドが呼ばれた。
そしてこれから行われる放送で、デッシュとランドが呼ばれるのだろう。
彼らだけか?本当に呼ばれるのは彼らだけなのか?
自分と行動を共にした人間すべてが呼ばれるのではないか。
シンシアとエドガーはきっと生きている、だが一方で不安がつきまとう。直接姿が見えないのもあるのかもしれないが。

憂鬱の連鎖とでも言うのか、とにかく気分が重くなる。
水を飲んで、気分を落ち着けようとしたところ、
ふと、机の上に開いてあった本に目が留まった。
周りに積まれている本はすべて機械工学に関するものだ、
これもその類だろうか、何か役に立たないか、気を紛らわせないかと思い、ぱらぱらと目を通してみた。

『○月×日 オーエンの塔の動力炉の調子は非常に良好だ。これなら、千年は動き続けるだろう。ようやく、解放されそうだ…』
『○月×日 サリーナの家に居候することになった。今までのように、女の子に気軽に声をかけられなくなるのがちょっと残念だが…』
『○月×日 シドの飛空艇の組み立てを手伝う。このデッシュの集中力にかかればあっという間に終わる作業だ…』

この本の内容は、日常だった。
つい先ほどまで行動を共にしていた人物の日常だった。
この殺し合いによって、大きく狂わされてしまったもの。
こんなところにあるのは、自分への当てつけなのか?守りきってくれなかった自分を非難しているのか?

…ダメだ、ここにいたらますます気分が重くなる。
とにかく、まず場所を移動しよう。

【ザックス(HP9/10程度、ちょっと憂鬱)
 所持品:バスターソード スネークソード 毛布
 第一行動方針:気分を落ち着けられるよう場所移動 最終行動方針:ゲームの脱出】
【現在位置:カナーンの町、サリーナ宅】