FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 444話


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第444話:ザ・ソルジャーブルース


(なぁ、ランド、シンシアお前らは知らないと思うけど…俺、1度死のうと 思ったことあったんだ)

魔法屋の壁にもたれたままザックスは今は亡き2人に語りかける。
随分昔のことに感じてしまうが一日前にエアリスの名前が呼ばれた時、
彼女を守れなかったことから逃げようとする自分の心の醜さ、情けなさが許せなくて、
苦しくて死んでしまった方がマシなんて考えたこともあった。でも…

(でもな、お前らが元気づけてくれただろ?その時思ったよ。お前らより先には死ねないってな…)

もう二度と応えることもないとわかっているが心の中でシンシアとランドに話し続ける。

殺人ゲームの最初からずっと一緒にいた。何度か危うい修羅場を3人で乗り切ってきた。
だから そう簡単には死なないと思っていた。しかし2人はあっけなく死んだのだ。
この腐ったゲームの犠牲となって。

(なのにお前らが先に死んでどうするんだよ…)

支えを失ったザックスは心の中で叫び、泣き始めた。

(俺はどうすればいいんだ…)

頭に浮かぶシンシアとランドに訴えても答えることはもちろんなかった。
あの2人はもうこの世にいないのだから。

『この首輪を解析出来ればゲームを止められるかもしれない』

不意に頭によぎったその言葉が、泣き疲れたザックスに踏ん切りをつかせた。
その言葉の主のエドガーはまだ生きている。放送では名前を呼ばれなかった。
…その事実がなければ、いつまでもこのカナーンから動けなかったかもしれない。
まとわりつく無力感から離れられなかったかもしれない。
いっそ死んでしまいたい、とは、実を言えば今でも思っている。
けれども、いつだったかバイクで神羅の追っ手から逃げる最中、クラウドに言ったことがある。

「俺がトモダチを見捨てるわけないだろ」と。

シンシアとランド…あの2人も共に死線をくぐったトモダチだ。
だからまだ死ぬわけにはいかないのだ、きっと。
ここで死ねば本当の意味で2人を見捨てる事になってしまう。
もう悲しみに浸る余裕はない。泣くのは後でいい。全てが終わってからでいいはずだ。

室内を見渡す。イザとロザリーは軽く寝息を立てていた。
気丈に振舞っていてもこの極度の緊張感に晒されたせいで、身体のほうが休息を求めているのだろう。
ギルガメッシュの方はよく分からなかったがこちらも眠っているのだと思った、微動だにしない。

(悪いな。俺は1人で行く…エドガーを探す)

皆に気付かれないように、ザックスは立ち上がった。
魔法屋の屋外に出ようと扉に手をかけたとき、ザックスの背に声が掛けられた。

「挨拶もなしなんて、随分とあっさりしてるね」

ザックスは足を止めて声の主の方へ振り返る。
苦笑しながら見つめている黒い瞳とぶつかり、ザックスは眉をひそめる。

「眠っていると思ったのかい?あいにくそこまで僕は無用心じゃないよ」

イザは立ち上がり、ザックスへと近づいていく。
そして紙とペンを握った右手をザックスへ差し出す。

「分かってるよ。エドガーさん…だっけ?探しに行くんだろう?」

ザックスは否定も肯定もせず沈黙する。

「…なあ、僕たちと一緒じゃダメなのかな?僕も皆を守りたいんだ。
 そのエドガーさんも目的は同じなんだし、その内会えるかもしれないじゃないか」

イザの気持ちは痛いほどわかるのだが…ザックスは敢えて気付かぬ振りをして首を横に振った。

「どうして」

訊くとザックスが手を伸べたので、イザは黙って紙とペンを渡した。

『俺はトモダチを守れなかった。それでも信じてくれたトモダチに報いるために俺はもう休んでいられない』
「ザックス」
『行かせてくれ』

イザはもはや引き止める言葉を失っていた。
仲間を喪った悲しみの深さが理解できるからこそ、押し黙るしかなかった。

「分かった…悪かったね」
『いや、気にしないでくれ。それにもうあんた達もトモダチだ。お互い生き延びてまた会おう』
「もちろんだ。君のほうこそ気を付けて」

最後にイザと軽く肩を抱き合い、ザックスは魔法屋を出た。


魔法屋の外はすっかり日が落ち、辺りを暗闇が包もうとしていた。
オルテガやロザリーに手当てされた左肩の傷は思ったより痛んだが、
この程度なら移動や多少の戦闘には支障は出ないだろう。
絶対に生きて、生き抜いて、トモダチの仇を討つ。
もう後悔にとらわれたりしない。これは俺の戦いだ。
もちろん死ぬかもしれないし、或いはイザ達と離れたことが裏目に出るかもしれない。
けれども、このゲームで死んだエアリス、クラウド、ティファ、シンシア、ランド、デッシュの苦しみを思えば
怒りと悲しみがこんなにも身を突き動かすのだ。
絶対に許さない。俺はこのゲームをつぶすためなら、手段も協力者も選びはしない。
魔法屋の建物を背に、ザックスは歩き出した。

【ザックス(HP1/3程度、口無し状態{浮遊大陸にいる間は続く}、左肩に矢傷)
 所持品:バスターソード
 第一行動方針:エドガーを探す
 最終行動方針:ゲームを潰す】
【現在位置:カナーンの町・魔法屋外→?】

【イザ(HP3/4程度) 所持品:ルビスの剣、エクスカリパー、マサムネブレード
 第一行動方針:しばらくは休息
 基本行動方針:同志を集め、ゲームを脱出・ターニアを探す】
【ロザリー(睡眠) 所持品:世界結界全集、守りのルビー、力のルビー、破壊の鏡、クラン・スピネル
 第一行動方針:同上
 基本行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ギルガメッシュ(HP1/2程度)
 所持品:厚底サンダル 種子島銃 銅の剣
 第一行動方針:起き上がる気力もなし】
【現在位置:カナーンの町・魔法屋】