第273話:待機
また一人、逝ってしまった。
いくら手を伸ばしても届かないところで、
いくら目を凝らしても見えないところで、
堕ちてしまったのか。
運命に導かれし者達が、運命に弄ばれ、運命に立ち向かい、運命に捨てられていく。
悲しい現実に、仲間の死に、自分の無力に、思わず嘆息し、
戦士は、冥界の戦友達のために、目を閉じ暫し合掌した。
今まで戦士――ライアンは、誰一人として出会うことはなかった。
或いはそれは、運が良いのかもしれない。
だが、一人では、誰かを護ることも出来はしない。
そして、それは、彼にとって苦痛でしかないのだ。
「うん?」
目を開けると、視界の端に、僅かに蒼い渦の存在が見て取れた。
「旅の扉…」
これに入れば、次のフィールドに移動できるのだろう。
だが、彼はその傍に腰を下ろし、暫しの時を待つことにした。
誰かが。自分の護るべき誰かが、その場に現れるのを待って。
そして、憎むべき――殺す事すら厭わぬ様な者が姿を現すのを待って。
【ライアン 所持品:レイピア 命のリング
第一行動方針:扉前で待機し、仲間を探す&マーダーを減らす
最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【現在位置:レーベ南の森中央】
最終更新:2008年02月17日 22:56