FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki
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FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki
ja
2008-02-21T01:50:59+09:00
1203526259
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FF1基礎データ
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/7.html
<table border="0" width="720"><tr><td style="background-color:#404040;" colspan="2"><font size="+1">アルカート【白魔道士】</font></td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;" width="100">性別</td>
<td style="background-color:#222222;">女</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">原作での役割</td>
<td style="background-color:#222222;">クリスタルの加護を受けた、光の戦士の一人。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">仲間</td>
<td style="background-color:#222222;">ジオ(旅の仲間)</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">初期支給品</td>
<td style="background-color:#222222;">
ナッツンスーツ:【FF6】ナッツイーターの形をしたきぐるみ。素早さが少し上がる。<br />
グラディウス:【FF6】聖なる力を秘めた、最強の短剣。 【FF9】スロウの追加効果を持つ短剣。<br />
白マテリア:【FF7】星の意思に語りかけ、最強の白魔法ホーリーを発動させるためのマテリア。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">殺害した相手</td>
<td style="background-color:#222222;">リディア<br />
ケット・シー</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">死亡状況</td>
<td style="background-color:#222222;">アリアハン城、サイファーに背後から刺殺される。</td>
</tr></table><br /><br /><table border="0" width="720"><tr><td style="background-color:#404040;" colspan="2"><font size="+1">ジオ【スーパーモンク】</font></td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;" width="100">性別</td>
<td style="background-color:#222222;">男</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">原作での役割</td>
<td style="background-color:#222222;">クリスタルの加護を受けた、光の戦士の一人。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">仲間</td>
<td style="background-color:#222222;">アルカート(旅の仲間)</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">支給品</td>
<td style="background-color:#222222;">ミスリルナイフ:【FF】ミスリル製のナイフ。<br />
ドリームパウダー:【FF7】スリプルの効果がある粉。 【FF10】全体に睡眠効果+ダメージ。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">殺害した相手</td>
<td style="background-color:#222222;">なし</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">死亡状況</td>
<td style="background-color:#222222;">アリアハン城一階、ハインによって串刺しにされる。</td>
</tr></table><br /><table border="0" width="720"><tr><td style="background-color:#404040;" colspan="2"><font size="+1">ビッケ</font></td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;" width="100">性別</td>
<td style="background-color:#222222;">男</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">原作での役割</td>
<td style="background-color:#222222;">港町プラボカを根城にする海賊。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">仲間</td>
<td style="background-color:#222222;">なし</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">支給品</td>
<td style="background-color:#222222;">不明</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">殺害した相手</td>
<td style="background-color:#222222;">なし</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">死亡状況</td>
<td style="background-color:#222222;">レーベ北の平原、ムースの魔法が直撃し、焼死する。</td>
</tr></table><br /><table border="0" width="720"><tbody><tr><td style="background-color:#404040;" colspan="2"><font size="+1">ガーランド</font></td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;" width="100">性別</td>
<td style="background-color:#222222;">男</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">原作での役割</td>
<td style="background-color:#222222;">
コーネリア城に仕えていた騎士で、セーラ姫を誘拐した男。後に、カオスとなって世界を混乱に陥れる。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">仲間</td>
<td style="background-color:#222222;">なし</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">支給品</td>
<td style="background-color:#222222;">
皆殺しの剣:【DQ】攻撃力は高いが、呪いで防御力が0になる剣。道具でルカナンの効果。<br />
ダイヤアーマー:【FF】ダイヤモンド製の鎧。</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">殺害した相手</td>
<td style="background-color:#222222;">宝条<br />
ローザ<br />
サンチョ<br />
ジークフリート</td>
</tr><tr><td style="background-color:#404040;">死亡状況</td>
<td style="background-color:#222222;">アリアハン南部平原、セシルによって斬殺される。</td>
</tr></tbody></table>
2008-02-21T01:50:59+09:00
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スミス
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/488.html
[[86話]]
[[153話]]
[[186話]]
[[233話]]
[[294話]]
[[298話]]
[[336話]]
[[339話]]
[[359話]]
[[375話]]
[[376話]]
[[394話]]
[[401話]]
[[409話]]
[[415話]]
[[422話]]
[[428話]]
[[429話]]
[[475話]]
[[495話]]
[[526話]]
[[549話]]
[[557話]]
2008-02-17T23:58:10+09:00
1203260290
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475話
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/1047.html
*第475話:闇に生まれる
暗い暗い暗黒の洞窟。
その闇の中でスミスはゆっくりと目を覚ました。
昼間のブオーンとの戦いから既に6時間以上の時間が過ぎ去っている。
「ふぁあ~~よく寝た」
そういってスミスはゆっくりと身体を起こした。
「あれ?」
そして自分の身体の違和感に気付く。
身体は以前より幾分も巨大になり、濃紺の鱗に覆われていた。
折れた翼は完全に再生され漆黒に染まっている。
「これは一体……あの爺さんを食べたせいかな?」
その通りだった。
古の大魔導師ノア。その強大な魔力を受け継いだドーガ。
スミスはドーガの身体を食事という形で体内に取り込むことでその魔力を吸収したのだ。
そしてその魔力はスミスをより強大な存在へと変態させた。
その姿は世界によっては「闇のドラゴン」と呼ばれただろう。
「まあいっか。強くなったみたいだし不便はないよね」
あっけらかんとスミスは自身の変化を受け入れると洞窟の外に出ようと足を踏み出した。
「あいたっ!」
全身に激痛が走り、スミスは再び身体を伏せる。
ブオーンの痛恨の打撃の後遺症と強引な変態による影響によって
スミスの身体は未だ満足に動ける状態ではなかった。
「う~ん、自由に動けるようになるにはもう少し休まないと駄目だなぁ」
彼個人としてはなるべく早くゲームに復帰したかったのだがこの状態で無理に外へ出ても
何も出来ないだろう。
すぐに殺されるか満足に動くこともできず放置されるだけだ。
「仕方ないね」
恐らくカインとの約束の時間も既に過ぎ去っているだろう。
手遅れならばカインには悪いが無理に急ぐ理由もない。
スミスは諦めると再び目を閉じた。
次に目覚める時こそゲームに復帰する時。
その時はこの新しく手に入れた力で自ら殺しに行ってもいいかも知れない。
そんな事を考えながらスミスは自身を回復させるための眠りに落ちていった。
そして闇の洞窟の中に動く物は再び無くなった。
しかし、確実に一つの脅威が産声を上げていた。
【スミス(HP1/5 変身解除、洗脳状態、闇のドラゴン)
所持品:魔法の絨毯 ブオーンのザック
第一行動方針:眠り、身体を癒す
第ニ行動方針:身体が癒えたらカインと合流する
行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】
【現在地:封印の洞窟 地下1F】
※スミスはドラゴンライダーから闇のドラゴン@DQ7へと変化しました。
全体の能力がアップしましたが、巨大になったため飛行速度が若干減退しました。
・激しい炎 ・氷の息 ・かまいたちの3つの特技を新たに使用できるようになりました。
2008-02-17T23:57:20+09:00
1203260240
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186話
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/1046.html
*第186話:かつての思い出と今の現実
イクサスは山を下り、レーベの村へ向かっていた。
森の中は暗く、対象の植物を見つけづらいのと、毒薬の調合には、ある程度の設備が必要だからだ。
草をすりつぶしたり、加熱したり、乾燥させたり、溶解液を作るにあたって、支給品の着火器具や水では足りない。
それに、作れたとしても、液体状や粉末状の毒薬を直接持ち歩くわけにはいかないのだ。
できれば、入れ物も複数欲しい。
視界が開けてきた。レーベの村が向こうに見える。
「火事…」
おそらく戦闘が行われているのだろう。一段落するまでここで待つことにしよう。
と、袋が放置されているのを見つけた。食料も支給品もそのままだ。
紫の小ビンに、拡声器、あと、何かの説明書。それには、いくつかのモンスターの種族名が書いてあり、
【注:期限あり】とも書かれている。しかし、その説明にあたるアイテムは無い。それだけを持ち去ったのだろうか。
ふと、異臭を感じた。さきほどまで感じなかった臭い。
イクサスは思わず飛び退く。イクサスがいたところに、容赦無い一撃がたたき込まれた。
「くそっ、モンスターまでいるのか!」
腐った死体。体力と力が非常に高い上、痛覚がないため、倒れる直前まで攻撃を仕掛けてくるモンスターだ。
動きはのろいので、加速装置を使えば逃げ切れる相手だ。
だが、その腐った死体には首輪が付いており、その顔は…
「…スミス?」
イクサスの動きが止まる。そこ目がけて、スミスは腕を振り上げ、爪を立てて、振り下ろしてきた。
しかし、動きはゆっくりで単調なものだ。戦闘見学経験しかないイクサスでもかわすことができた。
「スミス、俺だ、分からないか!?イクサスだよ!」
スミスには何の反応も無い。まるで、人形のように無表情。
イクサスは先ほどマチュアの名前が呼ばれていたことを思い出した。
スミスにとって、マチュアの死は衝撃的なことだったに違いない。
「そうか、お前も…」
スミスは相変わらず無表情のまま、魔物の本能に乗っ取って襲いかかってくる。
魔物の姿はしていたけれども、強くて、気さくで、名物バカップルの片割れだった、かつてのスミスの面影はもうどこにもない。
イクサスは、加速装置をセットし、そこから凄まじいスピードで駆け出した。
スミスは追いかけることはしなかった。ただ、人間が一人去っていくのをうつろな瞳で眺めるのみだった。
このゲームで、大切なものを次々と失っていく気がする。
たった半日前に出会ったばかりの、リチャード、マリベル、ラグナ、エーコ、スコール、マッシュ、
みんな、ずっと昔からの仲間だったように思える。
キーファ、マチュア、スミス、ドルバ、彼らはみんな仲間だ。
でも、この半日の間に5人は死に、2人は裏切り、2人は自分の知らない姿になってしまっていた。
キャラバンで世界中を旅していたころに、リチャードと二人で話し合っていたときに、
ピクニックセットを囲んで談笑しながら3人の帰りを待っていたあのときに、できることなら戻りたい。
思えば、先ほど自分に襲いかかってきたスミスに話しかけたのも、思い出を取り戻したいと思ったからなのかもしれない。
でも、村で赤々と燃えあがる火柱や、血や、死体をみると、思い出はすべて幻想では無かったのか、
今までの生活すら偽物だったのではないかとさえ思えてしまう。
…幻想にふけるのはやめよう。今はあの4人を殺し、生き延びることだけを考えよう。
それが、きっと死んだみんなへの報いとなる。
どうせ、ここには敵か悪人しか残っていないんだ。
どんな方法で生き延びても、たとえ人を殺したとしても、みんなは許してくれるよな?
【イクサス(人間不信) 所持品:加速装置、ピクニックランチセット、ドラゴンオーブ、
シルバートレイ、ねこの手ラケット、拡声器、紫の小ビン
第一行動方針:器具調達&植物採集&毒薬作り
第二行動方針:ギルダー・アーヴァイン・スコール・マッシュを殺す/一人で生き残る
【現在位置:レーベの村近く】
【スミス(腐った死体) 所持品:無し
行動方針:魔物の本能に従う(無心状態、理性無し)】
【現在位置:レーベ北東】
2008-02-17T23:56:13+09:00
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ルカ
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/487.html
[[24話]]
[[172話]]
[[220話]]
[[310話]]
[[344話]]
[[350話]]
[[379話]]
[[391話]]
[[413話]]
[[418話]]
[[427話]]
[[434話]]
[[442話]]
[[457話]]
[[472話]]
[[502話]]
[[527話]]
[[531話]]
[[話]]
2008-02-17T23:55:33+09:00
1203260133
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わたぼう
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/434.html
[[15話]]
[[110話]]
[[246話]]
[[312話]]
[[315話]]
[[316話]]
[[377話]]
[[380話]]
[[398話]]
[[423話]]
[[432話]]
[[447話]]
[[452話]]
[[461話]]
[[487話]]
[[492話]]
[[497話]]
[[501話]]
[[546話]]
[[547話]]
2008-02-17T23:54:52+09:00
1203260092
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子テリー
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/486.html
[[30話]]
[[40話]]
[[98話]]
[[189話]]
[[196話]]
[[204話]]
[[205話]]
[[206話]]
[[228話]]
[[231話]]
[[238話]]
[[241話]]
[[247話]]
[[248話]]
[[260話]]
[[310話]]
[[344話]]
[[350話]]
[[379話]]
[[411話]]
[[435話]]
[[445話]]
[[449話]]
[[456話]]
[[467話]]
[[483話]]
[[484話]]
[[491話]]
[[494話]]
[[506話]]
[[509話]]
[[520話]]
[[534話]]
[[548話]]
[[559話(前編)]]
[[559話(後編)]]
2008-02-17T23:53:02+09:00
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フィン
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/485.html
[[47話]]
[[61話]]
[[106話]]
[[127話]]
[[136話]]
[[285話]]
[[317話]]
[[381話]]
[[400話]]
[[408話]]
[[422話]]
[[426話]]
[[439話]]
[[456話]]
[[469話]]
[[477話]]
[[481話]]
[[496話]]
[[529話]]
[[545話]]
[[552話]]
2008-02-17T23:51:52+09:00
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422話
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/1045.html
*第422話:悪魔の囁き
それはいつだったのか。まだ日は高かったと思う。
何事もなかったかのように静まり返った湖から、フィンは目を逸らした。
もう、見ていたくなかった。
湖を。あの魔物を。
ドーガさんが沈む湖を。ドーガさんを殺したあの魔物を。
ふらふらと、森の中へと進んでいく。
虚ろな目を、ただ前へと向けていく。
「アイラを、探さなきゃ…。ギルダーを、止めなきゃ」
まだ生きているはずの仲間を、守らなきゃいけない。
死んでしまった人の遺志を、継がなきゃいけない。
目的を持たなければ、迫り続ける無力感に押しつぶされ、きっと一歩も進めなくなる。
フィンはただ、歩き続けた。
時を忘れ、どれほど歩いているのか、どちらに向かって歩いているのかも分からずに。
森を、抜けた。
日は、傾いていた。
けれどフィンにはそれが分からない。
空を見上げ、時間を確認することさえ忘れている。
歩かなきゃ、歩かなきゃ、歩かなきゃ…。
今、彼の頭の中にあるのは、只それだけ。
しかし彼は、不意に止まった。
自分でも何故止まったのかわからずに、フィンは自分の足を見る。
何も変わったことなどない。
もう一度、足を踏み出そうと試みる。
そして、フィンはその場に崩れ落ちた。
只前へ進むこと以外は、何も考えていなかった。
自分があの湖に落ちてから、びしょ濡れのまま動き続けたということも。
進んでいた森は多分に湿気を含み、決して服が乾くはずがないということも。
船乗りの息子として、その結果がどうなるかなど百も承知であるはずなのに。
そんな当然なことの配慮さえ、考えていなかった。
頭が痛い。体が熱い。
先へ、前へ行かなきゃ行けないのに。
アイラを、ギルダーを探さなきゃいけないのに……。
ドサッという人の倒れた音。
その音のすぐ南の森から、今度はミシミシという木が軋む音がする。
フィンは、その音に気づかない。
完全に意識を失っていた。
(さ~て、どうしようかなぁ~)
木々の間に隠れ、スミスはこの行き倒れの処遇について考えてみた。
カインからは誰かを見つけても何もするなと言われている。
だから、上空でこの男を見つけたときはそのまま無視しようとしたのだ。
が、男はこっちが何もしないのに倒れてしまった。
勝手に倒れて意識もないのなら、自分の存在に気づくこともないだろう。
なら、もう少し近づいて何があったのか調査することも、偵察の内に含まれているのではないだろうか。
幸いこの周辺には誰もいなさそうだし。
そう結論付けて、とりあえずスミスは地上に降りたのだった。
(外傷は、たいしてないな。北の方に見えた湖で溺れでもしたのかな)
もちろんこのまま放っておくというのも選択肢の一つだ。
この男が重症で死にかけであるなら、迷わずそうしただろう。
だが、どうやら身体を濡らして発熱しているとはいえ、このまま死んでしまう確率は低いだろう。
ならいっそ弱っている今のうちに止めを刺しておいてもいいかもしれない。
ただこれは流石に偵察の範囲外になる。
とりあえず、男が目を覚まさぬうちに何があったかを調べておくというのが順当だろう。
男に近づきその心を読む。
潜在的に何を考えているか読むだけなので、相手が覚醒していようが気を失っていようが関係ない。
いや、気を失っている状態ならむしろ警戒していない分入り込むことがたやすい。
まずは何を考えているのか。
これは最も表立っているため簡単に流れ込んでくる。
(…アイラ、ギルダー…。探して…、止めなきゃ……)
(ふ~ん。仲間を探してるのか。止めなきゃって、何かあったのかな?)
そういえば、ギルダーという名前には聞き覚えがある。
あのタバサ達が一時的に行動を共にしてたという奴だ。
元マーダーだったらしいが、つまりこの男はギルダーがマーダーだった頃に接触して、それを止めたいと思っているのだろう。
何かに使えるかもしれないと思いつつ、その情報を頭の隅に寄せる。
今度はもう少し奥に、最近あったことの記憶を探ってみる。
(湖。島。いや、魔物、巨大な。氷塊。水。輝く水面。赤い、ローブ…)
生々しい記憶。それに伴う深い嘆き、後悔。
心に傷を負っている。前の大陸で会ったあの女みたいに。
…使える…。
スミスは囁く。それは悪魔の囁き。
言葉は意味を成し、毒をつくり、染み込んでゆく。
(ねぇ、知ってる? 魔物使いがいるんだよ。
そいつはね、自分では手を汚さず、手下の魔物を使ってもう何人も殺しているんだ。
偽善者面に騙されちゃいけないよ。あのリュカと、タバサには…。
女の子だからって、油断しちゃいけないよ。だって彼女、ギルダーの仲間なんだもの…)
木々の擦れる音に、フィンは目を覚ます。
音は、強い風が吹いたからだろう。そこには自分が一人、倒れているだけだった。
頭に手をやる。熱があるのは確実だ。
さっきまで熱かった身体が氷のように冷たい。
「何やってるんだ…」
少しとはいえ日のあたる場所で睡眠をとった所為か、頭はがんがんと痛いが先程より思考は回ってきた。
このまま野垂れ死んでは、それこそ自分は何も出来ない愚か者じゃないか。
キーファ、メルビン、アルカート、それにドーガさんに申し訳が立たない。
今は、自分の身体を休めることが肝心だろう。
仲間を探すためにも、亡き人の遺志を継ぐためにも。
ザックから地図と磁石を取り出す。
ここからならサスーンが近い。
フィンの目は、今度は決意に強く輝いていた。
地図をザックにしまうとき、ふと参加者名簿を手に取る。
ぱらぱらとページをめくり、二人の人物を探し当てる。
タバサと、リュカ。
夢で言われたことを反芻する。
何故知っているはずのない人の名前が夢に出てきたかは分からない。
名簿の二人は、とても悪人のようには見えないけれど。
けれど、もし、本当に…。
フィンは、歩き始めた。
ゆっくりと、決して無理にならないように。
サスーンに二人がいることなど知るよしもなく。
その様子を、スミスは凍てついた眼差しで見つめた。
フィンを見送った後、彼は北へと翼をはためかせた。
巨大な魔物のことは、実際に行って調べたほうがいいだろう。
【フィン(風邪) 所持品:陸奥守 魔石ミドガルズオルム(召還不可)、マダレムジエン、ボムのたましい
第一行動方針:サスーンへ向かい身体を休める。
第二行動方針:ギルダーを探し、止める。
基本行動方針:仲間を探す】
【現在位置:湖の南の平原→サスーン城】
【スミス(変身解除、洗脳状態、ドラゴンライダー) 所持品:無し
第一行動方針:湖へ行き、巨大な魔物(ブオーン)を調べる。
第ニ行動方針:サスーン方面の偵察 終了次第カズスへと戻る
行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】
【現在地:湖の南の平原上空→湖】
2008-02-17T23:50:52+09:00
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138話
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/1044.html
*第138話:英雄の責務
大地震、放送。
それすらも、彼らの闘いを止める事は無かった。
依然として、デュランとメルビンの闘いは続いている。
だが、その力の差を一瞬一瞬メルビンは噛み締める。
(これでは…負ける…)
いまや相手の剣の一閃を避けるのに全ての神経を費やすしかない。
剣を失った。魔力も底をついた。
対して相手は魔族の強みである無尽蔵な体力と強烈な破壊力を誇る剣を前面に押し出しメルビンを圧倒する。
それでも未だ生を失っていないのは、ある意味仲間達のおかげかもしれない。
――メルビン、次の職業どうしようか?
フィンの声がした。
――メルビン、踊り子なんてどう?
アイラがクスクスと笑う。
――ウェー、おっちゃんの踊り、またステテコダンスか?
ガボが吐く真似をする。
――まぁ、少しは若返りの効果があるかもね。私は見たくないけど。
マリベルの声だけが、少し霞んで聞こえた。
――身かわし脚とか、受け流しとかさ。結構使えると思うんだよね。
フィンが言ったソレが、今の自分の生を保っている。
「うぉぉぉっ!」
一声吼え、再び襲い掛かる剣をかわす。
直後に起きる爆発は予測済みだ。一寸後ろに飛び跳ねればある程度は避けられる。
「貴様、しぶといなっ!」
デュランのほうが圧倒的有利である筈だ。
だが、魔王の剣に完全には捉えられること無くここまで来た。
…あの日、皆にからかわれながら踊り子などという職業に就いた。
それが、今、彼を魔王の剣から救っているようで。
(なかなか、捨てた物じゃなかったでござるな)
…だがそれはある意味強がりだった。
魔王の振るう剣はかわせても、その後に襲い掛かる爆発を完全にかわすことは出来ない。
今や彼の身体中には無数の傷が刻まれている状態だ。
それは少しずつ彼の動きを鈍くし、最後にはデュランに捉えられてしまう事になるだろう。
魔王の剣を再びかわした時、彼の目にある物が映った。
直後の爆発による閃光で、一瞬だけそれを捉えることが出来たのだ。
…やはり、それしかあるまいな。
メルビンは大きく飛び上がり、ムーンサルトを放つ。
これも、メルビンをスーパースターに仕立て上げたなんとも微笑ましい仲間達のおかげだった。
「貴様の攻撃はもはやその程度か!」
デュランはそれを悠々と避ける。
だが、それはメルビンの期待通りだった。
別の理由があったのだ。デュランの反対側に移動したのは。其処にあった物を、拾うために。
膝を突き、メルビンは着地する。同時に、右手でそれを拾い握り締めた。
「戯けた事をするものだな!」
デュランは振り返り、剣を構える。どうやらそれには気づいていないようだ。
メルビンは立ち上がり、デュランを睨み付ける。
…右手は、デュランに見えない様に。
デュランはメルビンめがけ突撃を開始した。
デュランは今、魔力に頼る気は無かった。最後まで真剣勝負だ。
思い切り剣を振りかぶる。
「避けられるかッ!?」
「…避ける気など無いでござるよ」
――英雄の役目は、魔王を倒し平和をもたらすこと。
――フィン殿、アイラ殿…真に倒すべき敵は任せたでござるよ。
――神よ!これがメルビン最期の生業でござる…!
デュランの剣がメルビンの胸を切り裂くのとほぼ同時に、
メルビンの握り締めた、刃だけとなり落ちていた鋼の剣が、デュランの喉に突き刺さっていた。
「これが、英雄として願った最期でござるよ」
それは、魔王と相討ちする事。
身を捧げて平和をもたらす事を夢見た。
神の加護は、きっと――
デュランとメルビンは、同時に、背中から地面に倒れていった。
「避けられたはずだ…」
喉に剣の先が突き刺さっている状態で、デュランは呟く。
魔族は喉を突いても言葉を発することが出来るのか、とメルビンは思った。
「…魔王など、生かしておくワケには行かないでござるよ…英雄として。だから決断したのでござる」
メルビンは、自らの切り裂かれた胸の前で、両腕を十字に組む。
「フフフ…いい勝負だった…が、まだ引き分けというところだな」
クッ、とデュランは苦痛に表情を歪めた。
「あの世でもう一度手合わせをしたいものだ」
「…魔族は地獄、正しい人間は天国へ逝くと相場は決まっているでござる…」
メルビンは、自分の声が少しずつ小さくなっていくのを感じた。
「…だから、それでは戦いなど出来ないでござるよ」
「フッ、そうかも知れぬな…」
デュランは皮肉を帯びた笑みを浮かべる。
「…ゴホッ…おぬしは地獄へ…」
「…フン、貴様も…天国へ行くのだな…」
「神の元へ…」
擦れていった声に耳を傾けるのは、森の木々のみ。
二人の猛者は、何処か満足したようにゆったりと意識を闇に溶かしていった。
そしてもう、何も聞こえることは無かった。
【現在地:岬の洞窟北西の森】
【デュラン 死亡】
【メルビン 死亡】
【残り 103名】
2008-02-17T23:50:11+09:00
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