亡霊編

「亡霊編」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

亡霊編」(2008/02/18 (月) 20:52:52) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

!!NEW!! ザッピング     『お兄やん編・亡霊』    最高会議『PSW』から解放されると、俺は思わず大きな深呼吸をした。 体がどっと疲れていた。昨日もブログの更新を3回、2cやアマゾンへの書き込みは名無し名義の ものとあわせると1000回を超えている。 (もう少し我慢してくれ・・・!) 俺は心臓に埋め込まれたエモーションエンジンチップにそう語りかけた。 昔、感情を失くした俺は、こいつによって擬似感情を制御しているのだ。 今となっては旧型で、ときおり、論理的に矛盾した感情が俺の中で渦巻き、それを他人から 指摘されることもあるが、いい相棒だ。 俺は、顔を上げると廊下を歩いてあるだだっ広い部屋へ入った。 びっしりとPCが並び、青白い顔の人間たちが一心不乱にキーボードを叩いている。 (また増えているのか・・・?) 一体何千、いや何万のPCと人間がいるのだろうか。 遠くは霞んでしまって見ることができないほどだ。 「ボン!」 突然、スピーカーの電源が入り、CMでおなじみの効果音がフロア全体に鳴り響くと PCの前の人間が一斉に作業をストップした。壮観だった。 「ゲームの面白さを決める要素は?」 スピーカーから女の声でそう質問がされた。 すると一拍をおいて全員が叫んだ。 「グラフィック!!!!!!!!!!」 地鳴りのような声量で思わず耳にふさいでしまう。 後ろの自動ドアが開いた。 「これはこれはA助様。お久しぶりです。多少おどろかれましたかな?」 イライラする甲高い声だ。この高い監視ルームに入れる人間に、こんな声の 奴はいないはずだが・・・。振り返ると、唇を歪めて笑う小男がいた。 「君は?」 「お忘れなのも無理はないですね。フフ。前にいらっしゃった時は、下で家畜のように やってましたからね。ID・G67654323。今は『G様』という名前でやらせてもらっています。成り上がりってやつですね。クク。」 「そうか・・。よろしく頼む。」 その時、下のフロアで、PCと人の波の間を縫って あたりを見回しながら、闊歩してくる人物が視界に入った。 手には鞭を持って、目に付いたGKを容赦なく叩いているらしい。GK達は声ひとつ上げず苦しそうに顔を歪める。 「千手観音・・・。また好き勝手してやがる。」おれはそういって下に降りた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: