亡霊編


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!!NEW!! ザッピング     『お兄やん編・亡霊』

 最高会議『PSW』から解放されると、俺は思わず大きな深呼吸をした。
体がどっと疲れていた。昨日もブログの更新を3回、2cやアマゾンへの書き込みは名無し名義の
ものとあわせると1000回を超えている。

(もう少し我慢してくれ・・・!)

俺は心臓に埋め込まれたエモーションエンジンチップにそう語りかけた。
昔、感情を失くした俺は、こいつによって擬似感情を制御しているのだ。
今となっては旧型で、ときおり、論理的に矛盾した感情が俺の中で渦巻き、それを他人から
指摘されることもあるが、いい相棒だ。

俺は、顔を上げると廊下を歩いてあるだだっ広い部屋へ入った。
びっしりとPCが並び、青白い顔の人間たちが一心不乱にキーボードを叩いている。

(また増えているのか・・・?)
一体何千、いや何万のPCと人間がいるのだろうか。
遠くは霞んでしまって見ることができないほどだ。

「ボン!」
突然、スピーカーの電源が入り、CMでおなじみの効果音がフロア全体に鳴り響くと
PCの前の人間が一斉に作業をストップした。壮観だった。

「ゲームの面白さを決める要素は?」

スピーカーから女の声でそう質問がされた。
すると一拍をおいて全員が叫んだ。

「グラフィック!!!!!!!!!!」

地鳴りのような声量で思わず耳にふさいでしまう。

後ろの自動ドアが開いた。
「これはこれはA助様。お久しぶりです。多少おどろかれましたかな?」
イライラする甲高い声だ。この高い監視ルームに入れる人間に、こんな声の
奴はいないはずだが・・・。振り返ると、唇を歪めて笑う小男がいた。

「君は?」
「お忘れなのも無理はないですね。フフ。前にいらっしゃった時は、下で家畜のように
やってましたからね。ID・G67654323。今は『G様』という名前でやらせてもらっています。成り上がりってやつですね。クク。」

「そうか・・。よろしく頼む。」
その時、下のフロアで、PCと人の波の間を縫って
あたりを見回しながら、闊歩してくる人物が視界に入った。
手には鞭を持って、目に付いたGKを容赦なく叩いているらしい。GK達は声ひとつ上げず苦しそうに顔を歪める。
「千手観音・・・。また好き勝手してやがる。」おれはそういって下に降りた。