※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

個体間変動と個体内変動を考慮した濃度の予測区間を構成する。


非線形混合効果モデル


 CL と V の個体間変動はいずれも 20%CV、個体内変動は 10% として、5 点 x 100 人のデータを発生させる。そのデータに対して、「真のモデル」(=データ発生に用いたモデル) を用いて FO 法で NONMEM パラメータを推定する。その結果を用いて、パラメトリック・ブートストラップにより個体間変動パラメータをシミュレートして、個体間変動のみを考慮した予測区間を構成。さらに、正規近似を用いて個体内変動分を加算した予測区間を求める。
 以上のプロセスによって 90% 区間をシミュレーションしてみたところ、もともとのデータをどれくらいの割合で含んでいるか?

種類 カバー率
個体間変動のみ 84%
個体内変動も 96%

 こうやって構成する予測区間と、「元のデータの何割を含んでいるか」とは本来全く関係がない。したがって、90% 区間が含む割合が上記のようになったとしても不思議はない。

線形混合効果モデル


 上記の結果の原因が非線形混合効果モデルにあるのは、それとも FO 法近似の限界なのかを確認するために線形混合効果モデルの設定で同様の検討をしてみる。デザインは上と全く同じ。

種類 カバー率
個体間変動のみ 87%
個体内変動も 96%

 すなわち、非線形に起因する問題ではなく、本質的なことであることが示される。


注意


 なお、ここで用いたシミュレーションではパラメータの推定誤差は全く考慮していないが、考慮したところで傾向は同じだろう。個体内変動を含む区間のカバー率はさらに大きくなる (90% から遠くなる) だけである。

 Cmax 付近、あるいはトラフ濃度の予測区間がどの程度になるか、といった本来の M&S に近い立場であるならば、この方法による予測区間構成は全く問題ない。
 しかし、回顧的な 'posterior predictive check' = 'visual predictive check' の場合はどうなのだろう。



こちらも参照。