エターナさんとシェルドくん

エターナさんとシェルド君の小ネタ集、シチュエーション優先で一貫したストーリーがある訳ではありません。

1、風邪ひきエターナさん(2008/04/14 285魂目)

その部屋の主はベッドで毛布を被り、軽く咳き込んでいる。
そしてその横には見舞いに来た少年がイスに座っている。
「大丈夫ですか、エターナさん」
「ごめんなさいシェルド、私としたことが風邪をこじらせてしまうなんて(コホン)いつもと逆よね、あなたが私を心配するなんて」
エターナは職務上シェルドの所属する部隊の長である。
「エターナさん、もう僕はあなたに心配されるような未熟者じゃありません」
語気をちょっとだけ強めて言うシェルドの言葉をエターナはなぜか受け止めなかった。
「そう…熱が引いてきたみたい、シェルドちょっと診てくれる?」
「え?」
横になったエターナが額にかかった銀髪をその細い指先で払うと白い肌が露わになる。
シェルドはまだ彼女の素肌に触れたことがなかったため、その白い額に手を当てるのにかなりの勇気が必要だった。
「シェルドの手、冷たい…」
「まだちょっと熱あるかも…」
「やっぱり手よりもこっちがちゃんとわかるかな?」
そう言ってエターナは体を起こしてシェルドと向き合った。
「おでこ同士くっつけましょう」
シェルドは戸惑うしかない、彼女のその言葉もだが、白い肌を際立たせる濃紺のパジャマの少しだけ開いた胸元にうっすらと浮いた汗を見たからだ。
自分も熱を出してしまうんじゃないか、というシェルドの胸中とは関係なく、エターナは彼の首もとと肩に手を回して目を伏せたまま額を近づけてきた。
やがて二人の額が優しく触れ合う。
「どう?」
「…やっぱり熱あるみたいです」
「そう…シェルドあなたのことなんて心配なんてしてないわ、さっきのは冗談よ」
「えっ?」
「心配はしない、けど信頼はしているわ、部下としてではなく…私の…」
言葉は途切れたが、そこから先はシェルドは予想できた。
目を伏せて額を触れ合わせているから相手の思いと望むことがわかる、そう思いたかった。
シェルドも、そしてエターナも。
数秒後、額が離れるとお互いが望んだように目を閉じ、唇を重ねようとした。

「やっぱり駄ぁ目」
いつのまにか白い指がシェルドの唇を抑えていた。
「熱にうかされるとはこのことね、お見舞いありがとうシェルド」
そう言うとエターナはさっさとシェルドに背を向けて横になってしまった。
「は、はい…エターナさん、お大事に…」
力のない声のシェルドが部屋から去るのを背中で感じたあとエターナは一人呟く。
「もうちょっと…待ってて…ね?シェルド…」

2、エターナさんとデート(2008/11/09 ?魂目)

久しぶりに地上に寄港したキャリーベース隊、そして全舷上陸日の夕刻。
シェルド・フォーリーはエターナ・フレイルと共にキャリーベースへの帰途に着いていた。
「おいしかったわ、シェルドのおすすめラーメン」
「いえ、実は僕もあそこは初めて行ったんです」
「なあんだ、ぎこちないから変だと思ってたらやっぱりそうだったの」
などと宇宙港行きの駅のホームで2人は並んで他愛もない会話を交わしていた。
「水族館も凄かったわ、コロニーだとあんなに大きいモノはないから」
2人は既に映画やコロニー自然公園などへのデートを重ねていたがどの時もシェルドからの誘いによっていた。
「すっっごい楽しかった…」
感慨深そうに呟きながらエターナは駅のレールの行き着く先にある宇宙港を見つめていた。
その瞳を彼女の右側にいるシェルドはまた見つめていた、エターナの方が長身のため少し見上げる形になっていた。
ふと、少しばかり肌寒い風が吹き、エターナが自らの肩を抱くように身をすくめる。
「地上はもうこういう季節なんだ…」
「ここは最近冬を迎えたとか…」
彼女の言葉にシェルドは言葉だけではなく、自分の上着を脱いで、華奢と言っていい彼女の両肩へ掛ける行動で応えた。
「ありがとうシェルド」
「いえ」
するとシャツ姿のシェルドを正に冷やかすかのように先程より冷たい風が吹いた。
「うわ…」
とシェルドがその冷たさに身震いするのを見たエターナが微笑む。
「こうしたら暖かいわ」
彼女は肩から掛けた上着の中へその本来の持ち主を招きいれた。
そんなに大柄ではないシェルドの上着の中に2人が収まるには密着というか互いの半身を預けあうような形にならざるを得ない。
「エターナさん…」
「なあに?」
恥ずかしいです、と俯いたシェルドは続けようとしたが、左半身に伝わってくるエターナの感触とその熱、そして左頬をくすぐってくる彼女の銀髪、それらが恥ずかしいなどと口にするのはもったいないような気がした。
「シェルドはいつも私を楽しませてくれる、だからこれぐらいの役得がなきゃ」
砕けた言い方ではあるもののシェルドの心中を見透かしたようなその言葉は、彼女のシェルドに対する答えが感じ取れた。

宇宙港へと向かうリニアレールの座席でシェルドの上着を羽織ったエターナとシェルドが寄り添うように眠っているのをクレア、エリス、レイチェルに目撃されて散々冷やかされるのは後の話。

3、エターナさんの誕生日(2008/09/25 ?魂目)

「エターナさん、誕生日おめでとう」
キャリーベースの食堂において、エターナ・フレイルのバースディパーティーが開かれていた。
「はい、エターナさんが乗ってる機体のプラモ~」(完成品)
「フフ、ありがとうクレア」
隊のメンバーがそれぞれ個性的かつ趣向を凝らしたプレゼントをエターナに渡していく。
そして最後にプレゼントを渡す順番が周ってきたのは。
「エターナさん、誕生日おめでとうございます」
このパーティーが開かれた目的はエターナのためはもちろんのこと、彼の為と言えた。
その彼、シェルド・フォーリーが普段弱気な印象とは違う堂々とした雰囲気で差し出した。
最後のプレゼントは、その右手の手のひらの上に紺色の細長いアクセサリケースの形をとっていた。
「受け取って中を見てください」
シェルドに促されエターナはそのケースを手に取り、開く。
誰かが息を呑んだ、そのケースの中のビロードの中にあったのは、銀の鎖と八面で形作られた菱形の深い青の輝きを放つ宝石とで構成されたネックレスだった。
それを見たエターナも息を呑んで、動揺したのか身じろぎした。その動きに合わせて、彼女が首から掛けている碧色の宝石と革紐のネックレスが少し揺れた。
しばらく青い輝きを見つめていたエターナの表情は意識がこの場から遊離したような無色のものだったが、その白い肌の上をキャリーベースクルーが見たことのないものが流れた。
自らが落涙していることに気づいていない彼女だったが、その喉から小さな嗚咽が漏れたことで我に帰った。
「ごめんなさい、シェルド、受け取れない…」
ケースを閉じ、呆然としている彼の手に押し付けるように戻したエターナは涙を拭きもう一度、ごめんなさいと呟くと踵を返してその場から去ってしまった。

「はあ…」
クルーの憩いの場となっているラウンジでシェルド・フォーリーはため息をついた。
衝撃的な拒絶の後、その場はクレアが明るく取り繕ったものの、誰も彼にかける言葉を見つけられずにいた。
そして彼は一人ここに佇み、自らがどれほどの過ちを犯したのか思い返し、その元凶とも言える手の中のアクセサリケースを見つめた。
パイロットスーツの上からアクセサリを装着するのは禁じられている、しかしエターナはそれを意に介さずに碧色のペンダントを身に着けている。
それ程までに愛着のあるものに替わるものを送ろうとしたのだ。
捨てよう、シェルドはそう思った、彼女の涙も拒絶もその原因が手にしているそれにあるのなら。
彼はラウンジのダストシュートの前に立った。
「シェルド、待って」
聞き覚えのある優しい声に彼が振り返るとそこにはやはりエターナがいた。
胸のペンダントを握っている彼女の姿を見て、シェルドの胸に痛みが走る。
「さっきは…ごめんなさい」
「いえ…僕の独りよがりだったんです」
「違うの、私、驚いて動転してしまって」
「エターナさんのそのペンダントがとても大事なものだというのは感じていました」
「これは私が戦い続けるのに必要なものなの」
「だから僕はあなたに対する気持ちの強さを伝えるために、それに替わるものを贈ろうとしたんです、僕をあなたの生きる力にしてほしいと…今はもうわかる、それが自分勝手だったと」
「ちがうわ、シェルド」
2人は言葉を交わしながら距離を縮めていた。
「このペンダントは私に戦う力をくれるけど、ただそれだけ、さっきは昔を少しだけ思い出してしまったの」
エターナはそこまで言うと半歩の距離まで近づいて、ぎこちなく想いをぶつけてきた少年を抱きしめた。
「受け取るわシェルド、今はまだ戦いが続くから身に着けることはできないけれど」
シェルドより拳一つ分長身のエターナが右手で彼の前髪を払う。
そしてシェルドは額に彼女の柔らかい唇の感触を感じた。
「戦いが終わればあなたに応えることができる、その贈り物はそれまで私と共にある、いまのキスに誓うわ」
体を離し、シェルドの手から贈り物を取り、両手で胸の上で抱くようにするエターナ。
「行きましょう、みんなに謝らなくちゃいけない」
微笑み語る彼女に向かって、少年は力強く応えた。

宇宙をエターナの乗るMSが駆ける。
「S1、ポジションに着きました」
予定通りの狙撃ポイントへ着いた彼女はコクピットの狙撃モジュールを引き出すと、機体を狙撃姿勢にした。
いつものようにスコープを覗き、引き金に指をかけながら、空いた左手で胸の碧色に光るそれを握った。
“私に、戦う力を”
そう祈ると目標へ狙いを定める。
その後彼女は新しく祈りを加えた。
狙撃モジュールのグリップガードに巻きつけられたシェルドの捧げた青い輝きを握ると。
“私に、生きる力を”
と、祈り、引き金を引いた。

4、酔いつぶれたエターナさん(2009/06/09)

「お、重い」
肩に寄りかかったまま酔いつぶれている彼女に僕は呟いた。
月に一度の彼女…エターナ・フレイルとのデート、いつもは軽い食事だけで終わるのだけれど今日は違っていた。
彼女に誘われるまま何軒もお店をハシゴして、気づけばバーカウンターで彼女は僕に寄りかかったまま眠っていた。
やっとのことで彼女の部屋に辿り着き、彼女をベッドに横たわらせることができた疲労困憊の僕は彼女におやすみの挨拶をしてそのまま去ろうとしたけど。
「…ェルド……て」
と呼びかける声に振り返らずにいることはできなかった。
「ブーツ、脱がして…」
薄く目を開けながら囁く彼女の艶かしさに対して必死に無心になりながら僕はベッドの左側に立ち、彼女の左足側に膝下までスリットの入ったロングスカートからはみ出している左足のブーツを両手で掴むとゆっくりと脱がせた。
更にそのまま右足のブーツを脱がせようと左手で彼女のつま先を掴み、右手をスカートの中に突っ込んで…
(今思うとこんなことが平常心でよくできたものだと自分に感心してしまう)
そのままブーツを脱がせた、そこで残念なことに僕の平常心は売り切れてしまった。
彼女の足元側にかがみこんで黒いストッキングを履いた美しいその脚をしばらく見つめ続けたのだ。
突然僕の顔を衝撃が襲った、何が起こったのかわからなかったが数瞬後には理解した。
彼女が左足裏で僕の顔面を蹴ったのだ、酷いことをすると思ったがもう一方の脚が同じように空を蹴るのを見て、その動きが既に脱いだブーツを脱ぎ捨てる動作なのに気づいて呆れた。
「…ストッキングも…」
今のブーツを脱ぎ捨てる動作のせいでスカートはずり上がり、スリットが膝上まで来ていた。
スリットの上端とストッキングの上端に生まれた白い腿の美しさに息を呑んだが、僕はすぐに両手の人差し指と中指を左足のストッキングの上に差し込んでゆっくりと下ろし始めた。
衣擦れの音と、指の背を走る彼女の肌の感覚、そして僕の指によってか彼女の唇から小さく漏れた声。
その全てが僕の耳と脳を乱打する。
荒くなった僕の呼吸音がキャリーベース中に聞こえてしまうような気がして僕は息を止めた。
左足が脱ぎ終わり、右足にとりかかろうと思ったけどそれには半ば捲れたスカートの奥に手を入れ、彼女の半身に被さるような体勢にならないといけない。
僕の理性がそれに耐えられる自信はなかった。
けれど僕は

5、幸せな…(2008/05/16 302魂目)

…あの戦争が終わって数十年が過ぎた、シェルド・フォーリーは戦後知り合った女性と幸せな家庭を築いていた。
もちろん忘れたわけではない、心も体もそして魂さえも繋がり合ったエターナ・フレイル。
シェルドのためにその命を散らしたエターナ・フレイルのことを。
シェルドは妻と家庭を築き、子を授かった時も彼女の事を忘れなかった。
雑踏の中に彼女の幻影を見て、それを追いかけたことも何度もあった。
彼はいつも聞こえていた、幸せを感じる度にエターナが『幸せそうね、シェルド』と呟くのを。

しかし、彼の子から孫へ、更に曾孫へと時が移り変わって行き。
シェルドも都市郊外の孫娘の家でゆっくりとした時間を暮らしている内にかの女性の事を胸の内へと納めていた。
ある休日の昼下がりのこと、いつものように幼な子達へ昔の戦争の事を語り終わったシェルドは庭先の揺り椅子でくつろいでいた。
いつの間にかうたた寝をした彼の耳に聞き覚えのある声が響く。
「シェルド…久しぶりね…」
その声にハッと顔を上げるシェルド、そこには眩しい光しか見えない。
「貴方は戦い抜いた、わたしの願い通りに…」
光の中の女性が彼に手を差し伸べる。
その声から女性が誰なのか気づいていたシェルドはすぐさま自らの手でその手を握る。
その自分の手が遥か昔の若々しい手に戻っていることに彼は驚いたが、すぐにそれが意味することに気づいた。
自分に『その時』が来たことを。
「行きましょう、シェルド」
声の主が優しくシェルドを引き上げる。彼の若返った体はその光の中へ吸い込まれていく。
その前に彼はもう一度彼女の名前を呼んだ。

ある休日の昼下がり、シェルドの曾孫が母親へ話している。
「あのね、さっきねきれいな女の人がひいおじいちゃんとお話してたの、あのね、起きてっていってもひいおじいちゃんが起きないの…」

6、エターナさんとマルチエンディング(2008/04/14 285魂目)

<バッドエンドルート>
「ごめん…なさい…シェ…ル」
ノイズ混じりの彼女からの通信は途切れた。
シェルドの目の前でエターナの青い機体は一つの火球となり、消滅した。
「エターナ…さん」
自分をかばって死んだ一人の女性の名をシェルドは呟いた。
自分にもっと力があれば…っ
ヘルメットのシェードを開けると彼は自分の唇に指を当てた。
するとあの時彼女が触れた指の感触が鮮やかに蘇る。
そして彼の目から涙、喉から嗚咽が溢れ出てきた…。

<欝エンドルート>
シェルドの耳を彼女の笑い声が圧迫していた。
その声は暗く低く彼のコクピット内に響き渡る。
モニターに彼女の乗った黒い機体が映る。
<それ>は彼の信頼も仲間も未来も全て奪った存在だった。
「うおおぉぁっ!!」
シェルドの機体がビームサーベルを抜き、黒い機体へと突撃する。
もう彼女の心がわからなくなっていた、知りたくもなかった。
黒い機体も同様にビームサーベルを手に突撃してくる、地獄から響くような笑い声とともに。
「エターナさあぁぁぁぁん!!」
最期の瞬間にシェルドは彼女の名を呼んだ。
そして彼女のビームサーベルで焼かれながら聞こえないはずの音を聞いた。
自分のビームサーベルが彼女を焼く音、彼女の叫び、そして最期に自分の名を呼ぶのを。
…そして全てが消滅した。

<グッドエンドルート>
全てが終わった。
役目を終え、力を失った機体を森へと不時着させるとシェルドはコクピットから出る。
「じゃあな、相棒」
愛機へ別れを告げると、シェルドはもう一人のパートナーを探すために歩き始めた。
彼女とは強い信頼で結ばれ、その力はこの戦いを終わらせた。
森を抜けると丘の上への道、丘の上には彼女の傷付いた白い機体が着地しているのが見えた。
その道を登り続けるとてっぺんに一本の木、その木陰に彼女が立っていた。
シェルドが彼女の名を呼ぶと彼のほうを向き手を振る、銀髪が風に揺れる。
彼は走り出し手に持っていたヘルメットを投げ捨てる、こんなもの重いだけだ。
丘の上では彼女が手を広げ待っている。
二人の唇が重なったとき、この戦いは真の終わりを迎えた。
ツールボックス

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