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機動防御


定義

 機甲部隊を機動的に展開して行う防御戦術。
 独ソ戦後期に、数的に劣勢なドイツ国防軍が使用した。

概要

 陣地防御のような防衛戦を展開するのではなく、拠点陣地と呼ばれる強力な陣地を前線に点在させ、その間を縫って味方の勢力圏内に侵攻してきた敵部隊に対して、機甲部隊をピンポイントにぶつけ、敵の攻撃と侵攻を阻止するもの。

 機動防御の利点は、陣地防御を行うには広すぎる防衛範囲の場合、あるいは陣地防御を行うには自軍の戦力が少なすぎる場合でも敵の侵攻阻止が可能なことである。また、機動的に運用する機甲部隊によって、局地的に戦闘の主導権を握ることも出来る。

 機動防御を行うにあたっては、次の3つの要素が必要となる。

拠点陣地

 敵の正面攻撃に耐え得る、強力な防御力を備えた拠点。地形が高台になっている、河川で敵を阻止できるといった、地形効果を得られる有利な条件を満たしている必要がある。市街地も拠点として有効である。

 また、機動防御での役割上、拠点陣地は敵中に孤立することになる。したがって、独立戦闘能力を維持することが重要になり、充分な兵站支援が必要となる。

防御縦深

 前線から敵の攻撃目標まで距離(奥行き)のこと。この距離を移動中の敵戦力に、味方の機動打撃部隊をぶつける。

 この距離的な奥行きがなければ、前線を突破した敵部隊によって、敵の攻撃目標を捕捉されてしまうことになる。
 機動防御を行う際には、敵の攻撃目標を正確に把握することが必須となるともいえる。

機動打撃部隊

 自軍の勢力圏内に浸透してきた敵戦力を、側背から打撃する機甲部隊。
 その性質上、高い機動力と火力、そしてそれを支える充分な後方支援が必要となる。敵の侵攻ルートをある程度予測し、戦闘後にすぐ補給を行えるよう兵站拠点を準備しておく必要がある。

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最終更新:2008年03月19日 00:14