アイドレス参謀コンクール > 応募作 >

はじめに
今回は『EV108“空爆の開始”』について講評いたします。
なお、*1 *2などは根拠URLを持つ部分です。
URLは投稿制限に引っかかったためgoogleドキュメントにリンクしています。



『EV108“空爆の開始”』

このイベントの勝利のポイントは二点あります。敵艦隊突撃での戦果と帝国防空回廊です。そして軍事上無視できないポイントは事前計画です。


まずは敵艦隊突撃での戦果について説明します。この戦いによって帝國軍と銀河鉄道なごみ騎士団は大型I=D3機と巡洋艦・空母をそれぞれ一隻撃破しています。これにより天空からの鉄槌イベントにおける施設被害は11回にまで減少しました。敵は巡洋艦が11隻残っていたため、これらが1回ずつ攻撃したものと考えていいでしょう。

この攻撃が無ければ、あるいは失敗に終わっていればさらに13箇所もの施設被害があったと考えられます。敵大型I=DのARについては不明ですが、アビシニアンと同等の20であったと仮定します。同イベントでのAR消費内容から攻撃地点への移動・攻撃後の撤退に必要なARは6程度*1と考えられ、砲撃の消費ARを3とすると砲撃は一機あたり4回可能です。巡洋艦も同じくARは不明ですが、こちらは1回のみの砲撃としました。

燃料生産地のある藩国が砲撃で防空施設を破壊され、爆撃機に分散突入されていれば燃料生産地は大きな打撃を受けたでしょう。各国の防空施設は最大でも4箇所しかなく*1、砲撃を4回ずつ6ヶ国が受け爆撃機の突入を許せば、各部隊は防衛のため移動するのにARの消費を強いられ迎撃は困難だったでしょう。敵に防空施設の数を把握されていたとすればより効率的な砲撃を受け、これ以上の被害が出る事も十分ありえました。加えて爆撃機が他の施設に攻撃を加えないという保証は無く、工場その他の施設も破壊されていたでしょう。現に空の地獄イベントでは藩国破壊の可能性*3さえ示されています。

しかし敵は帝國軍ならびになごみ騎士団の攻撃により砲撃を11回に制限され、爆撃機の一部も失いました。これでは産油各国に対しせいぜい2~3回の砲撃しかできず、また砲撃を集中して回数を増やそうとすれば防空部隊が攻撃を予想して集まって来るでしょう。敵は防空施設が残るのを覚悟して浅く広く攻撃するか、集中攻撃を行い大部隊で突入するかの2択を迫られます。防空施設の残っている国に少数の爆撃機を突入させても自動迎撃により全滅させられ無意味、と判断したのでしょうか。敵は重要度の高い施設を一部攻撃した他は全砲撃を東京に集中してリンクゲートのある芥辺境藩国に全戦力を投入してきました。

敵艦隊突撃の戦果は施設被害を未然に防ぐだけでなく、敵の選択肢を限定したという点で大きな意味があったと考えます。


続いては帝国防空回廊についてです。帝国防空回廊は全ての帝國内防空兵器を越前藩の指揮下にあるものとして扱うという効果を持ちます。これにより防空回廊参加藩国は越前藩国の施設であるレーダー施設の効果、対空評価+6、AR+3を受けられることになります。また、防空回廊から派生の「防空回廊の輸出」によりその効果範囲は共和国にまで広がりました。*4

評価+6とはリアルデータにおいて3.1であり、元の評価の部隊が3倍程度存在しなければ出す事が出来ない評価値です。帝国防空回廊により、防空部隊は数が3倍に増えたのと同等の対空能力を得たわけです。加えてこの修正は空対空での防御判定にも効果があります。この修正が無ければ芥辺境藩国部隊は空の地獄での対空攻撃時に発生する強制リクエストで自動失敗し、藩国は滅亡。その後のイベントも大きく違ったものになっていたでしょう。攻撃面でも防空回廊が無ければ東方有翼騎士団による対空攻撃にダイスロールが発生していました。また、防空回廊を通して参加国全体へのオペレートも可能であったため、防御面での効果はさらに大きいものと言えます。


この帝国防空回廊は戦闘開始前から重要性が認知されていました。イベント発表後、越前藩国国民は200マイルという大規模な出費を覚悟して急ピッチで「防空回廊の輸出」に加えて、防空レーダーを破壊されてもその効果を保全する「FVB宇宙開発センターのリンク」を取得しています*5。防空回廊の輸出が無ければ戦場となった芥辺境藩国で防空レーダーの効果を受けることはできず、FVB宇宙開発センターとのリンクが無ければ「天空からの鉄槌」イベントで防空レーダーが破壊された時点で使用不能となっていたでしょう。

早期に防空回廊に着目し、能力を拡充した越前藩国の行動はEV108の結果自体を変えるほどに大きな意味を持っていたと言えます。


そして軍事上重要な点は事前計画です。

EV108では全部で15の国と騎士団が参加しましたが、実際に戦闘を行い、成果をあげたのは帝國軍・銀河鉄道なごみ騎士団・芥辺境藩国・東方有翼騎士団・越前藩国のみでした。半分以上の勢力が判定の機会を逃したか、あるいは失敗したことになります。それでいて輸送力にはかなり余剰があり、ながみ藩国の宇宙行き長距離輸送システムはアビシニアン1機、FVBの宇宙開発センターはケント4機を輸送したのみです。爆撃機撃退後に芥辺境藩国に到着した援軍がシープホーン投下及び上陸作戦の抑止力となったという側面はありますが、出撃した各国の消費に見合った効果とは言えないのではないでしょうか。

輸送力だぶつきと活躍の場が無かった藩国が多かった原因として、戦闘イベントの発表が編成フェイズ・聯合フェイズよりも後であった点が上げられます。宇宙戦が可能な藩国であっても、イベント発表後に輸送力を持つ藩国と聯合を組む事はできず、結果として地上で敵を待つしかありませんでした。

以上の点から、今後は聯合・編成段階での戦略がさらに重要になるでしょう。宇宙への輸送が可能な藩国は限られており、宇宙輸送可能な藩国だけで今後の宇宙戦を戦い抜くのは困難です。聯合・編成の前段階で計画を立て、そのターンの戦闘にどれだけの輸送力が必要か、あるいは聯合国にどれだけの輸送力を提供できるか、藩国がそのターン全体でどのような行動を取るか、これらを明示・周知する事が効果的な編成と聯合に繋がると考えます。


根拠URLリスト
http://docs.google.com/Doc?id=dhk8qf8f_16hrr7xwdn

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年06月08日 02:09