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JICA見学の報告


はじめに

防災ツアー3番目の訪問先はJICA(国際協力機構)でした.このレポートではまず中村氏から紹介のあったJICAの概要について述べ,次に今年の4月までインドネシアでお仕事をされていた谷口氏によるお話をまとめたいと思います.

JICAについて(中村氏)

JICAはODA(政府開発援助)の技術協力及び無償資金協力の実施機関であり,日本の資源(知識・経験・技術)を生かして発展途上国の自立的・持続的な発展をサポートすることを目的としています.対象となる分野は農業・社会構造から保健,平和支援まで多岐にわたっており,人的援助,物的援助,教育研修などを通して防災分野での協力も行っています.JICAは「人を通じた国際協力」を理念としており,
JICAとカスタマーの間に現地のコーディネーターを入れることで目的となる自立的・持続的な発展を促そうとしています.

今回訪問したJICA兵庫は神戸という国際的な土地柄および阪神大震災(1995年)の経験を生かし,地域に密着した国際協力の拠点となることを目指して2001年に設立された機関です.主な業務には防災,環境対策,貿易等の分野での研修,海外ボランティアの育成,フェスティバルや出前授業を通じた一般市民の教育などが挙げられます.この中でも特に充実しているのは研修事業であり,常時受け入れ可能な宿泊施設および防災分野だけでも10講座という多彩な研修コースを取り揃えています.

インドネシアにおける事業の紹介(谷口氏)

去年の9月から今年の4月までバンダアチェとジョグジャカルタで仕事をされていた谷口さんにインドネシアにおける事業のお話をしていただきました.実際の仕事を通しての体験談はとても有意義なものであったと思います.まずバンダアチェについて,次にジョグジャカルタについて,そして最後に今回のお話をKIDSの活動にどのように活かしていくべきかを考えます.

バンダアチェは2004年12月のスマトラ沖地震で大きな被害をこうむった場所ですが,被災後に世界各国から過剰の支援を受けたために「援助慣れ」してしまい,今後地域が独り立ちしていけるのかが危ぶまれる状況でした.そこでJICAは地域の発展および自立を促すために主に2つの支援を行いました.一つはコミュニティーの支援であり,地域の特産物や伝統工芸を基盤として地域の活性化とコミュニティーとしての結束を図ろうとしました.この支援を行うにあたって現地の人への聞き込み(被災前にどのようなものを作っていたのか?etc)が役に立ったそうです.もう一つは地方行政官の育成であり,JICAのスタッフが現地を離れてからも自分達で高度な行政を行えるようになってもらおうとしました.しかしもともとバンダアチェはコミュニティー意識の弱い地域で,またその他にもいろいろと原因があって(現地の建設会社が働いてくれないetc)JICAの行った支援がうまくいっているとは言いがたい状況であるそうです.

ジョグジャカルタでは建物の建築基準が無く安全性に欠けた建物が数多く存在していました.そのためJICAでは現地スタッフとの協力の下に建築基準受付の窓口をコミュニティーごとに設置し,地域の建築申請を一律に取り扱えるようなシステム作りの支援を行いました.この事業は現地で成果を挙げていて,今後は地方への応用を目指していく方向であるそうです.

今回のお話でKIDSにとって参考となるのは,いかにして現地の人をやる気にさせるかという点にあると思います.JICAの目的の一つは「自立的・持続的な発展」にありますが,いくら支援を行ったとしてもスタッフが引き上げた後に事業がストップしてしまうようでは意味がありません.これと同様に,KIDSがいくら防災教育を行ったとしても子供たちがすぐに綺麗さっぱり忘れてしまうようでは活動自体の意義がないと言えるでしょう.やはり重要なのは我々の教育を通じて子供達が「防災対策をしっかりしよう!」「防災について日々考えよう」と自ら考えられるようサポートすることにあると思います.バンダアチェの例にあったようにこれは一筋縄ではいかないことかもしれませんが,少しでも目標に近づけるよう努力していく必要が我々KIDSにはあるのではないでしょうか.