※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

はじめに

日本での三回目の防災教育、しかも初めての小学校からのオファーを受けてのプログラム作りということもあり、準備は今まで以上に念入りにした。我々のポリシーである手作り感のある、子どもに身近な教材作りを意識し、作業にあたった。故に、今回の教育プログラム自体は、内容的には今までで一番の完成度といえよう。今回が初めての活動参加となるメンバーも何人かいたが、皆積極的にプラン改善案を出してくれ、サークルとしてもより一層成長できた。
子供達の反応、又我々のHPへの彼らの書き込み・質問などを見ていると、今回も、震災の恐ろしさを感じてもらい、身近な話しだと認識してもらうという、軸たる目標を達成できたと思う。ただ勿論、反省点も多数発見できた。三回目ともなれば、子供達の反応の良さに単純に喜んだ後で、全体的なこちら側の力量、各パートに求められているプレゼン技術の特徴にも気づきはじめる。伝えたいことが違えばつたえる手法も変わるという、当然のことではあるが大事なポイントを、これからより一層突き詰めていくべき段階にいるように思う。
授業数と時間の都合で、子供達と授業外で交流する機会は少なかったとは思うが、今回は生徒にこちらのHPのアドレスを教えてきた。授業後に多数の生徒が、お礼の言葉や率直な感想、さらにはかなり学術的な質問なども寄せてくれたので、現地での交流に勝るものを得られたのではないかなと感じている。


全体的な反省点

メンバーの中には、今回が初めての活動という者も多く、彼らからは「積極的な行動がとれなかった」「全体に目を配れていなかった」などの反省が多くでた。初回ゆえの問題といえるので、今後の活躍に期待したい。
全体的に予想外に時間が押していたこともあって、ペースが若干速かったのが、今回の最大の問題点だと思う。それに伴い、話しについてこない、集中できていない子が、今までよりも多く見受けられた。それでも急いでいるため、彼らに対し充分な対応がとれなかった事が悔やまれる。司会者の技量も勿論大切だが、周りのフォローでもカバーしていきたい問題である。
又、予行演習が今ひとつ足りなかったという、時間的な問題もあった。教材作りの手を抜くことはできないが、もう少し効率的に作業を進める必要性があるとは思う。

全体的な良かった点

今回は特に阪神大震災の規模や大きさが、南海・東南海地震と似ているため、地震の被害や地震後の被害や地震後の生活の様子が、リアルに感じられたのではないかと思う。又、パワーポイトの内容や各種教材の内容については、毎回反省を活かしているだけあって、非常に質の高いものになっていたと自負している。その甲斐あってか、子供達の方からかなり積極的に意見を発表してくれ、この授業をやったことへの確かな意義を感じた。
毎回のことではあるが、ポインタ、模型の倒れ方など、インパクトのあるシーンでは生徒がうなずいたり素直に驚いてくれることが、何よりも関心を引けていることのサインとなるのでこちらとしても救われる。子供の表情は素直で、最大のフィードバックであるし、こうした活動をして、直接的に子供の意識の変化を見れたことが、単純にとても嬉しい。後々先生方から、子供達が模型と絵を非常に気に入ってすぐに感想を書いたりクロスワードを解いていたと聞いて、これもまた活動の意義を再認識させてくれた。


当日のプログラム概要

自己紹介

メンバーの簡単な紹介。なお、今回は時間の制約があったため、司会者が代表して紹介していく、という形式をとった。

スマトラ沖地震での津波について、授業の導入

昨年9月に、実際にインドネシアで教育活動を行ってきたメンバーによる、授業内容・スマトラ沖津波の被害実態の説明。
今回の訪問先の小学校が津波後に、現地に手紙を送っていた関係で取り入れた。そこでの活動を紹介することで、会全体としての紹介を兼ねるとともに、生徒に積極的に問いかけ、発言を促すことで、アイスブレイキングの役割も担った。パワーポイントを使って被害写真を示し、津波の威力や速さについてはたとえ話を用いた。

地震メカニズムの説明

模造紙を用い、地球の構造⇒マントル対流とプレートの形成…と順を踏んだ上での、直下型地震の説明。日本列島付近に存在する複数のプレートを図で示すことで、日本に地震が多いという現実との相関関係を捉えられるようにした。また、断層型地震の説明や、上記のスマトラ沖津波の話と関連させて、津波の発生原理の説明も行い、さらに学校周辺の地震被害予測マップ、広域避難場所の紹介と定義説明を行った。全体を通じて、専門用語や難解な語句は使わず、プレート等一部のものについてのみ、必要に応じて穴埋め形式で問いかける、という形をとった。

模型を使った被害予測・対処法

「地震は明日にでも起こりうる」という視点から、地震が、普段どおりに学校へ向う兄弟の身に起こったら…というシチュエーションの下での、屋内外での危険性の検討。視覚に訴えるべく写真等をおり込んだパワーポイントを用いながら、屋内、屋外それぞれについて、模型を見て、考えられる危険を挙げてもらった。その後模型を実際に揺らし、挙げ切れていないものがないか確認した上で、その対処法を紹介していった。対処法については、通常は生徒に考えさせるのだが、今回は時間の都合上、パワーポイント中で示し、反応を拾うこととした。

体験談

プロジェクターを用いての実体験説明。災害がいかに怖いものか、防災がいかに大切かということを感じてもらおうというコンセプトの下、被害の規模や実態、震災後の生活について、また地震に備えて日ごろから家族で話し合うこと、地域で助け合うことの重要性について伝えた。主に阪神・淡路大震災の写真を示しながら、実際に同震災を経験したメンバーが、自らの体験を交えて説明した。

授業のまとめ(KIDSタイムズの作成)

一日の総復習。パワーポイント同時に、事前に用意した手作りのまとめシート「KIDSタイムズ」を使いながら、授業の要点を反復していった。生徒に発言を求め、途中対処法の項目を中心にクイズを取り入れることで、双方向性を重視した。また、帰宅後保護者と防災について話し合ってもらい、意識を高めて欲しいという目的の下、タイムズには、授業のキーワードを入れると完成するクロスワードや、「非常時持ち出し物チェックリスト」を取り入れたほか、「家族で話し合った避難場所」を記入する欄を設けた。

各パートの感想・反省


自己紹介

時間設定がギリギリの中、各クラスとも授業開始のチャイムから2分ほど遅れて入ってくるという予想外の展開はあったが、自己紹介である程度柔軟に対応していたと思う。ほんの一言ぐらいしか紹介がなかったが、ニックネームの紹介のみでとても関心を示してくれるので問題なかった。ただやはり授業の最初ぐらいは、全員で前に立つことが必要ではないかと思った。

スマトラ島

スマトラ島の話については、津波について少し子供たちが知ってたこともあって、写真に対する反応は良かったように思う。とくに、津波の前後で海岸線が変化している写真や、壊れた家の写真に対してかなり反応があった。また、船が流されてきた後の写真は、それ1枚ではちょっと状況がわかりにくい気もしたが、そこは「体育館を~まで押していける?無理だよね。」などと例えや振りをうまく使って、工夫して進めていたように思う。今回は一人のメンバーでこの部分を担当したが、9月、インドネシアでの活動後はこのパートを担当できるメンバーが増えるので、それぞれの特色に期待したい。時間におされ気味だったのが若干残念である。又、今回使った写真よりも、もっとインパクトのあるものが選べるはずだという意見もでたので、今後写真選びの段階で、検討していきたい。

メカニズム説明

双方向性は、授業を重ねるたびに改善されていると思う。今回は、説明中に定規を使って簡単な実験をする際、生徒をランダムに当てて参加してもらうという手法をとったが、これも子供達の注意をひきつける意味、そして実験自体の理解度を深める意味で、効果的だったと思う。ただ、女の子の興味を引くことがここでも重要だと感じた。メカニズム担当者には、立ち居地を女子の方に近くしたり、女子に積極的に問いかけるなどして、工夫をはかってもらいたい。又、手の空いているメンバーも、子供達を脇からフォローし視線を前に向けさせるなど、より一層の協力をしてほしい。

知識がある子に合わせた説明のように見えた、という意見も挙がっており、多少急いでいたことが表に出てしまったのは、多いに反省すべき点である。
教材については、まず、もっと動く絵を活用していきたいという意見が出た。今回は地球の構造と津波の説明、二箇所に変化する模造紙を使用したが、思ったより反応が良かったため、他の場所でも使えないか考慮したい。又、学区域の地図の絵は、もう一つ改良できるだろう。避難場所についての説明を別の紙に書いたり、現地の写真を貼ったりといった工夫の余地がある。

模型

細かな部分の作りこみにこだわったこともあって、素晴らしい反応が得られ、非常に嬉しかったと全員が全員言っている。今回も身近な土地で起こりうることを強調するため、小学校近辺の再現を行ったが、それに子ども達がちゃんと気づいてくれた事も、彼ら自身の理解を補助する意味で、非常に重要だった。
これだけ関心をひきつけるものだからこそ、彼らから模型を守るのが一苦労だったという問題はある。「模型にさわらない」ということをルールとして扱っていくことも大事だが、それ以上に、一班に対するKIDSメンバー数を増やす必要を感じた。又、前で意見をまとめさせるために、自分のグループで出た意見を伝達する部分で、多少スムーズさを欠いた。
ここでも時間が足りなかったので、多少足早になってしまい、充分意見を出せる時間を与えられなかったかもしれない、と担当者は反省している。ここでもやはり司会、もしくは担当者の求心力が重要になってくる。今回ベルを使って注意を引く、という手法を途中から導入したが、これは非常に効果的だったので、今後も使っていきたい。


体験談

今回は従来と違い、二人のメンバーが交代で、全く違う語り口で体験談を疲労したところにとくちょうがある。同じパワーポイントを使っても、担当する人の色が出る点が、とても印象的だった。両者ともに子どもに訴えかけるトーンであったため、どちらも効果的だったいえよう。写真の選び方も、以前と同様に非常に良いと思う。倒れた高速道路、1階が潰れた家などの写真は子供たちからかなり反応があり、食い入るように写真を見ている人もいて、やはり視覚的効果は有効だと再認識した。
問題は、それでもクラスによっては、集中力の切れる子どもがちらほらいるということか。一方的に話すことがこのパートのポイントでもある以上、この集中力のきれはある程度予測できていたため、対抗策をとるべきだった。途中で語りかけることや、軽く質問けいしきで話してみるなど、今後考慮していきたい。


まとめ

内容が濃かったため、まとめの時間を取り入れたのだが、感想を書いてもらうのは、やはり授業直後が一番良いと感じた。授業時間が短ければ、帰りの会などで書いてもらうことも検討してみるべきかもしれない。
又、今回、クラス別に司会者を分担していたので、まとめの内容が司会者によってばらばらだったのも気になった。まとめに関しては、あらかじめ司会者全員の言うことを統一しておくべきだと思う。今回配布したKIDSタイムズの説明を中心に、ある授業では言っていたことが次ぎの授業で触れられていないというケースが相次いだため、次回までに改善すべきである。