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京都府音羽川小学校での防災教育活動報告書

実施日:2006年2月28日
対象:小学校四年生、約80名
活動メンバー:伊原、長神、村田、為季、伊与田(学年順)



スケジュール

  • 導入
    • 校長先生による一言
    • 自己紹介、本日の目的説明
    • インドネシアでの活動概要(長神)
  • 地震・津波が起こる仕組みの説明(メカニズム)
    • 模造紙とパワーポイントを使い、プレートの発生から地震・津波の発生までを時系列で説明。前回のものに、断層の説明を追加。
    • 説明は一部子供に読んでもらい、理解を深める。
  • 模型
    • 屋内・屋外の模型(4グループに分け、グループに1つずつ)を見せ、地震が起きたときの危険を考えさせる。(→司会側で意見を整理。)
    • 次に、模型を揺らし、予想通りだったか、どのような状態になるのか等を実際に確かめさせる。
    • ねらい:実際に地震が起こった時の事をロールプレイング的に考えてもらう事で、身の回りの危険性を意識させる。
  • 災害の体験談 
    • 主に阪神・淡路大震災の写真を用いて、先ほどの模型が決して大袈裟ではないことを強調。被害の様子や家族で話し合い、地域での助け合いの大切さ等を、実体験を交えながら説明。
    • ねらい:実際の体験談を聞いてもらう事で災害の怖さ、防災の大切さを感じてもらう。
  • まとめ
    • 休み時間に入る前に、これまでの内容を、クイズ形式でまとめる。
    • まとめの模造紙も使い、今できる防災についても説明。
  • グループワーク
    • 10人ずつの8グループに分け、書記と司会を決定。それぞれにワークシートを配布。
    • 模型、体験談を参考にして、危険への対処法、今できる防災を記入してもらう。
    • 各班の司会者が前に出て発表。
  • まとめ
    • 今日行った授業の概要を再度強調し、KIDSからの「知識の伝播」のメッセージを簡単に説明。
    • 最後に全員で写真撮影。



報告


全体を通じて

① 子供達の反応・アクシデント・対応策・質問事項
全体を通して、子供側からの自主的な質問は少なかったが、前回の反省を活かし、全体的に生徒との対話を重視した為、結果的にはバランスがとれていた。かなり元気な学年なのか、こちらからの問いかけには非常によい反応を示してくれた。
定規が折れる、人の模型だけが倒れないなど、予測しなかったことはそれなりに起こったが、流れに影響は出ていなかっただろう。最後には時間が余り、即席で再度復習を導入したが、知識が子供たちの間で定着したことを確認できた。さすがに80人という人数相手では、全体に均等に質問を当てるということができない為、司会および各パートの話し手のアイコンタクトでカバーするしかないとも感じた。又、どうしても真ん中以降の位置に座っている子達は、途中で会話をはじめてしまうので、前で喋っていないメンバーが、終始混ざって注意するなどの工夫も必要だろう。

② 良かった点・悪かった点
子供の反応の良さが、今回も大きな助けとなった。体験談の写真への素直な反応を見られたことで、こちらとしても、視覚的効果の重要性を改めて確認できた。メカニズムの説明はやはり四年生には難しいと感じたが、問いかけも充分であったし、定規の件で再度注目を集められて、最後まできちんと説明しきれたと思う。模型に関しては、やはり前回よりも工夫を凝らしたおかげで、大成功といえよう。プリンタの使用・サイズの拡大・耐久性の向上、全てがよい方向に働いた。子供たちの興味と意欲を刺激し、積極的に意見を出すよう促す事に繋がったと思う。
グループワークは初めての試みということで、手さぐり感が否めず反省点も多々あるが、授業に組み込んだ意義は充分にあると感じた。彼ら自身が自主的に考え・作り・発表する機会を与えることで、最後まで飽きることなく通せたのではないだろうか。また、最後に全員で写真を撮るアイデアは、楽しい勉強だったというイメージをそのまま持ち帰れる点で、大変有効といえよう。
悪かった点としては、こちらの人数に対して80人という人数が多すぎたこと。やはり、この問題に全ての改善点が帰結する気がする。メカニズムまでは概ね静かに聴いていたが、模型・グループワークなど子供達の意見を尊重する箇所においては、収拾が難しくなっていたのは事実である。
完全にキャパシティーオーバーだったのではないか。今回は司会の力量不足が否めなかったため、反省が必要だが、それ以外の点でも、いかに大人数をまとめるかを考える必要はあるだろう。また、体験談においても、始めは皆とても興味深く聞いていたのだが、興味を刺激しすぎてしまったのか、後ろの方の子達が写真について話し出すなどの状況も見られた。80人という人数にしてはコンパクトにまとまってくれたとは思うが、伊原以外のメンバーが注意をする・混ざるなど、工夫をするべきかもしれない。

③ 改善策・次回に生かせること
大人数をまとめる改善策としては、こちらの人数を増やすという根本的な案から、司会にマイクを使用させる、司会以外のメンバーが割り当てられた班をまとめて司会に注目させる、などの案まで様々出た。又、模型での混乱を避けるため、いっそのこと司会を交えずに、各グループが独立して進行させる案も出た。これはグループワークにもいえることであり、今後検討していきたい。
又、グループワークでは、発表の時間をもう少し長めにとりたい。各班についたKIDSメンバーが、「何故その案にいきついたのか」などに言及していくことで、子供の発言をより深いものにするべきだろう。模型で遊ぶ子供も見受けられたので、模型は休み時間に一旦どこかに移動するべきかもしれない。


メカニズム

① 子供達の反応・アクシデント・対応策・質問事項など
80人といっても、椅子を使わなかった為に想像していたより小さくまとまり、生徒全体の顔が見渡せて説明しやすかった。こちらからの問いかけに対しても積極的に反応してくれ、生徒とのコミュニケーションという点ではうまく言ったと思う。プレートの説明に使った定規が割れてしまうというアクシデントがあったが、生徒の反応のよさと、周りのフォローに助けられた。ただそのアクシデントと、話と話のつなぎに時間をとりすぎたこともあって、予定時間をオーバーしてしまった。全体の締めくくりも、中途半端に終わってしまった様に思える。

② 良かった点・悪かった点
地球の構造の説明では想像以上に食いつきがよかったので、手振りなども交えた、余裕を持った説明をすることが出来た。生徒の表情を見てもよく理解していたように思う。二つ目の、プレートの説明の箇所では、定規の効果が大きかったのか、説明文を読んでもらった直後には納得のいかない顔をしていた生徒にも、実際に定規を曲げてみることで理解が促されたようだった。定規が割れたことは、全体を通じてのアクセントになり、生徒の集中力を高めることとなった点、又、断層の説明の導入になった点では、プラスに働いたかもしれない。
三つ目の津波の説明では、冒頭にインドネシアでの津波被害の説明があったので、それを利用して導入はスムーズに行えた。津波という現象そのものついての知識はあったようなので、興味をもって聞いてもらえたと思う。
四つ目の断層型地震の説明では、今回初めての導入という意味もあり、どうやって話をつなげるかやや心配ではあったが、「断層を知っているか」の問いかけに対して、「知っている」「知っているけどどうやって出来るかはわからない」などの答えが返ってき、断層の出来方へ、スムーズに話をつなげることが出来た。二枚目のイラストのインパクトが強かったらしく、断層がずれる、ということもすんなり理解してくれたと思う。
しかし、反省点も多々ある。
地球の構造の説明の時点ですでに「プレート」の文字があったので、次の、「プレートの出来方」のときにそれに触れればよかったかも知れない(『さっき出てきたプレートは実は・・・』というふうに)。プレートの説明では、出来方については特に問題ないように思えたが、地震の起こり方で、説明文中の「たわむ」という表現が分かりづらいようだった。また、2枚のプレートが関るので、定規も2つ用意して、両方のプレートの動きを示したほうがわかりやすかったと思う。生徒を当てる際、名前を聞くのを忘れてしまうことがあった。
津波の説明に関しては、(プレートが跳ね返って出来た)波が、周りに伝わっていくということがあまり理解できていないように思えた。津波が地震の直後に起こる理由が分かったか問いかけるだけでなく、最後にもう一度簡単に復習し、確認したほうがよかったと思う。
断層型地震の説明では、割れた定規を導入にだけでなく、出来たキズを実際に示すなどして、断層のイメージを持ってもらうためにもっと有効に使うべきであった。
メカニズム説明の全体を通して、スクリーンにかぶさるように立ってしまったので、端に座っていた生徒には図が見えづらかったかもしれない。

③ 改善策・次回に生かせること
プレートの説明中の分かりづらい表現については、定規を使うことでカバーできる部分もあるが、やはり学年にあわせて説明文を変えるなどの工夫が必要だと思った。プレートの跳ね返りで波が生じる、ということをよりよく理解してもらうため、津波図の矢印を海底のほうから大きくかいたほうがよいとも感じた。又、説明が単調になりがちなので、話すスピードに変化を付けるなどして、もっとメリハリをつけるというのも、目下の課題といえる。

模型

① 子供達の反応・アクシデント・対応策・質問事項など
子供たちの反応はとてもよかった。実際に模型を揺らすことで、どんなことが起こるのかを目で見ることができることの効果は、やはり絶大であると感じた。また、学校の近くの模型を作ることで、子供たちの興味を引き、身近に起きるということを印象付けられた。今後も、子供達が身近に感じられるような、学校近くの模型を作ることがとても重要であると思う。

② 良かった点・悪かった点
以前の模型と違い、今回の屋外の模型には、プリンタで紙に模様、色をつけ、模型に貼る形をとったが、これにより模型を非常にリアルに見せることに繋がった。きれいに作ることもでき、作る時間も短縮できたので次回からもこの方法を使うのがよいだろう。
模型のパーツについては家の瓦、電信柱について作り方、本物らしく見せる方法を考えないといけないと思う。模型を揺らす方法にも考える余地があると思われる。
人数的な問題を取り上げれば、今回は一班20人近くおり、生徒全員を束ねるということができていなかったように思われる。うまくまとめる事ができなかったために、班の中で意見を出せない子への対応なども、充分にできていなかったのではないか。同様に、司会を中心として4つの班をまとめ、各班で出た意見を全員で共有するという形を維持することも難しいように思えた。

③ 改善策・次回に生かせること
上記の通り、今回は人数が多かったということもあるが、各班ごとに生徒を束ねることができていなかった。生徒を束ねるための方法として、こちら側の人数を増やすことによって各人の担当人数を減らす、担当者の話し方を工夫する、等の案が挙げられる。また、司会の声が各班に届いていなかったことが統率力不足の理由に挙げられるため、司会がマイクを持つなどの方法が挙げられる。
また、今回のように人数が多い場合は、各班独立で行った後、全員で各班で挙げられた意見を共有するという形をとることも、ひとつの方法として挙げられる。


体験談

① 子供達の反応・アクシデント・対応策・質問事項など
15分間、子供たちは良く話を聞いてくれたし、こちらの問いかけにも非常に良く反応してくれた。また、パワポに対する食いつきも良く、とりわけ倒壊した建物、横倒しの高速道路の写真を見せたときは、驚きの声が上がるほどだった。ただ、そのまま興奮して喋り出す子供がいて、全体がうるさくなりかけた。その場は担任の先生の力もあって何とか事態を収拾することができた。生徒からの質問は特になかったが、災害の恐さは充分に理解してもらえたと思う。

② 良かった点・悪かった点
良かった点は、前回の課題であった“生徒との対話”を取り入れたことと、パワーポイントの写真の枚数を増やしたことの2点である。前回の萩山小学校のときは、こちらが話す時間が圧倒的に長く、生徒との対話をすることが出来なかったが、今回は生徒に質問を投げかけ、生徒の反応を見ながら、話を進めることができた。生徒との対話があると、生徒の理解度を測ることができるし、こちらに集中させることもできる。又、パワポの写真の枚数を増やした点は、阪神高速道路が横倒しになっている写真や建物が倒壊した写真を見せることで、強烈な印象を与えることが出来たので、非常に効果的だった。建物が倒れるなど模型の世界だけだと思っている子供も結構いたので、体験談を模型実験の後にしたということも、かなり効果的だったと思われる。また、火災の写真を見せることで、地震が起きたら火を消すという防災の話につなげることもできた。給水車の写真も加えたことで、給水車がどんなものかわかりやすく説明することが出来た。
以上より、今回、対話を取り入れたこと、写真を加えたことは良い結果につながったと思う。
悪かった点としては、一時うるさくなったことと、集中していない生徒がいたことの2点である。写真をみて興奮した生徒がたくさんいて、そのまま教室全体がうるさくなった。そのときは担任の先生の力もあって、静かになったが、写真をみてうるさくなることは今後も予想される事態なので、自分達だけで対応する策を考えなければならない。また、集中しきれていない生徒もいたようだ。今回は人数が多かったので、集中できていない生徒がいることを把握することができなかった。これも対応策を考えなければならない。

③ 改善策・次回に生かせること
教室がうるさくなる、集中しきれない生徒がいるという問題は、こちらのメンバーが生徒の中に混じることで対応できると思われる。また対象人数が少なければ、話し手が全体を良く見て、集中し切れてない子に質問を投げかけることで対処できるだろう。また、こちらの話が長かったこと(15分)、パワポに文字を入れすぎたこと(新聞記事など)も集中力が途切れてしまうことの原因として考えらるので、年齢に合わせた資料作りをすることも今後の課題といえる。

グループワーク

①子供達の反応・アクシデント・対応策
グループワークについては、班によって多少の違いが出ていたようだった。机が二班に一つだったこともあり、班毎にきちんと分かれて話し合いができた班と、若干子供たちが騒ぎ出してしまった班とがあった。前者は声の大きい子供がうまく班全体をコントロールし、意見を出し合うことができていた。後者に関しては、目の前にある模型などが気になって触っている子供がいたりと、話し合いに十分に集中することができていなかった部分も見受けられた。ただ全体的に見ても、子供たちは自分なりに意見を考えていて、良い意見も自主的に出していたので、こちらの狙いは当たったといえるのではないか。
発表に関しては、書いてある事を読むだけという素っ気のないものになってしまい、時間が大幅に余ってしまった。急遽、最後に司会者がまとめをすることで余った時間を使い対応した。一部KIDSメンバーの勘違いで、7班・8班だけ合同での話し合い、発表となってしまうというアクシデントもあった。

②良かった点・悪かった点
全体的に良く考えたうえでの意見が出ていた。又、あらかじめ書記とまとめ役を決定しておくことで、その後の話し合いをスムーズに進めることができたと思う。今できる防災について多少難しい題目かとも思われたが、こちらが少し助言を与えると、意見を出す子供も見受けられた。全員が楽しそうに名前を書いていたので、グループワークの成功を確信した。
ただやはり、問題点もあった。まず、班毎にあつまったとき、子供達が司会者の説明をあまり聞いていなかったこと。これは模型の時にも見られた光景であった。又、KIDSメンバー一人が二つの班を担当する、という話だったが、一人が20人を統制しつつ話し合いの方針を与えるというのが、事実上大変困難であることも、今回の件で実感した。内容的な問題としては、「屋外」での対処法と今できる防災を考えることは、多少難しかった様子。発言に窮する子供も多々見受けられた。注意が散漫になるという意味で、グループワーク中に模型が目の前にあるのも問題だと思った(学年的な問題ともいえるが)。後は上記した通り、発表の方法が簡単すぎてそっけなかったことが挙げられる。

③改善策
グループ分けや、書記・まとめ役を事前に決めておく案は、次回も引き続き利用していきたい。そのためには、学校側との事前の交渉が必須である。
グループワーク自体の説明については、司会者がマイクを持つ、あるいはKIDSのメンバーが、ついているグループを単独でみるといったことで対応していきたい。また、1グループ(5~10人)にKIDSメンバー1人がついて、助言などを与えられるようにしていきたい。
班によって違いはでたが、子供たちが騒ぎ出してしまった班については、その班を担当したKIDSメンバーのスキル不足が原因でもあると言える。今回の反省を活かし、今後子供をうまくコントロールするというスキルを身につけていくことも必要である。
発表に関しては、「なぜそう思ったか?」などと司会者が聞きだして内容を広げてみるというのもおもしろいかもしれない。


メンバーの感想

長神新之介(ちょーじん)
今回は対象が4年生ということでどこまで僕らの説明が通じるか心配であったが、想像以上に理解してくれていたように思う。反応もとてもよく、とても授業をしやすかったが、逆に騒がしくなることもあったため、強弱をつけた授業運びが必要であると思った。またいかに子供の身近なものに置き換えて説明するかということが重要であることを改めて感じた。今回は初めてのGWということもありいろいろ反省点もあったが、子供たちが一生懸命考え、発表する姿を見てとてもいい経験になると感じたし、とても意味のあることであると思った。題材をもっと見直すなどしてこれからも子供たちに自主的に考えてもらえるようなGWを目指したいと思う。
伊原健郎(けん)
自分が11年前に体験した地震がこんな形で役立つとは思わなかった。その話を次世代の子供たちが真剣に聞いてくれたことが素直にうれしかった。今後もたくさんの子供たちに震災の記憶を伝えていきたいと思う。
村田庸介(よーすけ)
今回は80人への講義やグループワークといった、前回活動とは異なった状況ではあったものの、KIDSメンバーが皆協力して良い授業が出来たと思います。次回も今回の反省を活かしつつ頑張りましょう。ありがとうございました。
為季あずさ(あずさ)
二回目の活動でこの人数ということで、各人不安はあったようだが、前回同様子供の反応の良さには本当に救われた。騒ぎすぎだと思われる場面もあったが、積極的に関ろうとしているだけでこちらもやりがいを感じられた。又、教職員の方々のサポートが非常に強かったのも印象的だった。校長先生はじめ、こちらの説明中も会話している生徒を適宜注意してくれるなど、様々な面で助けられたと思う。活動後の暖かい言葉も有難かった。ここまで環境が整っていたのだから、問題があったのであればこちら側の力量の問題だったのも事実。時間的にも人数的にも、もっと余裕を持った状態で次回を迎えたい。
慣れない役割についた者も、実践以上に技術を磨く場はないので、今回の反省点を大いに活かして、次の活動に備えていくことが重要だと思う。
伊与田有子(いよ)
初めての経験だったが、生徒のリアクションのよさに助けられて、なんとかやり切れたと思う。次は教室全体から見た映り方などにも注意して、もっと余裕を持った説明が出来るようにしたい。