プロキシマ
- 「ケンタウルス座の」という意味の「ケンタウリ」を付け加えてプロキシマ・ケンタウリと言ったり、ケンタウルス座アルファ星系を構成する第三の恒星という意味でケンタウルス座アルファ星Cと呼ばれることもある。英語のつづりは"proxima"。近くにある星という意味で、その名の通り太陽系に最も近いところにある恒星である。
- 太陽より小さい赤色矮星。スペクトル型はM5.5Ve。質量は太陽の12.3%、半径は14.5%、明るさは1万8000分の1しかない小さく暗い星である。地球が太陽から受けるのと同程度の日射を得るには、プロキシマに0.04AUまで近づく必要がある。
- プロキシマは暗い天体なので地球から肉眼で観察することは不可能である。太陽系からプロキシマまでは4.2光年離れているが、プロキシマを肉眼で見るためには0.5光年程度まで近づかなければならない。
- ケンタウルス座アルファ星AおよびBとともに3連星を成しているが、AとBの距離が数十AUと互いに接近しているのに対し、プロキシマはAとBのペアから1万5000AUも離れている。プロキシマがAとBのペアを一周するのにかかる時間は50万年と見積もられている。一説によるとプロキシマは重力的にケンタウルス座アルファ星ABに束縛されておらず、近傍を通過しているだけという。しかし近年の研究によると、プロキシマはケンタウルス座アルファ星ABと重力的に繋がった連星であるという説が有力である。
- プロキシマから見ると、ケンタウルス座アルファ星Aは実視等級で-6.5等級、ケンタウルス座アルファ星Bは-5.2等級に見える。ケンタウルス座アルファ星Aの明るさの-6.5等級はおおよそ三日月の明るさに相当する。逆にケンタウルス座アルファ星ABのペアからプロキシマを見ると4.6等級にしかならない。
- 赤色矮星の中には活発なフレア活動を示すものが多いが、プロキシマも例外ではない。フレア活動によって明るさを大きく変化させる変光星の一種の閃光星に分類されている。
- 惑星の存在は知られていない。
変光星データ
変光星名 |
ケンタウルス座V645 |
種類 |
閃光星 |
変光周期 |
不規則 |
最小青色等級 |
13.12 |
最大青色等級 |
12.10 |
最大光度/最小光度 |
2.56 |
近隣の星
参考
最終更新:2008年03月11日 11:14