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「ロザリー After story」(2007/02/24 (土) 17:38:52) の最新版変更点
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*ロザリー After story
>作: ◆Rei..HLfH.
>「睦月ー待ってよー!」
>「ばかもん、お前が帰ってくる前にちゃんと連絡よこさないからだ」
>俺とロザリーは、今とある駅のホームを走って移動している。
>ロザリーには悪いが、最悪のパターンを回避するためには仕方の無い事なんだ。
>
>このままだと、実家に着くのは夜中になってしまう。
>実家のある地方には、街灯という小洒落た物は無い。
>オマケに5年間帰ってなかったせいで、道なんてそこに行って見なきゃ分らない。
>
>そして、そこに行っても真っ暗だとどうにもならない。
>これが最悪のパターンだ。
>
>
>次はあの電車だ。
>ピルルルルルルルルルル!!
>やべえ、発車する!!
>「ロザリー、あの電車に飛び乗るぞ!」
>「え?う、うん!」
>
>ダダダダダダ!!
>シュー…バタン
>何とか駆け込み乗車で電車に乗り込む。
>「ふぃ~、何とか間に合ったか…」
>「はぁ……はぁ…」
>「ロザリー、大丈夫か?」
>俺と違って、ロザリーは全力で走ったおかげでクタクタになっていた。
>「い…一応…」
>「そうか。…にしても悪いな、帰ってきたばっかりなのに」
>「ははは…いいですよ。私は睦月に着いて行くだけですから…」
>「んなこと言われてもな…。とにかく、スマン」
>「んー…………」
>ロザリーはどうしたものかと首をかしげる。
>ハッっと、何かを思いつくと、すぐその後に笑顔で俺に言った。
>「分りました。許しますね」
>「っぷ…」
>可笑しな返事は、俺の笑いを誘った。
>「笑うなんて、ひどいです」
>「スマンスマン。さて、座るか」
>俺とロザリーは、貸し切り状態の車両を見つけ、座ることにした。
>
>「やっぱこう座らなきゃ、雰囲気出ないよな」
>向かい合った椅子に、ロザリーと向かい合って俺が座る。
>「うーむ…。あっちから来る時、この景色を見たはずなんだが、まったく覚えてねえ」
>窓の外の風景を見ながら、つぶやく。
>「それは5年も経ってれば、誰だって忘れますよ」
>「感傷にふけようと思ったんだけどなぁ…」
>「私を置いてけぼりで…ですか?」
>「一緒に感傷にふけようぜ」
>「ははは。バカ言わないでくださいよ」
>「む、バカとは何だ。はははは」
>
>「少し長旅になる。次降りる駅で駅弁買って食おう」
>俺は横に置いたボストンバックから、カメリーメイトを取り出して、ロザリーに1ブロック渡した。
>「それまでは、コレで空腹紛らわしてくれ」
>ロザリーは受け取ったカメリーメイトを見つめる。
>「これは…睦月がよく食べてる物ですか?」
>「そうだ。結構美味い物だぞ」
>「…実家に着いたら、栄養管理が必要ですね」
>言いながらパクッと一口齧る。
>俺も慣れ親しんだ味を楽しむ。
>「ングングング…」
>「…そんなに噛まなくてもいいんじゃないか?」
>必要以上に粗食するロザリーに、ツッコミを入れる。
>「…コクン…。不味くはない…かな?」
>「大人の味が分ってきたじゃないの」
>「美味しくもありませんが」
>ピシャリと否定される。
>「厳しいねぇ…」
>「当然です。実家ではちゃんとした食事を取ってもらいますからね」
>「言われなくとも」
>
>「…そういえば睦月。実家と言うと、睦月のご両親と同居と言う事になるんですか?」
>「そこら辺は手を打っている。いきなり幼女を連れて実家に帰るような人間じゃないからな」
>幼女を彼女です。とかいった日には、警察か病院、最悪獄中だ。
>「とりあえず、近所のアパートを取ってもらったよ」
>「はぁ…よかった」
>「ロザリーが成長したら、一緒に挨拶しに行こう」
>「はい!」
>「うむ、いい返事だ」
>「ふふ…」
>「ははははは」
>
>その後、俺はロザリーに、地元で行われる行事や伝統などを覚えている限り教えた。
>ロザリーは熱心にそれを聞き、笑顔を絶やす事は無かった。
>
>窓の外を見る。
>傾き始めた太陽が眩しいくらい光っている。
>実家に着く頃には夕暮れか。
>「ロザリー、着くまで休んでていいぞ?」
>「…スゥ…スゥ…」
>「言われなくとも…か」
>俺の上着をロザリーにかける。
>「あのときの寝顔と変わらないな、言っちゃあ何だが幸せそうだ」
>変わらない…か。
>
>俺はこの5年間で何か変われたのか?
>右手の能力を失っただけで、戻ってきただけなんじゃないのか…?
>
>ゴトン!!
>「ンン…」
>電車の振動でロザリーが起き掛ける。
>だが、すぐに眠りに落ちてしまう。
>
>「ははは…バカだな…俺」
>思わず自嘲してしまう。
>5年前の俺は一人だったが、今は隣に自分のことを好きでいてくれる人がいる。
>それで十分じゃないか。
>これから変わって行っても遅くは無い。
>自分のためにも。他ならぬロザリーのためにも。
>
>「そうだな。まずは親父に自家栽培のノウハウを教えてもらうか」
>「それからお袋に、…まずは料理を習うか。いや、家事全般かな」
>「あいつには…、デッサンの仕方教えてやるか…」
>
>俺のやるべき事、ロザリーのために変わる事。
>そして、ロザリーと変わらない時間を過ごす事。
>まだ青い空を見ながら、俺は胸に誓う事にした。
*ロザリー After story
>作: ◆Rei..HLfH.
>「睦月ー待ってよー!」
>「ばかもん、お前が帰ってくる前にちゃんと連絡よこさないからだ」
>俺とロザリーは、今とある駅のホームを走って移動している。
>ロザリーには悪いが、最悪のパターンを回避するためには仕方の無い事なんだ。
>
>このままだと、実家に着くのは夜中になってしまう。
>実家のある地方には、街灯という小洒落た物は無い。
>オマケに5年間帰ってなかったせいで、道なんてそこに行って見なきゃ分らない。
>
>そして、そこに行っても真っ暗だとどうにもならない。
>これが最悪のパターンだ。
>
>
>次はあの電車だ。
>ピルルルルルルルルルル!!
>やべえ、発車する!!
>「ロザリー、あの電車に飛び乗るぞ!」
>「え?う、うん!」
>
>ダダダダダダ!!
>シュー…バタン
>何とか駆け込み乗車で電車に乗り込む。
>「ふぃ~、何とか間に合ったか…」
>「はぁ……はぁ…」
>「ロザリー、大丈夫か?」
>俺と違って、ロザリーは全力で走ったおかげでクタクタになっていた。
>「い…一応…」
>「そうか。…にしても悪いな、帰ってきたばっかりなのに」
>「ははは…いいですよ。私は睦月に着いて行くだけですから…」
>「んなこと言われてもな…。とにかく、スマン」
>「んー…………」
>ロザリーはどうしたものかと首をかしげる。
>ハッっと、何かを思いつくと、すぐその後に笑顔で俺に言った。
>「分りました。許しますね」
>「っぷ…」
>可笑しな返事は、俺の笑いを誘った。
>「笑うなんて、ひどいです」
>「スマンスマン。さて、座るか」
>俺とロザリーは、貸し切り状態の車両を見つけ、座ることにした。
>
>「やっぱこう座らなきゃ、雰囲気出ないよな」
>向かい合った椅子に、ロザリーと向かい合って俺が座る。
>「うーむ…。あっちから来る時、この景色を見たはずなんだが、まったく覚えてねえ」
>窓の外の風景を見ながら、つぶやく。
>「それは5年も経ってれば、誰だって忘れますよ」
>「感傷にふけようと思ったんだけどなぁ…」
>「私を置いてけぼりで…ですか?」
>「一緒に感傷にふけようぜ」
>「ははは。バカ言わないでくださいよ」
>「む、バカとは何だ。はははは」
>
>「少し長旅になる。次降りる駅で駅弁買って食おう」
>俺は横に置いたボストンバックから、カメリーメイトを取り出して、ロザリーに1ブロック渡した。
>「それまでは、コレで空腹紛らわしてくれ」
>ロザリーは受け取ったカメリーメイトを見つめる。
>「これは…睦月がよく食べてる物ですか?」
>「そうだ。結構美味い物だぞ」
>「…実家に着いたら、栄養管理が必要ですね」
>言いながらパクッと一口齧る。
>俺も慣れ親しんだ味を楽しむ。
>「ングングング…」
>「…そんなに噛まなくてもいいんじゃないか?」
>必要以上に咀嚼するロザリーに、ツッコミを入れる。
>「…コクン…。不味くはない…かな?」
>「大人の味が分ってきたじゃないの」
>「美味しくもありませんが」
>ピシャリと否定される。
>「厳しいねぇ…」
>「当然です。実家ではちゃんとした食事を取ってもらいますからね」
>「言われなくとも」
>
>「…そういえば睦月。実家と言うと、睦月のご両親と同居と言う事になるんですか?」
>「そこら辺は手を打っている。いきなり幼女を連れて実家に帰るような人間じゃないからな」
>幼女を彼女です。とかいった日には、警察か病院、最悪獄中だ。
>「とりあえず、近所のアパートを取ってもらったよ」
>「はぁ…よかった」
>「ロザリーが成長したら、一緒に挨拶しに行こう」
>「はい!」
>「うむ、いい返事だ」
>「ふふ…」
>「ははははは」
>
>その後、俺はロザリーに、地元で行われる行事や伝統などを覚えている限り教えた。
>ロザリーは熱心にそれを聞き、笑顔を絶やす事は無かった。
>
>窓の外を見る。
>傾き始めた太陽が眩しいくらい光っている。
>実家に着く頃には夕暮れか。
>「ロザリー、着くまで休んでていいぞ?」
>「…スゥ…スゥ…」
>「言われなくとも…か」
>俺の上着をロザリーにかける。
>「あのときの寝顔と変わらないな、言っちゃあ何だが幸せそうだ」
>変わらない…か。
>
>俺はこの5年間で何か変われたのか?
>右手の能力を失っただけで、戻ってきただけなんじゃないのか…?
>
>ゴトン!!
>「ンン…」
>電車の振動でロザリーが起き掛ける。
>だが、すぐに眠りに落ちてしまう。
>
>「ははは…バカだな…俺」
>思わず自嘲してしまう。
>5年前の俺は一人だったが、今は隣に自分のことを好きでいてくれる人がいる。
>それで十分じゃないか。
>これから変わって行っても遅くは無い。
>自分のためにも。他ならぬロザリーのためにも。
>
>「そうだな。まずは親父に自家栽培のノウハウを教えてもらうか」
>「それからお袋に、…まずは料理を習うか。いや、家事全般かな」
>「あいつには…、デッサンの仕方教えてやるか…」
>
>俺のやるべき事、ロザリーのために変わる事。
>そして、ロザリーと変わらない時間を過ごす事。
>まだ青い空を見ながら、俺は胸に誓う事にした。
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