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メリーたんに萌えるスレ@Wiki

今日はカレー曜日

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『oh!マイベイビー』メリー
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今日はカレー曜日

作:771 ◆gnkv6j0F..

ある日の夕食。
「はいはーい、今日はカルボナーラとトマトスープだよー」
またある日の夕食。
「おーい、今日は焼きビーフンとバンバンジーだよー」
さらにある日の夕食。
「うーし、ハンバーグとトマトスープ盛ったぞー」

「……ねえ、メリー」
「なあに、リカちゃん?」
台所で食器を洗う成海の背を眺めつつ、リカは呟いた。
「成海って、案外料理上手いよね」
「うん、そうだねぇ」
のんびりとお茶をすすりながら、メリーが頷いた。
「メニューはちょっぴり少ないけどね」
それから、一言付け加えた。
「掃除も洗濯もマメにやるよね」
「そうだねぇ」
煎餅を齧りながら、再びメリーが頷いた。
「普通さぁ、一人暮らしの男の子ってさぁ」
菓子受けに頭を突っ込みながら、リカは話を続ける。彼女の身長からすると、そう大きくない菓子受けでもかなり深くなる。
「結構だらしないモンだと思うのね」
ようやく煎餅を抱えあげると、それを机の上に置く。身長の対比からすると、一口サイズの煎餅が既に座布団レベルの大きさがある。
「そうかなぁ」
つつ、と静かに湯飲みを傾けてから、メリーは首を傾げる。
「アレじゃないかな、ほら」
「何よ」
「一人暮らしだから、逆にしっかりしてるんじゃないかなぁ」
「……そういうもんかしら」
リカは煎餅の封を切る前に、べそべそ踏みつけた。こうして砕かないと大きすぎて食べにくいのだ。
ちなみに筆者は一人暮らしだから故にグータラするタイプです。
「でもねえ」
リカは踏み砕いた煎餅のかけらをぽいと口に放り込みながら言った。
「私たちかなり、成海に世話してもらってるじゃない」
掃除洗濯、食事に至るまで成海任せの居候だ。秘密道具を出さない分ドラ○もんより性質が悪い。
「だから、たまにはちょっとした家事ぐらいしてやっても良いと思うのよ」
かなり上から目線の事を、リカはいけしゃあしゃあと述べてみた。
「そうだね、うん」
メリーはこくこく、と頷いた。
「成海くん、いつも大変だもんね。任せっきりじゃいけないもんね」
ニコリと笑うメリーに対して、リカは頬を少々赤くして視線を逸らした。
「べ、別に大変だからとかじゃなくて……、そう!! 世話されっぱなしってのが気に喰わないだけよ」
「はいはい」
ニコニコ笑いながら、メリーは頷いた。

「今日はバイトだから遅くなるぜ」
朝、そう言い残して成海は出かけていった。
「いってらっしゃーい」
「いってらっしゃーい」
見送ってからメリーとリカはにまりと笑って顔を見合わせた。
「作戦開始!!」

「私知ってるんだー」
とことこと二人は部屋に戻った。
「成海くんが『今日のおかず』って本に付箋貼ってて、ベッドの下に隠してるんだー」
「へー」
等と言いながら、ぺろんと敷布を捲り、そして二人は絶句した。
確かに、『今日のおかず』という題名の料理本は確かにあった。
しかし、その下にその……別の『おかず』の本が数冊とDVDが一本あったからだ。
「こ、これは……」
リカは思わず一冊の本を捲ってみた。
肌色満載だった。
「ま、まあ、えーと」
頬を真っ赤に染めながら、リカは本を閉じた。
「け、健全な男の子の証よね!?」
「う、うん。そーだね……」
もじもじそわそわしながら、メリーは頷いた。
その時、DVDジャケットの金髪の女優と目が合った。

『――オウイエス!! ニップルイエス!! ニップルファッキン、ファッキン、ファッキン、イエース!!』
取り合えず『金髪大乱舞~欧米華っ!!~』を観てみた。
「……うわ」
リカはもうその一言しか言えなかった。
「……」
メリーは口も開けなかった。
ただリカが唖然として口が開けなかったのに対してメリーは――
『ノォォォウゥゥゥ!! オォォォノォォォウゥゥゥ!! オーマイガッ!! オーマーイガッ!! オウ、カミン!! 

アイムカミン――』
「す……すごい演技だね?」
頬をヒクつかせながら、メリーを見上げたが、
「……」
彼女は表情を浮かべる事も無く、画面に見入っていた。が、
「……私ちょっと、トイレ」
「え? うん」
ふい、と席を立った。
「いやー、だけどこれはこれで面白いかも」
リカは興味津々、といった様子で画面に見入った。

「ふぅ……ふぅ……」
抑えていた息を荒げ、メリーはトイレの扉を閉め、そしてそこにもたれ掛った。
それから、逸る気持ちを抑えながらスカートの裾を捲り上げると、震える手でズロースを下ろした。
そして、震える手で股へと指を這わせる。
「ん……う、ん……」
おぼつかない手つきで、その秘された口元をなぞる。
まだ誰も受け入れた事のないそこを。産毛のみに覆われたそこを。指すら挿し入れた事の無い秘口を、ただただ無心に撫でる。
「くぅ……ふぅ……」
押し殺しても溢れる嬌声、衣擦れの音、肌の擦れる音。そこに、次第に混じる水気を含んだ音。
粘りを持って滴る蜜は、感度を高めると共に気持ちすらも高めていく。
「はぁ……く、ん……」
彼女がこのような行ないに走ったのは理由がある。
それは先程のDVDに由来するがそれは、ただ淫靡な行いを見せられたから、と言う訳ではない。
ならば何故か。それは、女優に自分を重ね見、そして男優に思い人を重ね見たからである。
「あっ……くっ、うぅ……」
『女は気持ちで感じる』とはよく言ったもの。彼に愛される事を想像するだけで、神経が研ぎ澄まされる。彼と体重ねる事を想う事が、媚薬のように身体に回る。
「んっ、んっ!」
自分はおかしいのかもしれない――彼女はそう思った。彼のことを思うだけでこんな痴態に陥る自分は、きっと異常なのだ、と。
いつからこのようなことを繰り返すようになったろうか。彼に会ったときから? 彼に抱き締められた時から? もうそれは分からない。決して長い付き合いではないが、出会って間も無く感情が抑えられなくなった。
彼は気が付いていない。いや、きっと自分を『女』として見てはいない。もし、異性と意識をしているのなら、同じベッドで毎日共にただ寝るだけということも無いだろう。
彼は気が付いていない。隣で――稀にではあるが――自分を慰めている等と。
しかし、だからと言って気が付かれたい訳ではない。無論、自慰に耽っている、と言う事はそうだが、この『愛おしい』という気持ちも知られたくない。
「ふぅっ、はぁ、ふ、ふぅっ!」
神経の高ぶりに激しく呼吸が乱れ、それに合わせるように、次第に股を擦る手の動きが速く、荒くなり、そして、
「んんっ!!」
ぴく、と小さく震えて、果てた。
わなないた膝は力を失って、ずる、と扉を伝って床に崩れる。頬の赤みは次第に引き、肌は熱を失って、冷えた内股の悪寒に頭蓋に渦巻いた淫気も醒める。
「……こんなの」
汗に塗れた額には金髪が張り付いている。乱れた前髪の間から彼女は、濡れた手の平を見詰めた。
「……。嫌われちゃうよ……」
だから、この気持ちも、行いも知られたくない。

「あ、メリー。このAVやばい。チョー面白かった。もうギャグだってこれ」
ぷち、とテレビの電源を切りながらリカが彼女を見上げた。
「……」
メリーは俯き加減のまま、黙って戻ってきた。
「……? メリー、どうしたの? 具合悪いの?」
「え、うん」
メリーは小さく首を横に振ると、
「大丈夫だよ」
薄く微笑んだ。

「それで、何を作るのよ?」
ぺらぺらと料理本を捲りながらリカが聞いた。
「うーん……全部難しそう」
眉根を寄せながらメリーが答えた。
確かに、普段料理をしない人にとって教則本の内容は少々難しいかもしれない。
「よし!!」
あらかた本に目を通してからリカは本を蹴り飛ばした。内容が理解できなかったらしい。
「カレーにしよう!!」
「カレー? 作れるの?」
首を傾げながらメリーが聞いた。
「カレーなんてのはね、よっぽど下手に作らなきゃ食べれるものよ」
「ふーん?」
納得してるんだかしていないんだか、という反応をメリーは返した。

じゃが芋、人参、玉葱、カレールー。取り合えず、カレーの基本材料は揃っている。
「お肉はどうしようか」
「鶏肉が冷凍してあったからそれで良いわ」
いっぺんひっくり返した冷凍庫の中身を、二人はごそごそと戻した。
そこそこ整理してあった冷凍庫は、ものの数分でぐちゃぐちゃになった。手前にあった良く使う、あるいは早めに使い切りたい食材は見事に奥へ追いやられた。おまけに取り出しにくい。
成海の苦労が忍ばれる。
「それじゃあ、まずは野菜を洗う!!」
「うん」
「私はお肉、電子レンジに入れてくるから」
エプロンをつけたメリーは流しの前に立った。普段成海が使っているエプロンは当然大きく、床に着いてずるずる引きずってしまう。見ていて危なっかしいが、それはそれでグーでした。
とりあえず、野菜は何でもかんでも丸洗いした。
次は野菜を切っていくのだが。
「ねえ、リカちゃん?」
「なに?」
電子レンジの解凍ボタンを飛んで押しながら、リカが振り返る。
「玉葱はどれくらい剥けば良いの?」
「えー?」
レンジ台からぴょーん、と飛び降りて暫く考えると、彼女は答えた。
「……二、三枚?」
「じゃが芋と人参は? 皮剥き機無いし、私そんなに包丁使った事ないよ?」
「うーん、剥かなくても良いんじゃない? 食べれるし、栄養になるでしょ」
「はーい」
適当極まるわ。
とんとん、と小気味の良い音を立てて適当な大きさに、皮付きのまま野菜を切った。
指は切らなかった。皮一枚掠る場面はあったが。
ちなみに、この時点である重大なミスを犯しているのだが、二人はまだ気が付いていない。

「これからどうしようか?」
解凍した鶏肉も切り分けた。さあ、これからどうなるのか。
「そうね、じゃあ鍋に火をかけて」
「火をかけて?」
「水入れて」
「水入れて?」
「材料全部入れちゃえ!!」
超級覇王適当過ぎるわ。
材料を炒める、という概念は彼女達には無い。
メリーは、まだ沸騰もしていない水の中にぼちゃぼちゃと、まな板の上の材料を全て流し入れた。
そしてリカは、封を切ったカレールーのブロックをぽいぽいと投げ入れた。
彼女達に分量や順番、タイミングと言った概念は無い。
「後は、一煮立ちすれば完成ね」
「わーい、成海くん喜んでくれるかな?」
彼女達に、火が通る、とか軟らかくなる、という概念は無い。
そして焦げないようにかき混ぜるという概念も当然無いので後日、成海が物凄く頑張って焦げ落としする事になるのだが、それはまだ先の話。

「あー、ただいま」
日がどっぷり沈んでから成海は帰ってきた。
「バイト疲れたぜー」
玄関で靴を脱いでいた成海の鼻が、部屋の中から漂ってくる匂いを捉えた。
「……ん?」
なんだ? と眉を顰めながら部屋に上がると、そこではニコニコと笑いながらメリーとリカが座っていた。
「おかえりなさい」
二人は異口同音に言った。
「ただいま……」
適当に返事をしながら、成海は匂いの元を辿った。
食欲をそそるその香りは、当然と言うか、台所の鍋の中から立ち上っているようだった。
「えへへ」
「うふふ」
「……?」
二人の様子を多少訝しく思いながらも、成海は鍋の蓋を開けた。
そして、驚いた。
「これ……」
鍋の中を指差すと、二人はより一層笑みを深くした。
「あのね、成海くんの為に作ったんだよ」
「まあ、感謝しなさいよね」
成海は感動した。じーん、と胸が熱くなった。
「メリー……リカ……」
感極まって、成海は二人を抱きしめた。
「ありがとう、ありがとう!!」
「えへへ」
「ち、ちょっと離しなさいよ!!」
成海の腕の中で二人は、表情は違えど、どうやら同じ気持ちを感じているようだった。

「いただきますっ」
ばくっ、と勢い良くさじを口に運ぶと、成海は、
「美味い!!」
舌鼓を打った。どかどか打ちまくった。
二人の手前不味い!! なんて当然言えるわけが無いのだが、それ以前に感極まりすぎて味覚が美化されてるのだ。
まあ、そんなに悪い味でもないのだが。
「本当?」
不安げな顔をして聞いてくるメリーに、
「マジだって、メリーも食ってみ?」
手を止めずにそう言った。
その成海の様子に、よかった、とメリーは、ここでようやく口を付ける。
それと同時にリカも自分の皿に盛られたカレーをさじですくう。メリーは成海の様子が気になって食べれずにいたが、リカはあえて成海にカレーを食べさせ、味を確認させたのだった。
「あ、不味くはないね」
「思ったより悪くないわね」
二人もさじを動かす速度を速めた。
美味しいね、美味しいね。
カレー作りは成功し、これでこの話は終わり。
めでたしめでたし。
に、見えた。
が、問題は食後数時間経ってから起こった。

「……あれ?」
成海は、激しい嘔吐感と頭痛を覚えた。
トイレで胃の中の物を吐き出す頃には平衡感覚が保てず、ぐらりと身体が揺れ始める。
「くそ……なんなんだよ……?」
「大丈夫?」
ふらふらと部屋に戻って来た成海に、メリーが心配そうに声をかける。
「あ、ああ。別に平気……」
そこまで言った直後、
「……え?」
ばたっ、と彼は床に倒れた。
「成海くん!?」
「何、なに?」
慌ててメリーとリカが駆け寄る。
「どうしたのよ、しっかりしなさいよ!!」
げしげしと成海の頬を蹴りつけながらリカが聞く。
「そう思うなら止めろ……」
弱々しく成海がツッコんだ。三本ある足で蹴られるのは結構痛いのだ。
「成海くん、成海くん」
メリーは成海の頭を膝に乗せ、必死に彼に呼びかける。
「どこか痛いの? 頭痛い? お腹痛い?」
そこで、はっ、と気が付く。
もしかして、これはカレーが原因ではないのか、と。
そうだ、自分はカレーを作る前に『あんな事』をしていたではないか。
手は洗った。しっかり洗った。普段の三倍洗った。だが、直前に股なんぞ触っていたのだ。そこからバイ菌が入ったのだ。
きっとそうだ。そうに違いない。
自分のせいだ――
ぽろっ、と彼女の目から涙が溢れ、成海の頬に落ちた。
「ごめんね、成海くん」
メリーの口から、謝罪の言葉が零れた。
「私がカレー作ったから、だからね」
「泣いてんじゃ……ねーよ……」
力無く上げられた成海の指が、彼女の頬伝う涙を拭った。
「メリーのせいじゃねーよ……」
「でもね、でもね私!!」
「ちょっと!!」
ぴょんとメリーの膝に飛び乗ると、リカは成海の耳をどすどす蹴りながら言った。
「メリーじゃなきゃ何、私のせいにする訳!?」
「痛ぇ、痛ぇ……そう言う話じゃねーよ……」
ああもう面倒臭ぇなあ、この人形は。
しかし、リカの硬い足に蹴られながら、成海はぴんと閃いた。
朦朧とする意識の中、彼は口を開く。
「メリー……リカ……」
「な、何、成海くん?」
「何よ?」
彼は、一言一言を、はっきりと区切るようにして、言った。
「じゃが芋の、芽は、取ったか……?」
「じゃが芋の?」
「芽?」
きょとんとして、メリーとリカは顔を見合わせた。
「それって……」
「取らなきゃいけないのかしら?」
そうなのである。メリーが犯したミスは、野菜を切ったときにじゃが芋の芽を取らなかった事。
「ふっ……」
その時成海は、とても綺麗な笑みを浮かべた。
それは例えるなら『モナリザの微笑み』の様な。
――ああ、勢いで食べてたから芽があるなんて気が付かなかったぜ、と思いながら。
そして彼は、がくりと力尽きた。
「成海くん!? 成海くーん!!」
メリーの叫びが、アパートの一室に、更けていく夜空に響き渡った。

後日談:1
「いいか、じゃが芋にはソラニンって毒が含まれているから、古いじゃが芋は使うんじゃねえぞ。ソラニン沢山だからな。で、そんなに古くないじゃが芋を洗ったら、ソラニンの沢山ある芽は包丁のケツでこうやって抉って、皮は特に緑のとこはちゃんと剥いてだな……」
「へえー」
「ほおー」
回復した成海のお料理教室が開かれた。
その日の夜は美味しいポークカレーだったそうな。

後日談:2
「んーんんんー♪」
ちょっぴり下手ながらも上機嫌な様子で鼻歌を歌いながら、成海はコーヒーを淹れた。彼の楽しみの一つは、お気に入りのコーヒーやお茶を飲みながら、ゆっくりすることだった。
「ねえ、成海」
「んー? あ、悪りー悪り。リカも飲むよな?」
かちゃかちゃと、リカ専用の小さな小さなカップを棚から出す彼に、彼女は言った。
「……彼女作りなよ」
「へ?」
しみじみと言われたものの、成海はなんで突然そんな事を言われたのか、意味が分からなかった。
答えはベッドの下に隠れている。

―“sweet poison” closed―

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