メリーの居る生活
メリーさんと一緒!!

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メリーの居る生活 Of new distinction




学校からの帰り道。
『しとしと』とも『ぱらぱら』とも表現しづらい、控えめな雨が降ってきた。
傘を持っていない俺は、雨宿りする場所も見つけれず、駆け足で家に向かっていた。
傘を差したクラスメイトの横を抜き、商店街を過ぎ、住宅街に入る。
このまま雨が強まらなければ、制服も部屋干しで乾くだろう。

「…ん?」

家まであと少しというところで、走っていた俺は速度を緩め、そこに止まる。
ほぼ毎日通るこの道に、見慣れないものを見かけたからだ。
朝、俺がいつもゴミを出すゴミ捨て場。そこにゴミは回収されて残っていないが、ゴミ捨て場の横に「ここ」には似つかわしくない物が落ちていた。

「人形…?」

塀に寄りかかり、座るように置かれた人形は、一見して高価なそれのように思えた。
しかし、ゴミ捨て場に置いてあるということは、結局は少しばかりよく出来た子供の玩具か何かだろう。
人形なんか興味も無いし、持って帰ったところで飾るのも気味が悪い。
陰に隠れてて回収の業者さんが見落としてったんだろう。雨空の下に野晒しにされて気の毒だが、捨ててある人形を持って帰るような趣味なんて俺には無い。

少し後ろめたさを感じながら、俺は人形をその場に残し家路を急ぐ事にした。


「ただいまー。っと…。あぁ、もう出かけてるのか…」

閑散としたリビング。
テーブルの上には食事が置いてある。おばあちゃんが用意した物だろう。

「温泉旅行ねぇ…。シャワー浴びよう…」


♪~

シャワーを浴び、夕食も済まし、ソファで寝転がってゲームをしていると、携帯が鳴った。
携帯のディスプレイは、クラスメイトであり幼馴染である俊二からの着信を知らせていた。

「ん?…俊二か。…もしもし?」
「よう。ちょっと窓の外を見てみろ」
「あ?窓…?」

言われるがままにリビングの窓から庭を見てみると、ぼんやりと人影が見えた。

「電話切るぞ。警察に通報しなきゃならん」
「待て待て。俺だ。そこに居るのは俺だ」
「…何の用だ。返答次第じゃ本当に通報すんぞ」
「今日明日暇だろうから、遊びに来てやったんだよ。今玄関に向かうから開けてくれ。な?」
「…わかったよ。今玄関に行く」

そう言って通話を切る。
庭の人影も居なくなった。玄関に移動したらしい。

玄関戸を開けると、紛れも無くそこに居たのは俊二だった。
家の中に招き入れると、「悪いね」といいながら、靴を脱ぎだした。

「まったく、最初から玄関で電話しろ…。いや、来る前に電話しろよ」
「お前の事を想ったらいても立ってもいられなくなったんだよ」

気持ち悪い。
冗談でもそういう事を簡単に言うもんだから、学校でいつか変な噂が流れないか、本当に心配だ。
靴紐を解いてるこいつに蹴りでも入れてやろうかと考えもしたが、その俊二の髪先から雫が滴っている事に気付いた。

「お前やっぱ出てけ…って、何だ?お前ずぶ濡れじゃん」
「あぁ、来る前に雨が急に強くなってさ。ついでにシャワーも貸して」

雨の中、わざわざ庭に入ってきて何をしたかったのか。
こいつとは長い付き合いだが、未だに理解できない事をしやがる。

「図々しいという言葉を知らないのか、お前は」
「俺とお前の仲にそんな言葉は要らないと思うんだが?」
「それはお前の思い込みだ。脱衣所にハンガーがあるから服はそれで干しとけ」
「風呂場ってこっちだっけ?」
「そっちは俺の部屋だ。遊んでないでさっさと行け」

ヘラヘラと笑いながら脱衣所に入っていく俊二。
まぁ、確かに雨が降ってて今日明日はどう過ごすか考えていたところだったし、あいつに付き合ってやるとしよう。

リビングに戻ると、窓から外を見る。
俊二の言うとおり、いつの間にか夕方より雨が強くなっていた。

「…雨か」

あの人形…。まだ雨に降られたままかな…。いや、誰かに拾われたよな。きっと。
…って、何で今あの人形のことを思い出したんだ?…ダメだ気になってきてしまった。

気味の悪い不快感に頭をクシャクシャと掻き乱す。

「…ジュース買いに行くついでに見てくるか」

俊二の奴に風呂上りの一杯でも買ってきてやるか。
雨の中、濡れながら来たんだ。少しくらい労ってやろう。
そう自分の中で理由付けると、俺はシャワーを浴びてる俊二を家に残して外に出た。

傘を開き、外灯で照らされた夜道を歩く。
まだそう遅くもない時間だが、天気のせいもあって暗く、人通りもまったくない。
通りなれた道のはずなのに、こうも雰囲気が変わると気味が悪い。

程なくして、あのゴミ捨て場の近くまで来た。
付近には誰もいない。ウロウロしてても怪しく見られることも無いだろう。
近づいて、夕方に人形が置いてあった場所を見る。

「あ…!」

影で暗くてよく分からないが、何かがある。
俺は躊躇いもせずに、それを拾い上げた。
やっぱりそうだ。あの人形だ。

雨でびしょびしょに濡れたドレスを着て、目を閉じてまるで眠っているかのような女の子の人形だ。

「あちゃー…。…まぁ、仕方ないか。とりあえず、雨が止むまでならいいだろ」

今更見つけたからといって、また元の位置に戻して帰るというのも、なんだか良心が痛む。
相手は人形なのは分かってるが、よくテレビの怪談でそんな話も聞くし…。
心霊現象否定派の俺だが、出来る事ならすぐに手放したい。これの処分は明日考えよう。


「ただいまー」
「お。おかえり、どこ行って…」

家に帰ると、シャワーを終えた俊二が、腰にタオルを巻いた状態で、廊下をペタペタ歩いていた。

「何だその格好!?」
「何だその人形!?」

俊二も、俺が手に持っていた人形を見て、驚いていた。
まぁ、無理も無いわな。

「うわ、怖!こっわ!お前どこからそれ持ってきたのよ!?」
「とりあえず何か着ろ。かなり鬱陶しい」

俺は大げさに騒ぐ俊二を軽くあしらい、人形を持ったままリビングに入った。
とりあえず人形をテーブルの上に座らせてみる。
人形の大きさは30センチより少し小さいくらいだ。プロンドのロングヘアはパサパサに乱れていて、雨に降られたからか、顔も少し汚れていた。
着ていたゴシック調のドレスはびしょびしょに濡れているが、ドレスの色調が黒ばかりのせいか汚れは目立たない。洗って乾かせばまだ着れそうだ。
しかし、本当にこれは玩具なのだろうか…。よくある表現だと、まるで生きてるような…。今すぐ動き出してもおかしくないほど、ただの人形とは思えないというか…。

「ほう…。ずぶ濡れだな」
「うお!?随分早いな…。もう着替え終わったのか」

人形をマジマジ見ている俺の隣で、さっきまで全裸にタオル一枚だった俊二が、新しい服を着こんで現れた。

「見ての通りだ。もしもの時のために、前に来たときに着替えを置いておいたのだよ」

どこに置いといたんだよ…。

「それで、こいつは何だ?まさか雨が降ってる外に出て、わざわざ拾ってきたとか言わないよな?」

ずぶ濡れの人形を見て、それから俺を見て俊二は言った。

「そんな馬鹿な。何のために雨が降ってる中ゴミ捨て場に行かなきゃいけないんだ」
「なるほど。雨の中それもゴミ捨て場からか」
「俺の考えてる事を簡単に見透かすお前が恐ろしい」
「俺は雨の中人形を拾ってくるお前の方が恐ろしいね」
「うっせーよ…。雨が止んだらまた元の場所に置いてくる」
「ま、人形にも優しく出来る人間なんて早々いないぜ。もしかしたら恩返ししてくれるかもな」

ヘラヘラと笑いながら、背中をポンポンと叩く俊二。

「褒めてるつもりか?…第一、こいつからの礼は恩返しじゃなくて『怨』返しだと思うね」
「照れるなよ。さ、ずぶ濡れのこいつをどうにかするか。濡れたままじゃ連れて帰ってきた意味ないしな」
「お前も何だかんだ言って、乗り気じゃないのか?」
「どうせやる事と言ったらゲームだけだろ?さ、服を脱がせ」

俊二といるといつも大体はこんな感じだ。どんな事でも適当なノリで付き合って後々問題になる。なんて日常茶飯事なわけで。
ここには二人しかいないから普段やることのない人形遊びでも楽しめればいいだろう。という感覚だ。

「まぁ、そうだけどな。…どこから脱がすんだ?」

人形を持ち上げ、前から下から後ろから、その服を観察する。

「ゴチャゴチャしてて分かりづらいな…。ヒラヒラが邪魔くさいったらないな」
「ふむ。もしドレスみたいな作りなら、背中かわき腹に何か無いか?」
「何か?」

俊二の言うとおりに、俺は人形の背中と人形の袖の付け根を注意して調べてみた。

「…あ、なんだこれ。ボタンみたいなのがある」
「ん、それだな。それが止め具になってるはずだ。外してみろ」

小さなボタンのようなポッチを手こずりつつも外すと、着ていた服がシュルシュルと落ち、人形の肌があらわになる。

「よし、脱げた」
「ほう…キャミソールとは、最近の人形はこだわっているな」

俊二はまじまじとキャミソールとパンツ姿の人形を眺めている。
興味を引くのはいいが、そんな真剣な目で見なくてもいいと思うぞ…。

「素っ裸は人形でも気が引けるし、服だけ洗って乾かしておくか」
「ふむ。本当に人形遊びのような感じになってきたな。…なぁ、こいつ貰っておくか?」
「馬鹿言え、気味悪がられるわ」
「しかし、作りは結構いい物らしいぞ。こいつがゴミ捨て場に捨てられていたなんて信じられん話だ」
「………」

確かに俊二の言うとおりだ。
見たところ壊れた部分も無いし、汚れてさえなければほとんど新品のような状態だ。
何か事情があって捨てられたのだろうか。

「ふむ。髪もバサバサだな…」

雨と泥で汚れた人形の髪を、俊二が指で梳く。
服だけ洗って済む状態ではないようだ。

「あ、あぁ。…よし、俺はボディを洗うから、俊二は服を頼む。手で丁寧に洗ってくれ」
「よかろう」

…それから俺たちは洗面所に向かった。
手際よく洗面所で服を洗う俊二と、風呂場で人形の頭を丁寧に洗う俺。
石鹸で洗うのも面倒くさかった俺は、手っ取り早くシャンプーで洗う事にした。
その様子を見ていた俊二に、「そこまでやらなくていいだろう」と突っ込まれてしまった。
服の黒ずみに漂白剤を使おうとしているお前も人のこと言えないけどな。

髪を洗い、体の汚れを洗い流し、ドライヤーを使って髪を乾かし髪を梳かす。
うん。こんなもんかな。

「よし…っと。俊二、服は乾いたか?」

ドライヤーでキャミソールを乾かしながら、洗面所の俊二に話しかける。

「いや、洗い終わったところだ。しかし、この服は自然乾燥でいいのか?シワになるぞ?」
「脱水機に入れてアイロンでもかけてみるか?」
「それは…。逆にピチピチになるだろ。やはり干しておくか」
「じゃあ服をタオルで挟んで軽く叩いてくれ。それで脱水になるから」
「よかろう。ふむ。これ終わったら何かやるか」

タオルを俊二に投げ渡し、リビングに目をやる。
何かやるか…。最近はBBしかやってないからな。

「そうだな。服乾くまでBBで対戦でもするか」
「受けて立つ。しばし待っていろ」

タオル片手に洗面所に戻る俊二。
俺は…。ゲームする準備でもしてるか。
人形はキャミソールだけだが、まぁ素っ裸じゃないしこのままでいいか。


「ここだ!!もらったぁ!」
「それは何かな?」
「うぉい!?あ、コラ!!」

『FINISH!!』

「くっそー…。ジャストガードとかマジかよ」
「ぶっぱ狙ってるの見え見えだったからな。未熟!!」
「色々とキャラの真似してるのが余計腹立つわ…」

2勝15負
かなりの力の差を見せ付けられ、そろそろ俺も疲れてきた。

「む…?そろそろ服も乾いてくる頃合だな」
「え?あ、もうこんな時間か。俺見てくるわ」

洗面所に干されていた人形の洋服は生乾きだった。
リビングに持ち帰り、ドライヤーで一気に乾かす事にした。

「どうよ?」

ドライヤーの風に当てた服を俊二に渡し、乾き具合をチェックしてもらう。

「ふむ。これくらいなら許容範囲内だな。早速着させてみるか」
「何か緊張するな。…どっちが前だ?」

四苦八苦しながら人形に服を着させる男達。
すごい嫌な光景なんだろうと思いつつ、何とか人形を元通りの姿に戻すことが出来た。

俺は元に戻った人形を改めて正面に据えて眺めた。

「うお…。なんか…すげぇ…」
「あ…あぁ。おい、これ本当に拾い物なのか?」

黒いゴシックドレスを身にまとい、ウェーブのかかったブロンドをした少女。
肌はあくまでも白く、見開いた瞳は澄んだ青色をしていて、まるでこちらを見透かされているような気がした。

「これは半端な作りではないぞ…。紛失物として警察に届けるべきじゃないか?」

あの俊二が珍しく真っ当な意見を述べた。それだけ驚いているのだろう。もちろん俺だって驚いている。
これがどこかの博物館や有名な展覧会に飾ってあっても、何もおかしく見えない。
これは落し物か忘れ物なのだろう。そうとしか考えられない。

「…そうだな。明日にでも交番に持っていこうか」
「その方がいい。…さて、俺もいいものを見せてもらったことだし、帰るとするか」
「ん、そうか。結構いい時間だしな」

人形をテーブルの上に置き、俺は俊二を外まで見送る事にした。
いつの間にか雨は上がっていた。

「夜分遅くまで悪かったな。…あ、休み明け、お前が日直だからな」
「はいよ。お前も警察に職質とかされるなよ」
「大丈夫だ。足には自信がある」
「捕まるぞ」

俊二を見送った後、俺はリビングにあった人形を持って自分の部屋に戻った。
人形を棚の空いたスペースに置き、ベッドで横になり読みかけだった雑誌を読む事にした。

交番か。休みだってのにそれだけの用事で外出るのも面倒だな…。この辺りって一番近い交番ってどこだろう。
そんな事を考えている間に、眠気が襲ってきた。雑誌を放り投げ、照明を消し、ベッドの中にもぐりこむ。
棚に置かれた拾った人形なんてまったく気にもならなくなっていた。


『プルルルルル』
『プルルルルル』

「ん…。んん…」

真っ暗な部屋の中、携帯の呼び出し音が俺を起こした。
どこの誰だか知らんが、こんな時間に何だ…。
じいちゃんばあちゃんか…?

「ふぁい…もしもし…」
「私メリー。今度人形を引き取りにあなたの所に行くわね」
「へ…?人形…?」

少女の声が聞こえた。
内容までは聞き取れなかったが人形と言う言葉だけが耳に残った。

「ツー…ツー…ツー…」
「え…人形…あれ…?」

…通話は一方的に切られてしまったらしい。
何はともあれ、人形の持ち主が見つかったらしい。
これで交番に行かないで済むんだな。よかった…。

安心した俺は携帯を握ったまま、また眠りに落ちてしまった。


翌日。
目を覚ました俺は、ふと棚に置いた人形を目にして、昨日の夜に掛かってきた電話の事を思い出した。
手に握ったままの携帯を見て、昨夜の事を少しずつ思い出す。
そして、真夜中の着信の事を思い出した俺は、寒気と共に背筋の凍る感覚に襲われた。

電話って…?
どうやって…俺の携帯にかけてきたんだ?

電話の相手は『人形を引き取りにくる』と言っていた。その人形は間違いなく、昨日拾ってきた人形の事だろう。
人形を拾ったことは俺と俊二以外知らないはずだ。人形を拾いに行くときも、辺りには人はいなかった。
…いや、もし見られていたとしても、俺の携帯の電話番号を知っているなんておかしいだろ。

落ち着け、まずは何で電話番号が知られているのかだ。
俊二が誰かに言いふらしたのだろうか。…あいつが他の誰かに俺の電話番号を誰かに教えるなんて考えにくい。
でもあいつだから、念のため、聞いてみよう。

「あ、もしもし。起きてるか?」
「昼前に電話で『起きてるか?』とは、随分舐められたものだな」
「悪いな。んで、昨日の事なんだけどよ」
「昨日…。人形の事か?」
「ん、まぁそんな所。昨日から誰かに俺の携帯の番号教えたりしたか?」
「いや、俺はあのまま帰宅して床に就いたが。…どうかしたのか?」
「あー…。実はな…」

俺は電話の事を、出来るだけ詳しく話した。
事情を知っている俊二は、興味を示し聞いてくれた。

「ほほぅ…。夢か現か、定かではない。と」
「話持ちかけておいて何だが、やっぱり夢だよな?」
「夢と切り捨てるのは簡単だが、あの人形が夢に絡んでくるとなると、強ち夢とも断言できないな」
「はは…。マジかよ」
「昼寝でもすれば、また電話が掛かってくるかもな。今はそれ以上のことはなんとも言えないな」
「そうか…。考えておく。んじゃな」
「うむ」

俊二はああ言ったが、結局あれは夢だと、俺は思った。
いくらなんでもピンポイントで携帯に電話をかけてくるなんて、あるはずがない。
起きたときに携帯を握っていたのは、無意識の内に携帯を掴んでいたんだろう。
それは着信履歴を見れば明らかだった。昨日と今日は、一度も電話は掛かってきていない。

ま、交番に行かなきゃいけないのは少しかったるいけど、本当に変なのが来たら嫌だしな。
これで一件落着だ。

自分の中で結論を出し、昼食を取ろうと立ち上がった瞬間。

『プルルルルルル』

手に持っていた携帯が鳴り出した。まさかと思いつつも、恐る恐る携帯のディスプレイを確認する。

「何だこれ…」

携帯は鳴っている。
しかしディスプレイは着信を知らせる画面ではない。白い画面が表示されているだけだ。
壊れたのか?いや、まさか…。

『プルルルルルル…ピッ』

「…もしもし?」

高鳴る鼓動を押さえながら、俺は携帯を耳に当てた。
あれは夢のはずだ。何かの間違いであって欲しかった。

「私メリー。今、あなたが人形を拾った場所にいるの」
「…メリー?お前の名前か?」
「もう少ししたら、あなたのお家に着くわ」
「…!?おい、何でお前俺の―――」

『ツー…ツー…ツー…』

「くそ…」

何なんだよ…。
携帯の番号どころか、電話の相手…メリーとか言ったか、メリーは俺の家の場所まで知っているらしい。
悪ふざけにも程があるぞ。

…そうだ!着信履歴は…。
元通りにディスプレイの画面が表示されている携帯を操作し、今かかってきた電話を履歴で呼び出すことにした。

「…嘘だろ」

履歴の画面を何度読み返しても、今日と昨日、この携帯に着信は記録されていなかった。

「何だよこれ…。くそ…」

混乱してきた頭を抱えつつ、現状を整理する。
何だか分からんやつが、何だか分からん方法で俺に近づいてきている。
何だか分からんが、とにかく危険だ!

「おい、俊二!何か、ヤバいぞ!!」
「ん…?どうしたんだ?」

携帯を操作し、もう一度俊二に電話を掛けた。

「俺にもよく分からんが、さっき話した電話がまた掛かってきた!相手は俺の家の住所を知ってるらしい!」
「…面倒事になったか。しかし何でそんなに慌ててるんだ。ドアや窓に鍵でも掛けておけばいいだろう」
「さっきから携帯の調子がおかしいんだよ!着信履歴も残らない、着信画面も真っ白で表示されないから電話番号も分からん!」
「おいおい…。そりゃマジでヤバい人形を拾ってきたのかもな…」
「人形…!!」

棚に置かれた人形を見る。あの人形に何かあるのか?
俺は棚に近づき、人形に手を伸ばす。
そうか!こいつが無ければ――――!

「待て。人形に何かしようなんて考えるなよ?下手に触らない方がいい。人形はキーアイテムだ」
「…じゃあどうすりゃいいんだよ!」
「俺もすぐそっちに向かう。お前はまだ家から出るなよ!今出たら鉢合わ―――――」
「俊二?…おい!俊二!!」

人形を掴もうとした瞬間、携帯から俊二の声が聞こえなくなった。

「――――――私メリーさん」
「ッ!?」

小さい「ヒ」という言葉と同時に、息を呑んだ。
嘘だろ…。こいつ、通話中に割り込んだ!?
ディスプレイを見ると、また画面は真っ白に表示されている。

「あれ?…もしもし?もしもーし」
「も、もしもし…」
「あ、いた。どうしたの?」
「…あんたは何者なんだ?」
「私はメリーさんよ」
「…こっちに来るのか?」
「うん。もうすぐ着くよ」
「…何しに?」
「人形を返してもらうために」

…今度は会話が成立しているな。
話を聞くだけなら、まともな相手だが…。

「何で俺の携帯の番号と家の場所を知ってるんだ?」
「そんな事聞いて、どうするの?」
「え?」
「だってあなたには話す必要なんて無いし、それに…もう、あなたのちかくにいるもの」

それを聞いた瞬間、全身に寒気が走った。
そして、その意味を聞き返す前に、窓の外…ベランダで物音を聞いて、俺はその意味を悟った。
メリーと名乗る人物…少女は、部屋の窓から出るベランダから俺を見ていた。
メリーは鍵の掛かっていない窓を静かに開けると、靴を脱いで部屋に上がり込んできた。

「ふふ…。おじゃましまーす!」
「………!!」

入ってきたのは、あの人形と錯覚するほど瓜二つの顔をした、黒いゴシックドレスを着たブロンドの少女だった。
彼女は興味津々な様子で俺の部屋を物色する。
そして、グルッと部屋を見回してから固まっている俺を見てこう言った。

「こんにちは。私のお人形拾ってくれてありがとう!」
「あ、あぁ…」

俺にニコリと笑顔を見せると、今度は心配そうな顔をして俺を気遣う。

「どうしたの?そんなに青い顔しちゃって」

どうしたもこうしたもない…。
…いや、下手に会話を長引かせると何かと厄介だ。早く用を済ませて出て行ってもらおう。
そうすれば面倒事も起きずに終わってくれるはずだ。

「いや、なんでもない…。人形だな…あれ?」

メリーと目を合わせないように、背を向けて人形の飾ってある棚を見る。
が、そこに飾ってあるはずの人形が無くなっている。

「ん?何だか前より綺麗になってる?」
「……どうなってんだよ」

…もう表現するのにも馬鹿らしくなってきた。
俺が背を向けた瞬間に、棚にあった人形がメリーの腕の中にあった。
何を言っているのか、俺にもわからない。これが痛覚のある夢なら早く覚めてほしい。

「ねぇ、このお人形に何かした?」
「汚れてたから洗ったんだ。目的を果たしたんならさっさと帰ってくれ」

関わり合いたくない俺は、彼女に目をそむけながら、窓の外を指差し出て行くように促した。
すると、メリーはそんな俺を見て言った。

「…ねぇ、なんでそんなに冷たくするの?」
「何でって…。お前に親しくする必要は無いだろ」
「お人形には優しくしてくれたのに、私には冷たくするの?どうして?」

メリーはそっと両手を差し出し、俺の手に触れた。
その手の温もりが、ここにいる少女は『現実』だと突きつけられたようで、一層俺を混乱に貶めた。

「何だよ…」
「…………」

メリーはジッと俺を見つめて動かない。このままでは帰ってくれないと俺は観念し、彼女と向き合う。

「冷たくするついでに、お前に一言言っておくわ。それ、お前の人形なんだよな?」

俺はメリーの抱いている人形を指差した。それに首を縦に振ってメリーは返答する。

「それを引き取りにくるならいいさ。責任持ってわざわざ来てんだからな。でもよ、取りに来るなら最初から大事にしろよ」

女性を責めるのはいい気がしない、しかし一度言葉が出ると後には止まらない。突然の俺の批判にもメリーは表情を変えずに黙って聞いている。

「相手は人形だろうがな、雨の中野ざらしになってたんだぞ?それもゴミ捨て場のすぐ近くにだ。捨ててると同じようなもんだよ。勝手すぎやしないか?」

説教している俺も何だか悲しくなってきてしまった。
何が悲しくて人形を哀れだと感じなきゃいけないんだ。俺も終わってるな…。

「人形は持ち主を選べないんだ。だから、持ち主のお前が大事に扱ってくれよ。いいか?」
「うん。…ありがとう。ありがとう、拾ってくれて…」

強く言い過ぎてしまったが、これだけ言えばもう面倒事も起こさないだろう。
俺は腰を少し屈めて、泣きじゃくりそうな彼女と同じ目線になった。

「キツイ言い方でごめんな。でもそいつは大切にしてやってほしいんだ」
「うん…」

うつむいたメリーが顔を上げると、彼女と目と目が会った。大きくて青い瞳。まるであの人形のような。綺麗な瞳だった。
しかし、彼女の青く光る瞳を見た瞬間、俺は全身の力が抜け、その場に崩れるように倒れた。

「…かっ…はっ…。何…だ…!?」

眩暈と吐き気に似た不快感に続き、金縛りに会ったかのように身体はおろか、口すら麻痺して喋る事すら難しくなった。

そんな…。今までの仕草は…。全部芝居…?
はは…。馬鹿かよ俺…。偉そうに説教とか…するんじゃなかったな…。

「何を?決まってるじゃない―――――」
「……っぐ…うぁ…あ…」
「――――――――――――」

朦朧としていく意識の中、ぼんやりと彼女は俺の顔を覗き込んでいたのが見えた。
あくまでも優しい表情で見つめるメリーを前に、何も出来ずに俺はそこで意識を失った。


『プルルルルルルル』

「………」

目を覚ますと、俺は自室の床の上で仰向けで寝転がっていた。
すぐ近くに転がっていた携帯に手を伸ばし、天井を眺めながら通話ボタンを押した。

『プルルルルル…ピ』

「…もしもし」
「隆一!お前か?」

通話口から、珍しくも俊二の大きな声が聞こえた。

「…俺の携帯だ。俺以外に出る奴はいねえよ」
「いや、その通りだが、大丈夫だったのか?メリーが何だとか言っていただろう?」
「あぁ…。来た…んで、今までぶっ倒れてた。俺、生きてるか?」
「何とも言えん。が、俺が生きてるから、お前も生きてるんじゃないか。何があった?」
「俺にも分からん。あーくそ…。えーと、通話に割り込んできたと思ったらもうベランダにいて、ベランダから入り込んだと思ったら人形を持ち出してて…。目を合わせたらぶっ倒れた」
「奇想天外だな…。簡単には信じられん。それで人形は?」

天井から棚に視線を移す。

「…無い。持って帰ったみたいだな」
「そうか。お前自身、何かされてないか?」

起き上がり、手足が付いていることを確認すると、今度は鏡で自分の顔を見た。

「大丈夫だ。何もされてない…っぽい」
「ふーむ…。何だか知らんがお疲れ。何も無くてよかったな」
「あぁ…。ところでよ…」
「ん?」

「…お前、誰だよ?」

「何?俺は俊二だが?」
「違うな。あいつなら俺の着信には歌が流れるんだよ。それに俊二はそんな軽い口調じゃない。…お前、メリーだろ」

少しの間を置き、電話の相手は観念したのか、ため息を付いた。
咳払いを一つすると、「あーあー…」と声を整え、再び電話に出た。

「うーん…。モーニングコールのつもりだったんだけど…」
「ふざけんな。まだ何か用でもあるのか?」
「だからモーニングコールだってば…。もう夕方だよ?起きないと風邪引くしさ」
「うるせえ。誰のせいで床の上で寝てたと思ってるんだ」

悪びれる様子も無く、メリーは馴れ馴れしい口調で電話越しに接してくる。
何を考えているのか、ただ単に狙われているだけなのか。もしくは呪われているのか。

「それと、お腹が空いてたから、あなたが寝ている間にキッチンにお邪魔しちゃったよ」
「…はぁ?」
「後でチェックしといたほうがいいかもね。それじゃ、またね!」
「あ、待て!…『またね』って…」

寝てる間…じゃなくて、俺が気を失っていた間に、あいつは家の中を歩き回っていたらしい。
心配だな…。行ってみるか。

リビングに向かった俺が、まず最初に目にしたのが、テーブルに置いておいた昨晩の残り物が乗っかっていたはずの皿だった。…皿しかない。
次に冷蔵庫をみると、目に付いたのは何かが入っていたに違いない空の真空パックと、ほとんど中身の残っていない牛乳のパックだった。
すぐに食べれそうな物が軒並み消失している。
そして棚に隠しておいたカップ麺は、変わり果てた姿となってゴミ袋に入っていた。
お湯は…やかんで沸かしたのか。

変わり果てたキッチンに立ち、呆然とする俺が思ったことは一つだった。

「あいつは何が目的だったんだろう…」


『ピ…』

「…あぁ、もしもし。俺だ。…あぁ、一応な。それで、今から飯食いに行かないか?」





最悪な一日が終わり、また新しく不安な一週間が始まった。
教室に入り、クラスメイトと挨拶を交わすと、ふと、俊二に日直だと言われたことを思い出した。

「あ、今日俺が日直だったっけ。出席表取りに行くのか…。めんどくせ」

クラスメイトの横を通りすぎ、自分の机にカバンを放る。
すると、俺のぼやきを聞いていた一人が怪訝な顔をして俺に言った。

「お前は先週やっただろ?それと、お前の席もう一個後ろ。お前、寝ぼけてないか?」
「え?…あ、…あぁ。そうだったな?」

俺は放ったカバンを取り、一つ後ろの机に置いた。

「ははは。しっかりしろよな?まだ月曜日だぜ?」
「あー…。ダメだな。ちょっと頭冷やしてくるわ」

クラスメイトに見送られ、俺は廊下に出た。

「………」

カバンを置いた机は、間違いなく俺の席だった。
でも何で俺は、何も疑うことなく間違いを認め、後ろの席に移ったんだ?
自然とそれが当たり前かのような感覚だった。

「よう、心の友よ」
「ん、俊二…」

この感覚の原因が何なのかを考えていると、横から奴が声を掛けてきた。

「朝っぱらから黄昏てる姿が似合ってるな。流石だ」
「何が流石なんだよ…」

窓の外から校庭を眺めていると、俊二が低い声で、それも他人に聞かれないような声で言った。

「なあ…。何かおかしいと思わないか?」
「生憎と、俺は昨日からずっとおかしいこと続きだ」
「お前はそうだろうが、ここは学校だろ。それでもあいつが関係してるって言うのか?」
「わかんね…。こんな事、他の奴に言っても信じてくれないだろうな」
「む…。ちょっと待ってろ。おーい、そこの君、その出席簿をおじさんに見せてくれ」

俊二は廊下を歩いていたクラスメイトを捕まえると、出席簿を借りて戻ってきた。

「あいつ、金曜にも日直やってたよな」
「ああ。だからこいつを見るんだ、俺の予想では日直が繰り下がってるはずだ」
「…ってことは?」
「俄かには信じがたいが。休み中に出席番号が一つ増えたという事だろうな」
「…この中に『あいつ』がいるのか?」
「多分な」

出席簿を見ると、クラスメイト全員の名前が載っていた。
しかし、どの名前も見覚えがあるような、どの名前も今日始めて見たような、曖昧な記憶しか思い浮かばなかった。
そんな状態が続き、昼休みに俺たちは廊下に出てお互いに気付いた点を話し合う事にした。

「席の位置が変わるだけで、授業も新鮮になるもんだな」
「そうだな。…で、早速だが、おまえは誰が怪しいと思うんだ?」

俊二が出席簿のコピーを取り出し、俺に見せた。
俺はそれを受け取り、あごを持つ。

「見たところ、みんな不自然な動きはしてないよな」
「そうだな。怪しい動きしてたら即刻俺が取り押さえている。だが、教師という事ではなさそうだ」
「なんで?」
「教師も、たまに机の列を見て不可解な表情を見せる。何か違和感を感じているんだろうな」

アテになるのか?と思いつつ、改めて机の配列を眺めるていると、俺の席の近くの机の配置に違和感を覚えた。

「机の列ねぇ…。あ?」
「ん、どうした?」
「この列、机が一個少ないぞ?」
「……そういえば、お前の後ろ斜めの位置に席があったな」

俺の席は一番後ろの席で、俺より後ろの位置にくる机は無いはずだった。
この出席簿でも俺の席が一番後ろになっている。
しかし、確かに俺の隣の列では俺より後ろに机があった。

「…元凶はずっと俺の後ろ居たって事か?」
「そう言うことだ。…そいつは今もお前の事を後ろから見てるぜ」

俊二の言葉を聞き振り返る。
同時に何人ものクラスメイトが目に入るが、一人だけ。教室の中から俺達を見ている「そいつ」と目が会った。
俺に気付かれたと分かると、そいつは急いで教室から走り出し、廊下を逃げて行った。

「ふむ。廊下は走ってはならぬというに。ますます怪しいな」
「…行ってくる!」
「うむ。励んで来い」

俊二を置いて、俺はあいつを追いかけた。
何で今になって気が付いたんだ。あんなに近くに居たっていうのに!
こんな校則の厳しい学校で、一人だけウェーブをかけたブロンドで、妙に小さいあいつを、何故気付かなかった!

階段を駆け上がり、屋上への扉を開け放つと彼女は屋上の真ん中で佇んでいた。
背中を向け、空を仰いでいるそいつに近づきながら、俺は叫んだ。

「お前は…、お前は一体何なんだ!」
「…何度も言ってるでしょ?私はメリーさんよ」
「そうじゃない!お前は何のために俺に付きまとうんだ!」
「付きまとったりなんかしてないわ。これは極自然な好意よ?」
「…好意?何でこんな事が好意になるんだよ!」
「人形を拾ってくれたお礼…。今日、日直だったでしょ?」
「日直…?」

そんな馬鹿な。
まさか俺に日直をやらせないためだけに、自分をクラスに入れて席順をずらしたって言うのか?

「そんな事のために?」
「だって、お礼ですもの」
「馬鹿げてる…。そんな事のためにこんな面倒なことをするのか?」
「…面倒でもその人のためにする。あなたがこの人形にやってくれたことを返しただけ」



「それが、私なりの恩返し」



「……!!」

気が付くと、メリーは俺の目の前に立っていた。
俺が危険を感じ、メリーから離れようとすると、それを察知したメリーが言った。

「大丈夫。今度は何もしないから。あなたには一言言いたいだけ」
「…なんだよ」

メリーはゆっくりと腕を上げると、人指差しを俺の唇に当てた。
そして、俺の顔を見てにこやか笑い、俺に告げた。

「ごちそうさま!」
「は?」

それだけ言うと、メリーは俺の横をスッと走りぬけ、階段をタッタッタと下りていってしまった。

ごちそうさま?
その意味を考えていると、今頃になって昨晩の惨状が脳裏に浮かんだ。

「…あいつ!!コラ、待て!俺の晩飯返せ!!いや違、…とにかく待てえぇぇー!!」




「結局、あいつはなんだったんだろうな…」
「さてな。まぁ、席も戻ってたわけだし、一件落着でいいじゃないか」

放課後、俺の俊二は人もまばらになった教室を眺めていた。
俺が屋上から戻ると、机の数も元通りになり、俺達の席も元に戻っていた。
途中で催眠術?が切れたせいで、結局俺は日直になっていた。全員が気が付いたときにはもう最後の教科が終わったときだった。
メリーのおかげで俺の今日の仕事は出席簿を担任に届ける事だけになった。

「なーんか、釈然としない」
「いいじゃないか。お前の話じゃ、これであいつの目的は済んだということだろう?」
「そうだといいんだけどさ…」
「考えても、お前の頭では何も解決しない。諦めて帰るぞ」
「はぁ…。そうだな。帰るか…」


家の玄関を開けると、おじいちゃんとおばあちゃんの靴が揃えてあることに気が付いた。

「ただいまー。あれ、帰ってるん…だ……?」
「あら、おかえり隆ちゃん」

おばあちゃんの隣に置いてある、黒い靴を見て俺は嫌な予感がした。
右からおじいちゃん、おばあちゃん、そして、第三者の靴。
おばあちゃんの声が聞こえたそのすぐ後、案の定、あいつの声が聞こえた。

「おかえり、隆一!」

リビングのソファに座ってテレビを見ていたそいつは、俺をの顔を見ると笑顔で手を振っていた。
どうやら、あいつの恩返しはまだ終わっていなかったらしい。

「ただいま…」
「ふふ…」

俺が落胆していると、メリーはおもむろに俺に近づいてきた。
そして、俺の顔を覗き込み、満面の笑みで嬉しそうに告げるのだった。

「私メリー。あなたと一緒にいるの」




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