第一話

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mofu-mofu

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だれでも歓迎! 編集
女「もふもふもふもふ」

男「(バタン)おじゃましまー……ってなにしてるんだ?」

女「もふもビクッ……こそこそ(男に背を向ける)」

男「?隠さなくてもいいだろ」

女「(ごそごそ)なななんのこここことかな?」

男「ぬいぐるみだろ?その抱えてるのって」

女「!?……そ、そうなの!ぬいぐるみ、ぬいぐるみ!」

男「ぬいぐるみに抱きつくなんて、お前もやっぱり女の子なんだなぁ。うむうむ」

女「……」 男「……?」

女「ちょ、ちょっと一回部屋から出てくれない?」

男「?? なんで? べつにはずかしがらなくてもいいじゃんよー」

女「#」

男「ほぉーらみせてみぐぶぁ!(女がくるりと回ると同時に弾力のある物体が顔を横殴りにする)」

女「しツこいッ!!」

肩を怒らせている彼女のお尻からは、何やら太くて黄色くて毛並みのよい『尻尾』が生えていた。

女「あ……」

男「…………」

女「……えと」

男「……なにそれ」

女「あー……。しっ……ぽ?」

男「こ……」

女「こ?」

男「……コスプレ?」

男「……」

女「……」

男「……で、それはなんなんだ?」

女「……朝起きたら生えてたの」
男「HAHAHA!またまたご冗談を、作り物なんだろそれ!そーんなものを着けてみるなんて、まった、おまえもマニアックなんだから!」

女「違うッて!本物だっての!ほらッ!」

お尻をこちらに向けてパジャマのズボンを太ももまで下げる女。
確かにその毛に包まれた物体は、彼女の尾てい骨あたりから生えでていた。





男「あ……あ……あ……」

まぁ、男は違う部分に気を取られていた訳ですが。

男「まぁ、本物だってのはわかった、ことにしよう。今日学校を休んだ理由は風邪なんかではなくて、それが原因だったんだな?(椅子に座る)」

女「うん(ベッドに座る)」

男「それで、その尻尾が生えてきた事について心当たりとかはなんかあるのか?」

女「んー……あるっちゃある、かな(尻尾を股から前に出してもふもふぎゅー)」

男「聞かせろ」

女「……それ(ベッドを指差す)」
男「……ほう……俺とえっちがしたいの゙ぁぐァ(音速で飛びかかってきた女に首を締め上げられる)」

女「いちいちチャチャをいれるなツ!私が言ってるのはその抱き枕!」

掛け布団がもっこりとふくらんでいる所をめくるとそこには黄色い抱き枕があった。
狐の尻尾を模してあるようで、さきっぽにはデフォルメされた小さな狐のぬいぐるみがくっついている。

男「尻尾が異常なまでにデカいとは、ずいぶんと奇形な狐だな」

女「とーっても可愛くてもふもふでしょう?」

男「おまえのそれと似ているけど、なんの関係があるんだ?」
女「んとね、私は毎日寝るときにこの狐ちゃんをもふもふしながら、私にもこんな尻尾がほしいなーと思ってたの」

男「……」

女「……」

男「……それで?」

女「?」

男「……もしかして心当たりっていうのは、それだけなのか?」

女「これだけ、だけど?」

男「……」

女「……」

男「……それ心当たりって言わないんじゃ?」

女「あー、いやー、あのね……神様がお願いを聞いてくれたのかなーとかさ……アハハ」

男「そうだとしたら意地悪い神様だな」

女「なんでさ?」

男「それのせいで学校に来れなくなったんだから、ただのありがた迷惑じゃねぇ?」

女「…………(もふも……ふ)」

女「…………(も……ふ)」

男「あーあのだな……親御さんは尻尾生えてきたことを知ってるのか?」

女「ん……知らないよ。……朝はさ、お父さんもお母さんも私が起きるよりも早く家を出ちゃうから、学校には自分で電話したんだ」

男「なーる……あれ? 俺が来たときにお袋さん、お前が学校を休んでいるを知ってたぞ?だって現に入れてくれたわけだし」

女「……んとね、電話したときに置き手紙も書いておいたの『風邪をこじらせたので学校は休みました』って」

男「頭いいな、おまえ」

女「……(尻尾の先が少し揺れているもふもふ)」←誉められてちょっと嬉しそう

男「……でもよ、学校を風邪を口実に休んで、親にもうまく秘密にしてもだ。結局は時間稼ぎにしかなってないんじゃないのか?」

女「あ……(動きが止まる)」

男「嫌でも明日から。いや早くて今日だよな、親にどうにか説明しないといけなくなるだろ。……どう言うのか考えてあるのか?」

女「…………(尻尾に顔をうずめてもふもふもふ)」

男「あー……やっぱおまえあたまわッ!?ーッ!(拗ねを蹴り上げられる)」

女「……(もーふもーふ)」

男「まぁ、しょうがないっちゃしょうがないか」

女「……どうしよ?」

男「んー……諦めてさっさと話してしまうってのが……いや、聞かされた相手にぶっ倒れられたら困るな」

女「この尻尾って、やっぱりお母さんとお父さんにはショックかなぁ……」

男「いや、まぁ俺の息子にとってその出てる尻と尻尾ばゴぅっッッ!(女の蹴りがちぞおちに直撃)」

女「#」←尻尾のせいでズボンが中途半端にしか上がらない。

男「話す事を前提に考えないで、まずは尻尾の方をどうにか出来ないか考えてみるか?」

女「でも、心当たりはさっきのしかないよ……どうするのさ?(ぎゅもふ)」←布団を腰に巻きつけた

男「でもんなことも言ってられないだろ?……とりあえず昨日、寝るまでにしたことを思い出して整理するってのはどうだ?」

女「どうだ、って言われてもなぁ(もふもふ)」


男「まぁ、ぶっちゃけそれしか出来ることないんだけどな!」

女「んと昨日か……ちょっとまってね、思い出すから……。ええとね、朝起きて身支度してご飯食べて家を出た。で男と途中で会って、学校に着いた」

男「よし、そこまでで何時もと違ったことはないか?通学中は……特におかしな事は無かった、よな……朝はどうだ?起きたらパジャマのズボンが濡れてたとか」

女「学校では、授業受けて、お弁当食べて、また授業受けて……いつもと違ったのは、珍しく男が授業中起きてたってことだよね」

男「昨日は晴れだったから、グラウンドでやってる体育がよくみえたんだよ。体育着の女子たちがとても美しくだな」

女「で、学校が終わった。帰りは、友達と一緒だった。家に着いて、お母さんとお菓子を食べながらテレビをみて、夜ご飯を食べて勉強したな」

男「晩飯までお菓子を食べながらテレビをみるとか、お前は堕落した主婦か?夕暮れの団地妻なのか!?」

女「うるさいなぁ……それからお風呂に入って歯を磨いて……んと……寝た。……以上。思い出してみてもやっぱりおかしなことは無かったと思うよー(ぎゅー)

男「まて、寝る前はどうだ、独りでこう……な、オナ(金的。静かに倒れる男)」



女「ゥ―……(少し焦る)」←顔が赤くなっていく。

女「おかしな事はなかった!昨日の話は終わりッ!(尻尾に顔うずめる)」←顔が真っ赤っか

男「……」←燃え尽きた男(金的な意味で)


――間――


男「あちし女の子になっちゃうかと思ったわ」

女「本当に女の子になったほうが無害で良いんじゃないの?(尻尾の影から狩人の目)」

男「な、なんかよ、尻尾生えてから凶暴化してないか? おまえ(ガクガクとふるえる)」

男「話がふりだしに戻ったわけだが」

女「まぁ、しょうがないんじゃないかな(もっふもふもふ)」

男「そういえばよ、おまえずっと抱き付いたままだけど、その尻尾って触覚とか通ってるのか?」

女「うん。感覚もあるし血も巡ってるみたいだよ(尻尾をふさふさと振ってみせる)」

男「自分で抱きついてて気持ち良いものなのか?」

女「肉体的には自分の体を触ってるだけだけど、気持ち的には気持ち良くて幸せ(もふふさふさ)」

男「ある意味ナルシストだな、それ」

女「ナルシストでもいいよっ、だって幸せだもん(もふもふ)」

男「まぁ、毎晩夢見てたものだもんな」

女「そうだよ、もっふーもっふーぎゅーぎゅー(もふぎゅー)」

男「……ちょっと、それ、触らせてくれね?なんかさ、おまえがずっとそうやってるのを見たら、触ってみたくなってきた」

女「……えー?男ってイヤらしいからなー、変なことされたら嫌だもん」

男「絶対変な事なんてしないって、変なことする気なら初めからしてるだろうが。つか今まで何度二人きりで遊んだよ」

女「えー……。絶対だよ?絶対だからね?約束だよ?破ったら絶交どころか警察だからね?」

男「約束する、たださわるだけな。変なことはしない」

女「ホントーにー?」

男「ゆびきりげんまんしてもいい」

女「……よし(満足げに頷く)信じた」

女「ほいどうぞ(尻尾を前のほうに動かす)」

男「じゃあちょっとだけな」

男は手を伸ばした。
先にはふさふさとした尻尾。

男(と言ったものの、どうやって触ればいいのかわからないな。うーむ?)

女「触んないの?」

ふっさふっさと尻尾を揺らす。ほのかに彼女のやわらかい匂いがした。

男(犬とか猫とかを撫でるみたいにすればいいかな……ええい)

思い切ってさわ、と毛並みに沿って撫でてみる。
確かにとても滑らかでふわふわとしていて気持ちがいい。

男「確かにこれは、いいなぁ」

女「いいでしょう」

誇らしげに揺れる尻尾。

男「……もうちょっとだけ、いい?」

女「んー……特別だよ?(にこりと笑う)」

男「ん。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」

もう一度さわりと撫でてみる。
ふさりふさりと尻尾が答えた。

体温もあるし、確実に彼女の意志で動かせている。
それに彼女の匂いまでも……。

やっぱりこれは彼女の体の一部としか言いようがない。

しかし、これはなぜ突然のように生えて来てしまったのだろう。

彼女は望んでいたからだと言っていたが、そんなことがあるわけがない。

進化、というのどうだろう。いや、むしろそう考えるならばこれは退化か。


さわさわ、さわさわ。

女「……ぅ」

さわさわ、さわさわ。

女「……っ……ぁぅ……」

考えながら尻尾を撫で回していると、女が小さな呻きにも似た声を上げはじめた。

尻尾も動きが何やら大振りになっている。

何事かと思って彼女の顔を覗きこんでみると、彼女は顔を真っ赤にして何かを堪えているような表情をしていた。

男(あー……)

尻尾を優しく撫でる。

女「……ぅ……っぁ……」

それに反応するように、呻きと熱くて甘い吐息が彼女の口から漏れだした。

彼女の目は焦点を失いかけ、視線がふらふらとしている。

女「くぅ……ぅ……」

体は小さくふるふるとふるえていた。

男(……これは……もしかするとマズいか?)

これ以上はやってはいけないと頭のどこかで警告が発せられていた。

手をすぐさま引っ込めないと大変なことになる。

男は慌てて手を引っ込めようと――。

がちゃ


突然、部屋のドアが開いた。

ドアの外に立っていたのは、湯気立つ2つのカップとクッキーの入っているお皿を載せたトレイを持った、女のお母さんだった。

女母「女ちゃん、紅茶と……あら」

男「……ぁ」

女「……はぁ……はぁ」

顔を真っ赤にして熱い吐息を吐く少女と股の間からでている尻尾。そしてそれに触れたまま固まっている少年。



傍目から見たら、自分達は一体何をしているように見えるのだろうかと、男は思った。

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