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  • 山路勝彦(2006)『近代日本の海外学術調査』山川出版社
一般的には学術調査と政治権力は無縁のようにも思えるが、実は密接に結び付いてきた。戦前日本ではアジアへの拡大政策の中で、人類学者から見れば研究フィールドが広がる格好の機会であり、為政者からすれば彼らの研究成果が海外領土や勢力圏の統治に利用できる、という関係があった。また学者の側には、政治への無自覚があった。
でもこれ、一般向けの日本史啓蒙書なんだろうけど、話題がマニアックで、たとえば日本史を取ってる高校生にこういった問題のあることをどう説明するのか、難しいところ。
興味のある人は「植民地主義と人類学」や「帝国日本と人類学者」といった本を読み進めばよい

  • ポール・A. コーエン(1988)『知の帝国主義―オリエンタリズムと中国像 (テオリア叢書)』平凡社
アメリカでの中国研究がいかにオリエンタリズム的なものの見方に規定されてきたか、ということを徹底的に洗い出した本。
多分2つの読み方ができて、1つ目は中国研究、アジア研究をやっていく上で外国人がどういう視点に立つべきか考える機会として読むこと、2つ目は欧米ではまだまだサイードの提起した問題が重要なパラダイム転換であるということを実感すること、の2つである。
本書の結論は、細かく研究することで、既存の枠組みを見直そう、という至極当たり前のようにも聞こえるもので、2000年代の今読むと今更感は否めない。というか、歴史研究上の「大きな枠組み」をどう修正し生かすか、ということも考えてもいいのでは。

  • 佐藤卓己(1998)『現代メディア史』岩波書店
「美しい国土という空間、輝ける正史という時間、わかりやすく居心地のよい時空を国民に保障したこれらふたつのジャンル(美しい自然を描いた『山岳映画』とフリードリヒ大王を主人公にした映画のシリーズ)は、やがてナチズム支持に向かう大衆心性の温床ともいえる」(本文p.111より)
メディア、これほど普段から傍にありながら、その成り立ちを知らず、掴みどころのないものも少ないかもしれない。インターネット活用術、メディア・リテラシーなんかは大学でも積極的に身に付けようとするにも拘らずだ。メディアの“歴史”を研究史、出版資本主義、大衆新聞、視覚メディア、宣伝のシステム化と動員のメディア、ラジオ、トーキー映画、テレビ、未来史という具合に分け、体系的に記述し、(もちろん著者の視点を盛り込みながら)、基本文献案内と年表もついたこの本は現代を生きる指針となりえるはず。
掴み難いメディアをまず歴史から学ぼう。