L.ムルドルジ

ロブサンジャムツィーン・ムルドルジ(1915年-1996年)

Лувсажамцын Мөрдорж
Luvsanjamts Murdorj

経歴
1919年ウランバートル生まれ。1929年小学校に入り、その後経理を学んでいたが1932年国立劇場に楽員として入り1936年兵役により従軍。軍楽隊に入り後に軍楽隊長となった。兵役終了後1941年より国立サーカス楽団の楽員、指揮者。1950~56年、モスクワ音楽院に留学しE.K.ゴロベーフ、V.G.フェーレに師事。帰国後、国立民族歌舞団専属作曲家となり、歌舞団付属民族楽器大オーケストラの設立に尽力する。民族楽器の奏法を研究し、大アンサンブル内で平均律の半音階を演奏できるよう改良する仕事を指揮した。1970~74年国立師範学校作曲科講師、1974年より組織に属さない作曲家として生活していた。1946年と51年に国家賞を受賞し1975年に人民芸術家の称号を得た。1951年の国家賞はB.ダムディンスレンと国歌を共作したことによる。そのキャリアの初期にはサーカスバンドで身につけた、いかにも西洋的なハーモニーを伴う作風のせいで作品の人気はいまいちだったが、時代が進むにつれ受け入れられるようになった。こんにちでは現代において「これぞモンゴル音楽」といわれる作曲作法を確立したとまで言われるようになっている。現代における民族音楽発展の功労者でもあるため2008年より全国民族楽器プロフェッショナル・コンクールに「ムルドルジ記念」を冠している。ちなみに描写音楽を得意としていて、交響曲第3番はモンゴルの伝統的な夏の祭典「ナーダム」で競われる三つの競技の様子を描いたもの。なお彼が1955年に書いた交響曲第1番《わが祖国》はモンゴル国における「交響曲」の第1号である。


代表作:オペラ「郭公のナムジル」(1961)、映画「人民の使者」(1959)、「はじめの一歩」(1969)の音楽、ドキュメンタリー映画「私のモンゴル」の音楽、交響曲第1番「わが祖国」、歌「四季の草原」(D.プレブドルジ詞)等。

最終更新:2010年02月13日 10:17
添付ファイル