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第1話

 駄目だ。また、やった。
 そう思った時には、もう遅かった。私は学校に行かず、家でゴロゴロしていた。小学生の頃の目まぐるしい過去がよみがえる。中学生になった私。私の名前は羽山リイナ。4年の頃から遅刻魔になり、何日間も学校に行かない期間もあった。5年ではそれは何度もやり、しまいには肺炎にかかり入院。6年でもまた同じ事を繰り返した。
 そして、中学1年。入学後わずか3ヵ月半で、私はそれをまたやった。私は母と話をした。そして、学校を転校した。
 これはほんのプロローグ。これから何が起こるか、誰にもわからなかった。

8月末
 *私は父の言いつけどおり宿題を全て終わらせ、学校をサボって合宿へ行った。宿題を終わらせるのは苦痛ではなく、むしろ楽しかった。そして合宿も。しかし、帰って来てからの私は、何故か苛々していた。何が嫌なのかわからないが、イライラしてやまなかった。
 次の日の朝、目が覚めると、またあの感情がよみがえった。学校へ行きたくない。私は母や父が一生懸命私を起こそうとするのを邪険にとり、大声で叫び2人を拒絶した。勿論父は怒り、帰ってきたらミュージカルスクールなど退会させてやる、と言い捨てて会社へ行った。私は泣き叫んだ。そして、過去の事を思い出した。

 私が転校した理由を、私は誰にも言っていなかった。きっと、誰も信頼していなかったのだと思う。私からしてみれば、転校するという事を何人かに自分から言った事だけでも、精一杯だった。
 中学に入ってから3ヶ月。私は、絶望していた。クラスには特に仲の良い友達もいなかった。けれど私が学級委員になった事で、学級委員仲間や、気の強い子から弱い子まで友達になってくれた。親友の友達とも仲良くなった。だから、私は浮かれていた。中学校生活で一番不安だった事を切り抜けた気がしていた。けれど、実際は違ったのだ。
 私が学級委員になったのは、自信が無かったから。誰にも必要とされないかもしれない、もしかしたら、誰も私を相手にしてくれないかもしれない。そんな不安感を持ち、学級委員を立候補した。学級委員になれば、必要とされるはず。私がいなければクラスが回らないようになれば、クラスの皆は私を必要としてくれると思った。私はその気持ちを隠していた。学級委員になるのは前から決めていた事で、前に出る仕事が好きだから、と、自分に言い聞かせていた。そのうちに、私のクラスには不登校の子が2人出てきた。
 私はその2人を全力で守ろうとした。私の姉は不登校だったし、私も学校に行きたく無い気持ちはわかる。なるべく何も聞かずにそばにいられるのは、私でいたいと思っていた。周りから見れば、それはとてもいい事だったのかもしれない。けれど、その気持ちも同情だった。2人を守ろうとすれば、少なくともその2人には必要とされる。そうすれば、私は寂しくない。私はその気持ち達を押し隠し、それからしばらくして、学校へ行かなくなった。
 こんなんじゃ駄目だ。誰かを頼って、誰かを犠牲にして私が寂しくなくなるなんて、間違っている。私の中で意見がぶつかり合った。私の心の中で、たくさんの気持ちが言い争いをした。そして、結果、こうなった。
 頼っちゃ駄目だ。いつも誰かがそばにいて、私を必要としてくれるとは限らない。私は一人でも平気な人にならなくちゃ。だけど、頼れる人がそこにいて、頼っていた人達がそこにいて、頼れなくなった寂しさは消えないから、ここからいなくならなくちゃ。
 それは、他人に多いな迷惑をかける、わがままだ。そんな事はわかっていた。けれど、私は転校を決めた。そして、他人や他人で無い人全てに迷惑をかけて、隣の学校へ転校した。

 けれど、私は転校してからも、また同じ事をやった。転校したのにはきちんとした理由があったけれど、意味は無かったのかもしれない。私は学校へ行っていない。私はまた頼った。一番の心友という人に、頼ってしまった。
 とても不安になった。明日は学校行けるかな。行きたいな。朝は嫌い。だけど、何かと理由をつけて全てを無くしたくない。優しい先輩、心友、部活の仲間、クラスメイト、嫌な先生たち。*
 そして私は連休明け、学校へ行った。


(*と*間の文章のみ真実です)