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過去 から の 刺客(後編) - (2010/01/17 (日) 10:29:43) のソース
*過去 から の 刺客(後編) ◆7pf62HiyTE 一方、そのシャーリーの動きは虚ろであり、真面目な話何処に向かっているのかもわかっていない状態であった。ヴィヴィオの声も届いてはいない。 彼女の頭の中では、ルルーシュ=ゼロをどうすべきかどうかの答えを未だに出せないでいた。それ以前の話だが未だにルルーシュをゼロだと認められないでいた。ゼロは天道では無かったのか? そもそもの話、シャーリーが天道をゼロだと思ったのは天道がゼロの仮面を持っていたからに過ぎない。ちなみに天道はゼロである事を否定していたがシャーリーはそれを全く信じなかった。 だが、その理屈で言えばゼロの衣装を身に纏っているルルーシュがゼロという事になる。シャーリーにとってあまりにも都合の良い話ではあるが、シャーリーとしてはルルーシュに自分がゼロだという事を否定して欲しかった…… しかし、ルルーシュは自分がゼロだという事を肯定した。それも仮面が無い以外はゼロそのものといえる遜色の無い言動を取った上で……ゼロを知る者が見れば誰が見てもルルーシュがゼロなのは明白だ。 それでもシャーリーは否定したかった……一番大好きな人を一番大嫌いな人だと、一番大嫌いな人を一番大好きな人だという事を……だが、 『偶然巻き込まれたとはいえ、君のお父上――ジョセフ・フェネット氏の命を奪ったゼロだよ』 『君には殺せない。私はルルーシュ・ランペルージなのだからな』 『それでも私を殺すというのなら、その時は相手になってやろう。全てが終わったその時に』 ルルーシュは自分がシャーリーの父を殺したゼロだと認め、更にシャーリーの知るルルーシュである事も認めた。そして同時に自分を殺す時は相手になると言ったのだ。 一番大嫌いなゼロを殺す―――一番大好きなルルーシュを殺す? 一番大好きなルルーシュを殺さない―――一番大嫌いなゼロを殺さない? 答えなど簡単に出せるわけが無いだろう? 故にシャーリーは彷徨っていた。 唐突ではあるが、ここである少女の話をしよう。 その少女はある少年に好意を寄せていた。その少年は一見クールではあるが目と足の不自由な妹を何よりも大事にしていた。 そんなある時、仮面の男によって少女の父親が殺された。少女は仮面の男を憎んだ……そして運良く仮面の男の銃を手にし彼を撃つ機会を得た。だが、そこで少女は仮面の男が好意を寄せる少年である事を知ってしまった。 その時その場にはもう1人仮面の男の正体を知った女性がいた。少女は少年を守るため、その銃でその女性を撃った。 その一件とある男の策略により少女の精神はボロボロとなっていく、そんな少女を救う為……少年は自分に関する記憶を消した……。 話はこれで終わりではない。それから約一年後、ある理由により少女と少年の関係はほぼ元通りに戻っていた。それこそ少女が少年の正体を知る前の頃に戻った様に…… 違う事は少年の家族が妹ではなく弟になっていた事、そして少年の妹が自分達から遠い世界にいるお姫様になっていた事だろう。 だが、その瞬間は突然訪れる。ある時、少女は真実を知る……いや、全ての記憶を取り戻したのだ。仮面の男の正体が少年であり、少女が少年を守るために女性を撃ち、お姫様が少年の妹である事等を……。 真実を知った少女は何が正しいのかわからなかった……そんな中で少女は高い所から落下しそうになる……だが、少年と彼の親友が少女を助けたのだ。 そのやり取りの中で少女は少年がたった1人である事を知った……そして、少女は少年を守り、少年の幸せを取り戻す為銃を手に取った…… 結末だけを言えばその直後少女は死を迎える事になる。しかし、最期まで少女は少年の正体を明かさなかったし、最期の瞬間には少年と話す事が出来た。きっと、その瞬間少女は幸せだったのだろう。 だが……この少女とシャーリーを同列に論じる事は出来ない。その少女とシャーリーの状況が異なっているから当然であろう。シャーリーがどういう選択を取るのかは誰にもわからない。 果たして、少女は手元にある銃を誰に対して、そして何の為に向けるのであろうか――― 【1日目 昼】 【現在地 G-7】 【シャーリー・フェネット@コードギアス 反目のスバル】 【状態】健康、深い悲しみと激しい混乱、ヴィヴィオを背負っている 【装備】浴衣、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ゼロの銃(10/10)@コードギアス 反目のスバル 【道具】支給品一式、デュエルアカデミア売店の鍵@リリカル遊戯王GX、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:みんなと一緒に帰りたい。 1.ルルを―― 2.ルルやスバルや六課の人(中でもヴィヴィオの為に優先的にフェイト)を探す。 3.もう1人いるなのはを探し、ヴィヴィオのママかどうかを確かめる。 4.ヴィヴィオを守る。 【備考】 ※六課がブリタニア軍の特殊部隊で、スバルはその一員だと考えています。ザフィーラを大型犬だと思っています。 ※プレシアはブリタニアの偉い人で、この殺し合いを開いたのは六課や日本人及びその関係者を抹殺する為だと考えています。 ※ヴィヴィオの境遇を自分と重ねています。 ※ここには同姓同名の別人がいると思っており、放送で呼ばれたなのはが別人の可能性があると考えています。 ※デュエルアカデミアを決闘の学校で物騒な所だと思っています。 ※ザフィーラが殺し合いに乗っているかもしれないと思っています。 ※駅を調べ終えました。 ガソリンスタンド、ホテル、映画館、デュエルアカデミア、病院をどのような道のりで調べるかは、まだ考えていません。 ※ルルーシュ=ゼロだと気付きました。 ※ルルーシュを殺すか許すかは、後続の書き手の方にお任せします。 ※シャーリーがどこに向かっているかは次の書き手にお任せします。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(大)、シャーリーへの心配、悲しみ、決意、浅倉に対する複雑な感情、シャーリーに背負われている 【装備】ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ 【道具】支給品一式 【思考】 基本:フェイトママや六課の皆と一緒に脱出する。 1.お姉さんを助けたい。 2.ヴィヴィオがんばる! 3.天道お兄さんを助けたい、浅倉お兄さんともお話したい。 4.フェイトママを探す。 5.ザフィーラ、どこに行ったんだろう? 【備考】 ※浅倉の事は、襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。 ※キングのことは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※この場にもう1人なのはがいる事に気付いていません。 ★ ★ ★ ★ ★ スバルはデュエルアカデミアの近くを走っていた。先程、デュエルアカデミアに来たらしい少女を捜すために……。 スバルは丁度その時、デュエルアカデミアの中を調べていた。そして自分の調査範囲を調べ終えて上の方を調べている泉こなたか早乙女レイの手伝いをするか、下で見張りとして1人待たせているルルーシュの所に戻るかを考えていた。 そして少女の声が下から響いたためルルーシュの方へと戻ったのだ。事情はわからないものの、その時少女がここを訪れたもののルルーシュと何かあったらしくそのまま去っていったらしいという事は把握出来た。 もっとも……ルルーシュに何があったのかを聞こうとしてもルルーシュは詳しい事を話してくれなかったが。 どちらにしても、放っておくわけにはいかないため。スバルは外へ出てその少女を捜しに出たのである。 さて、スバルが下に降りた時点で既に来訪者が去った後だったし、前述の通りルルーシュが詳しい事を何も話さなかったため誰が訪れルルーシュと何があったのかはわからない。 しかし、彼はその時悲しそうな顔をして独り言の様な事を言っていた。たったそれだけだったが、スバルにも誰が訪れ何が起こったのかをある程度推測出来た。 結論から言えば訪れた人物はルルーシュにとって親しい人物だ。親しくない人物だったら、この状況において何があったのかを自分達に話さない理由は無い。 また、悲しそうな顔をして何かを言っていた事から、その少女に対して何か……少なくても良くはない事があったのだろう。これもルルーシュと全く関係ない人物ならばやはり悲しそうな顔をする理由は全く無い。 そして、ルルーシュの関係者でそれに該当する人物は1人だけ……シャーリートという事になる。 つまり、デュエルアカデミアにシャーリーが来たもののその時ルルーシュと何かがあってシャーリーは去っていったという事だ。少なくとも戦いの音はしなかったから戦闘にはなってはいないだろうが……。 とはいえ、何かがあったのはわかっても何が起こったのかはわからない。スバルの知る限りシャーリーはルルーシュと同じ学校に通う普通の学生としか聞いていないからだ。 真面目な話、ルルーシュから詳しく追求すればわかるだろうが、スバルはどうしてもその事について踏み込む気にはなれなかった。 あの時見たルルーシュの悲しげな表情を見て聞く事など出来なかった……いや、正確に言えば『ここにいるスバル』がその事を聞いてはいけないと思っていた。 『ルルーシュの世界にいるスバル』ならば悲しみに暮れるルルーシュの支えになり、助ける事が出来るだろう。しかし、『ここにいるスバル』にはそれは出来ない。 幾らルルーシュが自分の事をルルーシュの世界にいる自分と変わらないと言っても、外見・性格・能力等々が全て変わらないとしても別人でしかないのだ。代わりになんてなれるわけがない。 それでも、ルルーシュの為にも、ルルーシュの世界にいるであろう自分の為にも、今の自分が出来る限りはルルーシュを助けなければと思っていた。 ルルーシュの事情には踏み込む事は出来ない……だが、だからといって去っていったシャーリーらしき少女を放っておいて良い事にはならない。何とか彼女を保護しなければならないと考え、スバルは外を捜していた。 ただ、シャーリーだった場合はまたシャーリーを傷付けてしまいかねないと考えていた。 シャーリーから見た場合、今現在生き残っている知り合いはルルーシュとスバルだけ、だがここのスバルはシャーリーの知るスバルとは別人だ。出会えばすぐにその事はわかる、それを知ればシャーリーが落胆してしまうのは言うまでもない。 とはいえ、何の力のない一般人のシャーリーを放置出来るわけもない……その事が気にかかるもののスバルはシャーリーを捜していた。 結論から言えば彼女を見付ける事は出来なかった。既にデュエルアカデミアから遠く離れてしまったのだろう。 もう少し範囲を広げて時間を掛ければ追いつけるかもしれない。しかし、デュエルアカデミアにはルルーシュ達戦闘に向かない仲間がいる。 リインフォースⅡもいて、多少の武器はあるとはいえ赤いコートの男の様な参加者に現れれば全滅は確実。故に、シャーリーが気にかかるものデュエルアカデミアに戻り、最後にその周囲を捜してルルーシュの所に戻る事にした。 正直な所、他に戦える仲間が無く、同時に相棒とも言うべきマッハキャリバーが無い状況がもどかしかった。一応手元にはレヴァンティンがあるから戦えるものの万全とは言い難い。 スバルが自分の戦い方をするにはやはりマッハキャリバー、もしくは姉であるギンガの持つブリッツキャリバーが欲しい所だ。恐らく2つとも誰か別の参加者の手元にあるだろうが……流石にそう簡単には戻って来ないだろう。 それに、後々複数の行動を同時に取る必要が出てくる。それに対処するためには戦える仲間が必要だ。仲間がいればスバルが戦いの場に向かい、もう1人がルルーシュ達を守る。もしくはその逆を行う事が出来るからだ。 「フェイトさんかギン姉辺りと合流出来れば良いけど……」 そう考えながらアカデミア周囲を捜していると、ある人影が見えた。 「あれ……?」 その人影は建物にもたれ掛かり座り込んでいる様に見え、すぐ前には何か黒い塊が落ちていた。最初は誰なのかわからなかったがその人物に近付いていく内にそれがわかっていく。 その人物は小柄な身体で銀色の髪をしていた。大分焼けてはいたもののその少女が元々身に付けているコートも彼女は身に付けていた。 何故か服装がレオタードだったりトレードマークとも言うべき眼帯が無くなったりしていたが間違いなく彼女はスバルの知る人物だった。 彼女に何が起こったのかはわからない。だが、スバルから見ても彼女が重傷なのは間違いない、スバルはその少女に声を掛けた…… 「チンク……?」 ★ ★ ★ ★ ★ ルルーシュは1人、スバルが戻るのを待っていた。 あの後、スバルはシャーリーを捜しに外へと出て行った。スバルの性格を考えるならば出て行った参加者を放っておかなくて当然だ。ルルーシュはスバルを止めることなく待っていた。 恐らく、スバルはシャーリーに追いつき彼女と共に戻ってくるだろう。そして、シャーリーは自分に対して決断をするだろう。 その決断がどんなものであれルルーシュは受け入れる覚悟はある。シャーリーが自分を許さず銃を向けるとしても、自分を許すとしてもだ。 しかし、その答えが何であったとしても全ての決着はこの殺し合いが終わり日常へと回帰した時だ。まずこの殺し合いから無事に脱出しなければならない。 その為にルルーシュは思考する。シャーリーとの再会で得た大きな情報、その事について考えなければならないからだ。 その情報は『参加者は異なる時間軸から呼び出されている』というものだ。 ルルーシュはシャーリーに対し自分に関する記憶を全て消した後から来ており、一方でシャーリーは自分に関する記憶を消される前から来ている。つまり、時間のズレがあるという事だ。 思い返せばその事に気付くチャンスはあった。それが先程の情報交換でリインから彼女のいた世界についての情報を聞かされた時の事だ。 リインのいた世界では地球に怪獣ゴジラが現れ、それを封印するためヴォルケンリッターが妖星ゴモラの媒介となり、ゴジラを抹殺する為、機動六課が中心となりオペレーションFINAL WASを行おうとしていた。 更にリインによるとナンバーズはスカリエッティによって対ゴジラの決戦兵器に改造されているという話だった。 あまりにもルルーシュやスバル達の世界との差異が大きかったためルルーシュ達は当然この世界も自分達の世界とは違う並行世界だと解釈していた。 だが、実を言えば見落としてはいけないポイントがあった。リインの話ではゴジラが現れたのはJS事件から暫く経った後で、ゴジラを封印してからも大分時が経過していたという話だという事だ。 一方のスバルもJS事件後から連れて来られているがそれ程間は開いていなかった。つまり、時間軸のズレを見付けられるということだ。とはいえ前述の通りリインの世界との差異が大きかったため時間軸については深く考えていなかった。 何にせよこれまでは時間のズレには気付けなかったがそれがわかった今、これは重要な意味を持つ。それは時間軸のズレによって変化している関係があるからだ。それこそルルーシュとシャーリーの様に。 そこでルルーシュは時間軸の違いを考慮に入れ自分達の知り合いとの人間関係を考えていく。 まず、ルルーシュについてだが、シャーリーを除くと後はC.C.だけだ。C.C.との関係については殆ど変化が無い為、C.C.がルルーシュと出会う前から来ていない限りは考慮に入れる事も無いだろう。 次にレイについてだが、彼女の話を聞く限りは万丈目準が洗脳されているかどうか以外の影響は無いだろう。続いてこなたについてだが、これも彼女の話を聞く限りは多少のズレがあってもやはり影響が無いだろう。 問題はスバルの仲間達についてだ。この部分こそ考慮に入れなければならない。 そう、JS事件ではナンバーズやルーテシア達がスバル達と敵対していた。故にJS事件終結前から彼女達が連れてこられている場合は殺し合いに乗っているかはともかく彼女達がスバル達と敵対する可能性があるという事だ。 少なくてもディエチはJS事件後から連れて来られている事がわかっているが、チンク達もそうである保証は全く無い。 (いや、むしろ誤解させて殺し合いを促進させるならば……) そう、異なる並行世界や時間軸をずらせばそれによって誤解を生じさせ、殺し合いを促進させる事が出来る。 何しろ自分の知り合いだと思っていた人物が自分の事を知らないとなれば誰でもショックを受ける。ルルーシュ自身スバルが自分の世界のスバルとは別人だと知った時は悲しみを感じたのだから。 故に、時間軸のずれが生じている可能性は高いとルルーシュは考えていた。つまり、クアットロやチンクがJS事件前から連れて来られていてスバル達と敵対している可能性があるという事だ。 では、仮に彼女達がスバル達と敵対するならばルルーシュは彼女達を倒すつもりなのか? 結論から言えば、最悪の場合であればそうするだろうが、少なくても現状それを諦めるつもりは無い。確かにルルーシュは目的の為ならば非情な決断をする事が出来る。しかし、親しい人物に対してはそこまで非情な事が出来る人間ではない。 ルルーシュの友人に枢木スザクという少年がいる。だが、彼はランスロットを駆りゼロ……ルルーシュに対する最悪の敵として立ち塞がってきた。 しかし、ルルーシュにはギアスという絶対遵守の力があった。それを使う事でスザクを自分の味方にする事だって出来るはずだった。だが、ルルーシュは決してギアスを使ってスザクを味方に付けようとはしなかった。 その最中、ある時ブリタニアがスザクを捨て駒にしてゼロを倒そうとしたが、その場を切り抜ける時にルルーシュはスザクにギアスを使った。そのギアスは『生きろ!』というものだった。 それによりその場を切り抜ける事が出来たが、ルルーシュとしてはスザクには使いたくはなかったと思っていた。 スザクの例を見ればわかる様にルルーシュは親しい人間に対してはそうそう非情にはなれないのだ。 さて、ルルーシュがこの殺し合いで最初に出会ったのはディエチだ。お互いの守りたい人物を守る為に2人は手を組んだ。しかし、ディエチはルルーシュを助ける為に犠牲となった。ルルーシュに姉達の事を託して…… チンク達を見捨てるという事は自分を助ける為に犠牲になったディエチを裏切るという事だ。ルルーシュは命を賭して自分を助けてくれたディエチを裏切るつもりはない。 だからこそ、ルルーシュは仮にチンク達が敵に回ろうとも出来うる限りは彼女達も助けようと考えていた。それがディエチを犠牲にして生き残ったルルーシュのすべき事なのだから。 とはいえ敵に回った場合の事もある程度は考えており、その時についての警戒を怠るつもりは全く無い(スバル達の話からクアットロは敵に回る可能性がある事を聞いているのもあるので)。 何にせよ、行動を起こすのはデュエルアカデミア内部を調べ終えた後……時間にして恐らく次の放送後だろう。 そう考えていると、自動ドアが開く音が聞こえた。誰か来訪者が来たのだろう、敵の可能性もあると考えルルーシュは身構えた。しかし、結論から言えばやって来た人物はスバルだった。 見たところシャーリーは連れて無かったが、その代わりスバルは1人の少女を抱き抱えていた。 「スバル……彼女は……」 ★ ★ ★ ★ ★ エントランスにはルルーシュとスバル、そしてスバルが連れてきたチンクがいた。チンクは負傷のせいか気絶しているようだった。ルルーシュ達にとって戦力的な面も含めてチンクは合流しておきたい人物だったが、正直な所素直に喜べる状態ではない。 まず、チンクは両腕を失う程の重傷を負っていたという事だ。チンクの前に落ちていた漆黒の塊は彼女の片方の腕なのだろう。全身に火傷を負っていた事を踏まえ、炎による攻撃に焼かれたのは容易に想像が付く。 ちなみに、保健室に向かわずエントランスにいるのは、未だ中を調べているこなたとレイと行き違いになるのを避ける為である。 さて、喜べないもう1つの理由はここにいるチンクがどのタイミングで連れて来られているかがわからない為である。 ルルーシュはスバルが戻ってきた際に参加者が連れて来られている時間軸の際について説明を行った。とはいえ、シャーリーの事は説明せず、リインの連れて来られた時間から説明をした。 スバル自身それを聞かされた時は驚いており、出来ればこなた達からも話を聞いて確かめたがっていた。 ひとまずは2人が戻ってくるのを……と思っていたもののある『物』の事を思い出し、まずは『それ』から確認を取る事にした。それはスバルの手にあるレヴァンティンである。 レヴァンティンから話を聞いた所、スバルのみならずルルーシュも驚く可能性が明らかになった。それはシグナム達が主であるはやてを救う為闇の書のページを蒐集しようとしており、同時に管理局とも敵対していた時期から連れて来られている可能性である。 スバル自身も確かにシグナム達がなのは達管理局と敵対していた時期があるのを把握している。だがそれは確か10年ぐらい前だったはずだ。真面目な話そこまでの差異が発生するとは思えなかったが…… しかし、その時期からシグナム達を連れてきたならば誤解の種や殺し合いの促進に貢献するのは間違いない、プレシアが殺し合いを望んでいるなら仕掛けている可能性は高いとルルーシュは判断した。 となれば、参加者間では10年の時間軸の際が発生している可能性を考慮した方が良いだろう。 ちなみにレヴァンティンとしては出来ればはやて、ヴィータ、シャマル、ザフィーラと合流したいと話していた。本音を言えばシグナムと合流したかったそうだが…… 勿論、スバル達の話は聞いていた為、レヴァンティンは参加者が異なる並行世界から連れて来られている事も把握していた。正直、リインの世界の話を聞いて複雑に思ってはいたが……。 ともかく、これにより先程ルルーシュが考えた以上に厄介な事になった。何しろ10年前から連れて来られている参加者がいる可能性があるとなるとスバル達を知らないという自体もあり得るからだ。 更に言えば、極端な話なのは達も10年前から連れて来られている可能性もある。こうなると仲間との合流は更に面倒になる。 そんな中、スバルの口からまたしても悪い事が語られる。それは、ギンガがJS事件の際に操られ敵として立ち塞がって来た事だ。つまり、そのタイミングから連れて来られてきたならばギンガも敵になるということである。 仲間だと思っている人物が敵になっている可能性があるということでスバルの表情は重くなっていた。とはいえ、現状ではそれを頭に入れておいておく他はない。ひとまず今はチンクの事を考える。 「チンク……どのタイミングから来たのかな?」 「話を聞いてみないとわからないが……どちらにしてもこのままにはしておけないだろう?」 チンクがJS事件終結前に連れて来られている可能性もあるし、そうでないとしても単純に殺し合いに乗っている可能性はある。だが、どちらにしても2人の考えは変わらない。殺し合いに乗っているなら止めるし、殺し合いを止めるつもりなら助けるつもりだ。 それに、今のチンクは両腕を失っている。この状態でもルルーシュやこなた辺りは倒せるだろうが少しでも強い敵が現れればまず戦えない。それ以前にここまでボロボロになった彼女を放置する事など2人に出来るわけがない。 真面目な話、恐らく両腕を失った事で精神的にも絶望している可能性は高い。何しろルルーシュも片腕を失った事でナナリーの為に戦う事が出来なくなって絶望していたのだ、チンクだって戦えなくなれば同じ様になる可能性はある。 一応スカリエッティのアジトに行けば治せるという可能性もあるだろうが、両腕の欠損までどうにかできるとは思えないし、何よりここからアジトまでは距離がある。正直な話現実的ではない。 「とりあえず、持ち物でも調べておくか」 ひとまず、チンクの目覚めを待つ間に彼女の持ち物を調べる事にした。スバルがチンクの持つ2つのデイパックの中身を調べていく……すると、 「ちょ……!」 スバルが驚愕の表情をした。 「どうした?」 「これ……」 ルルーシュがデイパックの中を覗くとそこには人間の右腕があった。 「な……」 「どうしてチンク右腕なんて入れているの……?」 「いや、待て……この腕は……俺のか?」 ルルーシュはその腕が病院で切り落とされたはずの自分の右腕だとわかった。 「ちょっと待って、それじゃあ……」 「ああ、チンクは病院に行ったということになるな、そこでこいつを拾ったと……」 「何考えて右腕なんて拾ったんだろう……」 その一方、再びデイパックの中を探る。といっても中にある物で使えそうな物はそう多くはなかった。 気になったのは2つ……1つは1枚の名簿……正確にはその裏に書かれているグループ分けされた人物である。それをルルーシュは見る。 「……どういうことだ?」 真っ先に頭に浮かぶのは疑問。エリオとキャロの名前はあるのにスバルの名前が無い事、またエリオとキャロが保護対象になっている事、何故かこなた達の名前がある事、そして十代が要注意人物にされている事、様々な疑問が浮かんでいった。 この内容をそのまま鵜呑みにするつもりは無いが、無視出来る話では無いだろう。 そして、もう1つは2個あった首輪である。チンクが参加者を殺して手に入れたか、死体の首から手に入れたかの判断は付けられないが、恐らくは病院で手に入れたのだろう。 正直、ルルーシュ達も首輪を何処かで手に入れたかったので丁度よかったとは思っている。その首輪をスバルが確かめる。 「裏に名前があるよ……ミリオンズ・ナイブズ……」 「確か奴は最初の放送で呼ばれていたな……だとしたらもう片方は……」 ルルーシュはもう1つの首輪が誰のものかを考えた。病院を訪れたのならばディエチの物である可能性がある。チンクがディエチの首を切り落とした……そんな光景が頭をよぎる……と、首輪を調べているスバルの表情が固まった。 「どうした?」 「そんな……まさか……」 スバルは信じられないような表情を浮かべていた。 「……さんが……死んだなんて……」 スバルは首輪を落とした。それをルルーシュが拾い裏を確かめる。そこには――― ―――「No.49-フェイト・T・ハラオウン」という文字があった――― 【1日目 昼】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア1階】 【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(中)、全身に火傷、両腕欠損、絶望、気絶 【装備】バニースーツ@魔法少女リリカルなのはStrikers-砂塵の鎖-、シェルコート@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、料理セット@オリジナル、翠屋のシュークリーム@魔法少女リリカルなのはA's、 被験者服@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(フェイト(StS)、ナイブズ)、 大剣・大百足(柄だけ)@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる、ルルーシュの右腕 【思考】 基本:姉妹と一緒に元の世界に帰る。 1.……(気絶中) 2.どうしたら良いだろうか……? 3.姉妹に危険が及ぶ存在の排除、及び聖王の器、レリック、“聖王のゆりかご”の確保。 4.ディエチと共闘した者(ルルーシュ)との接触、信頼に足る人物なら共闘、そうでないならば殺害する。 5.クアットロと合流し、制限の確認、出来れば首輪の解除。 6.十代に多少の興味。 7.他に利用出来そうな手駒の確保、最悪の場合管理局と組むことも……。 8.Fの遺産とタイプ・ゼロの捕獲。 9.天上院を手駒とする。 【備考】 ※制限に気付きました。 ※高町なのは(A’s)がクローンであり、この会場にフェイトと八神はやてのクローンがいると認識しました。 ※ベルデに変身した万丈目(バクラ)を危険と認識しました。 ※大剣・大百足は柄の部分で折れ、刃の部分は病院跡地に放置されています。 ※なのは(A’s)と優衣(名前は知らない)とディエチを殺した人物と右腕の持ち主(ルルーシュ)を斬った人物は 皆同一人物の可能性が高いと考えています。 ※ディエチと組んだ人物は知略に富んでいて、今現在右腕を失っている可能性が高いと考えています。 ※フェイト(StS)の名簿の裏に知り合いと出会った人物が以下の3つにグループ分けされて書かれています。 協力者……なのは、シグナム、はやて、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、クロノ、ユーノ、矢車 保護対象……エリオ、キャロ、つかさ、かがみ、こなた 要注意人物……十代 ※フェイト(StS)の知り合いについて若干の違和感を覚えています。また、クローンか本物かも判断出来ていません。 ※アンデルセンが死んだことに気付いていません。また、ヴァッシュを警戒しています。 ※アンジールと自分の関係は知りませんが、ISを使ったことから、誰かが作った戦闘機人だと思っています。 ※シェルコートは甚大なダメージを受けており、ハードシェルを展開することができなくなっています。 ※ルーテシアに対し僅かに疑心を持っています。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】 【状況】左腕に裂傷、右腕欠損、疲労(大)、強い決意、深い悲しみ 【装備】SIG P220(9/9)@リリカル・パニック、ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、スバルのはちまき 【道具】洞爺湖@なの魂、支給品一式、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、 インテグラのライター@NANOSING、 救急箱、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、 ペットボトルの水、火炎瓶×4、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、 ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:守りたい者、守るべき者を全力で守り抜く 1.スバル…… 2.チンクが目覚めたら彼女と話をする。 3.このデスゲームから脱出した後で、シャーリーに自らの命の決断を仰ぎ、それに従う。 4.シャーリー……俺は、君と一緒にはいられない…… 5.スバルを守るために、たとえ汚れ役を買って出てでも、スバルにとって最善と判断した行動を取る 6.ディエチやカレンの犠牲は、絶対に無駄してはならない 7.皆は反対するだろうが、もしもの時は相手を殺すことも辞さない。それだけは譲れない 8.ギアスの制限を確かめたい 9.戦力の確保及びプレシアの関係者を探す 10.首輪の解析を行う。 11.C.C.、クアットロと合流したい 12.ゲーム終了時にはプレシアに報復する 13.レイ、左腕が刃の男(=ナイブズ)、赤いコートの男(=アーカード)、殺し合いに乗った頭の切れる参加者を警戒 【備考】 ・ギアスに何らかの制限がかかっている可能性に気付きました。また、ギアスのオンオフは可能になっています。 ・ギアスの発動には、左目の強烈な痛みと脱力感が伴います。 ・プラント自立種にはギアスが効かないことが確認されました。 ・ギアスを使った際の疲労は命令の強さに比例すると考えています、同時にギアスが効かない参加者が他にも考えています。 ・ブリタニア軍特派のインカムはディエチからもらった物です。 ・こなたの世界に関する情報を知りました。もっとも、この殺し合いにおいて有益と思われる情報はありません。 ・「左腕が刃の男」が、既に死亡したナイブズであることに気付いていません。 ・ここにいるスバルを、“本物のスバル・ナカジマ”であると認めました。 ・レッド・デーモンズ・ドラゴンは現状では使えない可能性が高いと考えています。 ・「月村すずかの友人」からのメールを読みました。ご褒美の話をどう捉えているかは、後続の書き手さんにお任せします。 ・「月村すずかの友人」は、フェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ・シャーリーが父の死を聞いた直後から来ていることに気付きました。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、若干の不安、フェイトの死にショック 【装備】レヴァンティン(待機形態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、バリアジャケット(はちまきなし) 【道具】支給品一式、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、 スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、チンクの左腕(炭化している) 【思考】 基本 殺し合いを止める、できる限り相手を殺さない、ルルーシュを守る 1.フェイトさんが……死んだ……? 2.ルルーシュに無茶はさせない、その為ならば…… 3.こなたを守る。こなたには絶対に戦闘をさせない 4.アーカード(名前は知らない)を警戒、レイにも注意を払う 5.六課のメンバーとの合流、かがみとつかさの保護、しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら…… 【備考】 ・こなたが高校生である事を知りました。 ・質量兵器を使うことに不安を抱いています。 ・パラレルワールドの可能性に行き当たり、自分は知らない自分を知る者達がいる事に気が付き、 同時に自分が知る自分の知らない者達がいる可能性に気が付きました。 ・参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ・仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いにのる可能性に気が付きました。 ・自分の存在が、ルルーシュを心を傷付けているのではないかと思っています。 ・ルルーシュが自分を守る為に人殺しも辞さない、及び命を捨てるつもりである事に気付いていますが、 それを止める事は出来ないと考えています。 また、自分が死ねばルルーシュは殺し合いに乗ると思っています。 ・「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ・ルルーシュの様子からデュエルアカデミアから出て行ったのはシャーリーだと判断しています。 ・自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは、後続の書き手さんにお任せします。 ・レヴァンティンは参加者が異なる時間軸、並行世界から連れて来られている事を把握しています。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.デュエルアカデミア内部を調べる。 2.首輪解除の手段と、ハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には、機動六課か地上本部で解析する。 3.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱えることに気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※チーム内で、以下のの共通見解が生まれました。 要救助者:シャーリー、ヴィヴィオ、十代、万丈目、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア (ただし、万丈目には注意が必要) 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ユーノ、クアットロ、チンク、C.C. (ただし、フェイト及びクアットロには注意が必要) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ) 以上の見解がそれぞれの名簿に、各々が分かるような形で書き込まれています。 |Back:[[過去 から の 刺客(前編)]]|時系列順で読む|Next:[[Alive a life ~タイムリミット(前編)]]| |~|投下順で読む|Next:[[Alive a life ~タイムリミット(前編)]]| |~|チンク|Next:[[いきなりは変われない(前編)]]| |~|アンジール・ヒューレー|Next:[[お昼ごはんの時間だよ]]| |~|ルーテシア・アルピーノ|Next:[[崩落 の ステージ(前編)]]| |~|シャーリー・フェネット|Next:[[Nightmare of Shirley(前編)]]| |~|ヴィヴィオ|Next:[[Nightmare of Shirley(前編)]]| |~|スバル・ナカジマ|Next:[[いきなりは変われない(前編)]]| |~|ルルーシュ・ランペルージ|Next:[[いきなりは変われない(前編)]]| ----