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Yな戦慄/八神家の娘 - (2010/11/04 (木) 07:45:03) のソース
*Yな戦慄/八神家の娘 ◆7pf62HiyTE 「おははひって……はひもははふほほはんへはいはほ!」 はやてによって拘束されたかがみははやてに対しまくし立てる。 「ああ、流石にこの状態じゃ何も答えられんな」 と言って、かがみの口から下着を取り出す。 「こんな事やって只で済むと思っ……」 その瞬間、かがみの首に憑神刀が突き付けられる。 「助けを呼ぼうとしても無駄や、周囲には誰もおらんし仮に誰かが来るとしてもそれより早くあんたの命が終わる……少しでも長生きしたいんなら大人しく『お話』しようや」 その表情からかがみはこの女が本気だと思った。 「お話って言われてもアンタに話す事なんて何もないわよ……殺してやる……」 人を全裸にして下着を口に詰める様な変態に話す事はない。そう答えるかがみだったが、 「ところで、さっき青い髪のロングヘアのあんたぐらいの女の子殺したんやけど」 そんな人物などかがみの知る限り1人しかいない。 「なっ……あんたこなたを殺したの!?」 「ほう、こなたっていうんか。そうか……」 「許さない……」 「ああ、ちなみに今の嘘や」 「え!?」 この女はさっきから何を言っているのだろうか? 何故こなたを殺したという嘘を吐くのだろうか? 「実は、今私達は移動していたんや。あんたを説得する人物のいる場所にな」 はやてはかがみに彼女を説得出来る人物がいるスーパーへ移動中だという事を話した。 「あんたを説得出来るという話やから多分あんたの友人って事まではわかったんやけど名前がわからなかったからこうやって聞き出したわけや。普通に聞いても答えへんと思ったからな」 ちなみに、こなたの外見についてはヴァッシュがホテルへ移動する最中、スバルを見かけた際にこなたらしき人物も一瞬だが見かけていた為、それを聞く事で把握出来た。 「このタヌキ……」 「褒め言葉やな」 (なんなのよコイツ……それに、何処かで会った様な……) はやてを何処かで見た記憶があった。しかしそれが何処かまでは思い出せないでいた。 「1つ聞きたいんやけど……こなたが殺し合い止めてくれって言ってくれたら殺し合いやめてくれるんか?」 「はぁ!? そんなのやめるわけないでしょ!」 「友達が説得しても応じるつもりはないって事か?」 「どうせ別世界のこなたでしょ、関係なんて無いわよ!」 そう、スバルに何度も話した通り、ここのこなたは別世界の他人。友達でない以上言う事を聞く必要は全く無い。 「そうか……そういうか……ははっ……」 はやての笑いが何処か恐ろしいものに見えた。 「で、何人殺した?」 と、憑神刀を突き付けながらかがみにそう問いかける。 「覚えてないわよ、誰を何人殺したかなんて」 そう答えた瞬間、はやてが怖い顔をして、 「……答えろや、答えなかったらその首斬り落とす」 そう言い放つはやてに対し、かがみはゆっくりと口を開く。 「エリオと眼帯の女の子……後は覚えていないわ……」 「そうか……じゃあ、質問を変えようか。あんた……ここに来てからどうやって殺し回ってきた?」 「は?」 「この場に来てから何をしてきたかって聞いているんや、覚えている範囲全部答えて貰う」 「だから覚えていないって言って……がばっ!」 腹部に蹴りが叩き込まれた。 「頭悪いな……覚えている範囲と言ったやろ……」 と、はやては右手で憑神刀を構え左手で下着ごとかがみの口を押さえ込み―― そのまま両足首に憑神刀をなぞらせた―― 「がばぁぁぁ!」 両足首に激痛が奔る、叫びたかったが腹の痛みと口を押さえられていた事により声にならなかった。 「本当に良く斬れるな」 かがみの両足首からは血が流れている。アキレス腱が切断されたのだ。そして口から下着を持った手が離れ、 「あ……あんた……」 「これで私がスバル達みたいなお人好しと違うって理解出来たな。あんたが下手な事すれば今度はその首が飛ぶで」 「わかったわよ……」 勿論、かがみ自身最後には死ぬつもりだった。だからこのまま突っぱねても別段問題はない。 しかし、この女を殺さなければ気が済まない、故に今は従うしかない。後で絶対にコイツを殺してやる……そう考えかがみはこの場に来てからの事を語り出した。 まず、殺し合いに放り込まれたショックから自分を保護しようとしたエリオを撃った。 その血から自身の支給品にあった仮面ライダーに変身出来るカードデッキに宿る蛇の怪物が現れエリオが喰われた事を話した。 「どうせ、エリオも後で私を裏切るつもりだったんでしょ……今となっては後悔なんて無いわ……」 その後、自殺しようとした所を友人だったなのはに助けられたがなのはは自分の事を知らないと言い放ち裏切った。 そして今度はクワガタの怪物が現れ自分に襲いかかった。死にたくなかった自分はなのはの支給品にあったベルトを使い黒い仮面ライダーに変身した。 その後の事はあまり覚えていない。その後暫くは2つの変身ツールを使い無差別に暴れ回った事は覚えている。その過程で誰か殺した奴もいたかもしれない。 「そうよ、なのはが悪いのよ! 私を裏切ったなのはが!!」 気が付いたら今度はLと名乗る男に拘束されていた。何とか逃げだしたものの奪われたデッキのモンスターに追われ殺されかけた。 「私は悪くない! 悪いのはLよ!!」 その後、万丈目準に保護されたが今度はその万丈目に参加者を餌にしなければ自分が喰われるカードデッキを押しつけられたのだ。 「バクラが言ってた通りアイツは悪人だった! 私はまた裏切られたのよ!!」 続きを話そうとしたかがみだったが、 「ちょっと待て、1つ確認したいがバクラってのはもしかしてリングの中に宿った人格の事か?」 「それがどうかしたの?」 「もう1つ、あんたがリングを手に入れたのは万丈目に会った時って事でええな?」 「ええ、バクラも万丈目には困っていたわ。そういえば眼帯の女の子を襲ったって言っていたわ」 「そうか……続けてくれ」 制限時間の迫ったカードデッキの餌を探そうとする中、ある男を餌にする為襲撃したが、その男は銀色の戦士メビウスに変身しモンスターが撃破された。 そしてモンスターを倒され力を失い逃げた所、Lに奪われた荷物を見つけ回収した。その中にはカードデッキはあったがもう1つのベルトは無くなっていた。 「あんたまさかまたそれ手にしたって言うんか?」 「そうよ、他人を殺す為には力が必要でしょ」 その後、ホテルで休憩をとりデュエルアカデミアに向かいスバルと出会った。 その際にスバルから参加者が異なる平行世界から連れて来られている事を知り、こなたやつかさも別の世界から来ている事を知った。 故にこなたやつかさも殺しても問題ないと考え、まずはスバルをモンスターの餌にしようとしたがその時に眼帯の少女を喰った。 スバルとの交戦後、昇る煙を見てレストランに向かい、黒いライダーと緑の怪物の2つの姿を持つ男と、浅倉と戦った。 その時にカードデッキは浅倉に奪われたもののどういうわけかは不明だが緑のライダーに変身する為のベルトを手に入れた。 そして再びホテルへと向かったが、そこで浅倉によって再びレストランの方に連れて行かれ―― 「浅倉が目の前でつかさを……! アイツ……私が殺してやるはずだったのに……!」 そして再び浅倉と戦おうとしたが気が付いたらホテルに戻っていた。その後ヴァッシュと出会い、彼にスバルが危険人物だと伝えスバルと戦わせようとして―― 「で、始とあんたを交え4人で戦った所、あんたは敗れて今に至るってわけか」 「とりあえず覚えている事は全部よ……」 「最後に1つ確認してええか、あんたは自分の行動を悪いと思っているんか?」 「は!? そんなわけないでしょ! 悪いのはなのはやL、それに万丈目や浅倉、それにスバル達よ! アイツらが私をこんな目に――」 「そうか」 「あんたの知りたい事は全部答えたわ、さっさとこの拘束解きなさいよ!」 拘束を解いた隙を突いてデイパックを奪い、逆に仕留める。ダメージは大きいが喉仏に噛みつくと言った手段はまだ使える――そう考えていたが、 「ああ、わかった――」 と、再度下着でかがみの口を塞ぎ――今度は手首に憑神刀をなぞらせた 「――――――!」 声にならない叫びが漏れた。両手首の腱を斬られた激痛から、何時しか股間からは黄色い液体が流れていた―― 「あんたが救いようのない阿呆餓鬼ということがな――」 口から下着を持った手を離したはやての声は変わらず冷たいものであった――そして再び腹部に蹴りを入れる。 「な……何を……」 かがみの両手首と両足首からは血が止めどなく流れており、目からは涙が溢れている。声を出そうとしても大きな声は出せないでいる。 「今更理解出来るとも思えへんけどな……教えてやる。全部が全部と言うつもりは無いが、あんたの行動の殆どは決して許されん悪行や」 「違う……私は悪くない……悪いのは……」 「エリオもなのはちゃんもあんたを救おうとした、その善意をあんたは裏切ったんや! 不可抗力によるものもあったんやろうけど、後から幾らでも悔いる事は出来た筈や!」 「違う……あの2人は私を……」 「違わない! 私はあんた以上にエリオもなのはちゃんも知っている! あの2人があんたを陥れる事なんてありえへん!」 「違う……」 「Lにしてもそうや、その前にあんたずっと暴れていたんやろ? 危険人物として拘束して当然や。まぁ、保護の為にモンスターを使って追わせたのは完全な失策やったけどな」 「そんなわけない……」 「万丈目に関しては完全な嵌められたといえるが……けど、あんただって同じ事考えていたやろ。万丈目を餌にしようと考えていたんと違うん? それがわかっていて素直に餌にされるアホもいないと思わん?」 「それは……」 確かにかがみ自身万丈目を餌にしようとはしていた。だがそれは万丈目が悪人だったからだ、少なくても自分は悪くない筈だ。 「それからメビウスっちゅう奴にモンスターを倒された時点で自分が喰われる危険から解放されたんやろ、なのになしてまたそんな危険の漂うデッキを手にするんや?」 「殺さなきゃ生き残れないからよ……」 「で、スバルはあんたを保護しようとしたにも拘わらず……あんたはそれを裏切り殺そうとした。スバルが何時あんたを裏切った?」 「これから裏切るつもりだったのよ……そうに決まって……」 「スバルの事も知らんで偉そうに語るな馬鹿が! 今度はヴァッシュを騙してスバルと戦わせたっちゅうんか? 本当に救いようのない極悪人やな!」 「違う、ヴァッシュも私を裏切……」 「最初から決めつけてかかっていたんやろ。警戒するなとは言わんがあまりにも凝り固まり過ぎや……」 「違う違う違う……」 「もしかしたらバクラに騙されていたという可能性もあったわけやけど……あんたの口ぶりからそれはなさそうやな」 「それは……」 確かにバクラは他人を殺す為のサポートを続けてくれた。しかし、覚えている限りバクラは自分を助けてくれただけで重要な決断の殆どは自分がしていた。 「本当に救われんな……こんな阿呆餓鬼にシグナムが殺されたなんてな……」 「シグナ……まさか……」 この瞬間、かがみはシグナムを殺した時の事を思い出した。確かに桃髪の剣士を仕留めた覚えがある、そして目の前の女がシグナムと呼んでいた様な気がする。しかし何かがおかしい―― 「そうや……あんたがベルトの力で暴走している時に殺したのが私の大事な家族のシグナムや!」 「違う……あれはベルトの……」 「そのベルトなら私も一度確認した。説明書さえ見ればそれがどんだけ危険なものかわかる。そしてベルトを身に着けたのはあんたの意志によるもの、暴走なんて言い訳は通用せん」 「私は悪くない……私は……」 「そういってスバルやなのはちゃんの良心に付け込んでまた騙すつもりか? いい加減にしろ! 例えどんな理由があってもあんたが私の家族を殺した事に変わりは無い!」 「くっ……そうよ、どうせシグナムって人も別の世界の人間に……」 「それはひょっとしてギャグで言っているのか? あんた、自分の家族や友人が殺されたと言われた時キレていたやん。別世界の人物だって言っておきながらな。 その一方で友達とか家族とか言った時は別世界の人物だから関係ないって……自分に都合の良い解釈も大概にしろ!」 「それは……」 「結局の所、あんたは自分を正当化する為にそうやってずっと言い訳し続けて来ただけって事や」 「違う……私は間違ってなんか……」 「それに、別世界のシグナム達であっても私にとっては家族に変わりはない……」 「あんたもそんな甘い事を……」 「甘い……そうやな……せやけど……!」 その瞬間、はやては下着をかがみの口の奥へ押し込み憑神刀で腹部を一瞬で貫いた。 「頭ではどんなに別人だってわかっていても割り切れるものやない……!」 憑神刀が抜かれた瞬間、かがみの腹部からは血が溢れ出てくる。 「がば……」 両手足、腹部の出血は大きく、かがみはただもがく事しか出来ない。 「これで終いや……運良く誰か来れば命は助かるかも知れんが……まぁ、死にたいんやったらそれでも構わん……けど……死ぬなら1人で死ね、あんたの都合にこれ以上私等を巻き込むな……」 そう言い放ち、はやてはかがみの前から去っていった。 そして、そこには1人、両手足と腹部を切られ、自らの服で拘束された少女が残されていた―― (違う……私は……間違ってなんか……) 助けてくれる者も無く、少女は未だに自らの過ちを認めずにいた―― 放送まで約1時間―― 時の流れに呼応するかの様に――血と共に彼女の命も流れ―― それが尽きる瞬間は確実に近付いていた―― 【1日目 真夜中】 【現在地 D-1】 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】両手首の腱及び両アキレス腱切断(出血中)、腹部に深い刺し傷(出血中)、疲労(極大)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、自分以外の生物に対する激しい憎悪、やさぐれ 【装備】全裸(両手両足をホテルの従業員の制服で拘束、口には下着が詰められている) 【道具】無し 【思考】 基本:みんな死ねばいいのに……。 1.私は……悪くない……。 2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する。 【備考】 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。 ※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※出血が激しい為、すぐにでも手当てをしなければ命に関わります。 (全く、これからどうしたものか……) バクラの予想通り、スバル達はかがみを殺す事はしなかった。しかし危惧した通りスバルがヴァッシュに自分の存在を伝え処分を頼んだのだ。 その為、ヴァッシュも警戒してしまい下手に動く事が出来なくなったのだ。 勿論、かがみの今の状態で動いた所でどうにもならない為、それ自体は問題ない。 その後、はやてがかがみを連れて何処かへいく際に自身が宿るリングはヴァッシュの手へと渡った。 これ幸いにと、今度はヴァッシュを宿主にしようかと密かに考えていたものの―― (ダメだ、コイツは救いようの無いお人好しだ) ヴァッシュの記憶を把握し、彼が150年もの間人々を救い続けてきた事を知った。その為、宿主にする事はまず不可能と判断した。 勿論、強引に意識を奪おうとも考えた。だがヴァッシュが普通の人間ではない(実際、人間ではなくプラントなのだが)為、相棒であるキャロ・ル・ルシエ同様抵抗される可能性が非情に高い。 仮に上手く乗っ取れた所で長くても1時間しか自由に出来ない。その時間が過ぎればその時点で自分は終わりだ。 はやて辺りを宿主にしようにもヴァッシュが千年リングの危険性を説明した為間違いなく警戒されている。つまり八方塞がりに近い状況という事だ。 (とりあえず、何とか処分されない方法を考えないとな……) デスゲームを楽しんだは良いが自分は消えましたではシャレにならない。まずは自身が生き残る事が最優先、バクラはそう考え思考を巡らせていた。ちなみに既にかがみの事など思考にはない。 はやてとかがみが密林へ消えた後、アギトはヴァッシュと話していた。 アギトはルーテシアとゼストの動向をヴァッシュに聞いていたものの、ヴァッシュ自身2人を見かけたかどうかはわからないと答えていた。 ヴァッシュによるともしかしたら自身の力の暴走に巻き込んだ可能性があるとも語ってはいるが――アギト自身口にはしないもののそれは無いと考えていた。 ヴァッシュが善悪関係なく人々の命を守ろうとしているのはアギトでも理解出来た。そんな男が自分の力で生み出された死体を見つけたらそれを忘れる事はないだろう。 勿論、ヴァッシュの見えない所でという可能性はある。しかしそれを確かめる事はまず不可能、故にアギトはヴァッシュを責めるつもりは全く無かった。 少なくてもある程度信じても良い、アギトはそう考えていた。 しかし、そんなヴァッシュを裏切ろうとしている事にアギトは胸を痛めていた。 はやてがかがみにしようとする事をヴァッシュが知れば絶対に止めに入る。それを避ける為、アギトはヴァッシュと会話しながら時間を稼いでいたのである。 はやてがかがみを殺してシグナムの仇を討つ、アギトはそれに手を貸していたのである。 そもそもの話、ゼストやルーテシアの死、そしてヴィータとの別れの悲しみから数時間は動けなかった。 それでも、遠くから聞こえる雷鳴を聞いている内に何時までも悲しんではいられないと思った。 ゼストやヴィータ達がそれを望まない事は明白だからだ。だからこそ、意を決しデイパックから顔を―― が、運命の悪戯か真っ先に見えたのはシグナムを殺した紫髪の少女だった。どういうわけかはわからないが彼女を連れている事はわかった。 シグナムを殺した奴がのうのうと生きている――アギトの中でやりきれない想いが込み上げてきた。 だからこそ、その事をはやてに伝えた。かがみという名前だったがそんな事はどうでも良かった。 だが、結局の所アギト自身はどうしたかったのだろうか? 少なくてもこのアギト自身にしてみればシグナムが死んだ所で仇討ちをする義理は無い。確かに悲しみは感じるがそこまでする様な関係ではない。 大体、復讐や仇討ちなどゼストの正義とは真逆ではなかろうか。そう、頭ではそれはわかっていた。 だが、仮に目の前のゼストやルーテシアを殺した相手を見つけて――同じ事が言えるだろうか? アギトにはそれが言えなかった、最低でも何故殺したのか位は聞かなきゃ収まらない。 だからこそ、ヴィータがシグナムを殺したかがみを殺すと言った時もアギトはそれを咎めようとはしなかった。別段親しいわけでもなかったがヴィータの悔しさは十分に理解出来たのだ。 のうのうと生き延びているかがみの姿を死んだヴィータが見たらどう思う? きっと悔しい想いをしているだろう。アギトにはそれが辛かった。 しかし、別にシグナムと関係のないアギト自身にはかがみどうこうする資格はない。だからこそ全ての判断をシグナムの主であるはやてに委ねたのだ。 はやてが許すならそれで良し、仇を討つならそれでも良しという事だ。 そして、その結果がこれである。 わかっている――ある意味ではゼストに対する裏切りである事は―― それでも――ヴィータやシグナムの無念を晴らしたいというのは混じりっけのない本心だった―― バクラやアギトの思惑に気付くことなくヴァッシュははやて達を待った。 はやてがかがみを宥めてくれればスバルの仲間と会わせる事で説得は上手く行く――そう信じていた。 ヴァッシュははやてがスバル同様、殺し合いを良しとしない人物だと考えていた。 スバルの上司だからというのもあったし世界が違ってもなのは達の仲間だからだ。 だからこそ、ヴァッシュははやての行動の真意に気付けなかった――そして、 「はぁ……はぁ……」 深い森から出てきたのは胸から血を流したはやてだった。その様子を見た2人が駆け寄り、アギトははやての方へ移動する。 「なっ……どうしたんだはやて!? それに……」 「すみませんヴァッシュさん……かがみが急に暴れて……逃げられました……」 はやての話によると意識を取り戻したかがみにアジトにいるスバルの仲間にしてかがみの友人であるこなたと会わせる話をした瞬間、かがみは暴れだしはやてに傷を負わせたという事だ。 「多分、アジトへ向かったんやと思います……急がんとこなたが……」 「はやては大丈夫なのか!?」 「大丈夫、前に受けた傷が開いただけですから……」 「かがみ……君は……」 ヴァッシュは2人だけにするんじゃなかったと悔やんだ。しかし今はそれは問題ではない、かがみがアジトへ向かった以上こなたが危ない。 素手でもその気になれば人は殺せる。それを阻止する為にも急がなければならない―― 誰も死なせない、殺させない為に―― 【1日目 真夜中】 【現在地 D-9 森林】 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】 【状態】疲労(中)、融合、黒髪化九割 【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish、アイボリー(5/10)@Devil never strikers 【道具】千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです 【思考】 基本:殺し合いを止める。誰も殺さないし殺させない。 1.スカリエッティのアジトへ急行しかがみの凶行を止める。 2.かがみをこなたに何事もなく会わせる。 3.こなたに出会ったら、スバルからの伝言を伝える。 4.首輪の解除方法を探す。 5.アーカード、ティアナを警戒。 6.アンジールと再び出会ったら……。 7.千年リングには警戒する。 【備考】 ※制限に気付いていません。 ※なのは達が別世界から連れて来られている可能性を把握しました。 ※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。 ※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付いていません。 ※暴走現象は止まりました。 ※防衛尖翼を習得しました。 ※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。 【思考】 基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。 1.そろそろ宿主サマを変えたい、しかしヴァッシュは利用出来そうにない。 2.千年リングを処分されない方法を考え実行する。 3.キャロが自分の世界のキャロなのか確かめたい。 4.こなたに興味。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。 6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。 【備考】 ※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。 ※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました。 ※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。 ※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。 ※ヴァッシュを乗っ取る事はまず不可能だと考えています。 ヴァッシュがアジトの方角へ視線を向けているのを見てはやては自分の作戦が上手く行った事を確信した。 (よし……これで自分がかがみを襲ったとは思わないな……けど油断は禁物や) 何度も書くが、はやてはかがみの説得は難しいと考えており何とか排除したいとすら考えていた。しかし、スバル達と対立を起こす関係もありそれは難しいと思っていた。 そこにアギトからシグナムを殺したのがかがみという事が伝えられた。 詳しい事は聞いていないものの、それを聞いた事ではやてはかがみを排除する事を決意した。 その過程を纏めると以下の通りだ、 ヴァッシュに休憩と称して情報交換を持ちかける。仮にアジトに着いてからと本人が渋っても、信用出来ないからさせてくれと言えば断り切れない可能性は高い。 その後、今度はかがみと2人だけで話をさせてくれとヴァッシュに頼む。スバルとの約束からこれまた渋るだろうが、面識のない自分なら警戒されない、女同士でしか出来ないと言えばこれまた納得して貰えるだろう。 かがみが何も持っていなければ手も出せないだろうし、まさかスバルの仲間である自分がかがみを手に掛けるとは思わないだろう。 その間、アギトにヴァッシュと話をさせ時間を稼いで貰う、幸いアギトはゼスト達の情報を聞き出したかったせいか素直に従ってくれた。 と、実は当初の予定では密林の奥でかがみを排除するつもりだったがヴァッシュの話からある事がわかり予定を変更した。 ヴァッシュの移動ルートを見る限り明らかに不自然な点が見られる。その一例として神社から移動後、海に落ちたという話だ。 ヴァッシュは地図を持っていなかった為気付いていないだろうが、神社や北端のA-4、海は南端のI-1~4にある。 そう簡単に移動出来る距離ではない。仮に移動出来たとしても精神的に疲弊している状態とはいえ海に落ちるなどお粗末すぎる話では無いだろうか? この話からはやてはある仮説を立てた、それは『フィールドの両端は繋がっている』という説だ。確かにこの説が確かならAラインの平野からいきなりIラインの海に落ちても不思議はない。 そう、はやてはこの仮説を利用しかがみを排除する為の場所をD-9を西に越えたエリアである東端D-1にする事にしたのだ。仮説が間違っていれば当初の予定通り密林の奥で行えばよいだけだ。 調べた所、境界の奥は見た目ではわからない。つまり、ループの先のエリアは越えなければ把握出来ないと言う事だ。これならば万が一ヴァッシュが探しに来てもそう簡単には見つからない。 それにどうやらヴァッシュはループには気付いていない。まさか遠く離れた東端にワープするなど考えもしないだろう。 そして、適当な場所にたどり着いたらかがみの服を全て脱がせ隠している武器が無い事を確かめる。勿論、武器が無くても不思議な力がある可能性があった為、決して警戒は怠らない。 かがみを丸裸にした後、着ていた服で両手と両足を拘束し下手に叫ばれない様下着をその口に詰め込んだ。なお、彼女が身に着けていたストラーダは回収し自身のデイパックに入れておいた。 そうして意識を取り戻したかがみから詳しい情報を聞き出し、排除するという算段だったのだ。なお、誰か助けが来そうになった場合はすぐさま首なり心臓なり斬り捨てすぐさま待避するつもりだった。 ちなみに完全に拘束していたとはいえ反撃はずっと警戒していた。実際、手首を斬る直前電撃が僅かに奔るのが見えた為、その攻撃が来る前に手首を斬る事でそれを封じる事が出来た。 事を終えた後は、憑神刀等でクアットロに斬られた胸の傷を強引に開き負傷した状態を作りそのまま戻る。 その後、ヴァッシュ達にかがみに襲われ、彼女はアジトへ向かった可能性があると説明しそのままアジトへ向かうという算段だ。 こうしておけばヴァッシュ達がかがみを発見する可能性は無いし、アジトにかがみがいなくてもそもそも可能性レベルだったと説明すれば何の問題もない。 ちなみにかがみにはスーパーに移動中と伝えている為、かがみが回復したとしてもアジトの方へ向かう可能性は低い。 こうしておけば自分がかがみを殺したとはすぐに気付かれないだろうが、実はバレてもある程度は何とか出来る。 そう、シグナムの仇討ちとしてかがみを殺したと言えば良い顔はされなくてもある程度は納得してくれる。その算段があったからこそはやては行動に踏み切る事が出来たのだ。 真面目な話、はやてにとってシグナムの仇討ちなどどうでもよかった。別世界のシグナムが殺されようか関係ないからだ。 だが、かがみと話を進める内にはやての中からどうしようもない怒りの感情が湧き上がってきた。 勿論それは自分の悪行を全てなのは達他人のせいにするかがみに対する憤りだったのだろう。彼女の為に貴重な戦力を失うのが許せなかったとも言える。 もしかしたら全てバクラのせいかとも考えたがアギトが不思議がった様子から、アギトが見た時点ではリングが無かった可能性が高い。 故にバクラのせいではない事は確定となる、もっともバクラのせいだからと言って決して許される話ではないわけだが。 何にせよ、かがみの言動ははやてを怒らせるのに十分過ぎた、こんな奴の為にシグナム、エリオ、チンクが殺されたというのはあまりにもやりきれない。 最後に刺した瞬間は理性など吹っ飛んでいたかも知れなかった。 だがはやてはかがみを殺さなかった。両手首、両足首を斬り、腹部を深く刺したものの命までは奪っていない。出血が激しい為長くは保たないが助かる可能性は僅かに残っている。 では、何故殺さなかったのか? ボーナスを考えても殺した方が得策ではないのか? その理由ははやて自身にもわからなかった。 別世界のシグナムの仇討ちをする事は自分の世界のシグナムに対する裏切りだから殺さなかったのかも知れない、 八神はやてが仇討ちをする事などあってはならないからこそ殺さなかったのかも知れない、 その理由は誰にもわからないだろう。 しかし、1つ確かな事がある。 (あれは……私や) かがみの名が示すかの様に、かがみの姿がはやて自身の姿と重なったのだ。別世界の仲間を別人と割り切った上で平気で裏切り陥れる、はやて自身が嫌悪感を示す程の醜い姿だ。 その姿ははやて自身にもそのまま当てはまる。かがみの姿を見て、はやてはそれを理解したのだ。 (あの夢で見たみんながあんな目で私を見たのは……まぁ当然やな、私だってそう思うからな) 先程見た夢で家族がはやてを蔑む様な悲しい目で見た理由を理解した。それは家族を取り戻した後の自分の姿なのかも知れない。 (わかっている……この先には何もないかも知れん……それでもや、それでも私はもう戻れへん……進むんや……) 行く先に待つのは絶望だけかも知れない。それでも、僅かな希望を信じ、八神家の娘は前へと進む―― (さしあたり考える事は……バクラ、あんたはこの状況でどう動く? ヴァッシュさんを乗っ取るつもりか? それとも――) 【八神はやて(StS)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】疲労(中)、魔力消費(大)、肋骨数本骨折、内臓にダメージ(小)、複雑な感情、スマートブレイン社への興味、胸に裂傷(浅め) 【装備】憑神刀(マハ)@.hack//Lightning、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、ヘルメスドライブ(破損自己修復中で使用不可/核鉄状態)@なのは×錬金、 【道具】支給品一式×3、コルト・ガバメント(5/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女、 トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、S&W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、 デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F、アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS、虚空ノ双牙@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる、 首輪(セフィロス)、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デイパック(ヴィータ、セフィロス) 【思考】 基本:プレシアの持っている技術を手に入れる。 1.スカリエッティのアジトへ向かい、そこで夜天の書の安全を確かめたい。 2.バクラを警戒、ヴァッシュを乗っ取るか? 3.手に入れた駒は切り捨てるまでは二度と手放さない。 4.キング、クアットロの危険性を伝え彼等を排除する。自分が再会したならば確実に殺す。 5.以上の道のりを邪魔する者は排除する。 6.メールの返信をそろそろ確かめたいが…… 7.自分の世界のリインがいるなら彼女を探したい……が、正直この場にいない方が良い。 9.ヴィータの遺言に従い、ヴィヴィオを保護する? 10.金居及び始は警戒しておくものの、キング対策として利用したい。 【備考】 ※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだと考えています。 ※ヴィータ達守護騎士に心の底から優しくするのは自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています。 ※キングはプレシアから殺し合いを促進させる役割を与えられていると考えています(同時に携帯にも何かあると思っています)。 ※自分の知り合いの殆どは違う世界から呼び出されていると考えています。 ※放送でのアリサ復活は嘘だと判断しました(現状プレシアに蘇生させる力はないと考えています)。 ※エネルは海楼石を恐れていると思っています。 ※放送の御褒美に釣られて殺し合いに乗った参加者を説得するつもりは全くありません。 ※この殺し合いにはタイムリミットが存在し恐らく48時間程度だと考えています(もっと短い可能性も考えている)。 ※「皆の知る別の世界の八神はやてなら」を行動基準にするつもりです。 ※夜天の書が改変されている可能性に気付きました。安全確認及び修復は専門の施設でなければ出来ないと考えています。 【アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS】の簡易状態表。 【思考】 基本:ゼストに恥じない行動を取る 1.これで……良かったのか……? 2.はやて(StS)らと共に殺し合いを打開する 3.金居を警戒 【備考】 ※参加者が異なる時間軸や世界から来ている事を把握しています。 ※デイパックの中から観察していたのでヴィータと遭遇する前のセフィロスをある程度知っています。 |Back:[[Yな戦慄/烈火剣精は見た!]]|時系列順で読む|Next:[[散る―――(前編)]]| |~|投下順で読む|Next:[[散る―――(前編)]]| |~|八神はやて(StS)|Next:[[罪]]| |~|柊かがみ|Next:[[Mの姿/鏡]]| |~|ヴァッシュ・ザ・スタンピード|Next:[[罪]]| ----