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「遠い声、遠い出会い」(2009/01/07 (水) 15:39:06) の最新版変更点
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*遠い声、遠い出会い ◆Qpd0JbP8YI
ウサギの耳をぴょこぴょこ揺らせながらルーテシアはユーノの支給品を確認するべく夜の道を歩いていた。
むき出しとなった彼女の肩の上でユーノはバニースーツを身に纏った少女の顔を横から眺める。
殺し合いという異常な状況下のせいだろうか、依然と少女の顔や声に感情が現れることはない。
きっと不安なのだろう。
ユーノはそんな彼女を心配すると同時に、もう一つ気になることに考えを向けた。
それはルーテシアはたった一人でこの殺し合いに参加させられたのだろうかということ。
自分にはなのはやフェイトといった知り合いがあの場にいた。
では、このルーテシアはどうだろうか。
もし知り合いがいて、その人たちに会えたら、ここにいる不安も幾分か解消され
彼女にも笑顔という光が灯るのではないだろうか。
そんな気持ちと共にユーノはルーテシアに声をかけた。
「ねえ、ルーテシア」
「何?」
「ルーテシアの知り合いはここにいた?」
その質問にルーテシアは歩いてた足を止め、バッグの中から名簿を取り出すことで応えた。
そしてゆっくりと時間をかけ、名簿を一通り確認すると、ユーノに名前を告げる。
「ゼストにクアットロ、チンク、ディエチ」
「四人……か。その人たちとはどういった関係なの?」
「……よく分からない」
その返答に言葉を窮すユーノ。
こんな子供が誰かと敵対するような関係を築くとは思えないけど、
正体不明の人たちに会わせるというのはユーノには気がひけた。
これでは先程抱いた思惑も泡沫となって消えてしまう。
だけど続いてかけられた言葉によって、それは杞憂だと無事に証明された。
「でも……みんな嫌いじゃないよ」
「そっか」
その言葉を聞いて、ユーノは笑顔になる。
相手が嫌いというのでないのならば、それは友好的な関係を築けているということだ。
それならルーテシアを会わせるということも出来るし、
ある程度戦力があるようならルーテシアを預けるということも出来る。
そしてルーテシアの身の安全が確保されたならば、
思う存分なのはとジュエルシードを探すことに時間を捧げられる。
ユーノは幾分か肩の荷が下りたような気がした。
「あれがユーノのバッグ?」
「うん、そうだよ」
やがて見えてきたバッグにルーテシアが声をかけた。
そしてユーノはそれを確認し、頷く。
ユーノ自身がそれを置いた時と変わらぬ様子から
どうやら誰の目にも留まらなかったようだ。
ユーノはその事実にホッと一息漏らし、早速二人でバッグの中身を検めることにした。
何が出てくるだろうか。
妙な期待と共にバッグの中をまさぐるルーテシアの手を見つめるユーノ。
そして取り出されたものを見てユーノは思わず驚嘆の声を上げてしまった。
「こ、これはー!?」
まず最初に出てきたのは灰色のコート。
どうやらルーテシアの知り合いである人が使っていたものらしく、危険はないようだ。
服のサイズや機能などからも使用を躊躇う理由はない。
そして何よりもユーノの視線が泳ぐことを阻止してくれる。
ユーノは取り敢えず、それをルーテシアに着るように言った。
次に出てきたのは青白く輝く鉱石のようなもの。
ルーテシアに説明書を見せてもらえば、バリアのマテリアというらしく
身に着けていれば、全ての魔法を反射するものらしい。
これは明らかにミッドチルダの現行技術を超えている代物、ロストロギアに分類されるものだ。
その正体が分からぬ以上、使用は避けたほうがいい。
そして最後に出てきたのは夜天の書。
あのヴォルケンリーッターを従える夜天の王、八神はやてのデバイスだ。
かつては闇の書といわれ、幾つもの世界を滅ぼしたロストロギア。
既にその改変されたプログラムを失っているとはいえ、未だ収集された魔力は健在だ。
本来の持ち主以外の使用はどうなるか分からない以上、極力手に持つことは控えた方が良いだろう。
それらを確認して心のなしかガッカリしたように見えるルーテシアに
ユーノはバッグにしまうように指示した。
そしてユーノは先程ルーテシアと一緒に見た名簿の中に記されていた高町なのはを始めとした
フェイト、八神はやての名前が二つずつ記されていたことについて考えを移した。
同姓同名の別人ということをここで期待するのは馬鹿げたことだろう。
クローンを作ることも、その過程を考えると、面倒の一言だし、
わざわざ作り出したものに殺し合いをさせるその意味合いも低いだろう。
だとしたら、その正体は何か。
幾つかの可能性がユーノには思い浮かんだが、答えを出すのは保留にした。
何にしても確証がない。加えて未知のもの、現象がこの空間には溢れている。
それなのに「答え」に囚われ、視野を狭めるのは避けたいところだ。
実際に会って、彼女たちが何者であるかを確かめ、プレシアに辿り着くための糸口とすべきだろう。
そしてLとも出会えれば、この殺し合いについても考察を進めることが出来る。
無論、彼は非戦闘員であるために早期に合流することに越したことはないが、彼は如才ない男だ。
危険を回避する術など幾つも心得ているだろうし、
殺し合いにのった相手を説得することもそれほど難としないだろう。
彼のことはひとまず後回しにして大丈夫だろう。
そこまで考えたところで、破壊を思わせる光と音がユーノとルーテシアを襲った。
思わず二人は動作をやめ、破壊の象徴が何を意味するのかを探る。
「これは……戦闘……? こんなにも早く?」
どうやらそう遠くない所で戦闘が起きたようだ。
ある程度戦闘が起きるとはユーノも予想していたが、
これだけ大規模を思わせるものはさすがに予想を超えるものだった。
後方支援がままならないこの状況で、そんなことを行えるのは
魔力の消費が気にならないほどの桁外れの魔力量を有しているか、
よほど状況が切迫していたということだろう。
いずれにしても今のユーノにとって関わりたくない種類のものだ。
「ねえ、ルーテシアの知り合いにあんなことが出来る人っている?」
一縷の希望を縋り、ユーノはルーテシアに訊ねる。
これがルーテシアの知り合いなら、あまり問題はないだろう。
だけど、首を振るルーテシアの姿にユーノは思わず溜息を吐いた。
つまりは戦闘を行っているであろう人たちは、自分たちの知り合いではない。
しかも、あの強烈な光と建物が崩落したであろう盛大な破壊音は
高町なのはの全力全壊に匹敵するようなものだ。
ここにいては戦闘に巻き込まれる恐れがある。
幾ら補助魔法が得意で、防御魔法にも自負があるとはいえ、
あんな攻撃を無傷で防げるとは思えない。
勿論、あの光に気がついて高町なのはがやってくるという可能性もあったが、
ルーテシアの身に危険を迫ると思うと、やっぱり逃げることが得策のように思えた。
「ルーテシア、君の知り合いが行きそうな場所ってあるかな?」
「うん、あるよ」
「どこ?」
「ドクターのアジト」
「アジト?」
少女には似つかわしくない単語にユーノは眉をひそめる。
ルーテシアから感じられる魔力には気がついていたし、
それにより彼女が魔導師であることは彼にも分かっていた。
でも正規な組織に所属しているなら、アジトなど間違っても使わない言葉だ。
どちらかと言えば、それは犯罪者が使うような言い回しだ。
ひょっとしてルーテシアは非合法な組織に関与しているのだろうか。
ユーノの胸の内に警戒と懸念が募る。
だけどそんなユーノの脳裏に浮かんだのは、高町なのはを始めとした女性たちの姿。
幼き頃の彼女たちも間違いを起こすことはあれ、他者を思う純真な心を持っていた。
そしてそんな彼女たちの姿が自然と今のルーテシアと重なる。
きっとルーテシアも彼女たちと同じに違いない。
ユーノはその思いと共にルーテシアを信じることにした。
「そっか。それじゃあ、取り敢えず、そこに向かおうか。ここいては、危険だから」
その言葉に頷くと、ルーテシアはバッグからマッハキャリバーを取り出し、起動。
瞬く間にローラーブーツが足に取り付けられ、その車輪が回転。
そしてなんの予備動作もなく、そのままの立ち姿勢でルーテシアは急加速。
そんないきなりの事に当然ユーノは踏ん張ることが出来ず、ルーテシアの肩から振り落とされてしまう。
「うわぁ!」
僅かな悲鳴と共に地面を転がるユーノ。
ルーテシアはそれに気がつくと、進行をやめ、バックしユーノに近寄る。
そして地面に這い蹲っているユーノをムギュッと片手で掴むと、
おもむろに胸の部分の服をひっぱり、そこにフェレット姿の彼を入れた。
「っっっ!?」
突然の行動に目を剥くユーノ。
自身に何が起こったのかに気がつくと、
急いでルーテシアの胸から這い出ようとした。
しかし、ユーノのそんな努力も無残にルーテシアの手によって止められてしまった。
「くすぐったい」
そんな言葉と共に少女自らの手によって、胸に押し付けられ、ユーノは抵抗の手段を失う。
そしてユーノが動かなくなったのを確認すると、再びルーテシアは加速。
彼女はスカリエッティのアジトを目指して疾駆していった。
ルーテシアの胸の温かみに包まれ、顔を赤らめるユーノ・スクライアを抱いて。
ちょうどその頃、戦闘があったF-7の地に高町なのはは降り立った。
戦闘による被害者を救うために奔走する彼女だが、
そこにはユーノが知る姿とは違い、表情に翳りがあった。
それは彼女には負傷者を見つけても、それを救う手立てもってないという無力感、
そして自身がクローンではないかという疑念が、彼女の心を苛んでいたから。
それはおそらくユーノと出会っていれば、どちらも拭えたであろう感情だ。
だけど不幸にも、その地で高町なのはとユーノが出会うことはなかった。
【1日目 黎明】
【現在地 G-7】
【ユーノ・スクライア@L change the world after story】
【状態】健康、幸せ?、フェレットに変身中
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本 なのはの支えになる、ジュエルシードの回収
1.F-7を迂回してスカリエッティのアジトに向かう
2.ルーテシアの保護
3.Lや仲間との合流
4.首輪の解除
【備考】
※JS事件に関連したことは何も知りません
※プレシアの存在に少し疑問を持っています
【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康
【装備】バニースーツ@魔法少女リリカルなのはStrikers-砂塵の鎖― 、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS
シェルコート@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、バリアのマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本 ナンバーⅩⅠのレリックの捜索
1.F-7を迂回してスカリエッティのアジトに向かう
2.仲間との合流
3.ジュエルシードの回収を手伝う
【備考】
※参戦時期はゆりかご決戦前です
※ユーノが人間であることを知りません
※殺し合いに全く興味がありません
|Back:[[虚]]|時系列順で読む|Next:[[GUNMAN×CHAPEL×BLADE]]|
|Back:[[残酷な神々のテーゼ(後編)]]|投下順で読む|Next:[[GUNMAN×CHAPEL×BLADE]]|
|Back:[[不思議な出会いⅡ]]|ユーノ・スクライア|Next:[[ユーノ・スクライア司書長の女難]]|
|Back:[[不思議な出会いⅡ]]|ルーテシア・アルピーノ|Next:[[ユーノ・スクライア司書長の女難]]|
*遠い声、遠い出会い ◆Qpd0JbP8YI
ウサギの耳をぴょこぴょこ揺らせながらルーテシアはユーノの支給品を確認するべく夜の道を歩いていた。
むき出しとなった彼女の肩の上でユーノはバニースーツを身に纏った少女の顔を横から眺める。
殺し合いという異常な状況下のせいだろうか、依然と少女の顔や声に感情が現れることはない。
きっと不安なのだろう。
ユーノはそんな彼女を心配すると同時に、もう一つ気になることに考えを向けた。
それはルーテシアはたった一人でこの殺し合いに参加させられたのだろうかということ。
自分にはなのはやフェイトといった知り合いがあの場にいた。
では、このルーテシアはどうだろうか。
もし知り合いがいて、その人たちに会えたら、ここにいる不安も幾分か解消され
彼女にも笑顔という光が灯るのではないだろうか。
そんな気持ちと共にユーノはルーテシアに声をかけた。
「ねえ、ルーテシア」
「何?」
「ルーテシアの知り合いはここにいた?」
その質問にルーテシアは歩いてた足を止め、バッグの中から名簿を取り出すことで応えた。
そしてゆっくりと時間をかけ、名簿を一通り確認すると、ユーノに名前を告げる。
「ゼストにクアットロ、チンク、ディエチ」
「四人……か。その人たちとはどういった関係なの?」
「……よく分からない」
その返答に言葉を窮すユーノ。
こんな子供が誰かと敵対するような関係を築くとは思えないけど、
正体不明の人たちに会わせるというのはユーノには気がひけた。
これでは先程抱いた思惑も泡沫となって消えてしまう。
だけど続いてかけられた言葉によって、それは杞憂だと無事に証明された。
「でも……みんな嫌いじゃないよ」
「そっか」
その言葉を聞いて、ユーノは笑顔になる。
相手が嫌いというのでないのならば、それは友好的な関係を築けているということだ。
それならルーテシアを会わせるということも出来るし、
ある程度戦力があるようならルーテシアを預けるということも出来る。
そしてルーテシアの身の安全が確保されたならば、
思う存分なのはとジュエルシードを探すことに時間を捧げられる。
ユーノは幾分か肩の荷が下りたような気がした。
「あれがユーノのバッグ?」
「うん、そうだよ」
やがて見えてきたバッグにルーテシアが声をかけた。
そしてユーノはそれを確認し、頷く。
ユーノ自身がそれを置いた時と変わらぬ様子から
どうやら誰の目にも留まらなかったようだ。
ユーノはその事実にホッと一息漏らし、早速二人でバッグの中身を検めることにした。
何が出てくるだろうか。
妙な期待と共にバッグの中をまさぐるルーテシアの手を見つめるユーノ。
そして取り出されたものを見てユーノは思わず驚嘆の声を上げてしまった。
「こ、これはー!?」
まず最初に出てきたのは灰色のコート。
どうやらルーテシアの知り合いである人が使っていたものらしく、危険はないようだ。
服のサイズや機能などからも使用を躊躇う理由はない。
そして何よりもユーノの視線が泳ぐことを阻止してくれる。
ユーノは取り敢えず、それをルーテシアに着るように言った。
次に出てきたのは青白く輝く鉱石のようなもの。
ルーテシアに説明書を見せてもらえば、バリアのマテリアというらしく
身に着けていれば、全ての魔法を反射するものらしい。
これは明らかにミッドチルダの現行技術を超えている代物、ロストロギアに分類されるものだ。
その正体が分からぬ以上、使用は避けたほうがいい。
そして最後に出てきたのは夜天の書。
あのヴォルケンリーッターを従える夜天の王、八神はやてのデバイスだ。
かつては闇の書といわれ、幾つもの世界を滅ぼしたロストロギア。
既にその改変されたプログラムを失っているとはいえ、未だ収集された魔力は健在だ。
本来の持ち主以外の使用はどうなるか分からない以上、極力手に持つことは控えた方が良いだろう。
それらを確認して心のなしかガッカリしたように見えるルーテシアに
ユーノはバッグにしまうように指示した。
そしてユーノは先程ルーテシアと一緒に見た名簿の中に記されていた高町なのはを始めとした
フェイト、八神はやての名前が二つずつ記されていたことについて考えを移した。
同姓同名の別人ということをここで期待するのは馬鹿げたことだろう。
クローンを作ることも、その過程を考えると、面倒の一言だし、
わざわざ作り出したものに殺し合いをさせるその意味合いも低いだろう。
だとしたら、その正体は何か。
幾つかの可能性がユーノには思い浮かんだが、答えを出すのは保留にした。
何にしても確証がない。加えて未知のもの、現象がこの空間には溢れている。
それなのに「答え」に囚われ、視野を狭めるのは避けたいところだ。
実際に会って、彼女たちが何者であるかを確かめ、プレシアに辿り着くための糸口とすべきだろう。
そしてLとも出会えれば、この殺し合いについても考察を進めることが出来る。
無論、彼は非戦闘員であるために早期に合流することに越したことはないが、彼は如才ない男だ。
危険を回避する術など幾つも心得ているだろうし、
殺し合いにのった相手を説得することもそれほど難としないだろう。
彼のことはひとまず後回しにして大丈夫だろう。
そこまで考えたところで、破壊を思わせる光と音がユーノとルーテシアを襲った。
思わず二人は動作をやめ、破壊の象徴が何を意味するのかを探る。
「これは……戦闘……? こんなにも早く?」
どうやらそう遠くない所で戦闘が起きたようだ。
ある程度戦闘が起きるとはユーノも予想していたが、
これだけ大規模を思わせるものはさすがに予想を超えるものだった。
後方支援がままならないこの状況で、そんなことを行えるのは
魔力の消費が気にならないほどの桁外れの魔力量を有しているか、
よほど状況が切迫していたということだろう。
いずれにしても今のユーノにとって関わりたくない種類のものだ。
「ねえ、ルーテシアの知り合いにあんなことが出来る人っている?」
一縷の希望を縋り、ユーノはルーテシアに訊ねる。
これがルーテシアの知り合いなら、あまり問題はないだろう。
だけど、首を振るルーテシアの姿にユーノは思わず溜息を吐いた。
つまりは戦闘を行っているであろう人たちは、自分たちの知り合いではない。
しかも、あの強烈な光と建物が崩落したであろう盛大な破壊音は
高町なのはの全力全壊に匹敵するようなものだ。
ここにいては戦闘に巻き込まれる恐れがある。
幾ら補助魔法が得意で、防御魔法にも自負があるとはいえ、
あんな攻撃を無傷で防げるとは思えない。
勿論、あの光に気がついて高町なのはがやってくるという可能性もあったが、
ルーテシアの身に危険を迫ると思うと、やっぱり逃げることが得策のように思えた。
「ルーテシア、君の知り合いが行きそうな場所ってあるかな?」
「うん、あるよ」
「どこ?」
「ドクターのアジト」
「アジト?」
少女には似つかわしくない単語にユーノは眉をひそめる。
ルーテシアから感じられる魔力には気がついていたし、
それにより彼女が魔導師であることは彼にも分かっていた。
でも正規な組織に所属しているなら、アジトなど間違っても使わない言葉だ。
どちらかと言えば、それは犯罪者が使うような言い回しだ。
ひょっとしてルーテシアは非合法な組織に関与しているのだろうか。
ユーノの胸の内に警戒と懸念が募る。
だけどそんなユーノの脳裏に浮かんだのは、高町なのはを始めとした女性たちの姿。
幼き頃の彼女たちも間違いを起こすことはあれ、他者を思う純真な心を持っていた。
そしてそんな彼女たちの姿が自然と今のルーテシアと重なる。
きっとルーテシアも彼女たちと同じに違いない。
ユーノはその思いと共にルーテシアを信じることにした。
「そっか。それじゃあ、取り敢えず、そこに向かおうか。ここいては、危険だから」
その言葉に頷くと、ルーテシアはバッグからマッハキャリバーを取り出し、起動。
瞬く間にローラーブーツが足に取り付けられ、その車輪が回転。
そしてなんの予備動作もなく、そのままの立ち姿勢でルーテシアは急加速。
そんないきなりの事に当然ユーノは踏ん張ることが出来ず、ルーテシアの肩から振り落とされてしまう。
「うわぁ!」
僅かな悲鳴と共に地面を転がるユーノ。
ルーテシアはそれに気がつくと、進行をやめ、バックしユーノに近寄る。
そして地面に這い蹲っているユーノをムギュッと片手で掴むと、
おもむろに胸の部分の服をひっぱり、そこにフェレット姿の彼を入れた。
「っっっ!?」
突然の行動に目を剥くユーノ。
自身に何が起こったのかに気がつくと、
急いでルーテシアの胸から這い出ようとした。
しかし、ユーノのそんな努力も無残にルーテシアの手によって止められてしまった。
「くすぐったい」
そんな言葉と共に少女自らの手によって、胸に押し付けられ、ユーノは抵抗の手段を失う。
そしてユーノが動かなくなったのを確認すると、再びルーテシアは加速。
彼女はスカリエッティのアジトを目指して疾駆していった。
ルーテシアの胸の温かみに包まれ、顔を赤らめるユーノ・スクライアを抱いて。
ちょうどその頃、戦闘があったF-7の地に高町なのはは降り立った。
戦闘による被害者を救うために奔走する彼女だが、
そこにはユーノが知る姿とは違い、表情に翳りがあった。
それは彼女には負傷者を見つけても、それを救う手立てもってないという無力感、
そして自身がクローンではないかという疑念が、彼女の心を苛んでいたから。
それはおそらくユーノと出会っていれば、どちらも拭えたであろう感情だ。
だけど不幸にも、その地で高町なのはとユーノが出会うことはなかった。
【1日目 黎明】
【現在地 G-7】
【ユーノ・スクライア@L change the world after story】
【状態】健康、幸せ?、フェレットに変身中
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本 なのはの支えになる、ジュエルシードの回収
1.F-7を迂回してスカリエッティのアジトに向かう
2.ルーテシアの保護
3.Lや仲間との合流
4.首輪の解除
【備考】
※JS事件に関連したことは何も知りません
※プレシアの存在に少し疑問を持っています
【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康
【装備】バニースーツ@魔法少女リリカルなのはStrikers-砂塵の鎖― 、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS
シェルコート@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、バリアのマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本 ナンバーⅩⅠのレリックの捜索
1.F-7を迂回してスカリエッティのアジトに向かう
2.仲間との合流
3.ジュエルシードの回収を手伝う
【備考】
※参戦時期はゆりかご決戦前です
※ユーノが人間であることを知りません
※殺し合いに全く興味がありません
|Back:[[虚]]|時系列順で読む|Next:[[GUNMAN×CHAPEL×BLADE]]|
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