「光が紡ぐ物語」(2008/12/19 (金) 15:08:59) の最新版変更点
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*光が紡ぐ物語 ◆jiPkKgmerY
F-2地点には、殺し合いには不釣り合いな可愛らしい喫茶店が設置されている。
その名も『喫茶店・翠屋』。第97管理外世界・地球という惑星にて経営されている、小さなだがひっそりとした人気が続くお洒落な喫茶店だ。
何故この殺し合いの場に、翠屋が全く変わらぬ姿で存在しているのか。
それはこのゲームの主催者、プレシアにしか分からない。ただの気紛れかもしれないし、何か考えがあるのかもしれない。
だが喫茶店・翠屋がそこにあること。それは確固たる事実であった。
そんな喫茶店・翠屋。
そこには今、二人の男が来店している。
一人は白色のシャツに白色のズボンを身に着けた男。
その目の回りにはパンダの如く隈を浮かべ、背中はこれでもかと言うくらいに丸みを帯びている。
男の名はL。ある世界にて、世界最高の探偵として名を馳せた男だ。
そしてもう一人。
褐色色の肌に程良く締まった身体、そして白銀色の髪から犬耳生やした男――ザフィーラ。
守護騎士の一人として何百年にも及ぶ戦いの人生を送り、今は影ながら仲間をサポートしている守護獣である。
客船へ向かっている筈の二人が、なぜ翠屋に立ち寄っているのか。
それはLの何気ない一言から始まった。
――その時Lとザフィーラの二人は黒の騎士団専用トレーラーに乗り、会場を南下していた。
運転手はザフィーラ。
最初はLが運転手に申し出たのだが、ザフィーラ本人がそれを却下。理由は「お前は考察に集中していろ」との事だった。
という訳でザフィーラを運転手にトレーラーは走行を続けていたのだが、ちょうどF-2の市街地に差し掛かったところでそれは起こった。
「ザフィーラさん、甘い物を持ってませんか?」
それまで押し黙り考察を続けていたLが突然口を開いたのだ。
質問の意味が分からず正直に「持っていない」と答えるザフィーラ。
その返答に難しそうな表情を浮かべ、デイバックから地図を引っ張り出すL。
そして数秒の思考の後、
「ここに書いてある翠屋という喫茶店に寄って下さい」
そうLはザフィーラに告げた。
なにか考察に必要なのだろうと、深く考えるずにザフィーラは了解した。
更に数分後、二人は喫茶店・翠屋に到着――今に至る。
「L……ここに何かあるのか?」
「ええ、推理に必要不可欠な物が此処にはあるはずです」
返事もそぞろに置いてある机の中の一つにLは近付いていく。
Lが探し求めていた物、それは――
□
数分後、ザフィーラは呆れたような顔を浮かべ、何十とある椅子の一つに腰掛けていた。
「……まだ終わらないのか?」
大きな溜め息と共に、もはや何度目か分からない問いを口にする。
「もう少し待って下さい。あとちょっとなんで……」
声は奥の厨房から届いた。同時にガサゴソと何かを漁るような音が聞こえる。
ザフィーラに出来る事は、Lが作業を終えるのを待つ事だけだった。
ふと窓の外に視線を移すと、そこ広がるは色彩を取り戻し始めた市街地。
街路樹や街灯が朝日に照らされ輝きを放っている。
(夜が明けたか……)
自分達がこのゲームに参加させられたから、早くも三時間近く経った。
Lと出会い、トレーラーを見付け、此処に立ち寄る。
長いようで短かかった三時間。自分達以外の58人は何をしているのだろう。
自分達のように主催の打倒を目指しているのか。それとも生き抜く為、または優勝する為に戦っているのか。
主は、守護騎士達は、機動六課の面々は無事なのか?
自分がこうしている間にも致命的な何かが発生しているのではないか?
自分はこんな所でノンビリしていて良いのか?
何かすべき事があるのではないか?
自分は――
「考え事ですか?」
とその時、ザフィーラの前方から不意に声が掛かる。
僅かな驚きと共に視線を前に戻すと、そこには奇妙な座り方で椅子に鎮座するLの姿があった。
「……目当ての物は見つかったのか?」
数秒の間を空け、ザフィーラが口を開く。
その言葉にコクリと首を縦に降るL。
右手には、指先サイズの白い立方体をこれでもかと詰めたビニール袋が握られている。
相変わらずの無表情のまま、Lはその中の一つを口へと運んだ。
「喫茶店と言うだけあって大量入手できました。ザフィーラさんもお一つどうで
すか?」
苦笑いを浮かべ、Lの申し出を丁重に断るザフィーラ。
そうですか、とだけ呟きLも窓の外を眺め始めた。
Lがこの喫茶店・翠屋に立ち寄った理由。
それは袋一杯の白色――角砂糖を手に入れる事であった。
異常なまでの甘党――それが世界最高の探偵Lが持つもう一つの顔。
その甘党っぷりは異常とも言え、推理中は勿論のこと日常生活に於いても甘い物を好んで摂取し続けていた。
摂取していないよりはしていた方が落ち着くし、推理や考察もはかどる。Lにとって糖分とはそれなりに大事な存在であった。
途中スーパーという魅力的な施設もあったが、残念な事に気付いた時にはもう過ぎ去っていた。
流石に道を引き返してまでスーパーに向かう、という図々しい事も出来ないし、
今は一刻を争う事態だという事も理解している。
という訳でもう一つ甘味が存在しそうな施設――喫茶店・翠屋に立ち寄ることに
したのだ。
そしてLは大量の角砂糖を入手する事に成功した――。
「ザフィーラさん」
数分に渡る沈黙の後、唐突にLが声を上げた。
外を見ていた筈の瞳は何時の間にかザフィーラへと向けられている。
「何だ?」
ザフィーラもまた真っ正面から視線を受け止め、答える。
「まだ質問に答えてもらってません。先程は何を考えてたんですか?」
む、と小さく声を上げ押し黙るザフィーラ。
その表情には僅かな焦りが見える。
(誤魔化せなかったか……)
大きく溜め息を吐き、ザフィーラが口を開く。
そこから紡ぎ出される内容は、先ほど頭によぎった仲間達の事、何もしていない自分に対しての不安。
嘘は見抜かれると思い、全てを正直に話した。
「……という訳だ。別に脱出や首輪について考えてたのではない。自分と仲間の事を考えていただけ……ただそれだけだ」
最後にそう締めくくったザフィーラの顔には自嘲的な物が含まれている。
Lはその表情を黙って見つめ、そして二つばかり角砂糖を口に含み――
「ザフィーラさんは馬鹿ですね」
――小さな声でしっかりとそう告げた。
Lが発した言葉にザフィーラの眉間に皺が寄り、目つきが鋭いものへと変化する。
「勘違いしないで下さい。決して悪い意味で言った訳では有りません」
ザフィーラの怒りを敏感に読み取り宥めるようにLが呟いた。
と、同時に角砂糖がまた一つ口の中へと消えていく。
「仲間がどう行動するか分からない…………当たり前じゃないですか。仲間とはいえ所詮は他人。分からないのが当たり前ですよ」
「しかし……!」
「でもそういうところで悩める人間が、本当に優しい人なんだと思います。そして、このゲームを破壊する為にはそんな優しさが必要なんですよ。
残念ながら私は社会性や協調性というものが著しく欠損しています。ですがザフィーラさんならそこをカバー出来る。
ザフィーラさんなら私の足りないところを補える。そう思っていますよ」
真っ直ぐな瞳でそう言うLを見てザフィーラは気が付いた。
不器用ながらも、Lが自分を励まそうとしている事に。
「……すまんな。気を使わせた」
「いえ、今の言葉は本心からの物です。励まそうと思って励ませる私は器用な人間ではありませんし」
Lが無表情にそう言い、そして角砂糖がまた一つ消費される。
ザフィーラはその光景に僅かに頬を緩ませ、心の中で深く頭を下げた。
「それでは行きましょう。めぼしいものは頂戴しましたし……こうしてる間にも殺し合いは続いていますしね」
「ああ、そうだな」
目指すは変わらず、I-2に設置されている客船。
仲間を救うため、ゲームを打開するため、二人は立ち上がろうとし――――瞬間、暴力的なまでの極光が二人の視界を占領した。
「何だったんでしょうね……さっきの」
突然の極光が止んでから数秒後、呆然とした様子でLが声を出した。
普段あまり感情を宿さないその顔も今は驚愕に染まっている。
それはザフィーラ同様。
光の発生した方角に唖然とした表情を向けていた。
「魔法……ですかね」
あまりに規模が違いすぎる光。もはや天災とも言える域の現象に、さしものLも思考が停止していた。
「分からん……が、あれだけの規模の魔法とは……」
それきり静寂が場を支配する。凍り付いた世界に漸くLの思考能力も回復を見せる。
灰色の脳細胞が全速で思考を開始。先程の光、そしてこれから自分達がどう行動すべきかを思索し始めた。
――自分達が目指すは客船。
そこにはこの会場に関する何かしらのヒントが隠されている筈だ。
それは言うなれば天から垂れる蜘蛛の糸。自分達にもたらされた数少ない希望の一つだ。
しかし、その希望に辿り着く為にはF-3を通らなくてはいけない。
橋を無視し南下する、という道も考えたが、如何せんこの巨大なトレーラー。
熟練の運転手ならまだしも、初心者のザフィーラさんや自分では地図中に書かれた大通りしか走行できないだろう。
客船に向かうには必ず通らなくてはいけない地域・F-3――つまり先程の光が発生した地点だ。
光を発生させた者が殺し合いに乗っているのか、いないのかは判断できない。
その術者が殺し合いに乗っていたとしたら最悪。今すぐにでも逃亡を始めるべきだ。
殺し合いに乗っていないとした僥倖。是非とも協力を願い出たい。
これはある種の賭け。
このままF-3に向かうか。遠回りをするか。
一つのミスが死を招く遊戯。間違いは許されない。
さてどうするか。
最善の手を探し求めて世界最高の探偵は思考を続ける。
そして数分後、Lが出した答えは――
□
日の昇り始めた市街地を一台のトレーラーが走っていた。
運転している者は褐色肌の男、ザフィーラ。
緊張した面持ちでハンドルを操っているが、その運転技術は初心者にしてはそれなりに高く、ゆっくりとだが比較的に安全運転で進行し続けていた。
「ザフィーラさん、運転変わりましょうか?」
そんなザフィーラへと助手席に座るLが語り掛けた。
右手には角砂糖入りのビニール袋が握られている。
「いや、いい。お前は頭を動かす事に専念していろ」
「そうですか」
Lの方を見ずに、というか見る余裕も無くザフィーラが答える。
Lもそれに頷くだけで、直ぐに窓の外へと視線を移した。
――結局、あれからLは進路を変更しない事を選んだ。
予定通り通信を行いつつ客船へ向かい、途中で仲間になってくれそうな参加者と出会ったら協力関係を結ぶ。
確かにF-3の市街地を通過する事は危険かもしれない。
だがLにはある確信があった。
(あれほどの光……術者は相当な実力者なのだろう。客観的に見ても、私やザフィーラさんの力で対抗する事は不可能。だが――――二発目はない)
考えてみれば単純な事だ。
隣接するエリアにまで届く異常なまで威力を有した攻撃――どんな魔導師だろうと消耗するはず。
それにザフィーラが言うには、この会場は魔力を練るのが普段以上に困難との事。
そのような状態であれ程の魔法を行使したらどうなるかなど、猿にだって分かる。
おそらく魔力は枯渇、とてもじゃないが他の参加者を襲う事は出来ないはずだ。
しかし――
(――この考えも所詮は推測でしかない)
そう。今考えいる事は証拠も何もない、仮説に仮説を重ねただけの推測。そして自分はその推測に賭けたのだ。
不安が無い訳ではない。
だが強者から逃げてばかりではゲームの破壊など到底不可能。消極的な判断は消極的な結果しか生まない。
キラ事件の時もそう。攻めに攻め、そして命を犠牲にして何とか事件解決に漕ぎ着けたのだ。
それに安全運転とはいえ、一キロ四方の区域を抜けるまで数分も掛からない。
更に、自分達は首輪探知機を持っている。
――大丈夫な筈だ。
と、最後に、自分を安心させるかのようにそう念じ思考を一旦打ち切るL。
角砂糖を口に運び窓の外を眺め始める。
(それにしても……これは……)
その口から漏れるは呆れと感嘆を含んだ溜め息。
F-3の様子はLの予想を遥かに越えて酷い物であった。
まるで怪獣映画のワンシーンの如く破壊され尽くした市街地。
無事な建物など一つも無い。
川に掛かっていた筈の橋も砕け散っており、無惨な残害を見せ付けていた。
建ち並んでいた筈のビル群も今は瓦礫の山と化し、F-2まではしっかり整備されていた道路も、そこら中に亀裂が入っている。
「……本当に凄まじい物ですね……はやてさんやなのはさんもこれ位の力を持ってるんですか?」
「ああ、リミッター無しの全力全開なら可能だろうな」
「……人は見掛けに寄りませんね……」
Lは実際に高町なのは達が戦闘している現場を見た事がない。
魔導師としての彼女達を見たのは、唯一空港火災での救助風景のみ。
相当な実力者という事も知ってはいるが、所詮はネット上の情報。他人の主観を通した情報だ。
高町なのはに匹敵する破壊を生で見た今、Lは改めてその恐ろしさを実感さた。
(個人が持つには余りに強力過ぎる力……まぁ、敵に回らないだけ幸いか……)
あまりに馬鹿げた、自分の常識を越えた破壊を目の当たりにし、Lは大きく溜め息を吐く。
――その時だった。
キキーッという甲高い音と共に、Lの体が前方へと流れる。
シートベルトが身体に食い込み内臓を圧迫。手に持っている袋から数個の角砂糖が零れ落ちた。
推理するまでもない――ザフィーラが急ブレーキを掛けたのだ。
「……ザフィーラさん……もうちょっと丁寧に運転してくれると嬉しいんですけど」
たっぷり数秒間圧迫された後、Lが皮肉気に声を上げる。
だがその皮肉に対するザフィーラの答えは謝罪では無かった。
「……さっきの光を見たか?」
ザフィーラが口にした疑問文。文字数にすればたったの十の短い文章。
だがこの十文字が物語を急転させる事を、この段階では誰も気付く事は出来なかった――
□
身体は金縛りに遭ったかのように動かず、視界は闇に包まれている。
数分前までは確かに感じていた月光も、今は見えない。
感じるのは闇と、そして鈍痛。
ピクリとも動いていないにも関わらず、身体は軋み悲鳴を上げ続けていた。
――何故、俺はこんな状況に陥っているのだ。
制止を振り切り走り出した少女を追い、一度は逃亡した市街地に戻った。
そこまでは覚えている。だがその後の記憶が引き出せない。
何がどうなって自分はこの暗闇の中に居るのか。
そもそもこの空間は何なのだ?
星一つ無い夜よりも暗く、まるで鼻と口を塞がれてるかの様に息苦しい。
ナノマシンの治癒も追い付かない。いや、追い付かないと言うより治癒した側から再度破壊されていく。
自分の置かれている状況が全く理解できない。
唯一把握できるのは、この状態が長く続けば命に関わるだろうという事のみ。
――このままでは死ぬ。
漠然とした焦燥が心の中で産声を上げる。
状況を打開する為の策を思案――解答は直ぐに導けた。
ARMS・『ブリューナグの槍』。全てを貫く光槍を使用するのだ。
幸いな事に右腕は変化している。おそらく意識を失う寸前まで行使していたのだ
ろう。
――動け!
半ば祈りにも似た命令に右腕が反応――手首から先だけだが僅かに動く。
手首を折り返し無理矢理に上方へと掌――光槍の銃口を向ける。
そして射出。
途端に襲う疲労感――これも制限の所為か。だが、ブリューナグの槍は放たれた。
この空間に何らかの変化を与えてくれる筈――――だが現実は冷酷である。
予想と反して依然視界は闇に包まれたまま。身体も動かない。
むしろブリューナグの槍を放った事による疲労が過剰されただけ。
状況は更に悪化を遂げた。
□
「さっきの光……? 翠屋で見た光……の事では有りませんよね」
「……ついさっき向こうの空に一筋の光が走った……」
「……それはどのような光でしたか?」
首輪探知機に視線を送りつつ、Lがザフィーラへと問い掛ける。
その問いにザフィーラは首を振り、そして口を開く。
「電気が収束したような青白い光だった。翠屋で見た光とは明らかに違う。術者はおそらく別人だ」
「そうですか」
――マズいな。
無表情な仮面の下、Lは小さく舌打ちをつく。
ザフィーラが考えている事に気づいてしまったからだ。
「他の参加者ですか……確かに魅力的ですが、取り敢えずはこの区域を抜けまし
ょう。
最初の光を放った術者が近くに潜んでいる可能性もありますし――」
「L」
「……何でしょう」
「他の参加者が居るとするのなら向かうべきだ。先の光に巻き込まれた者が助けを求めているのかもしれない」
――やっぱり。
正義感の強いザフィーラなら絶対にその思考に至る。
確かにザフィーラの言う通り、何者かが助けを求めてる可能性も高い。しかし、実際にそうだとしても向かうべきではない。
この区域は危険なのだ。そして自分達は大した戦力を持っている訳ではない。
まずは自分達の命を優先すべきだ。
「ザフィーラさん。あなたの気持ちも分かりますが、今は引くべきです。最初の光を見て他の参加者も――殺し合いに乗っている者も集まって来るかもしれませ
ん。それに参加者をおびき寄せる為の罠という可能性もある。まずはこの区域を離れた方が良い」
必死の説得も虚しくザフィーラは首を横に振る。
そして眩しいくらいに真っ直ぐな瞳をLに向け、口を開く。
「……確かに此処は危険だ。だが退けん。助けを求めている者が居るのなら救出すべきだし、罠だとしたら尚更だ。
殺し合いに乗っている奴が居るのなら、叩いておくべきだ」
その言葉にLは大きな溜め息を吐く事しか出来なかった。
――自分がどんな御託を並べようとこの男は引かない。別行動を取る事になろうと、光が発生した方に向かうだろう。
此処で説得を続けたとしても裏目に出るだけ。下手をすれば信頼関係にヒビが入る。
ならば――
「……分かりました、光の発生した方に向かいましょう。ですが、逃げる準備だけは何時でもしておいて下さい」
――結局はこちらが妥協するしかない。危険だと分かっているがその道を進むしかない。
決して良策とは言えない行動だが、ここで信頼関係を崩すのは更にマズい事態を引き起こす。
(行くしかない、か……)
不安を隠すかのようにLは角砂糖を口に放り入れた。
□
ザフィーラが空に走る光を見てから数分後、二人は崩壊した市街地の中を歩いていた。
光の元へ向かうには大通りを外れ、細道を通るしかなかったのでトレーラーを降りざるを得なかった。
「首輪の反応が二つ?」
「ええ。ちょうど直線方向に並んで二つばかり」
ザフィーラに探知機を渡し角砂糖を口に運ぶL。
Lの言葉通り、探知機には二つの光点が映っている。それにどちらも同じ方角だ。
探知機の策敵範囲は50メートル。どちらも視認できておかしくない距離にいる。
しかし、視界に映るのは瓦礫の山ばかり。
パッと見ただけでは人らしき物は確認できない。
「光点が動いていないという事はそれ程の重傷を負っているか、何かしらのショックで気絶しているか、それとも死んでいるか…………取り敢えず探しましょうか」
「分かった」
その言葉を皮切りに二人は市街地を探索し始めた。
幸いなことに、二つの光点の内一つは直ぐに発見できた。
その人物は、有りがちな制服を纏ったツインテールの少女。
髪の色は紫色と派手だが、それを除けば何処にでも居る平凡な女子高生であった。
「一般人……ですかね」
見た目は一般人。
とはいえ、高町なのはのように見た目とは裏腹の実力を持っている可能性も充分にある。警戒はしておくべきだ。
それにこの少女はデイバックを三つも所有している。隙を見て奪ったか、殺して奪ったか、それとも偶然拾ったか。
――兎も角、警戒はしておいて損はない。
「ザフィーラさん。念の為、この少女を拘束しておきます」
少女が持つ三個のデイバックの存在に気付いているのか、Lの意見に反対する事なくザフィーラも首を縦に振る。
Lはランダム支給品の一つ、ガムテープを取り出し、少女をグルグルに縛り上げた。
「……これで大丈夫でしょう。さて、もう一つの反応ですが……」
探知機の光点は、他の参加者が自分達の直ぐ近くに居ると知らせている。
だというのに人の姿は何処にも見当たらない。
見えるのは元はビルだったであろう瓦礫の山のみ。
反応はあるのに姿が無い。それが意味する事は――
「……トレーラーに戻りましょう」
「……何を言っている。もう一人の参加者を探さなくては」
突然のLの言葉に、ザフィーラの眉が不審げに寄せられる。
「……無駄ですよ」
「なに?」
「確かに首輪の反応はあります。ですが参加者らしき姿は見えない。その代わりにあるのは瓦礫の山……分かりませんか?
おそらく、あの光が発生した時、その参加者はビルの中に隠れていたのでしょう。しかしビルはその圧倒的な破壊力に耐えきれず倒壊。中に居た参加者ごと瓦礫と化した……」
ザフィーラの表情が不審から痛みを耐えるような物へと変わる。
Lにはその背中が何時もより一回りも二回りも小さく見えた。
「ザフィーラさんが見た光はこの少女が打ち上げたと見て間違いないでしょう。それが支給品による力か彼女自身の力なのかは分かりませんがね」
「……そうか」
このゲームが開始してから初めて遭遇した人の死。
それがザフィーラの心の中で悔しさとなって燃え上がる。
「……行きましょう、ザフィーラさん」
「……ああ」
そして一人の守護獣は顔を上げ、前を見据える。
誰も死なせずにゲームから脱出する――そんな理想は見事に砕け散った。
だが主と仲間は殺させない。それだけは絶対に守り通してみせる。
新たな決意と共に二人は歩き始め――
「ッ!?」
「なッ!!」
――同時に真後ろに有った瓦礫の山から朝焼けの空へと、一筋の光線が疾走した。
□
あれから何分経っただろうか?
もはや意識を保つ事すらキツい。
身体の痛みは増加し、思考能力が低下する。
苦しい。
痛い。
重い。
死ぬのか?
ふざけるな。
こんな訳の分からない所で死んでたまるか。
最後の最後まで足掻いてやる。
風前の灯火と化した気力を振り絞り、ARMSに意識を集中させる。
おそらくこれが最後の一発。
余熱でARMSが溶けようと知った事ではない。
力を収束――発射。
制限下での『ブリューナグの槍』連射、この異常としか言えない状況が相乗し疲労が加速度的に増大――意識を保てない。
闇に――意識が――吸い――込ま――れ――る。
□
「ザフィーラさん! そこの瓦礫です!」
Lが叫ぶよりも早く、ザフィーラは瓦礫の撤去に取り掛かっていた。
成る程、良く近付いてみれば分かる。
確かにその瓦礫の山だけ、何かが貫通したような穴が空いていた。
おそらく生き埋めの状態から何かしらの攻撃を放ったのだろう。
それは幾多にも折り重なった瓦礫を貫き、空へと消えていった。
その一発目は術者の存在を気付かせ、そして二発目は術者の生存を気付かせた。
(ビルの倒壊にも耐える頑強さ、瓦礫を貫く光線……埋まっている者も人間離れした力を持つ参加者か……)
ザフィーラが取り除く物より二回りほど小さな瓦礫を放り投げつつ、Lはあらゆる可能性を考える。
久方振りの肉体労働に汗を流しながらも、Lの思考は止まらない――。
戦闘を止める為に少女が放った巨大な光――それは狂人を吹き飛ばし、一人の男を生き埋めにした。
生き延びる為に男が放った光――それは本来ならば客船に向かう筈だった二人の男を呼び止め、狂人を拾わせた。
夜の電灯に吸い寄せられる哀れな虫の如く、二人の男は窮地へと足を踏み入れた。
1日目 早朝】
【現在地 F-3 市街地】
【L@L change the world after story】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、首輪探知機、ランダム支給品0~1個(確認済み、少なくとも武器には使えない) 、ガムテープ@オリジナル
【思考】
基本 プレシアの野望を阻止し、ゲームから帰還する。
ゲームに乗った相手は、説得が不可能ならば容赦しない。
1.瓦礫の下に埋まっている参加者を救う。
2.通信を行いながら南下し、船を調べる。その後は駅を調べにいく
3.誰かと連絡がついたら、その人と情報交換、味方であるなら合流
4.首輪を入手したら、トレーラーの設備を使って解析
【備考】
※第三話からの参戦です
※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました
※盗聴の可能性に気付きました。
また、常時ではないにしろ、監視されている可能性もあると考えています
※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています
※ザフィーラ以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストは、ゲームに乗っている可能性があると判断しています
※黒の騎士団専用車両にあったのは、黒の騎士団専用トレーラー@コードギアス 反目のスバル でした
※トレーラーはF-3の大通りに放置されています
【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状況】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3個
【思考】
基本:プレシアの野望を阻止し、ゲームから帰還する。
ゲームに乗った相手は、説得が不可能ならば容赦しない
1.瓦礫の下に埋まっている参加者を救う。
2.Lと行動を共にする
3.機動六課の面々並びにヴィヴィオ、ユーノとの合流。
特にはやてとヴォルケンリッター、フェイトは最優先とする
4.首輪の入手
【備考】
※本編終了後からの参戦です
※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました
※盗聴の可能性に気付きました。
また、常時ではないにしろ、監視されている可能性もあると考えています
※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています
※自分以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストは、ゲームに乗っている可能性があると判断しています
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】疲労(大)、肋骨数本骨折、全身打撲、一時間変身不可(デルタ、王蛇)、ガムテープにより拘束中
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、デルタギア一式@魔法少女リリカルなのはマスカレード
【道具】支給品一式×3、ランダム支給品0~6個 、デルタギアケース@魔法少女リリカルなのはマスカレード
【思考】
基本 みんな殺して生き残る!
1. 気絶中
2. 幼はやてとセフィロスを殺す
3. エリオやなのはの気持ちを無駄にしないためにも戦う
【備考】
※なの☆すた第一話からの参戦です
※デルタギアに適合しなかった後遺症として、凶暴化と電気を放つ能力を得ました
※デモンズスレートによる凶暴化は数時間続きます
※ユーザーズガイドを読めばデルタギアの全てを理解することが出来ます
※ベノスネーカーとメタルゲラスは回復中です。餌を食べれば回復は早まります
※王蛇のカードデッキには、未契約カードがあと一枚入ってます
※参加者名簿や地図、デイパッグの中身は一切確認していません
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし、何かのきっかけで思い出すかもしれません
※自分が最強だと思っています
※高揚する闘争心により怪我の痛み、身体の疲労を感じていません
【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】
【状態】気絶、疲労(極大)、左腕欠損(再生中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、はやての車@魔法少女リリカルなのはStrikerS、サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、
ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本 この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる
1.気絶中
2.機動六課隊舎へ向かう
3.六課メンバーとの合流
4.キース・レッドに彼が所属する組織のことを尋問
5.キース・レッドの首輪の破壊
【備考】
※身体にかかった制限を把握しました
※セフィロスはゲームにのっていると思っています
※幼はやては管理局員だと思っています
※幼はやてはセフィロスに騙されて一緒にいると思っています
※キース・レッド、管理局員以外の生死にはあまり興味がありません
※左腕は朝までには再生すると思われます
※参加者に配られた武器には、ARMS殺しに似たプログラムが組み込まれていると思っています
※殺し合いにキース・レッド、サイボーグのいた組織が関与していると思っています
【ガムテープ@オリジナル】
現実のホームセンターとかで売っている普通のガムテープです。
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*光が紡ぐ物語 ◆jiPkKgmerY
F-2地点には、殺し合いには不釣り合いな可愛らしい喫茶店が設置されている。
その名も『喫茶店・翠屋』。第97管理外世界・地球という惑星にて経営されている、小さなだがひっそりとした人気が続くお洒落な喫茶店だ。
何故この殺し合いの場に、翠屋が全く変わらぬ姿で存在しているのか。
それはこのゲームの主催者、プレシアにしか分からない。ただの気紛れかもしれないし、何か考えがあるのかもしれない。
だが喫茶店・翠屋がそこにあること。それは確固たる事実であった。
そんな喫茶店・翠屋。
そこには今、二人の男が来店している。
一人は白色のシャツに白色のズボンを身に着けた男。
その目の回りにはパンダの如く隈を浮かべ、背中はこれでもかと言うくらいに丸みを帯びている。
男の名はL。ある世界にて、世界最高の探偵として名を馳せた男だ。
そしてもう一人。
褐色色の肌に程良く締まった身体、そして白銀色の髪から犬耳生やした男――ザフィーラ。
守護騎士の一人として何百年にも及ぶ戦いの人生を送り、今は影ながら仲間をサポートしている守護獣である。
客船へ向かっている筈の二人が、なぜ翠屋に立ち寄っているのか。
それはLの何気ない一言から始まった。
――その時Lとザフィーラの二人は黒の騎士団専用トレーラーに乗り、会場を南下していた。
運転手はザフィーラ。
最初はLが運転手に申し出たのだが、ザフィーラ本人がそれを却下。理由は「お前は考察に集中していろ」との事だった。
という訳でザフィーラを運転手にトレーラーは走行を続けていたのだが、ちょうどF-2の市街地に差し掛かったところでそれは起こった。
「ザフィーラさん、甘い物を持ってませんか?」
それまで押し黙り考察を続けていたLが突然口を開いたのだ。
質問の意味が分からず正直に「持っていない」と答えるザフィーラ。
その返答に難しそうな表情を浮かべ、デイバックから地図を引っ張り出すL。
そして数秒の思考の後、
「ここに書いてある翠屋という喫茶店に寄って下さい」
そうLはザフィーラに告げた。
なにか考察に必要なのだろうと、深く考えるずにザフィーラは了解した。
更に数分後、二人は喫茶店・翠屋に到着――今に至る。
「L……ここに何かあるのか?」
「ええ、推理に必要不可欠な物が此処にはあるはずです」
返事もそぞろに置いてある机の中の一つにLは近付いていく。
Lが探し求めていた物、それは――
□
数分後、ザフィーラは呆れたような顔を浮かべ、何十とある椅子の一つに腰掛けていた。
「……まだ終わらないのか?」
大きな溜め息と共に、もはや何度目か分からない問いを口にする。
「もう少し待って下さい。あとちょっとなんで……」
声は奥の厨房から届いた。同時にガサゴソと何かを漁るような音が聞こえる。
ザフィーラに出来る事は、Lが作業を終えるのを待つ事だけだった。
ふと窓の外に視線を移すと、そこ広がるは色彩を取り戻し始めた市街地。
街路樹や街灯が朝日に照らされ輝きを放っている。
(夜が明けたか……)
自分達がこのゲームに参加させられたから、早くも三時間近く経った。
Lと出会い、トレーラーを見付け、此処に立ち寄る。
長いようで短かかった三時間。自分達以外の58人は何をしているのだろう。
自分達のように主催の打倒を目指しているのか。それとも生き抜く為、または優勝する為に戦っているのか。
主は、守護騎士達は、機動六課の面々は無事なのか?
自分がこうしている間にも致命的な何かが発生しているのではないか?
自分はこんな所でノンビリしていて良いのか?
何かすべき事があるのではないか?
自分は――
「考え事ですか?」
とその時、ザフィーラの前方から不意に声が掛かる。
僅かな驚きと共に視線を前に戻すと、そこには奇妙な座り方で椅子に鎮座するLの姿があった。
「……目当ての物は見つかったのか?」
数秒の間を空け、ザフィーラが口を開く。
その言葉にコクリと首を縦に降るL。
右手には、指先サイズの白い立方体をこれでもかと詰めたビニール袋が握られている。
相変わらずの無表情のまま、Lはその中の一つを口へと運んだ。
「喫茶店と言うだけあって大量入手できました。ザフィーラさんもお一つどうで
すか?」
苦笑いを浮かべ、Lの申し出を丁重に断るザフィーラ。
そうですか、とだけ呟きLも窓の外を眺め始めた。
Lがこの喫茶店・翠屋に立ち寄った理由。
それは袋一杯の白色――角砂糖を手に入れる事であった。
異常なまでの甘党――それが世界最高の探偵Lが持つもう一つの顔。
その甘党っぷりは異常とも言え、推理中は勿論のこと日常生活に於いても甘い物を好んで摂取し続けていた。
摂取していないよりはしていた方が落ち着くし、推理や考察もはかどる。Lにとって糖分とはそれなりに大事な存在であった。
途中スーパーという魅力的な施設もあったが、残念な事に気付いた時にはもう過ぎ去っていた。
流石に道を引き返してまでスーパーに向かう、という図々しい事も出来ないし、
今は一刻を争う事態だという事も理解している。
という訳でもう一つ甘味が存在しそうな施設――喫茶店・翠屋に立ち寄ることに
したのだ。
そしてLは大量の角砂糖を入手する事に成功した――。
「ザフィーラさん」
数分に渡る沈黙の後、唐突にLが声を上げた。
外を見ていた筈の瞳は何時の間にかザフィーラへと向けられている。
「何だ?」
ザフィーラもまた真っ正面から視線を受け止め、答える。
「まだ質問に答えてもらってません。先程は何を考えてたんですか?」
む、と小さく声を上げ押し黙るザフィーラ。
その表情には僅かな焦りが見える。
(誤魔化せなかったか……)
大きく溜め息を吐き、ザフィーラが口を開く。
そこから紡ぎ出される内容は、先ほど頭によぎった仲間達の事、何もしていない自分に対しての不安。
嘘は見抜かれると思い、全てを正直に話した。
「……という訳だ。別に脱出や首輪について考えてたのではない。自分と仲間の事を考えていただけ……ただそれだけだ」
最後にそう締めくくったザフィーラの顔には自嘲的な物が含まれている。
Lはその表情を黙って見つめ、そして二つばかり角砂糖を口に含み――
「ザフィーラさんは馬鹿ですね」
――小さな声でしっかりとそう告げた。
Lが発した言葉にザフィーラの眉間に皺が寄り、目つきが鋭いものへと変化する。
「勘違いしないで下さい。決して悪い意味で言った訳では有りません」
ザフィーラの怒りを敏感に読み取り宥めるようにLが呟いた。
と、同時に角砂糖がまた一つ口の中へと消えていく。
「仲間がどう行動するか分からない…………当たり前じゃないですか。仲間とはいえ所詮は他人。分からないのが当たり前ですよ」
「しかし……!」
「でもそういうところで悩める人間が、本当に優しい人なんだと思います。そして、このゲームを破壊する為にはそんな優しさが必要なんですよ。
残念ながら私は社会性や協調性というものが著しく欠損しています。ですがザフィーラさんならそこをカバー出来る。
ザフィーラさんなら私の足りないところを補える。そう思っていますよ」
真っ直ぐな瞳でそう言うLを見てザフィーラは気が付いた。
不器用ながらも、Lが自分を励まそうとしている事に。
「……すまんな。気を使わせた」
「いえ、今の言葉は本心からの物です。励まそうと思って励ませる私は器用な人間ではありませんし」
Lが無表情にそう言い、そして角砂糖がまた一つ消費される。
ザフィーラはその光景に僅かに頬を緩ませ、心の中で深く頭を下げた。
「それでは行きましょう。めぼしいものは頂戴しましたし……こうしてる間にも殺し合いは続いていますしね」
「ああ、そうだな」
目指すは変わらず、I-2に設置されている客船。
仲間を救うため、ゲームを打開するため、二人は立ち上がろうとし――――瞬間、暴力的なまでの極光が二人の視界を占領した。
「何だったんでしょうね……さっきの」
突然の極光が止んでから数秒後、呆然とした様子でLが声を出した。
普段あまり感情を宿さないその顔も今は驚愕に染まっている。
それはザフィーラ同様。
光の発生した方角に唖然とした表情を向けていた。
「魔法……ですかね」
あまりに規模が違いすぎる光。もはや天災とも言える域の現象に、さしものLも思考が停止していた。
「分からん……が、あれだけの規模の魔法とは……」
それきり静寂が場を支配する。凍り付いた世界に漸くLの思考能力も回復を見せる。
灰色の脳細胞が全速で思考を開始。先程の光、そしてこれから自分達がどう行動すべきかを思索し始めた。
――自分達が目指すは客船。
そこにはこの会場に関する何かしらのヒントが隠されている筈だ。
それは言うなれば天から垂れる蜘蛛の糸。自分達にもたらされた数少ない希望の一つだ。
しかし、その希望に辿り着く為にはF-3を通らなくてはいけない。
橋を無視し南下する、という道も考えたが、如何せんこの巨大なトレーラー。
熟練の運転手ならまだしも、初心者のザフィーラさんや自分では地図中に書かれた大通りしか走行できないだろう。
客船に向かうには必ず通らなくてはいけない地域・F-3――つまり先程の光が発生した地点だ。
光を発生させた者が殺し合いに乗っているのか、いないのかは判断できない。
その術者が殺し合いに乗っていたとしたら最悪。今すぐにでも逃亡を始めるべきだ。
殺し合いに乗っていないとした僥倖。是非とも協力を願い出たい。
これはある種の賭け。
このままF-3に向かうか。遠回りをするか。
一つのミスが死を招く遊戯。間違いは許されない。
さてどうするか。
最善の手を探し求めて世界最高の探偵は思考を続ける。
そして数分後、Lが出した答えは――
□
日の昇り始めた市街地を一台のトレーラーが走っていた。
運転している者は褐色肌の男、ザフィーラ。
緊張した面持ちでハンドルを操っているが、その運転技術は初心者にしてはそれなりに高く、ゆっくりとだが比較的に安全運転で進行し続けていた。
「ザフィーラさん、運転変わりましょうか?」
そんなザフィーラへと助手席に座るLが語り掛けた。
右手には角砂糖入りのビニール袋が握られている。
「いや、いい。お前は頭を動かす事に専念していろ」
「そうですか」
Lの方を見ずに、というか見る余裕も無くザフィーラが答える。
Lもそれに頷くだけで、直ぐに窓の外へと視線を移した。
――結局、あれからLは進路を変更しない事を選んだ。
予定通り通信を行いつつ客船へ向かい、途中で仲間になってくれそうな参加者と出会ったら協力関係を結ぶ。
確かにF-3の市街地を通過する事は危険かもしれない。
だがLにはある確信があった。
(あれほどの光……術者は相当な実力者なのだろう。客観的に見ても、私やザフィーラさんの力で対抗する事は不可能。だが――――二発目はない)
考えてみれば単純な事だ。
隣接するエリアにまで届く異常なまで威力を有した攻撃――どんな魔導師だろうと消耗するはず。
それにザフィーラが言うには、この会場は魔力を練るのが普段以上に困難との事。
そのような状態であれ程の魔法を行使したらどうなるかなど、猿にだって分かる。
おそらく魔力は枯渇、とてもじゃないが他の参加者を襲う事は出来ないはずだ。
しかし――
(――この考えも所詮は推測でしかない)
そう。今考えいる事は証拠も何もない、仮説に仮説を重ねただけの推測。そして自分はその推測に賭けたのだ。
不安が無い訳ではない。
だが強者から逃げてばかりではゲームの破壊など到底不可能。消極的な判断は消極的な結果しか生まない。
キラ事件の時もそう。攻めに攻め、そして命を犠牲にして何とか事件解決に漕ぎ着けたのだ。
それに安全運転とはいえ、一キロ四方の区域を抜けるまで数分も掛からない。
更に、自分達は首輪探知機を持っている。
――大丈夫な筈だ。
と、最後に、自分を安心させるかのようにそう念じ思考を一旦打ち切るL。
角砂糖を口に運び窓の外を眺め始める。
(それにしても……これは……)
その口から漏れるは呆れと感嘆を含んだ溜め息。
F-3の様子はLの予想を遥かに越えて酷い物であった。
まるで怪獣映画のワンシーンの如く破壊され尽くした市街地。
無事な建物など一つも無い。
川に掛かっていた筈の橋も砕け散っており、無惨な残害を見せ付けていた。
建ち並んでいた筈のビル群も今は瓦礫の山と化し、F-2まではしっかり整備されていた道路も、そこら中に亀裂が入っている。
「……本当に凄まじい物ですね……はやてさんやなのはさんもこれ位の力を持ってるんですか?」
「ああ、リミッター無しの全力全開なら可能だろうな」
「……人は見掛けに寄りませんね……」
Lは実際に高町なのは達が戦闘している現場を見た事がない。
魔導師としての彼女達を見たのは、唯一空港火災での救助風景のみ。
相当な実力者という事も知ってはいるが、所詮はネット上の情報。他人の主観を通した情報だ。
高町なのはに匹敵する破壊を生で見た今、Lは改めてその恐ろしさを実感さた。
(個人が持つには余りに強力過ぎる力……まぁ、敵に回らないだけ幸いか……)
あまりに馬鹿げた、自分の常識を越えた破壊を目の当たりにし、Lは大きく溜め息を吐く。
――その時だった。
キキーッという甲高い音と共に、Lの体が前方へと流れる。
シートベルトが身体に食い込み内臓を圧迫。手に持っている袋から数個の角砂糖が零れ落ちた。
推理するまでもない――ザフィーラが急ブレーキを掛けたのだ。
「……ザフィーラさん……もうちょっと丁寧に運転してくれると嬉しいんですけど」
たっぷり数秒間圧迫された後、Lが皮肉気に声を上げる。
だがその皮肉に対するザフィーラの答えは謝罪では無かった。
「……さっきの光を見たか?」
ザフィーラが口にした疑問文。文字数にすればたったの十の短い文章。
だがこの十文字が物語を急転させる事を、この段階では誰も気付く事は出来なかった――
□
身体は金縛りに遭ったかのように動かず、視界は闇に包まれている。
数分前までは確かに感じていた月光も、今は見えない。
感じるのは闇と、そして鈍痛。
ピクリとも動いていないにも関わらず、身体は軋み悲鳴を上げ続けていた。
――何故、俺はこんな状況に陥っているのだ。
制止を振り切り走り出した少女を追い、一度は逃亡した市街地に戻った。
そこまでは覚えている。だがその後の記憶が引き出せない。
何がどうなって自分はこの暗闇の中に居るのか。
そもそもこの空間は何なのだ?
星一つ無い夜よりも暗く、まるで鼻と口を塞がれてるかの様に息苦しい。
ナノマシンの治癒も追い付かない。いや、追い付かないと言うより治癒した側から再度破壊されていく。
自分の置かれている状況が全く理解できない。
唯一把握できるのは、この状態が長く続けば命に関わるだろうという事のみ。
――このままでは死ぬ。
漠然とした焦燥が心の中で産声を上げる。
状況を打開する為の策を思案――解答は直ぐに導けた。
ARMS・『ブリューナグの槍』。全てを貫く光槍を使用するのだ。
幸いな事に右腕は変化している。おそらく意識を失う寸前まで行使していたのだ
ろう。
――動け!
半ば祈りにも似た命令に右腕が反応――手首から先だけだが僅かに動く。
手首を折り返し無理矢理に上方へと掌――光槍の銃口を向ける。
そして射出。
途端に襲う疲労感――これも制限の所為か。だが、ブリューナグの槍は放たれた。
この空間に何らかの変化を与えてくれる筈――――だが現実は冷酷である。
予想と反して依然視界は闇に包まれたまま。身体も動かない。
むしろブリューナグの槍を放った事による疲労が過剰されただけ。
状況は更に悪化を遂げた。
□
「さっきの光……? 翠屋で見た光……の事では有りませんよね」
「……ついさっき向こうの空に一筋の光が走った……」
「……それはどのような光でしたか?」
首輪探知機に視線を送りつつ、Lがザフィーラへと問い掛ける。
その問いにザフィーラは首を振り、そして口を開く。
「電気が収束したような青白い光だった。翠屋で見た光とは明らかに違う。術者はおそらく別人だ」
「そうですか」
――マズいな。
無表情な仮面の下、Lは小さく舌打ちをつく。
ザフィーラが考えている事に気づいてしまったからだ。
「他の参加者ですか……確かに魅力的ですが、取り敢えずはこの区域を抜けまし
ょう。
最初の光を放った術者が近くに潜んでいる可能性もありますし――」
「L」
「……何でしょう」
「他の参加者が居るとするのなら向かうべきだ。先の光に巻き込まれた者が助けを求めているのかもしれない」
――やっぱり。
正義感の強いザフィーラなら絶対にその思考に至る。
確かにザフィーラの言う通り、何者かが助けを求めてる可能性も高い。しかし、実際にそうだとしても向かうべきではない。
この区域は危険なのだ。そして自分達は大した戦力を持っている訳ではない。
まずは自分達の命を優先すべきだ。
「ザフィーラさん。あなたの気持ちも分かりますが、今は引くべきです。最初の光を見て他の参加者も――殺し合いに乗っている者も集まって来るかもしれませ
ん。それに参加者をおびき寄せる為の罠という可能性もある。まずはこの区域を離れた方が良い」
必死の説得も虚しくザフィーラは首を横に振る。
そして眩しいくらいに真っ直ぐな瞳をLに向け、口を開く。
「……確かに此処は危険だ。だが退けん。助けを求めている者が居るのなら救出すべきだし、罠だとしたら尚更だ。
殺し合いに乗っている奴が居るのなら、叩いておくべきだ」
その言葉にLは大きな溜め息を吐く事しか出来なかった。
――自分がどんな御託を並べようとこの男は引かない。別行動を取る事になろうと、光が発生した方に向かうだろう。
此処で説得を続けたとしても裏目に出るだけ。下手をすれば信頼関係にヒビが入る。
ならば――
「……分かりました、光の発生した方に向かいましょう。ですが、逃げる準備だけは何時でもしておいて下さい」
――結局はこちらが妥協するしかない。危険だと分かっているがその道を進むしかない。
決して良策とは言えない行動だが、ここで信頼関係を崩すのは更にマズい事態を引き起こす。
(行くしかない、か……)
不安を隠すかのようにLは角砂糖を口に放り入れた。
□
ザフィーラが空に走る光を見てから数分後、二人は崩壊した市街地の中を歩いていた。
光の元へ向かうには大通りを外れ、細道を通るしかなかったのでトレーラーを降りざるを得なかった。
「首輪の反応が二つ?」
「ええ。ちょうど直線方向に並んで二つばかり」
ザフィーラに探知機を渡し角砂糖を口に運ぶL。
Lの言葉通り、探知機には二つの光点が映っている。それにどちらも同じ方角だ。
探知機の策敵範囲は50メートル。どちらも視認できておかしくない距離にいる。
しかし、視界に映るのは瓦礫の山ばかり。
パッと見ただけでは人らしき物は確認できない。
「光点が動いていないという事はそれ程の重傷を負っているか、何かしらのショックで気絶しているか、それとも死んでいるか…………取り敢えず探しましょうか」
「分かった」
その言葉を皮切りに二人は市街地を探索し始めた。
幸いなことに、二つの光点の内一つは直ぐに発見できた。
その人物は、有りがちな制服を纏ったツインテールの少女。
髪の色は紫色と派手だが、それを除けば何処にでも居る平凡な女子高生であった。
「一般人……ですかね」
見た目は一般人。
とはいえ、高町なのはのように見た目とは裏腹の実力を持っている可能性も充分にある。警戒はしておくべきだ。
それにこの少女はデイバックを三つも所有している。隙を見て奪ったか、殺して奪ったか、それとも偶然拾ったか。
――兎も角、警戒はしておいて損はない。
「ザフィーラさん。念の為、この少女を拘束しておきます」
少女が持つ三個のデイバックの存在に気付いているのか、Lの意見に反対する事なくザフィーラも首を縦に振る。
Lはランダム支給品の一つ、ガムテープを取り出し、少女をグルグルに縛り上げた。
「……これで大丈夫でしょう。さて、もう一つの反応ですが……」
探知機の光点は、他の参加者が自分達の直ぐ近くに居ると知らせている。
だというのに人の姿は何処にも見当たらない。
見えるのは元はビルだったであろう瓦礫の山のみ。
反応はあるのに姿が無い。それが意味する事は――
「……トレーラーに戻りましょう」
「……何を言っている。もう一人の参加者を探さなくては」
突然のLの言葉に、ザフィーラの眉が不審げに寄せられる。
「……無駄ですよ」
「なに?」
「確かに首輪の反応はあります。ですが参加者らしき姿は見えない。その代わりにあるのは瓦礫の山……分かりませんか?
おそらく、あの光が発生した時、その参加者はビルの中に隠れていたのでしょう。しかしビルはその圧倒的な破壊力に耐えきれず倒壊。中に居た参加者ごと瓦礫と化した……」
ザフィーラの表情が不審から痛みを耐えるような物へと変わる。
Lにはその背中が何時もより一回りも二回りも小さく見えた。
「ザフィーラさんが見た光はこの少女が打ち上げたと見て間違いないでしょう。それが支給品による力か彼女自身の力なのかは分かりませんがね」
「……そうか」
このゲームが開始してから初めて遭遇した人の死。
それがザフィーラの心の中で悔しさとなって燃え上がる。
「……行きましょう、ザフィーラさん」
「……ああ」
そして一人の守護獣は顔を上げ、前を見据える。
誰も死なせずにゲームから脱出する――そんな理想は見事に砕け散った。
だが主と仲間は殺させない。それだけは絶対に守り通してみせる。
新たな決意と共に二人は歩き始め――
「ッ!?」
「なッ!!」
――同時に真後ろに有った瓦礫の山から朝焼けの空へと、一筋の光線が疾走した。
□
あれから何分経っただろうか?
もはや意識を保つ事すらキツい。
身体の痛みは増加し、思考能力が低下する。
苦しい。
痛い。
重い。
死ぬのか?
ふざけるな。
こんな訳の分からない所で死んでたまるか。
最後の最後まで足掻いてやる。
風前の灯火と化した気力を振り絞り、ARMSに意識を集中させる。
おそらくこれが最後の一発。
余熱でARMSが溶けようと知った事ではない。
力を収束――発射。
制限下での『ブリューナグの槍』連射、この異常としか言えない状況が相乗し疲労が加速度的に増大――意識を保てない。
闇に――意識が――吸い――込ま――れ――る。
□
「ザフィーラさん! そこの瓦礫です!」
Lが叫ぶよりも早く、ザフィーラは瓦礫の撤去に取り掛かっていた。
成る程、良く近付いてみれば分かる。
確かにその瓦礫の山だけ、何かが貫通したような穴が空いていた。
おそらく生き埋めの状態から何かしらの攻撃を放ったのだろう。
それは幾多にも折り重なった瓦礫を貫き、空へと消えていった。
その一発目は術者の存在を気付かせ、そして二発目は術者の生存を気付かせた。
(ビルの倒壊にも耐える頑強さ、瓦礫を貫く光線……埋まっている者も人間離れした力を持つ参加者か……)
ザフィーラが取り除く物より二回りほど小さな瓦礫を放り投げつつ、Lはあらゆる可能性を考える。
久方振りの肉体労働に汗を流しながらも、Lの思考は止まらない――。
戦闘を止める為に少女が放った巨大な光――それは狂人を吹き飛ばし、一人の男を生き埋めにした。
生き延びる為に男が放った光――それは本来ならば客船に向かう筈だった二人の男を呼び止め、狂人を拾わせた。
夜の電灯に吸い寄せられる哀れな虫の如く、二人の男は窮地へと足を踏み入れた。
1日目 早朝】
【現在地 F-3 市街地】
【L@L change the world after story】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、首輪探知機、ランダム支給品0~1個(確認済み、少なくとも武器には使えない) 、ガムテープ@オリジナル
【思考】
基本 プレシアの野望を阻止し、ゲームから帰還する。
ゲームに乗った相手は、説得が不可能ならば容赦しない。
1.瓦礫の下に埋まっている参加者を救う。
2.通信を行いながら南下し、船を調べる。その後は駅を調べにいく
3.誰かと連絡がついたら、その人と情報交換、味方であるなら合流
4.首輪を入手したら、トレーラーの設備を使って解析
【備考】
※第三話からの参戦です
※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました
※盗聴の可能性に気付きました。
また、常時ではないにしろ、監視されている可能性もあると考えています
※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています
※ザフィーラ以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストは、ゲームに乗っている可能性があると判断しています
※黒の騎士団専用車両にあったのは、黒の騎士団専用トレーラー@コードギアス 反目のスバル でした
※トレーラーはF-3の大通りに放置されています
【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状況】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3個
【思考】
基本:プレシアの野望を阻止し、ゲームから帰還する。
ゲームに乗った相手は、説得が不可能ならば容赦しない
1.瓦礫の下に埋まっている参加者を救う。
2.Lと行動を共にする
3.機動六課の面々並びにヴィヴィオ、ユーノとの合流。
特にはやてとヴォルケンリッター、フェイトは最優先とする
4.首輪の入手
【備考】
※本編終了後からの参戦です
※参加者の中には、平行世界から呼び出された者がいる事に気付きました
※盗聴の可能性に気付きました。
また、常時ではないにしろ、監視されている可能性もあると考えています
※クアットロは確実にゲームに乗っていると判断しています
※自分以外の守護騎士、チンク、ディエチ、ルーテシア、ゼストは、ゲームに乗っている可能性があると判断しています
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】疲労(大)、肋骨数本骨折、全身打撲、一時間変身不可(デルタ、王蛇)、ガムテープにより拘束中
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、デルタギア一式@魔法少女リリカルなのはマスカレード
【道具】支給品一式×3、ランダム支給品0~6個 、デルタギアケース@魔法少女リリカルなのはマスカレード
【思考】
基本 みんな殺して生き残る!
1. 気絶中
2. 幼はやてとセフィロスを殺す
3. エリオやなのはの気持ちを無駄にしないためにも戦う
【備考】
※なの☆すた第一話からの参戦です
※デルタギアに適合しなかった後遺症として、凶暴化と電気を放つ能力を得ました
※デモンズスレートによる凶暴化は数時間続きます
※ユーザーズガイドを読めばデルタギアの全てを理解することが出来ます
※ベノスネーカーとメタルゲラスは回復中です。餌を食べれば回復は早まります
※王蛇のカードデッキには、未契約カードがあと一枚入ってます
※参加者名簿や地図、デイパッグの中身は一切確認していません
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし、何かのきっかけで思い出すかもしれません
※自分が最強だと思っています
※高揚する闘争心により怪我の痛み、身体の疲労を感じていません
【アレックス@ARMSクロス『シルバー』】
【状態】気絶、疲労(極大)、左腕欠損(再生中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、はやての車@魔法少女リリカルなのはStrikerS、サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル龍騎、
ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本 この殺し合いを管理局の勝利という形で終わらせる
1.気絶中
2.機動六課隊舎へ向かう
3.六課メンバーとの合流
4.キース・レッドに彼が所属する組織のことを尋問
5.キース・レッドの首輪の破壊
【備考】
※身体にかかった制限を把握しました
※セフィロスはゲームにのっていると思っています
※幼はやては管理局員だと思っています
※幼はやてはセフィロスに騙されて一緒にいると思っています
※キース・レッド、管理局員以外の生死にはあまり興味がありません
※左腕は朝までには再生すると思われます
※参加者に配られた武器には、ARMS殺しに似たプログラムが組み込まれていると思っています
※殺し合いにキース・レッド、サイボーグのいた組織が関与していると思っています
【ガムテープ@オリジナル】
現実のホームセンターとかで売っている普通のガムテープです。
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