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「絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~」(2010/05/17 (月) 21:33:10) の最新版変更点
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*絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~ ◆jiPkKgmerY
「ふはっはっはは……は、はははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
破壊の権化が占領する空に最強の吸血鬼が吸い込まれていく。
その破壊を待ち望んでいたかのように両手を広げ、明確な死へと向かって、距離を詰めていく。
「――だがな」
不死王は不意に動いた。
先程までの爆笑は一瞬で鳴りを潜め、虚しげな笑みを浮かべたまま、男は右腕の十字架を構える。
縦棒の短い方を、近くに飛ぶ瓦礫へと向けた。
「貴様に殺される訳にはいかんのだよ」
まるでロケットランチャーを発射するかのように十字架を構え姿勢で、男は呟く。
――そして十字架から黒い流星が発射された。
流星は狙いすました通りに瓦礫に直撃、周囲に真紅の花を咲かせ烈風を巻き起こす。
その真紅に全身を舐められながらも不死王は烈風に弾き飛ばされ、地面へと落下、易々と着地した。
同時に破壊の権化が急速に空気の中へ溶けていき、消滅。
不死王は死の光球からの脱出に成功した。
「化物を倒すのはいつだって人間だ……人間でなくてはいけないのだ!」
その言葉は誰に向けられたものか。
男、アーカードは破壊が消え再び広がった青空へと叫んだ。
「……さて大分飛ばされたな」
瓦礫の山と化した市街地を見渡す。
周りにあの素晴らしい闘争を与えてくれた人間達は居なかった。
だが、アンデルセンやあの剣士があれで死ぬとは思えない。
という事はあの場所に再び集結する可能性もあるか?
「……まぁ良い、時間は山のようにある。何をしても無駄ということは無いだろう」
アーカードは十字架を片手に握り空を見上げる。
十字架―――これにはガトリングとランチャーが備え付けられている。
このドクロの持ち手がトリガー、回転させる事により切り替えを行うらしい。
気付いたのは先の剣士との戦いの直前。
十字架を包む小汚い布を取り去った時だ。
明らかに通常の十字架とは違った風貌、少し観察するだけで気付いた。
早速、光球の脱出に利用させてもらったが、成る程なかなかな破壊力を有している。
「だがこれでは面白くないな……」
吸血鬼さえも殺しきるであろう兵装。
人間相手に振るうにはあまりに過ぎた兵器。
だからこそ、アーカードは先のセフィロスとの戦闘でパニッシャーの真の力を使わなかった。
それでは余りにつまらないからだ。
それでなくともアーカードは異常な力を持っている。
力を出し惜しみするつもりでは無いが、この武器は強すぎる。
アーカードの身体能力でパニッシャーを扱えば、それこそ誰が相手であろうと戦闘を楽しむ暇すら与えられないだろう。
だからこそアーカードはパニッシャーを銃器としては使用しなかった。
使うとしたら、それは更なる強者が現れた時のみ。
セフィロスやアンデルセンのような、いやそれすらも越えた強者。
それは更なる力を発揮した彼等自身かもしれないし、また全然関係のない別の人物かもしれない。
アーカードはパニッシャーから延びた紐を肩に掛け、空を見上げる。
彼の大嫌いな太陽がそこにはあった。
「十字架の武器とはな……この武器の持ち主は吸血鬼ハンターか?」
吸血鬼ハンター――自身の口から出た言葉にアーカードは自分を従えるマスターの姿を思い出した。
――主人、お前は今どこで何をしている?
お前が命じない限り私は止まらない。
ヘルシングの狗としてではなく、ただの吸血鬼として人間達へ平等に死をばらまく。
お前の事だ。誰かと手を組み主催者の打倒を目指しているのだろう。
だが、どうする?
お前が俺を止める前に全てを滅ぼしてしまったら?
お前の仲間の仲間を殺してしまったら?
お前はどうするのだ?
迅速に行動しろ、インテグラ。
ヘルシング局長として。
奴の血を引く者として。
我が主人として。
この遊戯を打ち破ってみせろ。
「期待して待っているぞ」
一笑と共に吸血鬼は歩き始める。
十字架を持ち、日光に照らされてもその吸血鬼は眉一つ動かすことはない。
彼を止めるのは、化け物か、人間か、それとも主か。
吸血鬼は崩壊の市街地を闊歩する。
果てぬ夢はまだ終わらない。
【1日目 朝】
【現在地 G-5】
【アーカード@NANOSING】
【状況】疲労(中)
【装備】パニッシャー(砲弾残弾100%/ロケットランチャー残弾80%)@リリカルニコラス
【道具】首輪(アグモン)、拡声器@現実、基本支給品一式
【思考】
基本:インテグラルを探しつつ、闘争を楽しむ。
1.戦場に戻る。
2.Devil May Cryにて、自分に闘争を挑む人間が来るのを待つ。
3.アンデルセンとスバル達に期待。
【備考】
※スバルがNANOSINGのスバルと別人であると気付きました。
※パニッシャーが銃器だという事に気付きました。が、相当な強者にしか使用するつもりはありません。
※放送を聞き逃しました。
■
飛行と言うには余りに無理矢理な方法で、アンデルセンは空を飛んでいた。
着地法など考えていない、というか思い付かない。
この噴出に掛けたカートリッジ一発分の魔力が尽きるまで、アンデルセンはグルグルと回りながら待つことしか出来ないかった。
グラーフアイゼンのラケーテンフォルムによるロケット噴射。
それがアンデルセンの考え付いたエンジェルアームからの脱出方法であった。
宙に巻き上げられてるなか、驚愕に頭を沸騰させながらも迅速にカートリッジを装填し、直ぐにリロード。
ラケーテンフォルムへと移行させ、その推進力で脱出する。
操作不可、カートリッジの消費、不明な着地点、数々の難点があったが、あの時点でアーカードが思い付いた脱出方法はコレしかなかった。
もう一分近く、高速で回り続けている。
流石のアンデルセンと言えど、そろそろ停止を願いたいところであった。
そして空の旅は不意に終わりを告げる。
アンデルセンの行く手に破壊を免れた一棟のビルが現れたのだ。
アンデルセンには避けようが無い。
ただ片手で顔を覆い、衝撃に耐える事のみ。
数瞬後、轟音と共にビルへと突っ込むアンデルセン。激突した箇所がガラス窓だったのは幸運と言ったところか。
「チッ、ここは何処だ……」
ガラスにより負った切り傷の治癒はもう始まっていた。
アンデルセンは立ち上がり元の姿に戻ったグラーフアイゼンを拾い上げる。
部屋を見渡すが人の気配は無し。
アンデルセンは近くに置いてあった椅子を寄せその上に腰を下ろすと、デイバックから水を取り出し喉を潤した。
次いでカラー印刷された地図を取り出し、目を通す。
「駄目だな、目印になる建物がねぇ」
だが数秒で地図を仕舞う羽目になる。
地上本部など、目印となる建築物が見えない状況で位置を把握できる程アンデルセンは測量に詳しくない。
「さて、どうする……」
位置確認を諦めたアンデルセンは、椅子を揺らしながら思考を巡らす。
現在の第一目標はアーカードの討伐。
だが、今から先程の場所に向かうにしても瓦礫だらけとなり目印が一つもない状況で辿り着ける気がしない。
ならば先の光弾が発射された方に向かうか。
あの光弾は南東から飛んできた。
おそらく化け物の一人が狙い撃ったのだろう。
異常な破壊力、異常な射程、おそらくはアーカードにも迫る化け物の仕業。
コイツから狩るのもまた一興。
その次いでにはぐれたヴァッシュの探索でもすれば良い。
「待ってろよ、化物(フリークス)共」
光弾を撃った人物、アーカード、ミレニアム――――この場には塵に返すべき塵が多すぎる。
いや、これ程の量の化物共を一層できるのだ、寧ろ好機と受け取った方がいい。
これもまた神の導き。憐れな狂信者はそれに従うのみだ。
「Amen」
数分にも満たない休息の後、アンデルセンは日に満ちた市街地へと足を踏み出した。
彼の目には僅かな迷いも存在しない。
神のため、法皇のため、何より自分が自分であるため、アンデルセンは進み続ける。
【1日目 朝】
【現在地 G-6】
【アレクサンド・アンデルセン@NANOSHING】
【状態】疲労(中)
【装備】グラーフアイゼン(0/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】各種弾薬(各30発ずつ)、カートリッジ(23/30)、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER
杖@ゲッターロボ昴、基本支給品一式。
【思考】
基本:この場から脱出する。売女(プレシア)の言う通りにするつもりはない。
1.南に向かい、光弾を放った化物を殺す。ついでにヴァッシュを探す。
2.仲間を集める。また、優しい神父として振る舞う。
3.最後の大隊は皆殺し。
4.異教徒共と化け物については一先ず保留。ただし、殺意を抑えられるか……?
5.脱出に必要な情報を集める。
6.脱出が不可能な場合は優勝を狙う。
【備考】
※第九話終了後からの参戦です。
※制限に気付きました。
※クアットロが魔法少女リリカルなのはStrikerSからの参戦とは気付いていません。
※グラーフアイゼンはアンデルセンを警戒しています。
※アンジールを最後の大隊の構成員だと判断しました。
※放送を聞き逃しました。
■
覚醒を果たした時、セフィロスは既に空中へと舞上げられていた。
瞬時にセフィロスは事態の異常に気付き、状況の理解に努めた。
――白色の世界。
――宙に巻き上がる瓦礫、そして自分。
――その先には、凶々しい光を放つ巨大な球体。
――あの光球はマズい。
そう判断したセフィロスは、宙に翻弄されつつも片翼を発動し、服を掴んだまま気絶しているはやて毎、空を疾走した。
そして辿り着いたのは一つのビル。
しかし片翼発動の疲労、アーカードから受けたダメージが重なりセフィロスは屋上に舞い降りると共に気を失った。
数分後、目を覚ましたのは八神はやて。
また助けられたことに気付き、再び自己嫌悪に陥りかけるが、頬を叩き無理やりに活力を注入。
セフィロスを引き摺る形でビルの中に身を隠した。
それからはやてのしたことは、自分、そしてセフィロスのデイバック漁り。
どんな些細な物でも良いから、セフィロスの治療を促進できる道具が無いか確かめるためだ。
だが、セフィロスのデイバックには武器と基本支給品しか入っていない。
自分のデイバックもそう。
前に確認した通り、マハとデュエルディスク以外の支給品は入ってなかった。
何も出来ない――――再び自分の無力さを思い知らされる。
失いたくないのに。
リインや、シグナムのように、もう誰も失いたくないのに。
自分は何も出来ない。何が夜天の主、何が歩くロストロギアだ。
大切な人さえ救えない私にそんな大層な名前を名乗る資格なんてない。
はやては傷心を抱え、ただうなだれることしか出来なかった。
―――この時、幸運の女神が笑い掛けてくれていることにはやては気付いていなかった。
俯くはやての足元に転がっている古ボケた小さな巾着袋。
つい先程、はやてが引っくり返したデイバックから転がり落ちた物だが、はやてはそれに気付けなかった。
それは先に行った支給品の確認の際にも、あまりの小ささに気付く事がなかったアイテム。
はやては知る由も無いことだが、その中には大豆のような豆が二個だけ入っている。
食糧の一種、という訳ではない。
それは食した者の身体を完全に回復させる魔法のような代物。
名は仙豆という。
制限により全快とまではいかないが、一粒食べさせるだけセフィロスの身体は大幅に回復する筈だ。
だがはやては気付かない。
思考を止め、自己嫌悪の殻に閉じこもってしまっている。
「セフィロスさん……」
喉から手が出る程に求めている物が直ぐ足元にあるのに、少女はただ涙を流し続ける。
罪悪感がその純粋な心を蝕み続ける。
螺旋階段を一段一段降りていくように、少しずつ少しずつ増していく自責の念。
それは真綿で首を締めるようにはやてを苦しめていく。
苦心のはやてはそれに気付き、セフィロスを救うことが出来るのか?
それは神のみぞ知る、だった。
【1日目 朝】
【現在地 F-5 ビルの中】
【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】疲労(大)、魔力消費(大)、体中にダメージ 、気絶中
【装備】バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、
【道具】支給品一式×3、 トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、ランダム支給品0~4個
【思考】
基本 元の世界に戻って人類抹殺
0.気絶中
1.状況が落ち着いたら、八神はやてと共に機動六課隊舎へ向かう
2.アレックスに会ったら誤解を解く
【備考】
※現在行動を共にしている八神はやてが、本物の八神はやてであると認識しました
※機動六課でのことをはやてに自ら話すつもりはありませんが、聞かれれば話します
※身体にかかった制限を把握しました
※アレックスが制限を受けていることを把握しました
※八神はやてが無事なことから、アレックスはゲームにのってないと判断しました
※殺し合いを止めるというスタンスは尊重するが、不可能と悟った時には殺すことも辞さない つもりです
※参加者同士の記憶の食い違いがあることは把握していますが、特に気にしていません
※トライアクセラーで起動するバイク(ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~)は、立体駐車場に埋もれていると思っています。
とはいえ、運転はできないので、無理に探すつもりはありません。
※「リリカル龍騎」における仮面ライダーの情報を得ました
※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があるのではないかと思っています
※放送を聞き逃しました。
※ランダム支給品0~4個の中に、治療に使えそうアイテムは入っていませんでした。
※正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使はG-5・市街地に落ちています。
【八神はやて(A's)@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】疲労(小)、魔力消費(小)、自己嫌悪
【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、憑神刀(マハ)@.hack//Lightning
【道具】支給品一式
【思考】
基本 殺し合いを止め、誰にも悲しい思いをさせない
0.ごめんな……セフィロスさん
1. セフィロスが目を覚ますまで、見守る
2. 仲間たちと合流
3. アレックスに会ったら、殴ったことを謝る
【備考】
※セフィロスが自分を知っていることを知りません
※憑神刀のプロテクトは外れました
※憑神刀の中にシグナムの面影を見出しました。憑神刀にシグナムを投影している傾向があります
※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があると思っています
※足元に仙豆が入った袋@ドラゴンボールZクロスが落ちています。気付くか、気付かないは後の書き手さんに任せます。
※放送を聞き逃しました。
■
アンジールは呆然と虚空を見詰めていた。
意識はとうの昔に回復した。身体も、ダメージはあるが動けない程ではない。
なのに行動を開始できない。身体に力も気合いも入らない。
遠方にて発生した、超常的な破壊を成した光弾にも、身体は反応しない。
その原因は数分前に流された放送であった。
いや、放送にて呼ばれた一人の名前と呼んだ方が正解か。
『――ディエチ』
感情に乏しい面があったが優しい妹だった。
誰もが当たり前の事だと思っていた戦いという行動に対し、一人迷いを見せていた少女。
機械仕掛けとは思えない「心」を持った少女であった。
「何故だ……」
小さな呟きが小さな応接間に霧散する。
強く握り込まれたアンジールの右手は僅かに震えていた。
「何故だッ!」
テーブルが真っ二つにへし折れた。
アンジールの右手が、感情に任せ叩き付けられたからだ。
だがそれでもアンジールの心は晴れない。心に空いた穴が塞がることはない。
「何故あいつが死ななければいけないんだ……!」
涙は流れなかった。
ただ自分に対して憤怒が湧き上がる。
何もできなかった自分に、何もしていない自分に、怒りだけが募る。
非運などではない。
単純に自分の力が足りなかったのだ。
自分がもっと迅速に行動していれば、自分があの男達を退け先に進めていれば、
もしかしたら助けられたのかもしれない。
―――何がいけない?
―――何を間違えた?
―――自分はどうすれば良かったのだ?
「俺は……俺は……」
目を覚ました時、奴らは消えていた。
拳銃一丁を残し、全ての武器を奪い、奴らは消えた。
身ぐるみを剥ぎ取り、気絶している自分を放置して何処かへ去っていた。
俺を止める為、わざわざ追い掛けてきてまで自分と戦ったヴァッシュからは考えられない行動。
これが―――気絶した者から武器を奪い、放置する事が、奴の言う殺し合いを止める為の手段なのか?
分からなくなる。
自分は奴を買い被りすぎているのか?
これが奴の本質なのか?
「俺が甘かったのか……?」
元々あの狂人とヴァッシュは手を組んでおり、自分はヴァッシュが演じた仮の姿に騙され、殺意が挫かれ、力の全てを出し切れずに敗北。
そして武装を解除され、放置された。
考えてみれば、狂人が行った最後の不意打ちも充分な殺意が込められたものであった。
残された拳銃は精々足掻いてみせろとの嘲りか。
分からない。
ヴァッシュが身を呈し自分と狂人の戦闘を止めたのも事実。
ヴァッシュが自分を殺すつもりがなかった事も事実。
だが最後の狂人が行った不意打ちに殺意が込められていたのも事実。
最終的に、武器を奪うだけ奪って見知らぬ場所に放置したのも事実。
どちらかが偽で、どちらかが真。
―――長い長い思考の後、アンジールは答えを出した。
「……俺が間違っていた」
それだけ呟き、アンジールは拳銃を片手に立ち上がり、外へと退出した。
―――俺が甘かったのだ。
奴らは手を組み、参加者を騙し陥れる卑劣な害敵。
最初にヴァッシュが戦闘の間に入ったのも、そういう段取りだったのだろう。
身を呈し、命を賭けたように見せ、信用を買う、それが奴らの手段。
今考えれば可笑しな点もあった。
ヴァッシュは狂人の一撃を腹に受け、口から血を流した。それは内臓にダメージを受けた証拠だ。
なのに、奴は俺と戦闘をする為に駆けて来た。そしてダメージを全く感じられない動きで、自分と同等の戦闘を繰り広げた。
―――おかしい。狂人の一撃を受け、ダメージを負ったにも関わらず、何故あんな動きが出来た。
―――考えられる答えは一つ。
―――つまり、あれは演技。
―――ヴァッシュは事前に決められたタイミングで間に入り、狂人は事前に決められたように力を緩める。
―――ヴァッシュは口から血を流しダメージを負った風に見せ、死さえ厭わずに殺し合いを止める戦士に見せ掛けたのだ。
―――つまり自分は騙されたのだ。
「学ばせてもらったぞ、ヴァッシュ」
そして後は二人で協力し、ヴァッシュは不殺を貫く戦士として戦い自分の油断を誘い、狂人はその油断につけ込み自分を仕留めた。
生きていたのは幸運だっただけ。
奴らもからかいを込めて拳銃だけを残し全てを奪って、何処かに消え失せた。
「俺は甘かった。甘かったから遅れを取り、甘かったから妹を助けられなかった…………だがな、もう二度と間違えない」
ディエチの死を知り、奴らの姦計に気付き、目が覚めた。決意が、固まった。
どんな奴だろうと、妹達以外の参加者は全て敵だ。
妹達に危険が及ばぬよう、全てを排除する。
ヴァッシュも、狂人も、セフィロスも、先程の異常な光弾を放った奴も―――全て殺す。
「これ以上の犠牲は決して出さん。それが俺のできる全てだ」
―――ヴァッシュがアンジールを放置した理由は、ナイブズとの戦いに巻き込ませない為。
武器を置いていかなかった理由は、アンデルセンが持っている為。
銃を置いていった理由は、せめてもの償いの現れ。
ヴァッシュの行動、その悉くを悪い方、悪い方へと剣士は捉えてしまった。
もし、あの放送で妹の名が呼ばれなければ、まだ冷静な判断ができたのかもしれない。
だが、今のアンジールにはそれが出来ない。彼の中で答えはもう形成されてしまっている。
その考察の殆どが間違っていることなど知らずに、剣士は修羅の道へと一歩を踏み出した。
【1日目 朝】
【現在地 G-6 ビルの中】
【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】疲労(小) 、頭部打撲(小)、右脚と左肩に銃創、決意
【装備】アイボリー(7/10)@Devil never strikers
【道具】支給品一式、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:妹達(クアットロ、チンク)を守る。
1.チンクを保護するためにも、スカリエッティのアジトを目指す。
2.妹達以外の全てを殺す。
3.武器を手に入れたい。
4.ヴァッシュ、アンデルセンには必ず借りを返す。
5.セフィロス……
【備考】
※第七話終了~第八話、からの参戦です。
※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。
もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。
※制限に気が付きました。
※ヴァッシュ達に騙されたと思っています。
■
「あ、あああ、あ……」
様々な戦乱に耐えてきた病院、その残骸の中心にてヴァッシュは一人涙を流していた。
過去に殺した大都市の住民達を思い、泣いているのか?
死んでしまった仲間を思い、泣いているのか?
禁忌の力を発動してしまった事に対して泣いているのか?
おそらくどの候補に対しても男は涙を流すだろうが、今の涙はそのどれにも当てはまることは無かった。
「フェイト、フェイト……」
涙に覆われた男の視線は、目の前の死体へと向けられていた。
それは、数十の肉片へと斬り刻まれた惨たらしいバラバラ死体。
ただ不思議なことに頭部だけは傷一つ無く、その死体の正体が誰なのか、男には分かってしまった。
それはフェイト・T・ハラオウン―――厳密に言えば、男が知っている姿から十年の年月を重ねているフェイト・T・ハラオウン―――の死体であった。
しかし錯乱状態にいる男はそれが大人となったフェイトの姿だと気付けない。
ただ自分の手で大切な仲間を殺したことに呻き、涙を流し続きることしか出来なかった。
―――殺してしまった。
―――自分の手で、フェイトを、仲間を、なのはの親友を、苦しむ自分を助けようと近付いてきたフェイトを、斬り殺してしまった。
「うあぁぁぁあああああああああああああああ………」
壊れてしまったかのように声帯は意味を成さない音しか出さない。
封印されていた記憶が、自分を支えてくれた仲間の死が、人を――仲間を殺害してしまった事実が、男の精神を押し潰す。
―――男は怖かった。
―――また自分の力が制御不能になることが。
―――自分の意志に反し行動する左腕が。
―――遭遇する人をまた殺害してしまうことが。
不意に男は立ち上がりその場から立ち去る。
涙を流し続けたまま、左肩を潰すかのように握り締め、人に遭遇しないように――――ただそれだけを望み男は走り始めた。
その両肩から生える翼が、逆光に照らされる。まるでその姿は羽根を生やした天使の如く見えた。
【1日目 朝】
【現在地 H-6】
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、悲しみ、錯乱 、融合、黒髪化三割
【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish
【道具】なし
【思考】
基本:どうしたら良いか分からない。
1.誰にも遭わないように逃げる。
【備考】
※第八話終了後からの参戦です。
※制限に気付いていません。
※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。
※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。
※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。
&color(red){【フェイト・T・ハラオウン(StS)@仮面ライダーカブト 死亡】}
※病院が崩れ落ちました。
※フェイトの死体、デイバッグ、基本支給品、大剣・大百足@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえるがH-6・病院跡地に放置されています。
|Back:[[絶望の罪人~双翼~]]|時系列順で読む|Next:[[牙を持つカード]]|
|~|投下順で読む|Next:[[牙を持つカード]]|
|~|アーカード|Next:[[XANADO]]|
|~|セフィロス|Next:[[月蝕]]|
|~|八神はやて(A's)|Next:[[月蝕]]|
|~|アレクサンド・アンデルセン|Next:[[Burning Dark(前編)]]|
|~|ヴァッシュ・ザ・スタンピード|Next:[[Face]]|
|~|アンジール・ヒューレー|Next:[[月蝕]]|
|~|キース・レッド|Next:[[Reconquista(前編)]]|
|~|&color(red){フェイト・T・ハラオウン(StS)}|&color(red){GAME OVER}|
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*絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~ ◆jiPkKgmerY
「ふはっはっはは……は、はははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
破壊の権化が占領する空に最強の吸血鬼が吸い込まれていく。
その破壊を待ち望んでいたかのように両手を広げ、明確な死へと向かって、距離を詰めていく。
「――だがな」
不死王は不意に動いた。
先程までの爆笑は一瞬で鳴りを潜め、虚しげな笑みを浮かべたまま、男は右腕の十字架を構える。
縦棒の短い方を、近くに飛ぶ瓦礫へと向けた。
「貴様に殺される訳にはいかんのだよ」
まるでロケットランチャーを発射するかのように十字架を構え姿勢で、男は呟く。
――そして十字架から黒い流星が発射された。
流星は狙いすました通りに瓦礫に直撃、周囲に真紅の花を咲かせ烈風を巻き起こす。
その真紅に全身を舐められながらも不死王は烈風に弾き飛ばされ、地面へと落下、易々と着地した。
同時に破壊の権化が急速に空気の中へ溶けていき、消滅。
不死王は死の光球からの脱出に成功した。
「化物を倒すのはいつだって人間だ……人間でなくてはいけないのだ!」
その言葉は誰に向けられたものか。
男、アーカードは破壊が消え再び広がった青空へと叫んだ。
「……さて大分飛ばされたな」
瓦礫の山と化した市街地を見渡す。
周りにあの素晴らしい闘争を与えてくれた人間達は居なかった。
だが、アンデルセンやあの剣士があれで死ぬとは思えない。
という事はあの場所に再び集結する可能性もあるか?
「……まぁ良い、時間は山のようにある。何をしても無駄ということは無いだろう」
アーカードは十字架を片手に握り空を見上げる。
十字架―――これにはガトリングとランチャーが備え付けられている。
このドクロの持ち手がトリガー、回転させる事により切り替えを行うらしい。
気付いたのは先の剣士との戦いの直前。
十字架を包む小汚い布を取り去った時だ。
明らかに通常の十字架とは違った風貌、少し観察するだけで気付いた。
早速、光球の脱出に利用させてもらったが、成る程、凄まじいまでの破壊力を有している。
「だがこれでは面白くないな……」
吸血鬼さえも殺しきるであろう兵装。
人間相手に振るうにはあまりに過ぎた兵器。
だからこそ、アーカードは先のセフィロスとの戦闘でパニッシャーの真の力を使わなかった。
それでは余りにつまらないからだ。
それでなくともアーカードは異常な力を持っている。
力を出し惜しみするつもりでは無いが、この武器は強すぎる。
アーカードの身体能力でパニッシャーを扱えば、それこそ誰が相手であろうと戦闘を楽しむ暇すら与えられないだろう。
だからこそアーカードはパニッシャーを銃器としては使用しなかった。
使うとしたら、それは更なる強者が現れた時のみ。
セフィロスやアンデルセンのような、いやそれすらも越えた強者。
それは更なる力を発揮した彼等自身かもしれないし、また全然関係のない別の人物かもしれない。
アーカードはパニッシャーから延びた紐を肩に掛け、空を見上げる。
彼の大嫌いな太陽がそこにはあった。
「十字架の武器とはな……この武器の持ち主は吸血鬼ハンターか?」
吸血鬼ハンター――自身の口から出た言葉にアーカードは自分を従えるマスターの姿を思い出した。
――主人、お前は今どこで何をしている?
お前が命じない限り私は止まらない。
ヘルシングの狗としてではなく、ただの吸血鬼として人間達へ平等に死をばらまく。
お前の事だ。誰かと手を組み主催者の打倒を目指しているのだろう。
だが、どうする?
お前が俺を止める前に全てを滅ぼしてしまったら?
お前の仲間の仲間を殺してしまったら?
お前はどうするのだ?
迅速に行動しろ、インテグラ。
ヘルシング局長として。
奴の血を引く者として。
我が主人として。
この遊戯を打ち破ってみせろ。
「期待して待っているぞ」
一笑と共に吸血鬼は歩き始める。
十字架を持ち、日光に照らされてもその吸血鬼は眉一つ動かすことはない。
彼を止めるのは、化け物か、人間か、それとも主か。
吸血鬼は崩壊の市街地を闊歩する。
果てぬ夢はまだ終わらない。
【1日目 朝】
【現在地 G-5】
【アーカード@NANOSING】
【状況】疲労(中)
【装備】パニッシャー(砲弾残弾100%/ロケットランチャー残弾80%)@リリカルニコラス
【道具】首輪(アグモン)、拡声器@現実、基本支給品一式
【思考】
基本:インテグラルを探しつつ、闘争を楽しむ。
1.戦場に戻る。
2.Devil May Cryにて、自分に闘争を挑む人間が来るのを待つ。
3.アンデルセンとスバル達に期待。
【備考】
※スバルがNANOSINGのスバルと別人であると気付きました。
※パニッシャーが銃器だという事に気付きました。が、相当な強者にしか使用するつもりはありません。
※放送を聞き逃しました。
■
飛行と言うには余りに無理矢理な方法で、アンデルセンは空を飛んでいた。
着地法など考えていない、というか思い付かない。
この噴出に掛けたカートリッジ一発分の魔力が尽きるまで、アンデルセンはグルグルと回りながら待つことしか出来ないかった。
グラーフアイゼンのラケーテンフォルムによるロケット噴射。
それがアンデルセンの考え付いたエンジェルアームからの脱出方法であった。
宙に巻き上げられてるなか、驚愕に頭を沸騰させながらも迅速にカートリッジを装填し、直ぐにリロード。
ラケーテンフォルムへと移行させ、その推進力で脱出する。
操作不可、カートリッジの消費、不明な着地点、数々の難点があったが、あの時点でアーカードが思い付いた脱出方法はコレしかなかった。
もう一分近く、高速で回り続けている。
流石のアンデルセンと言えど、そろそろ停止を願いたいところであった。
そして空の旅は不意に終わりを告げる。
アンデルセンの行く手に破壊を免れた一棟のビルが現れたのだ。
アンデルセンには避けようが無い。
ただ片手で顔を覆い、衝撃に耐える事のみ。
数瞬後、轟音と共にビルへと突っ込むアンデルセン。激突した箇所がガラス窓だったのは幸運と言ったところか。
「チッ、ここは何処だ……」
ガラスにより負った切り傷の治癒はもう始まっていた。
アンデルセンは立ち上がり元の姿に戻ったグラーフアイゼンを拾い上げる。
部屋を見渡すが人の気配は無し。
アンデルセンは近くに置いてあった椅子を寄せその上に腰を下ろすと、デイバックから水を取り出し喉を潤した。
次いでカラー印刷された地図を取り出し、目を通す。
「駄目だな、目印になる建物がねぇ」
だが数秒で地図を仕舞う羽目になる。
地上本部など、目印となる建築物が見えない状況で位置を把握できる程アンデルセンは測量に詳しくない。
「さて、どうする……」
位置確認を諦めたアンデルセンは、椅子を揺らしながら思考を巡らす。
現在の第一目標はアーカードの討伐。
だが、今から先程の場所に向かうにしても瓦礫だらけとなり目印が一つもない状況で辿り着ける気がしない。
ならば先の光弾が発射された方に向かうか。
あの光弾は南東から飛んできた。
おそらく化け物の一人が狙い撃ったのだろう。
異常な破壊力、異常な射程、おそらくはアーカードにも迫る化け物の仕業。
コイツから狩るのもまた一興。
その次いでにはぐれたヴァッシュの探索でもすれば良い。
「待ってろよ、化物(フリークス)共」
光弾を撃った人物、アーカード、ミレニアム――――この場には塵に返すべき塵が多すぎる。
いや、これ程の量の化物共を一層できるのだ、寧ろ好機と受け取った方がいい。
これもまた神の導き。憐れな狂信者はそれに従うのみだ。
「Amen」
数分にも満たない休息の後、アンデルセンは日に満ちた市街地へと足を踏み出した。
彼の目には僅かな迷いも存在しない。
神のため、法皇のため、何より自分が自分であるため、アンデルセンは進み続ける。
【1日目 朝】
【現在地 G-6】
【アレクサンド・アンデルセン@NANOSHING】
【状態】疲労(中)
【装備】グラーフアイゼン(0/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】各種弾薬(各30発ずつ)、カートリッジ(23/30)、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER
杖@ゲッターロボ昴、基本支給品一式。
【思考】
基本:この場から脱出する。売女(プレシア)の言う通りにするつもりはない。
1.南に向かい、光弾を放った化物を殺す。ついでにヴァッシュを探す。
2.仲間を集める。また、優しい神父として振る舞う。
3.最後の大隊は皆殺し。
4.異教徒共と化け物については一先ず保留。ただし、殺意を抑えられるか……?
5.脱出に必要な情報を集める。
6.脱出が不可能な場合は優勝を狙う。
【備考】
※第九話終了後からの参戦です。
※制限に気付きました。
※クアットロが魔法少女リリカルなのはStrikerSからの参戦とは気付いていません。
※グラーフアイゼンはアンデルセンを警戒しています。
※アンジールを最後の大隊の構成員だと判断しました。
※放送を聞き逃しました。
■
覚醒を果たした時、セフィロスは既に空中へと舞上げられていた。
瞬時にセフィロスは事態の異常に気付き、状況の理解に努めた。
――白色の世界。
――宙に巻き上がる瓦礫、そして自分。
――その先には、凶々しい光を放つ巨大な球体。
――あの光球はマズい。
そう判断したセフィロスは、宙に翻弄されつつも片翼を発動し、服を掴んだまま気絶しているはやて毎、空を疾走した。
そして辿り着いたのは一つのビル。
しかし片翼発動の疲労、アーカードから受けたダメージが重なりセフィロスは屋上に舞い降りると共に気を失った。
数分後、目を覚ましたのは八神はやて。
また助けられたことに気付き、再び自己嫌悪に陥りかけるが、頬を叩き無理やりに活力を注入。
セフィロスを引き摺る形でビルの中に身を隠した。
それからはやてのしたことは、自分、そしてセフィロスのデイバック漁り。
どんな些細な物でも良いから、セフィロスの治療を促進できる道具が無いか確かめるためだ。
だが、セフィロスのデイバックには武器と基本支給品しか入っていない。
自分のデイバックもそう。
前に確認した通り、マハとデュエルディスク以外の支給品は入ってなかった。
何も出来ない――――再び自分の無力さを思い知らされる。
失いたくないのに。
リインや、シグナムのように、もう誰も失いたくないのに。
自分は何も出来ない。何が夜天の主、何が歩くロストロギアだ。
大切な人さえ救えない私にそんな大層な名前を名乗る資格なんてない。
はやては傷心を抱え、ただうなだれることしか出来なかった。
―――この時、幸運の女神が笑い掛けてくれていることにはやては気付いていなかった。
俯くはやての足元に転がっている古ボケた小さな巾着袋。
つい先程、はやてが引っくり返したデイバックから転がり落ちた物だが、はやてはそれに気付けなかった。
それは先に行った支給品の確認の際にも、あまりの小ささに気付く事がなかったアイテム。
はやては知る由も無いことだが、その中には大豆のような豆が二個だけ入っている。
食糧の一種、という訳ではない。
それは食した者の身体を完全に回復させる魔法のような代物。
名は仙豆という。
制限により全快とまではいかないが、一粒食べさせるだけセフィロスの身体は大幅に回復する筈だ。
だがはやては気付かない。
思考を止め、自己嫌悪の殻に閉じこもってしまっている。
「セフィロスさん……」
喉から手が出る程に求めている物が直ぐ足元にあるのに、少女はただ涙を流し続ける。
罪悪感がその純粋な心を蝕み続ける。
螺旋階段を一段一段降りていくように、少しずつ少しずつ増していく自責の念。
それは真綿で首を締めるようにはやてを苦しめていく。
苦心のはやてはそれに気付き、セフィロスを救うことが出来るのか?
それは神のみぞ知る、だった。
【1日目 朝】
【現在地 F-5 ビルの中】
【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】疲労(大)、魔力消費(大)、体中にダメージ 、気絶中
【装備】バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、
【道具】支給品一式×3、 トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、ランダム支給品0~4個
【思考】
基本 元の世界に戻って人類抹殺
0.気絶中
1.状況が落ち着いたら、八神はやてと共に機動六課隊舎へ向かう
2.アレックスに会ったら誤解を解く
【備考】
※現在行動を共にしている八神はやてが、本物の八神はやてであると認識しました
※機動六課でのことをはやてに自ら話すつもりはありませんが、聞かれれば話します
※身体にかかった制限を把握しました
※アレックスが制限を受けていることを把握しました
※八神はやてが無事なことから、アレックスはゲームにのってないと判断しました
※殺し合いを止めるというスタンスは尊重するが、不可能と悟った時には殺すことも辞さない つもりです
※参加者同士の記憶の食い違いがあることは把握していますが、特に気にしていません
※トライアクセラーで起動するバイク(ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~)は、立体駐車場に埋もれていると思っています。
とはいえ、運転はできないので、無理に探すつもりはありません。
※「リリカル龍騎」における仮面ライダーの情報を得ました
※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があるのではないかと思っています
※放送を聞き逃しました。
※ランダム支給品0~4個の中に、治療に使えそうアイテムは入っていませんでした。
※正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使はG-5・市街地に落ちています。
【八神はやて(A's)@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】疲労(小)、魔力消費(小)、自己嫌悪
【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、憑神刀(マハ)@.hack//Lightning
【道具】支給品一式
【思考】
基本 殺し合いを止め、誰にも悲しい思いをさせない
0.ごめんな……セフィロスさん
1. セフィロスが目を覚ますまで、見守る
2. 仲間たちと合流
3. アレックスに会ったら、殴ったことを謝る
【備考】
※セフィロスが自分を知っていることを知りません
※憑神刀のプロテクトは外れました
※憑神刀の中にシグナムの面影を見出しました。憑神刀にシグナムを投影している傾向があります
※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があると思っています
※足元に仙豆が入った袋@ドラゴンボールZクロスが落ちています。気付くか、気付かないは後の書き手さんに任せます。
※放送を聞き逃しました。
■
アンジールは呆然と虚空を見詰めていた。
意識はとうの昔に回復した。身体も、ダメージはあるが動けない程ではない。
なのに行動を開始できない。身体に力も気合いも入らない。
遠方にて発生した、超常的な破壊を成した光弾にも、身体は反応しない。
その原因は数分前に流された放送であった。
いや、放送にて呼ばれた一人の名前と呼んだ方が正解か。
『――ディエチ』
感情に乏しい面があったが優しい妹だった。
誰もが当たり前の事だと思っていた戦いという行動に対し、一人迷いを見せていた少女。
機械仕掛けとは思えない「心」を持った少女であった。
「何故だ……」
小さな呟きが小さな応接間に霧散する。
強く握り込まれたアンジールの右手は僅かに震えていた。
「何故だッ!」
テーブルが真っ二つにへし折れた。
アンジールの右手が、感情に任せ叩き付けられたからだ。
だがそれでもアンジールの心は晴れない。心に空いた穴が塞がることはない。
「何故あいつが死ななければいけないんだ……!」
涙は流れなかった。
ただ自分に対して憤怒が湧き上がる。
何もできなかった自分に、何もしていない自分に、怒りだけが募る。
非運などではない。
単純に自分の力が足りなかったのだ。
自分がもっと迅速に行動していれば、自分があの男達を退け先に進めていれば、
もしかしたら助けられたのかもしれない。
―――何がいけない?
―――何を間違えた?
―――自分はどうすれば良かったのだ?
「俺は……俺は……」
目を覚ました時、奴らは消えていた。
拳銃一丁を残し、全ての武器を奪い、奴らは消えた。
身ぐるみを剥ぎ取り、気絶している自分を放置して何処かへ去っていた。
俺を止める為、わざわざ追い掛けてきてまで自分と戦ったヴァッシュからは考えられない行動。
これが―――気絶した者から武器を奪い、放置する事が、奴の言う殺し合いを止める為の手段なのか?
分からなくなる。
自分は奴を買い被りすぎているのか?
これが奴の本質なのか?
「俺が甘かったのか……?」
元々あの狂人とヴァッシュは手を組んでおり、自分はヴァッシュが演じた仮の姿に騙され、殺意が挫かれ、力の全てを出し切れずに敗北。
そして武装を解除され、放置された。
考えてみれば、狂人が行った最後の不意打ちも充分な殺意が込められたものであった。
残された拳銃は精々足掻いてみせろとの嘲りか。
分からない。
ヴァッシュが身を呈し自分と狂人の戦闘を止めたのも事実。
ヴァッシュが自分を殺すつもりがなかった事も事実。
だが最後の狂人が行った不意打ちに殺意が込められていたのも事実。
最終的に、武器を奪うだけ奪って見知らぬ場所に放置したのも事実。
どちらかが偽で、どちらかが真。
―――長い長い思考の後、アンジールは答えを出した。
「……俺が間違っていた」
それだけ呟き、アンジールは拳銃を片手に立ち上がり、外へと退出した。
―――俺が甘かったのだ。
奴らは手を組み、参加者を騙し陥れる卑劣な害敵。
最初にヴァッシュが戦闘の間に入ったのも、そういう段取りだったのだろう。
身を呈し、命を賭けたように見せ、信用を買う、それが奴らの手段。
今考えれば可笑しな点もあった。
ヴァッシュは狂人の一撃を腹に受け、口から血を流した。それは内臓にダメージを受けた証拠だ。
なのに、奴は俺と戦闘をする為に駆けて来た。そしてダメージを全く感じられない動きで、自分と同等の戦闘を繰り広げた。
―――おかしい。狂人の一撃を受け、ダメージを負ったにも関わらず、何故あんな動きが出来た。
―――考えられる答えは一つ。
―――つまり、あれは演技。
―――ヴァッシュは事前に決められたタイミングで間に入り、狂人は事前に決められたように力を緩める。
―――ヴァッシュは口から血を流しダメージを負った風に見せ、死さえ厭わずに殺し合いを止める戦士に見せ掛けたのだ。
―――つまり自分は騙されたのだ。
「学ばせてもらったぞ、ヴァッシュ」
そして後は二人で協力し、ヴァッシュは不殺を貫く戦士として戦い自分の油断を誘い、狂人はその油断につけ込み自分を仕留めた。
生きていたのは幸運だっただけ。
奴らもからかいを込めて拳銃だけを残し全てを奪って、何処かに消え失せた。
「俺は甘かった。甘かったから遅れを取り、甘かったから妹を助けられなかった…………だがな、もう二度と間違えない」
ディエチの死を知り、奴らの姦計に気付き、目が覚めた。決意が、固まった。
どんな奴だろうと、妹達以外の参加者は全て敵だ。
妹達に危険が及ばぬよう、全てを排除する。
ヴァッシュも、狂人も、セフィロスも、先程の異常な光弾を放った奴も―――全て殺す。
「これ以上の犠牲は決して出さん。それが俺のできる全てだ」
―――ヴァッシュがアンジールを放置した理由は、ナイブズとの戦いに巻き込ませない為。
武器を置いていかなかった理由は、アンデルセンが持っている為。
銃を置いていった理由は、せめてもの償いの現れ。
ヴァッシュの行動、その悉くを悪い方、悪い方へと剣士は捉えてしまった。
もし、あの放送で妹の名が呼ばれなければ、まだ冷静な判断ができたのかもしれない。
だが、今のアンジールにはそれが出来ない。彼の中で答えはもう形成されてしまっている。
その考察の殆どが間違っていることなど知らずに、剣士は修羅の道へと一歩を踏み出した。
【1日目 朝】
【現在地 G-6 ビルの中】
【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】疲労(小) 、頭部打撲(小)、右脚と左肩に銃創、決意
【装備】アイボリー(7/10)@Devil never strikers
【道具】支給品一式、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:妹達(クアットロ、チンク)を守る。
1.チンクを保護するためにも、スカリエッティのアジトを目指す。
2.妹達以外の全てを殺す。
3.武器を手に入れたい。
4.ヴァッシュ、アンデルセンには必ず借りを返す。
5.セフィロス……
【備考】
※第七話終了~第八話、からの参戦です。
※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。
もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。
※制限に気が付きました。
※ヴァッシュ達に騙されたと思っています。
■
「あ、あああ、あ……」
様々な戦乱に耐えてきた病院、その残骸の中心にてヴァッシュは一人涙を流していた。
過去に殺した大都市の住民達を思い、泣いているのか?
死んでしまった仲間を思い、泣いているのか?
禁忌の力を発動してしまった事に対して泣いているのか?
おそらくどの候補に対しても男は涙を流すだろうが、今の涙はそのどれにも当てはまることは無かった。
「フェイト、フェイト……」
涙に覆われた男の視線は、目の前の死体へと向けられていた。
それは、数十の肉片へと斬り刻まれた惨たらしいバラバラ死体。
ただ不思議なことに頭部だけは傷一つ無く、その死体の正体が誰なのか、男には分かってしまった。
それはフェイト・T・ハラオウン―――厳密に言えば、男が知っている姿から十年の年月を重ねているフェイト・T・ハラオウン―――の死体であった。
しかし錯乱状態にいる男はそれが大人となったフェイトの姿だと気付けない。
ただ自分の手で大切な仲間を殺したことに呻き、涙を流し続きることしか出来なかった。
―――殺してしまった。
―――自分の手で、フェイトを、仲間を、なのはの親友を、苦しむ自分を助けようと近付いてきたフェイトを、斬り殺してしまった。
「うあぁぁぁあああああああああああああああ………」
壊れてしまったかのように声帯は意味を成さない音しか出さない。
封印されていた記憶が、自分を支えてくれた仲間の死が、人を――仲間を殺害してしまった事実が、男の精神を押し潰す。
―――男は怖かった。
―――また自分の力が制御不能になることが。
―――自分の意志に反し行動する左腕が。
―――遭遇する人をまた殺害してしまうことが。
不意に男は立ち上がりその場から立ち去る。
涙を流し続けたまま、左肩を潰すかのように握り締め、人に遭遇しないように――――ただそれだけを望み男は走り始めた。
その両肩から生える翼が、逆光に照らされる。まるでその姿は羽根を生やした天使の如く見えた。
【1日目 朝】
【現在地 H-6】
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、悲しみ、錯乱 、融合、黒髪化三割
【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish
【道具】なし
【思考】
基本:どうしたら良いか分からない。
1.誰にも遭わないように逃げる。
【備考】
※第八話終了後からの参戦です。
※制限に気付いていません。
※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。
※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。
※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。
&color(red){【フェイト・T・ハラオウン(StS)@仮面ライダーカブト 死亡】}
※病院が崩れ落ちました。
※フェイトの死体、デイバッグ、基本支給品、大剣・大百足@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえるがH-6・病院跡地に放置されています。
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