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*ライダー大戦2010(中編) ◆gFOqjEuBs6
ここに二人の男が邂逅してしまった。
身体は化け物でありながら、心に人間を宿してしまった仮面ライダーと。
身体は人間でありながら、心はまさしくモンスターである仮面ライダーと。
化け物の皮を被った人間と。人間の皮を被った化け物。
ここまで二人は、他社の命を奪う為に行動を起こすも、誰の命も奪えなかった。
そういう意味では、良く似た二人と言える。
そんな二人が出会った時、その刃が交差するのは必至。
これは最早、誰にも止められない事だ。
浅倉は、自分のデイバッグの中からペットボトルを取り出した。
にやにやと笑いながら蓋を開け、それを口元へと持っていく。
一口水を飲めばそれで満足。ペットボトルを足元に放り投げた。
それを踏みつけ、中の水が噴出する。
「さぁ、始めようぜ……ライダーバトルって奴をよ」
アスファルトに出来た水たまりに、紫のカードデッキを翳した。
たちまち装着されるVバックル。元の世界では、これも良く慣れた行動だった。
翳した左手を腰へと引いて行き、右手をカンフーの型のような動きで眼前へと回す。
緩く開いた指で、蛇の牙をイメージ。それを前方へと突き出し、叫んだ。
「変身ッ!」
右手で作られた蛇は、前方の得物をその牙で噛み砕くように突き出された。
すぐに顎まで引かれた右手は、得物を握り潰すように。
左手に掴んだデッキをVバックルへと装填した。
幾つもの銀色の虚像が現れ、オーバーラップ。それは浅倉の身体へと集まって行き。
すぐに紫の装甲――グランメイルを形成した。
気だるそうに息を吐き出しながら、首元を回し、右手をぶらつかせる。
真の仮面ライダー王蛇が、ここに復活した。
◆
「らぁっ!」
王蛇は、手した黄金の剣――ベノサーベルでカリスへと切り掛かった。
そんな直線的な攻撃がカリスに通る訳が無い。すぐにカリスアローの弓部――ソードボウで受け止めた。
一瞬の激突。火花が散り、お互いが肉薄する。
蛇をイメージした鎧なのだろうか。何処となくコブラに似た外観の仮面だ。
カリスはすぐにベノサーベルを弾き、身を翻した。
カリスアローを構え、フォースアローを連射する。
「ハハハハハハハハァッ!!」
だが、通用しない。
発射した光弾は全てベノサーベルによって阻まれてしまった。
王蛇はベノサーベルを巧に振り回し、その全てを撃ち落としたのだ。
流石に、使い慣れた武器は違うという事か。
いいだろう、掛って来い。
それでこそ戦い甲斐があるというもの。
戦えば戦う程、自分の中で眠っていた闘争本能が目覚めて行く。
そうだ。自分も目の前の男と大して変わらない。
自分とて本質的には戦いを求めているのだから。
「ハァッ!」
「フンッ!」
二度目の激突。
カリスアローとベノサーベルが、鋭い金属音を鳴らして激突した。
力で押し切る王蛇に、華麗な戦法を得意とするカリスでは部が悪いか。
カリスの腕が、肩が。ベノサーベルとの激突による振動で震えた。
王蛇の一撃は、確かにカリスに響いていた。
カリスアローでベノサーベルを跳ね上げ、今度は自分から前方へと躍り出る。
素早く王蛇の眼前へと潜り込めば、両手で構えたカリスアローを上段から振り抜いた。
されど、それが通る事は無く。
「ははぁっ! やっぱり最高だよなぁ、ライダー同士の戦いってのはぁ!」
「ああ、否定はしない」
ベノサーベルで受け止められた。
嬉しそうに宣言する男に応え、カリスはそのまま弓を振り下ろした。
フォースボウは弓の形をした剣。ゆるやかにしなった弓は、ベノサーベルから滑り落ちるように振り抜かれた。
王蛇の身体の表面を浅く傷つける。
軽い火花が発せられるが、王蛇は大したダメージを受けてはいない。
今度は弓を持つ手を翻し、両刃の剣を振り上げる。
対処しきれずに、王蛇はカリスアローに傷つけられる。
だが、やはり元々大した威力を持たない攻撃では王蛇を仕留めきれない。
「ハァ……ッ!」
「!?」
今度は王蛇の攻撃だ。
溜息を吐き出すように息を漏らし、ベノサーベルを下方から振り上げた。
カリスベイルに火花が走り、後方へと仰け反ってしまう。
すぐに体制を立て直し、腰を低く落とす。獣のように唸り、眼前の王蛇を見据える。
仮面を付けた男との戦いは、忘れかけていた感情を呼び起こさせる。
それはまさしく、研ぎ澄まされた獣の本能。
何が人間らしさだ。
何が優しさだ。
そんなセンチメンタルな感情など捨ててしまえ。
これこそが、戦いという行動こそが。
乾きを癒す事が出来る唯一無二の神聖なる儀式なのだ。
唸るように吠え、カリスは王蛇へと飛びかかった。
「トゥッ!」
防がせはしない。
カリスアローを右上段から振り抜き、手首を翻す。
両刃の剣は左上段から王蛇を切り裂き、同じ容量で右上段から刃を叩き付ける。
何度も、何度も。得物を刈り取る獣のように、フォースボウからの斬撃を王蛇に浴びせる。
激しい火花が王蛇のグランメイルで爆ぜ、今度は王蛇の身体が仰け反って行く。
王蛇が苦し紛れにベノサーベルを叩きつける。が、それが当たる事は無い。
カリスは身体を翻し、左足を軸に一回転。上半身の硬度が下がった事で、ベノサーベルは空を切るしか無かった。
そのまま回転の勢いを活かし、カリスが繰り出すは後ろ回し蹴り。
王蛇の胴を思い切り蹴りつける。
「ぐ……あぁ……ッ」
胴にめり込んだ蹴りは、王蛇にダメージを与えるには十分。
蹴りの衝撃で、王蛇は数歩後方へと蹴り飛ばされるように後退。
すぐに体制を立て直し、ベノサーベルを構え直した。
挑発するように、カリスが吠える。
「どうした! そんなものか仮面ライダーッ!!」
「はっはは……はははは! はっはっはっはっはぁっ!!
いいぜこの感じ! 面白いじゃねぇか、お前!」
王蛇はベノサーベルを投げ捨て、腹部のデッキから一枚のカードを取り出した。
何処かから取り出した牙召杖ベノバイザーに、そのカードを装填。
そのままカードホルダーをバイザーの内部へと叩き込んだ。
――STRIKE VENT――
王蛇の右腕に装着されるのは、犀の頭部を模した銀色の手甲。
腕を覆い隠して余りある装甲の先端からは、黄金の角が装備されている。
見ての通り、先程始を襲ったメタルゲラスの頭部をそのまま武器にしたものだ。
それを構えたまま腰を低く落とし、王蛇はすかさずカリスの間合いに踏み込んだ。
当然カリスも黙ってはいない。攻撃される前に、王蛇をカリスアローの横一閃で薙ぎ払う。
が、王蛇はその動きを身切ったように、腰を落とした。
結果カリスアローの一撃は防がれ――
「――ぉぉらぁぁぁッ!!」
「ぐっ……ガァ……ッ!?」
カリスの胸部装甲・シャドウブレストに、強烈な一撃が叩き込まれた。
下方から撃ち出されたストレートパンチと、メタルホーンの貫通力は凄まじい物だ。
メタルホーンはそもそも、どんなに分厚い鉄板であろうと容易く貫通してしまう程の武器。
それを、仮面ライダーの腕力で力任せに叩き付けられるのだからたまったものじゃない。
生半可な相手ならばこの一撃で死に追いやる事も可能だ。
だが、このカリス相手にそう簡単には行かない。
カリスベイルに使用されているのは、古代の超鉱石・シャドウクリスタル。
シャドウクリスタルは、ライダーシステムを造った人類ですら発見し得なかった超鉱石。
自己再生機能を持った、地球上でも最高硬度に属する物質なのだ。
それをさらにシャドウタールで強化し、何層にも重ねた装甲は、そう簡単には破られはしない。
カリス自身もそれを自負していた。だが、だからこそ驚愕は隠せない。
それを持ってしてもメタルホーンの威力を完全に防ぎきる事は叶わなかった。
予想外に大きなダメージに、カリスの動きが止まった。
「どうした、その程度かよ!?」
繰り出されるのは、王蛇からの追い打ち。
ふらふらと、まるで隙だらけな動きでカリスを挑発する。
いや、隙だらけに見えはするが、実際はそうでは無い。
王蛇はどの体制からでも、攻撃に入れるのだ。それを理解しているからこその、あの態度。
現に今だってカリスアローを叩きつけるつもりが、王蛇のメタルホーンに受け止められてしまった。
メタルホーンはそのままカリスアローを跳ね除け、力任せにカリスの左肩に振り下ろされた。
肩部への痛みに、左腕から指先までがびくんと震える。
「ぐ……ぁぁ……ッ!」
メタルホーンは、連撃でカリスベイルを傷つけて行く。
一撃目は、カリスの胸部装甲を、脇腹から振り上げるように。
二撃目は、メタルホーンから繰り出す力任せのパンチ。それをカリスの心臓部へと叩き付ける。
三撃目は、仰け反るカリスに追い打ちを掛けるように左側からメタルホーンを叩き付けた。
最後の一撃を受けたカリスは、仰け反る瞬間に地面を転がった。
このまま王蛇の射程内に居続けるのは拙いと判断し、王蛇と距離を取ったのだ。
相対する王蛇は、挑発するように構え、言った。
「クク……ハハハハハァ! どうした、ライダーなんだろう! 俺をイライラさせるな!」
「黙れ……! 俺を、仮面ライダーと呼ぶなぁッ!!」
怒気を込めた咆哮。
そうだ。俺は仮面ライダーなどではない。
オリジナル仮面ライダーと言えば確かにそうだが、その行動に仮面ライダーらしさなど皆無。
正義の為に戦う彼らと、命を奪う為に戦う自分とでは、根本的に違うのだ。
だが、目の前の男にそれを言ったところで無駄だろう。
何故なら、目の前の男だって仮面ライダーとは言い難い殺人鬼だからだ。
立ちあがり様に、腰のカードホルダーから二枚のカードを取り出した。
カリスは二枚のカードを立て続けにラウズする。
――CHOP――
――TORNADO――
ラウズしたカードは、チョップヘッドとトルネードホークのカード。
一枚目。チョップの効果は、カリスの手刀に力を与え、絶大な威力を引き出す事。
二枚目。トルネードの効果は、カリスの攻撃に風の属性を追加し、威力を高める事。
二枚のカードは空中に蒼い紋章を描き、カリスの身体へと吸収されて行く。
カリスの周囲を竜巻が覆い、その手刀には雷が宿る。
二枚のカードによるコンボが発動。
――SPINNING WAVE――
――CONFINE VENT――
「なにっ!?」
驚愕した。
カリスの周囲から、巻き起こる竜巻が消え失せた。
カリスの腕から、その輝きが消え去ってしまった。
確かに二枚のカードによるコンボを発動した筈なのに、その効果は何処にも表れない。
何故だ、と。考える前に、カリスの目に入ったのは、牙召杖を構える王蛇の姿。
なるほど、そういう事か。王蛇が使った何らかのカードに、スピニングウェーブは無効化されてしまったのだ。
二枚のAPの合計は2000。これでカリスは、2000ものAPを無駄に消費した事になる。
最初のフロートで1000、今回で2000。残ったAPは4000。
使用可能な大技は、あと一回。それを無効化されてしまえば終わりだ。
仮面の下で舌打ちをしながら、再びカリスアローを構える。
相対する王蛇は日光を浴びるように両手を広げて、言った。
「ライダーだろうがモンスターだろうがそんな事はどうでもいい! 戦えるのなら同じだ!」
「……ああ、そうだ。貴様の言う通り、俺は戦う事しか出来ないモンスターだ……!
ならばせめてモンスターらしく、殺すことでしか他者と向き合えない化け物(ジョーカー)として……俺は貴様をブッ殺す!!」
力の限り宣言した。
そうだ。何を躊躇う必要がある。
今この瞬間だけは、戦いの瞬間だけは。
俺は何もかも全てを忘れる事が出来た筈だ。
だから、ギンガには悪いが今だけは戦わせて貰う。
本能に任せて、獣の様に戦わせて貰う。
相手は仮面ライダー。自分はライダーの宿敵である化け物。
化け物らしく醜く戦う事こそが、仮面ライダーと自分との宿命。
ならばこそ。その宿命に応える為にも、眼前の仮面ライダーを徹底的に叩き潰す!
そうだ。今、一人の化け物・ジョーカーとして、目の前に居る仮面ライダーをブッ殺す!
「―――ル゙ァァァァァァァアアァァァァウアアアアアアアアッ!!!」
両手を広げ、咆哮する。
天に向かって、まさしく獣の様に。
凄まじい威圧感が込められた咆哮。
大気が、大地が、びりびりと振動する。
王蛇は更なる力の解放に素直に喜んでいるのか、嬉しそうに笑い続けていた。
走り出したこの身体は、もう誰にも止める事は出来ない。
本能に突き動かされるままに、奴をブッ殺すまで走り続ける。
あの仮面ライダーに、俺をこの姿にさせた事を後悔させてやる。
その笑いが、二度と発せられない様にしてやる。
その余裕を、硝子の様に撃ち砕いてやる。
◆
カリスを包むシャドウフォースが霧散した時、そこに居るのはカリスでは無くなっていた。
人間の恐怖心を掻き立てる鬼の様な表情。それを覆うのは、クリアグリーンのフェイスカバー。
剥き出しの筋肉組織は、まるで人体構造を模したかの様で。醜悪な身体は、まさしく死神を連想させる。
この姿こそ。最強にして、最凶の死神の姿。
並みのアンデッドなどは、只の一撃で封印に追いやる程の戦闘力。カテゴリーキングですら恐れる化け物。
死神ジョーカーは、今ここに復活した。
「そうだ、それだ! もっと俺を楽しませてくれ!」
強大な力を前に、感じたのは狂喜。
ジョーカーの威圧感は、王蛇にも良く解る。
解るからこそ、喜んでしまう。強い相手と戦う事が出来る快感に、酔いしれてしまう。
目の前の化け物が先程までのカリスの比では無い事も。
生半可な戦いをすれば、たちまち死においやられてしまうであろう事も。
全て解っているからこそ、感覚が研ぎ澄まされていくようなこの快感を止める事が出来ない。
最初の一撃は小手調べとして、大きな技をぶつけさせてもらう。
これで死んでしまうようであれば、それまでという事だ。
精々がっかりさせてくれるなよ。
――FINAL VENT――
電子音が鳴るや否や、現れたのはメタルゲラス。
装填したのは、犀の紋章が描かれたファイナルベントのカード。
かつて仮面ライダーガイが使用した、どんな障壁をもブチ抜く大技だ。
右腕に装着したメタルホーンを左手に乗せ、とんとんを軽く叩いて、軽い余裕を見せた。
走り出したメタルゲラスに飛び乗り、その肩に脚を乗せる。
突き出したメタルホーンは、一直線にジョーカーを狙い定めて。
されど、ジョーカーは動じない。深く腰を落として、手に持った緑のナイフを構えていた。
真っ向からぶつかる気だ。
面白い。その自信を打ち砕いてやる。
メタルホーンは鋭い閃光を放つ。仮面越しで無ければ目も開けられない程だ。
そして――凄まじい加速で、ジョーカーに激突。
「グウアァァァァァァッ!!」
「なんだと……ッ!?」
刹那。ジョーカーが咆哮と共に、緑のナイフを一閃したのだ。
光り輝く刃は、同じく光り輝くメタルホーンを正面から受け止めた。
そのままメタルホーンの黄金の切先は、ぱきぱきと砕かれ。
一瞬の後には、王蛇の身体はメタルホーン毎弾き飛ばされていた。
身を以て体感したのは、とんでも無い威力。とんでも無い破壊力。
王蛇の身体は地に足を付ける事も叶わず、全身をアスファルトへと打ち付けながら吹っ飛ばされた。
急激な勢いで弾き返された王蛇の身体は、遥か後方の建物へと叩き付けられる。
瞬間、建物の壁は清々しい程の破壊音と共に大きく穿たれた。
コンクリートで造られた建物の壁には、王蛇の激突によって大きなクレーターが出来あがったのだ。
「が……あぁ……」
それでも、負けはしない。
何とか着地し、よろよろと立ち上がり目線を上げる。
上げられた視界が捉えたのは、眼前に佇む化け物・ジョーカーの姿。
死神は既に距離を詰め、王蛇の眼前まで迫っていた。
ジョーカーは王蛇の仮面を片手で掴み、軽々と持ち上げる。
凄まじい威圧感。凄まじい腕力。凄まじい握力。
浅倉が今まで戦ってきた仮面ライダーなどとは比較にもならない程の力の体現者。
王蛇の仮面が、みしみしと音を立てる。
ジョーカーの爪が仮面の表面装甲を割り、内部へと侵入してきたのだ。
紫の仮面全体に亀裂が走る。頭を割られるような鈍痛が、浅倉を襲った。
仮面ライダーの仮面を素手で割るモンスター等、浅倉自身も聞いたことがない。
掴まれた王蛇の仮面は、そのままジョーカーの眼前まで引きつけられた。
「仮面ライダァァァァアアアアアア……!」
剥き出しの牙が動く。
気味の悪い吐息と共に吐き出されたのは、憎むように告げる正義の名前。
そんなに仮面ライダーが憎いか。そんなに仮面ライダーを殺したいか。
ならばとばかりに、王蛇は浮き上がった身体から力の限りの回し蹴りを打ち出した。
「ぐっ……ぁ……ッ!」
されど、結果は予想通り。
王蛇の蹴りは、届きすらせず。ジョーカーの身体に当たる前にその左腕によって阻まれたのだ。
左腕の筋肉から無数に生えたトゲに激突した王蛇の右脚の装甲には、幾つかの亀裂が走った。
しかし、それだけで済みはしない。
ジョーカーは王蛇の蹴りを受けた左腕を、そのまま真っ直ぐに突き出した。
王蛇の胸部グランメイルを、突き出された拳が打ち砕いた。仮面の下で、浅倉が鮮血を吐き出す。
パンチの勢いはそのまま突き抜け、王蛇の身体は再び遥か後方へと吹き飛ばされ――
先程の衝撃で亀裂の入ったコンクリの壁に、再び叩きつけられら。
今度はコンクリの壁も耐えられず、粉々に砕け散った。
穴が開いた壁から、建物の内部へと叩き込まれた。
「は……はは、は……いいぜ、これだ! これをやりたかったんだ……!」
だが、それでも。それでも王蛇は笑っていた。
目の前のジョーカーが化け物なら、浅倉威と言う男もまた化け物。
人間の皮を被った化け物にとって、これ程楽しめる戦いは未だかつて有り得なかった。
これで最後だ。こんなに楽しい戦いで死ねるなら、本望だ。
最後の力を振り絞って、浅倉はデッキから一枚のカードを引き抜いた。
――FINAL VENT――
窓硝子の鏡面から、紫の大蛇が召喚された。
大蛇は地を這うように王蛇の背後へと迫り、王蛇も大蛇と共に走り始める。
地を這う蛇と同じように、低く、速く。
大蛇と王蛇は一つとなり、全身全霊を込めて駆け抜ける。
この戦いの相手への、最高の礼儀で応える為に。
建物の壁に開けられた穴から飛び出し、王蛇は空高く飛び上がった。
それに呼応するように、大蛇・ベノスネーカーは口から溶解液を吐き付ける。
その効果は、吐き出された溶解液による更なる加速。
両足を交互連続で突き出し、下方のジョーカーへと迫る。
「そうだ、来い仮面ライダァァァァアアアア! 俺を倒して見せろォッ!!」
ジョーカーもまた、王蛇に応える様に腰を深く落とした。
王蛇が見たのは、緑の閃光。眩い程の輝きを放つ武器。
それは先程と同じ、緑の輝きを放つジョーカーの固有武装。
それは見る間に光を強めて行き――投擲された。
「ルァァァアアァァァアァアアアアアァァァァァアアアアアァァァァアアアアアッ!!!」
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
咆哮、激突。全ては一瞬。
王蛇の脚が投擲された刃を蹴った。一撃、二撃と蹴り続けた。
されど、いくら蹴られようともジョーカーの刃はビクともしない。
輝く刃を蹴れば蹴る程、王蛇の脚の装甲に亀裂が走って行く。
やがて刃は、王蛇の脚の装甲を見事に引き裂き、打ち砕いた。
当然、それで終わる程生易しい攻撃でも無い。
輝きを放つ刃は、王蛇の胸部のグランメイルにまで到達。
そこで刃はブーメランのように旋回し、横一線に胸部を切り裂いた。
ジョーカーの攻撃で既にダメージを負っていたグランメイルに、刃を防ぐだけの耐久力は残っては居ない。
切り裂かれたグランメイルから、浅倉の鮮血が飛び散った。
ぐるんぐるんと回転しながら、刃はジョーカーの手中へと戻って行く。
されど、対する王蛇に戻る場所は無い。
キックをするだけの体力も、精神力も。
今の浅倉には何も残されては居ない。
全てを出し切った王蛇の身体はそのまま重力に引かれ、落下。
硬いアスファルトに、王蛇の装甲は叩き付けられた。
◆
「はは……楽しいなぁ……戦いってのは……」
激しい戦闘によるダメージに、王蛇の装甲は限界を超えていた。
それでも、ここまで浅倉を守る為に戦い続けたあたり、流石仮面ライダーの装甲と言える。
アスファルトとの激突による衝撃を防いだのを最後に、グランメイルは虚像と共に消えてしまった。
最早浅倉の身体を守る物は何もない。浅倉は血まみれの身体で、青空を見上げていた。
されど、致命傷に至る攻撃はまだ受けてはいない。
そんな浅倉にトドメを刺すのは、死神ジョーカー。
「楽しかったぜ、お前……最後に教えろよ、名前」
「相川……始」
ジョーカーは、牙が剥き出された醜悪な口元を動かし、答えた。
浅倉は無言で笑う。今からジョーカーは、浅倉の命を刈り取る。
右腕から生えた緑の鍵爪を、天に向かって振り上げた。
それを浅倉の喉元に突き刺せば、この戦いは自分の勝利に終わる。
ようやく人を殺して、最初の一歩を踏み出す事が出来る。
ジョーカーはその鍵爪を、勢い良く浅倉の喉元へと突き立てた。
――なんで……! どうしてそんな人間らしさを持ってる貴方が、平気で人を殺せるんですか!? ――
不意に、女の声が脳裏を過った。
浅倉の喉元に付き付けられた鍵爪は、浅倉の喉の皮を貫く直前で止まる。
何故だ。自分に問いただす。
自分は殺す事でしか他者と向き合えない死神の筈だ。
それなのに、どうしようも無くあの女の顔が浮かんでしまう。
だけど、それでも。殺さなければ自分は前には進めない。
今度こそ殺そうと、鍵爪に力を込める。
――貴方はまだ引き返せる! 人殺しなんて絶対にさせない!――
何故だ。何故邪魔をする。
自分の中の何かが、人の命を奪う事に抵抗していた。
それは、相川始としての人間の心。それは、ギンガに教えられた人間らしさ。
人間らしさ等と、考えるだけで笑ってしまう。
所詮は弱い者が慣れ合うだけではないか。
それなのに。解っているのに。どうしようもなくて。
――SPIRIT――
相川始は、浅倉威に背を向けた。
ジョーカーラウザーに通したカードは、人間の姿に戻る為のカード――スピリット。
ラウザーから現れた半透明のゲートをくぐり抜け、人間の姿に戻ったのだ。
「何で殺さない」
「わからない」
背中に投げ掛けられたのは、先程まで戦っていた男の声。
始は一言そう告げると、浅倉には見向きもせずに歩き出した。
「いいのか、俺を殺さなくて。後悔するぜ?」
「その時は、もう一度戦ってやる」
それまでに、答えを見付ける。
何の為に戦うのか。自分は強さの果てに何を目指して戦えばいいのか。
それまでは、戦いなどやるだけ無駄というもの。何度戦ったって、このような結果になる筈だ。
背後から、高らかな笑い声が聞こえる。あの男もまた、自分と似ているのだろう。
ただ闘争本能に突き動かされるままに、戦いを求めて。戦う為だけに戦う男。
その戦いの果てにあるのは、“死”だけだ。意味も無く戦い続けたって、いつかは死ぬしか無い。
だが、自分は違う。限りなく似てはいるが、決定的に違う。
始は、“生きる”為に戦っているのだ。生きて、答えを見付ける為に戦っている。
その先にあるものが何かはまだ解らないが、死ぬ為に戦うのは御免だ。
だから、始は戦う。答えを見付ける為に。
「……生きる為に戦え」
最後に一言だけ、そう告げた。
この言葉は、果たして誰に向けて発せられた言葉なのだろうか。
浅倉に対してか。それとも、自分に対してか。
始が踏み締める大地は、瓦礫の山になっていた。
何者かの戦闘によるものか、元々こうなっていたのかは始には解らない。
だが、それでも始は道無き道を進んで行く。
闇の中に潜んだ答えを、見付け出す為に。
【1日目 午後】
【現在地 F-7 壊滅した街】
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】変身による疲労(大)、言葉に出来ない感情、一時間変身不可(カリス、ジョーカー)
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
録音機@なのは×終わクロ
【思考】
基本:何の為に戦うのか、その答えを見付ける
1.生きる為に戦う?
2.アンデッドの反応があった場所、もしくは他の施設に向かう。
3.アンデッド、エネル、赤いコートの男を優先的に殺す。
4.アーカードに録音機を渡す?
5.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
6.ギンガの言っていたスバルが気になる。また他の4人(なのは、フェイト、はやて、キャロ)も少し気になる。彼女達に会ったら……?
7.ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない。
8.浅倉が再び戦いを挑んでくるなら受けて立つ。
【備考】
※自身にかけられた制限にある程度気づきました。また、ジョーカー化の欲求が強まっている事を自覚しました。しかしジョーカーに戻るつもりは全くありません。
※首輪を外す事は不可能だと考えています。
※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。
※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。
※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。
※ギンガを殺したのは赤いコートの男(=アーカード)だと思っています。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。
※殺し合いには乗っているつもりですが、今は誰も殺すつもりはありません。
【現在地 F-6 レストラン跡地付近】
【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】充実感、疲労(大)、全身にダメージ(大)、一時間変身不可(王蛇)
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎
【道具】支給品一式×2、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、
フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12、ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル龍騎
サバイブ“烈火”(王蛇のデッキに収納)@仮面ライダーリリカル龍騎、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物。
1.一先ずは体力の回復を待つ
2.その後は天道の居る温泉に向かうか、相川始を追いかけるか、市街地に向かう?
3.相川始ともう一度戦い、今度は決着を付ける
4.回復した天道と戦う時にはベルトを返した上で戦う。
5.なのは(StS)と遭遇した時にはヴィヴィオの名前を出してでも戦ってもらう。
6.キング、鎌を持った奴(キャロ)、なのは、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ユーノと戦う。
7.首輪にイライラ、外したい。
8.プレシアには「規定の人数を殺害した参加者には、望む人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい。
【備考】
※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています。
※ヴィンデルシャフトのカートリッジシステムに気付きました。
※カブトに変身できる資格があるかどうかは分かりません。
※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A's)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています。
※王蛇のカードデッキには未契約カードがあと一枚入っています。
※ベルデのカードデッキには未契約のカードと封印のカードが1枚ずつ入っています。
※「封印」のカードを持っている限り、ミラーモンスターはこの所有者を襲う事は出来ません。
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|~|柊かがみ|~|
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*ライダー大戦2010(中編) ◆gFOqjEuBs6
ここに二人の男が邂逅してしまった。
身体は化け物でありながら、心に人間を宿してしまった仮面ライダーと。
身体は人間でありながら、心はまさしくモンスターである仮面ライダーと。
化け物の皮を被った人間と。人間の皮を被った化け物。
ここまで二人は、他社の命を奪う為に行動を起こすも、誰の命も奪えなかった。
そういう意味では、良く似た二人と言える。
そんな二人が出会った時、その刃が交差するのは必至。
これは最早、誰にも止められない事だ。
浅倉は、自分のデイバッグの中からペットボトルを取り出した。
にやにやと笑いながら蓋を開け、それを口元へと持っていく。
一口水を飲めばそれで満足。ペットボトルを足元に放り投げた。
それを踏みつける事で、中の水が噴出する。
「さぁ、始めようぜ……ライダーバトルって奴をよ」
アスファルトに出来た水たまりに、紫のカードデッキを翳した。
たちまち装着されるVバックル。元の世界では、これも良く慣れた行動だった。
翳した左手を腰へと引いて行き、右手をカンフーの型のような動きで眼前へと回す。
緩く開いた指で、蛇の牙をイメージ。それを前方へと突き出し、叫んだ。
「変身ッ!」
右手で作られた蛇は、前方の得物をその牙で噛み砕くように突き出された。
すぐに顎まで引かれた右手は、得物を握り潰すように。
左手に掴んだデッキをVバックルへと装填した。
幾つもの銀色の虚像が現れ、オーバーラップ。それは浅倉の身体へと集まって行き。
すぐに紫の装甲――グランメイルを形成した。
気だるそうに息を吐き出しながら、首元を回し、右手をぶらつかせる。
真の仮面ライダー王蛇が、ここに復活した。
◆
「らぁっ!」
王蛇は、手した黄金の剣――ベノサーベルでカリスへと切り掛かった。
そんな直線的な攻撃がカリスに通る訳が無い。すぐにカリスアローの弓部――ソードボウで受け止めた。
一瞬の激突。火花が散り、お互いが肉薄する。
蛇をイメージした鎧なのだろうか。何処となくコブラに似た外観の仮面だ。
カリスはすぐにベノサーベルを弾き、身を翻した。
カリスアローを構え、フォースアローを連射する。
「ハハハハハハハハァッ!!」
だが、通用しない。
発射した光弾は全てベノサーベルによって阻まれてしまった。
王蛇はベノサーベルを巧に振り回し、その全てを撃ち落としたのだ。
流石に、使い慣れた武器は違うという事か。
いいだろう、掛って来い。
それでこそ戦い甲斐があるというもの。
戦えば戦う程、自分の中で眠っていた闘争本能が目覚めて行く。
そうだ。自分も目の前の男と大して変わらない。
自分とて本質的には戦いを求めているのだから。
「ハァッ!」
「フンッ!」
二度目の激突。
カリスアローとベノサーベルが、鋭い金属音を鳴らして激突した。
力で押し切る王蛇に、華麗な戦法を得意とするカリスでは部が悪いか。
カリスの腕が、肩が。ベノサーベルとの激突による振動で震えた。
王蛇の一撃は、確かにカリスに響いていた。
カリスアローでベノサーベルを跳ね上げ、今度は自分から前方へと躍り出る。
素早く王蛇の眼前へと潜り込めば、両手で構えたカリスアローを上段から振り抜いた。
されど、それが通る事は無く。
「ははぁっ! やっぱり最高だよなぁ、ライダー同士の戦いってのはぁ!」
「ああ、否定はしない」
ベノサーベルで受け止められた。
嬉しそうに宣言する男に応え、カリスはそのまま弓を振り下ろした。
フォースボウは弓の形をした剣。ゆるやかにしなった弓は、ベノサーベルから滑り落ちるように振り抜かれた。
王蛇の身体の表面を浅く傷つける。
軽い火花が発せられるが、王蛇は大したダメージを受けてはいない。
今度は弓を持つ手を翻し、両刃の剣を振り上げる。
対処しきれずに、王蛇はカリスアローに傷つけられる。
だが、やはり元々大した威力を持たない攻撃では王蛇を仕留めきれない。
「ハァ……ッ!」
「!?」
今度は王蛇の攻撃だ。
溜息を吐き出すように息を漏らし、ベノサーベルを下方から振り上げた。
カリスベイルに火花が走り、後方へと仰け反ってしまう。
すぐに体制を立て直し、腰を低く落とす。獣のように唸り、眼前の王蛇を見据える。
仮面を付けた男との戦いは、忘れかけていた感情を呼び起こさせる。
それはまさしく、研ぎ澄まされた獣の本能。
何が人間らしさだ。
何が優しさだ。
そんなセンチメンタルな感情など捨ててしまえ。
これこそが、戦いという行動こそが。
乾きを癒す事が出来る唯一無二の神聖なる儀式なのだ。
唸るように吠え、カリスは王蛇へと飛びかかった。
「トゥッ!」
防がせはしない。
カリスアローを右上段から振り抜き、手首を翻す。
両刃の剣は左上段から王蛇を切り裂き、同じ容量で右上段から刃を叩き付ける。
何度も、何度も。得物を刈り取る獣のように、フォースボウからの斬撃を王蛇に浴びせる。
激しい火花が王蛇のグランメイルで爆ぜ、今度は王蛇の身体が仰け反って行く。
王蛇が苦し紛れにベノサーベルを叩きつける。が、それが当たる事は無い。
カリスは身体を翻し、左足を軸に一回転。上半身の硬度が下がった事で、ベノサーベルは空を切るしか無かった。
そのまま回転の勢いを活かし、カリスが繰り出すは後ろ回し蹴り。
王蛇の胴を思い切り蹴りつける。
「ぐ……あぁ……ッ」
胴にめり込んだ蹴りは、王蛇にダメージを与えるには十分。
蹴りの衝撃で、王蛇は数歩後方へと蹴り飛ばされるように後退。
すぐに体制を立て直し、ベノサーベルを構え直した。
挑発するように、カリスが吠える。
「どうした! そんなものか仮面ライダーッ!!」
「はっはは……はははは! はっはっはっはっはぁっ!!
いいぜこの感じ! 面白いじゃねぇか、お前!」
王蛇はベノサーベルを投げ捨て、腹部のデッキから一枚のカードを取り出した。
何処かから取り出した牙召杖ベノバイザーに、そのカードを装填。
そのままカードホルダーをバイザーの内部へと叩き込んだ。
――STRIKE VENT――
王蛇の右腕に装着されるのは、犀の頭部を模した銀色の手甲。
腕を覆い隠して余りある装甲の先端からは、黄金の角が装備されている。
見ての通り、先程始を襲ったメタルゲラスの頭部をそのまま武器にしたものだ。
それを構えたまま腰を低く落とし、王蛇はすかさずカリスの間合いに踏み込んだ。
当然カリスも黙ってはいない。攻撃される前に、王蛇をカリスアローの横一閃で薙ぎ払う。
が、王蛇はその動きを身切ったように、腰を落とした。
結果カリスアローの一撃は防がれ――
「――ぉぉらぁぁぁッ!!」
「ぐっ……ガァ……ッ!?」
カリスの胸部装甲・シャドウブレストに、強烈な一撃が叩き込まれた。
下方から撃ち出されたストレートパンチと、メタルホーンの貫通力は凄まじい物だ。
メタルホーンはそもそも、どんなに分厚い鉄板であろうと容易く貫通してしまう程の武器。
それを、仮面ライダーの腕力で力任せに叩き付けられるのだからたまったものじゃない。
生半可な相手ならばこの一撃で死に追いやる事も可能だ。
だが、このカリス相手にそう簡単には行かない。
カリスベイルに使用されているのは、古代の超鉱石・シャドウクリスタル。
シャドウクリスタルは、ライダーシステムを造った人類ですら発見し得なかった超鉱石。
自己再生機能を持った、地球上でも最高硬度に属する物質なのだ。
それをさらにシャドウタールで強化し、何層にも重ねた装甲は、そう簡単には破られはしない。
カリス自身もそれを自負していた。だが、だからこそ驚愕は隠せない。
それを持ってしてもメタルホーンの威力を完全に防ぎきる事は叶わなかった。
予想外に大きなダメージに、カリスの動きが止まった。
「どうした、その程度かよ!?」
繰り出されるのは、王蛇からの追い打ち。
ふらふらと、まるで隙だらけな動きでカリスを挑発する。
いや、隙だらけに見えはするが、実際はそうでは無い。
王蛇はどの体制からでも、攻撃に入れるのだ。それを理解しているからこその、あの態度。
現に今だってカリスアローを叩きつけるつもりが、王蛇のメタルホーンに受け止められてしまった。
メタルホーンはそのままカリスアローを跳ね除け、力任せにカリスの左肩に振り下ろされた。
肩部への痛みに、左腕から指先までがびくんと震える。
「ぐ……ぁぁ……ッ!」
メタルホーンは、連撃でカリスベイルを傷つけて行く。
一撃目は、カリスの胸部装甲を、脇腹から振り上げるように。
二撃目は、メタルホーンから繰り出す力任せのパンチ。それをカリスの心臓部へと叩き付ける。
三撃目は、仰け反るカリスに追い打ちを掛けるように左側からメタルホーンを叩き付けた。
最後の一撃を受けたカリスは、仰け反る瞬間に地面を転がった。
このまま王蛇の射程内に居続けるのは拙いと判断し、王蛇と距離を取ったのだ。
相対する王蛇は、挑発するように構え、言った。
「クク……ハハハハハァ! どうした、ライダーなんだろう! 俺をイライラさせるな!」
「黙れ……! 俺を、仮面ライダーと呼ぶなぁッ!!」
怒気を込めた咆哮。
そうだ。俺は仮面ライダーなどではない。
オリジナル仮面ライダーと言えば確かにそうだが、その行動に仮面ライダーらしさなど皆無。
正義の為に戦う彼らと、命を奪う為に戦う自分とでは、根本的に違うのだ。
だが、目の前の男にそれを言ったところで無駄だろう。
何故なら、目の前の男だって仮面ライダーとは言い難い殺人鬼だからだ。
立ちあがり様に、腰のカードホルダーから二枚のカードを取り出した。
カリスは二枚のカードを立て続けにラウズする。
――CHOP――
――TORNADO――
ラウズしたカードは、チョップヘッドとトルネードホークのカード。
一枚目。チョップの効果は、カリスの手刀に力を与え、絶大な威力を引き出す事。
二枚目。トルネードの効果は、カリスの攻撃に風の属性を追加し、威力を高める事。
二枚のカードは空中に蒼い紋章を描き、カリスの身体へと吸収されて行く。
カリスの周囲を竜巻が覆い、その手刀には雷が宿る。
二枚のカードによるコンボが発動。
――SPINNING WAVE――
――CONFINE VENT――
「なにっ!?」
驚愕した。
カリスの周囲から、巻き起こる竜巻が消え失せた。
カリスの腕から、その輝きが消え去ってしまった。
確かに二枚のカードによるコンボを発動した筈なのに、その効果は何処にも表れない。
何故だ、と。考える前に、カリスの目に入ったのは、牙召杖を構える王蛇の姿。
なるほど、そういう事か。王蛇が使った何らかのカードに、スピニングウェーブは無効化されてしまったのだ。
二枚のAPの合計は2000。これでカリスは、2000ものAPを無駄に消費した事になる。
最初のフロートで1000、今回で2000。残ったAPは4000。
使用可能な大技は、あと一回。それを無効化されてしまえば終わりだ。
仮面の下で舌打ちをしながら、再びカリスアローを構える。
相対する王蛇は日光を浴びるように両手を広げて、言った。
「ライダーだろうがモンスターだろうがそんな事はどうでもいい! 戦えるのなら同じだ!」
「……ああ、そうだ。貴様の言う通り、俺は戦う事しか出来ないモンスターだ……!
ならばせめてモンスターらしく、殺すことでしか他者と向き合えない化け物(ジョーカー)として……俺は貴様をブッ殺す!!」
力の限り宣言した。
そうだ。何を躊躇う必要がある。
今この瞬間だけは、戦いの瞬間だけは。
俺は何もかも全てを忘れる事が出来た筈だ。
だから、ギンガには悪いが今だけは戦わせて貰う。
本能に任せて、獣の様に戦わせて貰う。
相手は仮面ライダー。自分はライダーの宿敵である化け物。
化け物らしく醜く戦う事こそが、仮面ライダーと自分との宿命。
ならばこそ。その宿命に応える為にも、眼前の仮面ライダーを徹底的に叩き潰す!
そうだ。今、一人の化け物・ジョーカーとして、目の前に居る仮面ライダーをブッ殺す!
「―――ル゙ァァァァァァァアアァァァァウアアアアアアアアッ!!!」
両手を広げ、咆哮する。
天に向かって、まさしく獣の様に。
凄まじい威圧感が込められた咆哮。
大気が、大地が、びりびりと振動する。
王蛇は更なる力の解放に素直に喜んでいるのか、嬉しそうに笑い続けていた。
走り出したこの身体は、もう誰にも止める事は出来ない。
本能に突き動かされるままに、奴をブッ殺すまで走り続ける。
あの仮面ライダーに、俺をこの姿にさせた事を後悔させてやる。
その笑いが、二度と発せられない様にしてやる。
その余裕を、硝子の様に撃ち砕いてやる。
◆
カリスを包むシャドウフォースが霧散した時、そこに居るのはカリスでは無くなっていた。
人間の恐怖心を掻き立てる鬼の様な表情。それを覆うのは、クリアグリーンのフェイスカバー。
剥き出しの筋肉組織は、まるで人体構造を模したかの様で。醜悪な身体は、まさしく死神を連想させる。
この姿こそ。最強にして、最凶の死神の姿。
並みのアンデッドなどは、只の一撃で封印に追いやる程の戦闘力。カテゴリーキングですら恐れる化け物。
死神ジョーカーは、今ここに復活した。
「そうだ、それだ! もっと俺を楽しませてくれ!」
強大な力を前に、感じたのは狂喜。
ジョーカーの威圧感は、王蛇にも良く解る。
解るからこそ、喜んでしまう。強い相手と戦う事が出来る快感に、酔いしれてしまう。
目の前の化け物が先程までのカリスの比では無い事も。
生半可な戦いをすれば、たちまち死においやられてしまうであろう事も。
全て解っているからこそ、感覚が研ぎ澄まされていくようなこの快感を止める事が出来ない。
最初の一撃は小手調べとして、大きな技をぶつけさせてもらう。
これで死んでしまうようであれば、それまでという事だ。
精々がっかりさせてくれるなよ。
――FINAL VENT――
電子音が鳴るや否や、現れたのはメタルゲラス。
装填したのは、犀の紋章が描かれたファイナルベントのカード。
かつて仮面ライダーガイが使用した、どんな障壁をもブチ抜く大技だ。
右腕に装着したメタルホーンを左手に乗せ、とんとんを軽く叩いて、軽い余裕を見せた。
走り出したメタルゲラスに飛び乗り、その肩に脚を乗せる。
突き出したメタルホーンは、一直線にジョーカーを狙い定めて。
されど、ジョーカーは動じない。深く腰を落として、手に持った緑のナイフを構えていた。
真っ向からぶつかる気だ。
面白い。その自信を打ち砕いてやる。
メタルホーンは鋭い閃光を放つ。仮面越しで無ければ目も開けられない程だ。
そして――凄まじい加速で、ジョーカーに激突。
「グウアァァァァァァッ!!」
「なんだと……ッ!?」
刹那。ジョーカーが咆哮と共に、緑のナイフを一閃したのだ。
光り輝く刃は、同じく光り輝くメタルホーンを正面から受け止めた。
そのままメタルホーンの黄金の切先は、ぱきぱきと砕かれ。
一瞬の後には、王蛇の身体はメタルホーン毎弾き飛ばされていた。
身を以て体感したのは、とんでも無い威力と、とんでも無い破壊力。
王蛇の身体は地に足を付ける事も叶わず、全身をアスファルトへと打ち付けながら吹っ飛ばされた。
急激な勢いで弾き返された王蛇の身体は、遥か後方の建物へと叩き付けられる。
瞬間、建物の壁は清々しい程の破壊音と共に大きく穿たれた。
コンクリートで造られた建物の壁には、王蛇の激突によって大きなクレーターが出来あがったのだ。
「が……あぁ……」
それでも、負けはしない。
何とか着地し、よろよろと立ち上がり目線を上げる。
上げられた視界が捉えたのは、眼前に佇む化け物・ジョーカーの姿。
死神は既に距離を詰め、王蛇の眼前まで迫っていた。
ジョーカーは王蛇の仮面を片手で掴み、軽々と持ち上げる。
凄まじい威圧感。凄まじい腕力。凄まじい握力。
浅倉が今まで戦ってきた仮面ライダーなどとは比較にもならない程の力の体現者。
王蛇の仮面が、みしみしと音を立てる。
ジョーカーの爪が仮面の表面装甲を割り、内部へと侵入してきたのだ。
紫の仮面全体に亀裂が走る。頭を割られるような鈍痛が、浅倉を襲った。
仮面ライダーの仮面を素手で割るモンスター等、浅倉自身も聞いたことがない。
掴まれた王蛇の仮面は、そのままジョーカーの眼前まで引きつけられた。
「仮面ライダァァァァアアアアアア……!」
剥き出しの牙が動く。
気味の悪い吐息と共に吐き出されたのは、憎むように告げる正義の名前。
そんなに仮面ライダーが憎いか。そんなに仮面ライダーを殺したいか。
ならばとばかりに、王蛇は浮き上がった身体から力の限りの回し蹴りを打ち出した。
「ぐっ……ぁ……ッ!」
されど、結果は予想通り。
王蛇の蹴りは、届きすらせず。ジョーカーの身体に当たる前にその左腕によって阻まれたのだ。
左腕の筋肉から無数に生えたトゲに激突した王蛇の右脚の装甲には、幾つかの亀裂が走った。
しかし、それだけで済みはしない。
ジョーカーは王蛇の蹴りを受けた左腕を、そのまま真っ直ぐに突き出した。
王蛇の胸部グランメイルを、突き出された拳が打ち砕いた。仮面の下で、浅倉が鮮血を吐き出す。
パンチの勢いはそのまま突き抜け、王蛇の身体は再び遥か後方へと吹き飛ばされ――
先程の衝撃で亀裂の入ったコンクリの壁に、再び叩き付けられた。
今度は流石のコンクリの壁と言えども耐え切れず、粉々に砕け散る。
王蛇の身体が、穴が開いた壁から建物の内部へと叩き込まれた。
「は……はは、は……いいぜ、これだ! これをやりたかったんだ……!」
だが、それでも。それでも王蛇は笑っていた。
目の前のジョーカーが化け物なら、浅倉威と言う男もまた化け物。
人間の皮を被った化け物にとって、これ程楽しめる戦いは未だかつて有り得なかった。
これで最後だ。こんなに楽しい戦いで死ねるなら、本望だ。
最後の力を振り絞って、浅倉はデッキから一枚のカードを引き抜いた。
――FINAL VENT――
窓硝子の鏡面から、紫の大蛇が召喚された。
大蛇は地を這うように王蛇の背後へと迫り、王蛇も大蛇と共に走り始める。
地を這う蛇と同じように、低く、速く。
大蛇と王蛇は一つとなり、全身全霊を込めて駆け抜ける。
この戦いの相手への、最高の礼儀で応える為に。
建物の壁に開けられた穴から飛び出し、王蛇は空高く飛び上がった。
それに呼応するように、大蛇・ベノスネーカーは口から溶解液を吐き付ける。
その効果は、吐き出された溶解液による更なる加速。
両足を交互連続で突き出し、下方のジョーカーへと迫る。
「そうだ、来い仮面ライダァァァァアアアア! 俺を倒して見せろォッ!!」
ジョーカーもまた、王蛇に応える様に腰を深く落とした。
王蛇が見たのは、緑の閃光。眩い程の輝きを放つ武器。
それは先程と同じ、緑の輝きを放つジョーカーの固有武装。
それは見る間に光を強めて行き――投擲された。
「ルァァァアアァァァアァアアアアアァァァァァアアアアアァァァァアアアアアッ!!!」
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」
咆哮、激突。全ては一瞬。
王蛇の脚が投擲された刃を蹴った。一撃、二撃と蹴り続けた。
されど、いくら蹴られようともジョーカーの刃はビクともしない。
輝く刃を蹴れば蹴る程、王蛇の脚の装甲に亀裂が走って行く。
やがて刃は、王蛇の脚の装甲を見事に引き裂き、打ち砕いた。
当然、それで終わる程生易しい攻撃でも無い。
輝きを放つ刃は、王蛇の胸部のグランメイルにまで到達。
そこで刃はブーメランのように旋回し、横一線に胸部を切り裂いた。
ジョーカーの攻撃で既にダメージを負っていたグランメイルに、刃を防ぐだけの耐久力は残っては居ない。
切り裂かれたグランメイルから、浅倉の鮮血が飛び散った。
ぐるんぐるんと回転しながら、刃はジョーカーの手中へと戻って行く。
されど、対する王蛇に戻る場所は無い。
キックをするだけの体力も、精神力も。
今の浅倉には何も残されては居ない。
全てを出し切った王蛇の身体はそのまま重力に引かれ、落下。
硬いアスファルトに、王蛇の装甲は叩き付けられた。
◆
「はは……楽しいなぁ……戦いってのは……」
激しい戦闘によるダメージに、王蛇の装甲は限界を超えていた。
それでも、ここまで浅倉を守る為に戦い続けたあたり、流石仮面ライダーの装甲と言える。
アスファルトとの激突による衝撃を防いだのを最後に、グランメイルは虚像と共に消えてしまった。
最早浅倉の身体を守る物は何もない。浅倉は血まみれの身体で、青空を見上げていた。
されど、致命傷に至る攻撃はまだ受けてはいない。
そんな浅倉にトドメを刺すのは、死神ジョーカー。
「楽しかったぜ、お前……最後に教えろよ、名前」
「相川……始」
ジョーカーは、牙が剥き出された醜悪な口元を動かし、答えた。
浅倉は無言で笑う。今からジョーカーは、浅倉の命を刈り取る。
右腕から生えた緑の鍵爪を、天に向かって振り上げた。
それを浅倉の喉元に突き刺せば、この戦いは自分の勝利に終わる。
ようやく人を殺して、最初の一歩を踏み出す事が出来る。
ジョーカーはその鍵爪を、勢い良く浅倉の喉元へと突き立てた。
――なんで……! どうしてそんな人間らしさを持ってる貴方が、平気で人を殺せるんですか!? ――
不意に、女の声が脳裏を過った。
浅倉の喉元に付き付けられた鍵爪は、浅倉の喉の皮を貫く直前で止まる。
何故だ。自分に問いただす。
自分は殺す事でしか他者と向き合えない死神の筈だ。
それなのに、どうしようも無くあの女の顔が浮かんでしまう。
だけど、それでも。殺さなければ自分は前には進めない。
今度こそ殺そうと、鍵爪に力を込める。
――貴方はまだ引き返せる! 人殺しなんて絶対にさせない!――
何故だ。何故邪魔をする。
自分の中の何かが、人の命を奪う事に抵抗していた。
それは、相川始としての人間の心。それは、ギンガに教えられた人間らしさ。
人間らしさ等と、考えるだけで笑ってしまう。
所詮は弱い者が慣れ合うだけではないか。
それなのに。解っているのに。どうしようもなくて。
――SPIRIT――
相川始は、浅倉威に背を向けた。
ジョーカーラウザーに通したカードは、人間の姿に戻る為のカード――スピリット。
ラウザーから現れた半透明のゲートをくぐり抜け、人間の姿に戻ったのだ。
「何で殺さない」
「わからない」
背中に投げ掛けられたのは、先程まで戦っていた男の声。
始は一言そう告げると、浅倉には見向きもせずに歩き出した。
「いいのか、俺を殺さなくて。後悔するぜ?」
「その時は、もう一度戦ってやる」
それまでに、答えを見付ける。
何の為に戦うのか。自分は強さの果てに何を目指して戦えばいいのか。
それまでは、戦いなどやるだけ無駄というもの。何度戦ったって、このような結果になる筈だ。
背後から、高らかな笑い声が聞こえる。あの男もまた、自分と似ているのだろう。
ただ闘争本能に突き動かされるままに、戦いを求めて。戦う為だけに戦う男。
その戦いの果てにあるのは、“死”だけだ。意味も無く戦い続けたって、いつかは死ぬしか無い。
だが、自分は違う。限りなく似てはいるが、決定的に違う。
始は、“生きる”為に戦っているのだ。生きて、答えを見付ける為に戦っている。
その先にあるものが何かはまだ解らないが、死ぬ為に戦うのは御免だ。
だから、始は戦う。答えを見付ける為に。
「……生きる為に戦え」
最後に一言だけ、そう告げた。
この言葉は、果たして誰に向けて発せられた言葉なのだろうか。
浅倉に対してか。それとも、自分に対してか。
始が踏み締める大地は、瓦礫の山になっていた。
何者かの戦闘によるものか、元々こうなっていたのかは始には解らない。
だが、それでも始は道無き道を進んで行く。
闇の中に潜んだ答えを、見付け出す為に。
【1日目 午後】
【現在地 F-7 壊滅した街】
【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】変身による疲労(大)、言葉に出来ない感情、一時間変身不可(カリス、ジョーカー)
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
録音機@なのは×終わクロ
【思考】
基本:何の為に戦うのか、その答えを見付ける
1.生きる為に戦う?
2.アンデッドの反応があった場所、もしくは他の施設に向かう。
3.アンデッド、エネル、赤いコートの男を優先的に殺す。
4.アーカードに録音機を渡す?
5.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
6.ギンガの言っていたスバルが気になる。また他の4人(なのは、フェイト、はやて、キャロ)も少し気になる。彼女達に会ったら……?
7.ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない。
8.浅倉が再び戦いを挑んでくるなら受けて立つ。
【備考】
※自身にかけられた制限にある程度気づきました。また、ジョーカー化の欲求が強まっている事を自覚しました。しかしジョーカーに戻るつもりは全くありません。
※首輪を外す事は不可能だと考えています。
※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。
※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。
※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。
※ギンガを殺したのは赤いコートの男(=アーカード)だと思っています。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。
※殺し合いには乗っているつもりですが、今は誰も殺すつもりはありません。
【現在地 F-6 レストラン跡地付近】
【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎】
【状態】充実感、疲労(大)、全身にダメージ(大)、一時間変身不可(王蛇)
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎
【道具】支給品一式×2、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、
フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12、ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル龍騎
サバイブ“烈火”(王蛇のデッキに収納)@仮面ライダーリリカル龍騎、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物。
1.一先ずは体力の回復を待つ
2.その後は天道の居る温泉に向かうか、相川始を追いかけるか、市街地に向かう?
3.相川始ともう一度戦い、今度は決着を付ける
4.回復した天道と戦う時にはベルトを返した上で戦う。
5.なのは(StS)と遭遇した時にはヴィヴィオの名前を出してでも戦ってもらう。
6.キング、鎌を持った奴(キャロ)、なのは、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、ユーノと戦う。
7.首輪にイライラ、外したい。
8.プレシアには「規定の人数を殺害した参加者には、望む人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい。
【備考】
※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています。
※ヴィンデルシャフトのカートリッジシステムに気付きました。
※カブトに変身できる資格があるかどうかは分かりません。
※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A's)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています。
※王蛇のカードデッキには未契約カードがあと一枚入っています。
※ベルデのカードデッキには未契約のカードと封印のカードが1枚ずつ入っています。
※「封印」のカードを持っている限り、ミラーモンスターはこの所有者を襲う事は出来ません。
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