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「Mの姿/マイナスからのリスタート」(2010/11/03 (水) 21:26:16) の最新版変更点
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*Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6
――CLOCK OVER――
鳴り響いた電子音は、超加速の終了を告げる合図。
誰も居ない平野まで駆け抜けて、ライダーシステムが限界を感じた。
距離にすれば、1キロ走ったかどうか。普段の天道ならば、大した距離では無い。
されど、今は状況が特別だ。クロックアップの時間制限と、なのはという名の足かせ。
それらを抱えて走り抜けた天道には、既に戦える程の体力は残されて居ない。
立ち止まると同時に、天道の身体から赤の装甲と抱えていたなのはが離れた。
「あれ……ここは? 今さっきまでキングが……」
「クロックアップで離脱した。お前を守りながらあの二人と同時に戦うのは無理だ」
「離脱……? 天道さんが……?」
らしくない。普段の天道ならば、逃げたりはしない筈だ。
例え状況が不利であっても、カブトという力がある限り、天道は戦う。
そういう人間だと思っていただけに、意外な撤退には正直面食らった。
……否、先程の天道の動揺を考えれば、それも無理は無いのかもしれない。
本人は表には出していないつもりだろうが、アンジールが妹を殺されたと聞いた時――
天道は確かに動揺していた。カブトの仮面の下で、きっと想像も出来ない様な表情をしていた。
それが一体何故なのかなど、なのはには解る訳も無いのだが……。
「今のアンジールとキングは、まず間違いなく潰し合う。どちらが勝ったとしても、俺が倒せばいいだけの話だ」
「天道さん……」
強がってはいるが、やはりいつもの天道では無かった。
何と言うか、らしくない。どういう訳か、不自然さを抱かせる。
逃げるしか無かった自分が許せないから? 戦っても勝ち目が無かったと自分自身で気付いているから?
そういった罪悪感と、アンジールの一件。それらが、天道に確かな動揺を与えているようだった。
されど、二人に立ち止まって居る時間などは与えられなかった。
「――待て、何か聞こえるぞ!」
「え……あ、これは……泣き声……?」
言われてみれば、微かに聞こえる。
女の子が、すすり泣いているような声だ。
ここからそう遠くない。このままでは危険だ。
この場で泣き声を響かせると言うのは、自分の居場所を教えているようなもの。
最悪の事態になる前に駆け付けて、泣き声の主を保護しなければならない。
何故泣いているのか、話を聞くのは保護してからでも遅くは無い。
そして、そう考えているのは天道も同じらしい。
二人はすぐに、声の元へと駆け出した。
それから間もなく、二人は声の主を発見した。
一目見た時、あまりの惨たらしさに口を塞いでしまった。
紫の髪の少女が、全裸で四肢を縛り付けられていたのだ。
それも、四肢からは止めどなく血液が溢れ出して、腹部に至っては貫通されている。
相当なショックだったのだろう。失禁した形跡すら見られる。
最早少女は、なのは達が目の前に来ても何の反応も見せなかった。
ただただ、何事かを呟きながら涙を流し続けるだけ。
口に下着を詰め込まれて居るせいで、何を呟いているのかは解らなかったが……。
もうこの子は壊れている。身体だけでなく、心も。
なのはにそう思わせるには十分だった。
「この子……あの時の……」
この少女には、見覚えがある。
あの時――このデスゲームが始まってすぐに出会った少女だ。
自分があの時この子の話をきちんと聞いて居れば、きっとこの子はここまで追い込まれなかった。
この子がこうなってしまった原因の一つは自分でもある。出来る事なら、何とかして助けたい。
だけど……今自分に出来るのは、ケリュケイオンによるヒーリングだけだ。
あの時キングは、なのはのグローブ――ケリュケイオンを見落していた。
だから、このデバイスだけはキングに奪われずに済んだのだ。
口に詰め込まれた下着を引き抜いて、掌を腹部に翳す。
そうして初めて、少女の呟きが聞きとれるものとなった。
「エリオ……シグナム……私が……殺したから、殺される……家族、殺された、から……
私……悪かった、の……かな……もう、誰も居ない……一人ぼっち……わた、し……」
「一人ぼっちじゃない……私が居る! 貴女には私が、私達がそばにいる……!」
この子が何らかの理由でエリオを殺してしまった事は、もう知っている。
その上でシグナムも殺してしまったのならば、それは確かに許されざる罪だ。
だけど、今ここで死んでいい命なんてある訳が無いし、これ以上誰にも死んで欲しくは無い。
この子は自分が犯した罪と向き合って、きちんと罪を償わなければならない。
だから、まだここで殺す訳には行かないのだ。
「なんで……どうして……こんな事に……もう、死ねば……いいのに、私なんて……」
「死ぬなんて言っちゃ駄目だよ! 私はまだ貴女の名前も聞いてない……ねぇ、名前は?
名前を教えて? 私の名前は高町なのは……誰も居ないなら、私が貴女の友達になるから……」
ようやく、少女がぴくりと反応した。
ぱちりと瞬きをして、一際大粒の涙がその瞳から零れ落ちた。
それからすぐに、少女が再び口を開いた。
「わたし……私は、柊……かがみ……お願い、なのは……私を、殺して……もう、嫌なの……」
「かがみ……かがみだね? 悪いけど、そのお願いは聞けないよ。嫌って言われても、私はかがみを助ける」
「エリオ……シグナム……それから、眼帯の女の子……私が、殺した……だから、私は……もう……」
「その話なら後で聞くから……だから、生きることを諦めないで。辛い事があったなら、一人で背負い込まないで……」
どんなにヒーリングを続けても、そんな物はその場凌ぎにしかならなかった。
腹部から、手足から、止めどなく溢れ続ける血液を止めるには、回復量が少なすぎる。
この少女、既に完全に諦めきっている。完全に絶望してしまっている。
だけど高町なのはという人間は、まだ諦めてはいない。
そんな時だった。
「そいつを助ける手段、無い訳じゃ無い」
背後から声を掛けたのは、天道だった。
手に持っているのは、見覚えのない機械。
そんな機械に何が出来るのかと訝しむが、天道の表情は真剣そのものだった。
なのはがかがみに手当をしている間、天道は今自分に出来る事を考えていた。
魔法が使えない自分に、かがみを救う事は出来ない。あと一応裸である事も尊重した。
全ての女性は等しく美しいと考える天道は、意外とフェミニストなのであった。
さて、そんな事はどうでもいい。なのはがかがみの手当てをしている間に、天道が探るものは、二つのデイバッグ。
つい先程、クロックアップで離脱する直前にキングから奪い取ったデイバッグだ。
この中に何か回復の手段が入って居ればいいのだが、それらしいものは出て来ない。
デバイスらしきものは見当たるのだが……と、そんな時であった。
「これは……」
ガチャリと音を立てて取り出したのは、白い腕輪。
どうやら腕に装着する機会らしく、大げさなディスクがくっついていた。
これはリリカル遊戯王GXの世界に登場するデュエルディスクと呼ばれる機械なのだが、天道はそれを知らない。
何の機械なのかは解らないが、危なそうな気配は無い。好奇心からか、天道はそれを左腕に装着した。
されど、何も起こりはしない。どういう訳かとデイバッグを漁るが、説明書の類は見当たらない。
そこで気付いたのは、盤上にセットされた一枚の緑のカードであった。
「……治療の神、ディアン・ケト……」
不意に、そのカード名を呟いた。
瞬間、身体に残った疲労が消えて行くのを感じる。
カブトとしての戦闘による疲労、クロックアップによる疲労。
それらの疲労が溜まっていた筈の身体が、一気に軽くなるようだった。
同時に、天道はこのディスクの全てを理解した。
「成程な……そういう事か」
セットされた緑のカード。効果は、ライフポイントを1000回復するというもの。
ライフポイントの基準がいくらなのかは解らないが、これは使えるかもしれない。
一度天道は仮面ライダー龍騎に変身したが、このカードも恐らくはあの時と同じ手合いだろう。
龍騎だって、デッキからカードを引き抜いてドラグバイザーに装填しなければならなかった。
だが見たところ、龍騎の様にカードを収納するデッキケースは見当たらない。
そして、カードがセットされた腕輪を装着した瞬間に、天道の体力は回復した。
以上の事から考えるに、このカードは既にセットされた使用状態にあったのだろう。
かといってカードが無くならない事を考えると、誰か――
恐らくキングが一度回復に使って、そのままデイバッグに放り込んでいた可能性が高い。
回復量から考えても、恐らく1000という数字はそう小さいものでもない。
ちらとかがみを見れば、今にも死にそうな表情であった。
そんな理由があって、現在に至る。
天道の言葉に期待したなのはであったが、天道は期待を裏切る言葉を発した。
「だが、そいつに使ってやる義理は無いな」
「そんな……!」
「そいつは三人も人を殺してる。そんな奴を仲間に入れてどうするんだ」
「それは……罪は償う事は出来ます……この子だって――」
「そいつには無理だ。生きる気が無い人間を助けた所で、また同じ事を繰り返すだけだからな」
確かに、天道の言う事は正しい。
死にたがっているかがみを無理に生き返らせても、逆に今度は世界を憎むかも知れない。
何故自分を殺してくれなかった。何故こんな辛い世界で、自分を生き長らえさせた、と。
事実、かがみはこれまでも周囲を呪い続けて、その結果として三人も殺してしまったのだろう。
そんな状態のかがみを助ける事は、確かに得策とは思えない。
だけど……
「それでも、私はこの子を助けたい……! 後の事は、私が責任を取るから――」
「お前では話にならん」
「な……天道さん!?」
なのはの言葉を遮って、天道が進み出た。
全裸のかがみの前に立って、真っ直ぐにその顔を見下ろす。
鋭い視線で射抜くように見据えて、言葉を続けた。
「おい、お前……“かがみ”とか言ったな。死ねば赦されるとでも思ってるのか?」
「死なないと……あの子、私……許さない……だって、私も……浅倉、許せないから……
つかさ……殺された、から……だから、シグ……ナム、殺した私……死なないと……」
「あの子ってまさか……はやてちゃ――」
「甘えるのもいい加減にしろ! お前がそいつに殺されたとして、お前が殺した三人はどうなる……!?
例えお前を殺しても、そいつはお前を絶対に赦さない。死んだ者は還って来ないんだ。心が晴れる訳が無い。
だが、そいつが仇を取る為にお前を殺せば、死んだ三人はどう思う!? 絶対に喜びはしない筈だ……!」
なのはの言葉を遮ったのは、怒号であった。
天道総司という人間が怒鳴る姿を、なのはは初めて見た。
いつだって冷静に的確な判断を下していた筈の天道だからこそ、怒鳴るなどとは思って居なかった。
そういったイメージも手伝って、天道の迫力に拍車が掛っているように見えた。
だけど、きっとそれは錯覚などでは無いのだろう。
「生きた、って……皆、私を裏切る……だって、皆……別の世界の……人、だから……なのはも……」
「私は裏切らない……! もう、かがみを離さないから……だから、私を信じて? お願い!」
「でも……万丈、目……だって……バクラだって、私……裏切られたから……」
「だからって何だ。そいつらが裏切ったからって、高町までお前を裏切ると誰が決めた?」
おかしいな、となのはは思う。
先程まではかがみを助けるつもりは無いなんて言っていたのに、今の天道の言葉はまるで真逆に聞こえる。
まるでかがみを改心させて、助けようとしているような。助ける為に、かがみに罪と向かい合わせる為に。
もしかすると、天道は最初からそうするつもりだったのではなかろうかとすら思ってしまう程であった。
「……と、言った所で生きる気力の無いお前には何を言っても無駄だな。お前がどうしても死にたいと言うなら、俺は止めはしない。
だが……お前がここで死んでしまえば、お前の言いたい事や、伝えたい事……誰にも何も、永遠に伝える事は出来なくなってしまう」
「伝えたい……こと……そんなの……もう、私には……」
「かがみ、良く考えて……? 友達の事、家族の事……元の世界で待ってる皆や、ここで戦ってるお友達の事……本当にそれでいいの?」
恐らく、先の放送で呼ばれた「柊つかさ」というのは、かがみの家族だろう。
それはかがみの言葉を聞いて居れば想像がつくし、だからこそここまで壊れてしまったのも納得が行く。
誰だって家族が死んでしまって、平然としていられる訳が無いのだ。
それもかがみの様に元が完全な一般人なら、尚の事。
だけど、それでも生き残った人の事……死んでしまった家族の想いを、考えて欲しい。
「伝え、たい事……ほん、とは……沢山ある……こなただって、生きてる……戦ってる、って……
でも……でも……人を、殺した……こんな、私が……今更……こなたと……出来る訳ない……出来る、訳……」
「かがみ……事情があったにしろ、人を殺した事は赦されないし……多分、私だって貴女を赦す事は出来ないと思う……
だけど、それでも……貴女を想ってくれるお友達の事や、死んでしまった大切な人の想い、忘れないで欲しいんだ。
私の友達だって、何度もいがみ合って、ぶつかり合って……それでも、罪を背負ってでも、最後は解りあえたから……」
フェイトの事。はやて達ヴォルケンリッターの事。
彼女らはかがみとは状況も、罪の重さも全く違う。それくらいはなのはにだって解る。
なのははきっと、エリオやシグナム、チンクを殺された事……きっとかがみを赦す事は出来ない。
だけど、それでもかがみにはその罪を背負って、前を向いて生きて欲しいと思う。
だからなのはは、こんなにもかがみを殺したくないと必死になれるのだ。
死んだ三人の想い、ここでかがみが死んで報われるものでもないのだから。
だけど、ヒーリングを続けているとは言え、かがみが現在進行形で衰弱しているのもまた事実。
このまま話が長引けば、本当に死んでしまうかもしれない。それだけは避けたいのだが……。
そう考え始めた矢先、天道も状況を察したのか、顔色を変えて話始めた。
「良く聞けかがみ。お前にまだ生きたいと願う意思があるなら……罪を償いたいと思う心があるなら……
例え他の誰が裏切ろうと、俺と高町なのはだけは絶対にお前を裏切らない。離れていても、俺達がずっとそばに居てやる」
「えっ……う、あ……あぁ……そんな、都合良い……話……今更……うぐ……う、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――」
とっくに崩壊していた涙腺から、濁流の様な涙が零れ落ちた。
まるで子供の様に、その口から呻き声を漏らして……泣き崩れた。
今までずっと辛い思いをしてきたかがみに、初めてかけられた優しい言葉。
本心から、救いたいと願ってくれる者の言葉。
だけど、後戻りは出来ないと言う事実……重圧。
それらがかがみに、最後の壁を作って抵抗させる。
今なら解る。かがみは、本当に死にたいなんて言っていた訳ではない。
本当はこの子だって、戻りたいのだ。昨日までの、平和だった頃の自分に。
友達たちと笑いあって居たであろう頃に――。
不意に、天道が右手の人差し指をそっと掲げた。
空を軽く見上げながら、言葉を続ける。
「おばあちゃんが言っていた。……嘆くなら抗え。悔やむなら進め。不幸だと嘆くだけなら誰でも出来る……ってな。
いいかかがみ。世界はお前の敵じゃない……困難は多いだろうが、お前にはその困難に立ち向かう義務がある。
そしてそれを背負って生きて行く限り、お前には何処の世界でだって生きて行く権利がある」
「う、ぁ……だって……私……わた、しぃ……三人も……ひっく……ぐすっ……」
「その三人の事を、絶対に忘れるな。そして、その三人の分まで生きて、戦い抜け。それがお前に出来る償いだ」
ただ生きて行くだけではない。
嘆くくらいなら、抗え。悔やむくらいなら、前に進め。
殺してしまった三人の呪縛に捉われてがんじがらめにされるのではなく。
未来を生きたいと願う希望の光と、背負った三人の命、罪という名の闇。
自分の中の光と闇と……その両方を背負って、走り続けなければならない。
それこそがこれからかがみがしなければならない、終わる事の無い戦い。
自分自身を見失わない様に、自分の心と戦い続けなければならないのだ。
――それきりかがみは喋らなくなった。
ただ聞こえるのは、声にならない嗚咽と、すすり泣く声だけだ。
一人で何を考えているのかは、なのは達の知る所では無い。
だけど、生きたいと願うのであれば……何事かを告げる筈。
逆に、自分達の説得でも駄目だったなら……かがみは何も言わないだろう。
果たして、その答えは――
◆
嗚呼、私にはまだ、こんなにも想ってくれる人間が居たんだ。
なのはには、あんな酷い事をしたのに……裏切られたと思って、裏切っていたのは私の方だったのに。
それでも目の前の二人は、自分を信じてくれると言っている。裏切らないと言ってくれている。
その言葉は、今でも完全に信じる事は出来ないし……心の何処かでは、未だに疑っている。
だけど同時に、信じたいと願う自分も居る。
(わたし……生きていても、いいのかな……ここに居ても、いいのかな)
もうバクラは居ない。
つかさだって居ないし、こなただってどうか解らない。
だけど、自分にも生きる事が赦されるなら……生きていたいと思う。
そして、ここで生きていていいのなら。ここに居てもいいのなら。
犯してしまった罪はきっと、永遠に消えないのだろうけど……それでも。
誰かと一緒に、誰かの為に、死んでしまった三人の分まで戦いたい。
自分自身と戦って、生き抜きたい……きっと皆、都合が良いって言うと思うけど……。
あの関西弁の少女に会うのも、殺してしまった人の関係者に会うのも、迷惑を掛けてしまった皆に会うのも、正直に言えば怖い。
また殺されるんじゃないだろうか。自分なんて信じて貰えないんじゃないだろうか。
きっとこれまで関わった皆から、都合が良いって罵られる筈だ。
正直言って怖い。怖くて怖くて、また心がどうにかなってしまいそうだ。
だけど、それでも逃げる訳には行かない。自分はそれに立ち向かわなくちゃならないから。
罪を背負うって言うのはきっと……そういう事でもあるのだと思うから。
だから、私は――。
「なの、は……ありが、とう……私、最後に……あんたに、会えて……良かった」
「かがみ……最後だなんて言わないで! これからも、一緒に戦おう……一緒にゲームから脱出しよう!?」
「わか……るから……私、も……駄目、だって……だから、私の分、まで……なのは……生き、て……」
「かがみ……かがみ!? そんなの駄目だよ……かがみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」
悲しいかな、手遅れだ。
もう何をしても、間に合わない。自分でも解る。
体中からこれだけ血液を流したのだから、当然だ。
生きる気力はあっても、考え方を変える事が出来ても、現実には敵わない。
だけど最後の最後で本当の自分を取り戻す事が出来た。
そして、最後になのはにお礼を言えただけで、もう満足だ。
嗚呼、今の自分は、ちゃんと笑う事が出来てるだろうか。
最後くらいは、笑顔でいたいから……
だから――
「――ありがとう」
それだけ言って、かがみは意識を手放した。
と言うよりも、意識を保って居られなくなったのだ。
喋り続けた所為か、意識の混濁が余計に早まっているように思える。
だけど、意識が途切れる寸前に、男の声が聞こえた気がした。
「合格だ、かがみ」
何が合格なのか……今となっては何も解らない。
もう何も考える事など出来ないのだから……。
◆
柊かがみが意識を手放してから、既に数十分が経過していた。
天道総司も、高町なのはも、今はその場に腰掛けて、休憩をとって居た。
二人の表情に、先程までの緊迫感は無い。どちらも今はただ身体を休める事に集中しているようだった。
本来ならば、かがみの事でそう簡単には立ち直れないのだろうが……。
「天道さん、最初からかがみを助けるつもりだったんでしょう?」
「勘違いするな。俺は生きる意志を持つものしか助けるつもりは無い」
「でも、最初からかがみを見捨てようとはしなかった……
それは、かがみが本当は優しい子だって気付いてたからじゃないですか?」
なのはが問うが、天道はそれ以上何も答えなかった。
無駄話をしている暇があるなら、体力を回復させろ、と。まるでそう言っているようだった。
今の天道は、ただ目を瞑り腕を組んで、瞑想でもしているかのように俯いているのみ。
もしかしたら何事かを考えているのかも知れないが……それは天道にしか解らない。
二人が無言になれば、すやすやと聞こえてくるのは安らかな寝息。
紫髪の少女が身体になのはの上着の着物をかけられて、ぐっすりと眠っていた。
「デュエルディスク……カードさえあれば、何度でも使える支給品。正直、こんな便利な物があったなんて……」
「と言っても、かがみの場合はあと何度か使わないと完全には回復しないだろうがな」
「その……かがみの傷、やっぱりはやてちゃんがやったんでしょうか」
「それに関しては、起きてから直接かがみに話を聞くしかないな」
犯人はほぼはやてで間違い無いのだが……天道はそうだとは言わない。
それも当然だろう。天道だって、はやてがなのはの友達だと言う事は理解している。
絶対にはやてがやったのだと言う確信があるのなら話は別だが、そうでないなら想像だけで迂闊な事は言えない。
かがみが気を失う瞬間に、天道が咄嗟にデュエルディスクを装着させ、そのカード名を読みあげた上で、効果を発動させた。
天道による「発動」の掛け声を認識したディスクは、装着者のかがみを回復させたのだ。
咄嗟の機転のお陰で助かりはしたものの、下手をすればこのまま死んでいた可能性だってある。
そんな事を、あの八神はやてがした。シグナムの仇を取る為といっても、明らかに“やり過ぎ”だ。
悪い冗談だと信じたい、と……そう思っているのは二人ともであった。
「何にせよ、今は考えても無駄だ。放送まであと僅かだ。それを聞いたら、俺はこのまま西へ向かう」
「西……? でも、地図を見る限りじゃ、ここより先は……」
「俺の予想が正しければ……エリアの端と端は繋がっているかも知れない」
「え……それはどうしてですか?」
「かがみを拘束するのに使われていた服、見たところホテルの従業員の制服だ。
なのは、お前が最初にかがみと出会った時、確か制服を着てたって言ってたよな?」
「成程……つまりかがみは一度ホテルに行って着替えてから、この平野まで戻って来た……?」
「ああ。そしてここにかがみを襲った犯人は居ない。何も無い平野だ、この周囲に隠れている訳でもあるまい」
天道の言っているのはつまり、こういう事だ。
かがみはなのはと出会ってから、どういう訳か一度ホテルへ向かった。
そこでホテルの従業員の制服を手にし、それを着て移動を開始した。
だが、移動途中に何者かに襲撃され、この場に置き去りにされてしまった。
とするならば、その犯人は何処へ逃げた? この周囲に隠れる場所は無い。
かがみの傷を見たところ、恐らくやられたのはそんなに前という訳でもないだろう。
そう考えれば、考えられるのは、このエリアの向こう側はそのまま東側に繋がっているという可能性。
プレシアの事だ。エリアの外に出たからって首輪爆発なんてつまらない事はしないだろうし、十分にあり得る。
「それに、ゆりかごに向かうなら東側から行った方が圧倒的に近い」
「……それだけじゃない。もしも犯人がはやてちゃんなら、どうしてこんな酷い事をしたのか……
もしそこで出会えたら、きちんと本人から話を聞く事も出来るかもしれない」
これで話はまとまった。
まずは放送を聞き、それからかがみから事情を聞く。
そしてすぐに西へ向かい、エリアが繋がっているのかどうかを確認。
それからゆりかごへ向かい、ヴィヴィオを救出する。
これが当面の彼らの行動方針であった。
キングから奪い取ったデイバッグをその手に抱え、二人は星空を見上げていた。
各々の思考を巡らせながら、この無情なデスゲームに憤りを募らせる。
こんなゲームは絶対に終わらせなければならない。
その為にも、自分達は戦わなければならないのだ。
放送まであと僅かだ。それを聞いたら、すぐにでも動きださなければならない。
そして、そう考える高町なのはのデイバッグの中には――
彼女にとっての、最高の切り札が今も眠っているのであった。
【1日目 真夜中】
【現在地 D-1 平野】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康
【装備】とがめの着物@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デルタギア一式・デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。絶対にヴィヴィオを救出する。
1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。
2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。
3.天道と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを探し出して救出する。
4.出来れば銀色の鬼(メビウス)と片翼の男(アンジール)と話をしたいが……。
5.極力全ての戦えない人を保護して仲間を集める。
6.フェイトちゃんもはやてちゃんも……本当にゲームに乗ったの?
【備考】
※金居とキングを警戒しています。キングは最悪の相手だと判断しています。
※はやて(StS)に疑念を抱いています。きちんとお話して確認したいと考えています。
【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】健康
【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。
1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。
2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。
3.なのはと共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを救出、何としても親子二人を再会させる。
4.一応あとで赤と銀の戦士(メビウス)の思惑を確かめる。
5.キング及びアンジールは倒さなければならない敵。
6.エネルを捜して、他の参加者に危害を加える前に止める。
【備考】
※首輪に名前が書かれていると知りました。
※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。
※PT事件とJS事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。
※なのはとヴィヴィオの間の出来事をだいたい把握しました。
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】全裸、両手首の腱及び両アキレス腱切断(回復中)、腹部に深い刺し傷(回復中)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー
【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX
【道具】ホテル従業員の制服
【思考】
基本:出来るなら、生きて行きたい。
0.ありがとう、なのは……。
1.……(気絶中)。
【備考】
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。
※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
【チーム:スターズチーム】
【共通思考】
基本:出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。
1.まずは現状確認。
2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。
3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。
4.工場に向かい首輪を解析する。
【備考】
※それぞれが違う世界から呼ばれたという事に気付きました。
※チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。
友好的:なのは、(もう一人のなのは)、(フェイト)、(もう一人のフェイト)、(もう一人のはやて)、ユーノ、(クロノ)、(シグナム)、ヴィータ、(シャマル)、(ザフィーラ)、スバル、(ティアナ)、(エリオ)、(キャロ)、(ギンガ)、ヴィヴィオ、(ペンウッド)、天道、(弁慶)、(ゼスト)、(インテグラル)、(C.C.)、(ルルーシュ)、(カレン)、(シャーリー)
敵対的:アーカード、(アンデルセン)、(浅倉)、相川始、エネル、キング、アンジール
要注意:クアットロ、はやて、銀色の鬼?、金居、(矢車)
それ以外:(チンク)・(ディエチ)・(ルーテシア)、柊かがみ、(ギルモン・アグモン)
|Back:[[Mの姿/鏡]]|時系列順で読む|Next:[[こなたとリインと男の娘]]|
|~|投下順で読む|Next:[[こなたとリインと男の娘]]|
|~|アンジール・ヒューレー|Next:[[闇よりの使者]]|
|~|高町なのは(StS)|Next:[[]]|
|~|天道総司|Next:[[]]|
|~|キング|Next:[[闇よりの使者]]|
|~|柊かがみ|Next:[[]]|
----
*Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6
――CLOCK OVER――
鳴り響いた電子音は、超加速の終了を告げる合図。
誰も居ない平野まで駆け抜けて、ライダーシステムが限界を感じた。
距離にすれば、1キロ走ったかどうか。普段の天道ならば、大した距離では無い。
されど、今は状況が特別だ。クロックアップの時間制限と、なのはという名の足かせ。
それらを抱えて走り抜けた天道には、既に戦える程の体力は残されて居ない。
立ち止まると同時に、天道の身体から赤の装甲と抱えていたなのはが離れた。
「あれ……ここは? 今さっきまでキングが……」
「クロックアップで離脱した。お前を守りながらあの二人と同時に戦うのは無理だ」
「離脱……? 天道さんが……?」
らしくない。普段の天道ならば、逃げたりはしない筈だ。
例え状況が不利であっても、カブトという力がある限り、天道は戦う。
そういう人間だと思っていただけに、意外な撤退には正直面食らった。
……否、先程の天道の動揺を考えれば、それも無理は無いのかもしれない。
本人は表には出していないつもりだろうが、アンジールが妹を殺されたと聞いた時――
天道は確かに動揺していた。カブトの仮面の下で、きっと想像も出来ない様な表情をしていた。
それが一体何故なのかなど、なのはには解る訳も無いのだが……。
「今のアンジールとキングは、まず間違いなく潰し合う。どちらが勝ったとしても、俺が倒せばいいだけの話だ」
「天道さん……」
強がってはいるが、やはりいつもの天道では無かった。
何と言うか、らしくない。どういう訳か、不自然さを抱かせる。
逃げるしか無かった自分が許せないから? 戦っても勝ち目が無かったと自分自身で気付いているから?
そういった罪悪感と、アンジールの一件。それらが、天道に確かな動揺を与えているようだった。
されど、二人に立ち止まって居る時間などは与えられなかった。
「――待て、何か聞こえるぞ!」
「え……あ、これは……泣き声……?」
言われてみれば、微かに聞こえる。
女の子が、すすり泣いているような声だ。
ここからそう遠くない。このままでは危険だ。
この場で泣き声を響かせると言うのは、自分の居場所を教えているようなもの。
最悪の事態になる前に駆け付けて、泣き声の主を保護しなければならない。
何故泣いているのか、話を聞くのは保護してからでも遅くは無い。
そして、そう考えているのは天道も同じらしい。
二人はすぐに、声の元へと駆け出した。
それから間もなく、二人は声の主を発見した。
一目見た時、あまりの惨たらしさに口を塞いでしまった。
紫の髪の少女が、全裸で四肢を縛り付けられていたのだ。
それも、四肢からは止めどなく血液が溢れ出して、腹部に至っては貫通されている。
相当なショックだったのだろう。失禁した形跡すら見られる。
最早少女は、なのは達が目の前に来ても何の反応も見せなかった。
ただただ、何事かを呟きながら涙を流し続けるだけ。
口に下着を詰め込まれて居るせいで、何を呟いているのかは解らなかったが……。
もうこの子は壊れている。身体だけでなく、心も。
なのはにそう思わせるには十分だった。
「この子……あの時の……」
この少女には、見覚えがある。
あの時――このデスゲームが始まってすぐに出会った少女だ。
自分があの時この子の話をきちんと聞いて居れば、きっとこの子はここまで追い込まれなかった。
この子がこうなってしまった原因の一つは自分でもある。出来る事なら、何とかして助けたい。
だけど……今自分に出来るのは、ケリュケイオンによるヒーリングだけだ。
あの時キングは、なのはのグローブ――ケリュケイオンを見落していた。
だから、このデバイスだけはキングに奪われずに済んだのだ。
口に詰め込まれた下着を引き抜いて、掌を腹部に翳す。
そうして初めて、少女の呟きが聞きとれるものとなった。
「エリオ……シグナム……私が……殺したから、殺される……家族、殺された、から……
私……悪かった、の……かな……もう、誰も居ない……一人ぼっち……わた、し……」
「一人ぼっちじゃない……私が居る! 貴女には私が、私達がそばにいる……!」
この子が何らかの理由でエリオを殺してしまった事は、もう知っている。
その上でシグナムも殺してしまったのならば、それは確かに許されざる罪だ。
だけど、今ここで死んでいい命なんてある訳が無いし、これ以上誰にも死んで欲しくは無い。
この子は自分が犯した罪と向き合って、きちんと罪を償わなければならない。
だから、まだここで殺す訳には行かないのだ。
「なんで……どうして……こんな事に……もう、死ねば……いいのに、私なんて……」
「死ぬなんて言っちゃ駄目だよ! 私はまだ貴女の名前も聞いてない……ねぇ、名前は?
名前を教えて? 私の名前は高町なのは……誰も居ないなら、私が貴女の友達になるから……」
ようやく、少女がぴくりと反応した。
ぱちりと瞬きをして、一際大粒の涙がその瞳から零れ落ちた。
それからすぐに、少女が再び口を開いた。
「わたし……私は、柊……かがみ……お願い、なのは……私を、殺して……もう、嫌なの……」
「かがみ……かがみだね? 悪いけど、そのお願いは聞けないよ。嫌って言われても、私はかがみを助ける」
「エリオ……シグナム……それから、眼帯の女の子……私が、殺した……だから、私は……もう……」
「その話なら後で聞くから……だから、生きることを諦めないで。辛い事があったなら、一人で背負い込まないで……」
どんなにヒーリングを続けても、そんな物はその場凌ぎにしかならなかった。
腹部から、手足から、止めどなく溢れ続ける血液を止めるには、回復量が少なすぎる。
この少女、既に完全に諦めきっている。完全に絶望してしまっている。
だけど高町なのはという人間は、まだ諦めてはいない。
そんな時だった。
「そいつを助ける手段、無い訳じゃ無い」
背後から声を掛けたのは、天道だった。
手に持っているのは、見覚えのない機械。
そんな機械に何が出来るのかと訝しむが、天道の表情は真剣そのものだった。
なのはがかがみに手当をしている間、天道は今自分に出来る事を考えていた。
魔法が使えない自分に、かがみを救う事は出来ない。あと一応裸である事も尊重した。
全ての女性は等しく美しいと考える天道は、意外とフェミニストなのであった。
さて、そんな事はどうでもいい。なのはがかがみの手当てをしている間に、天道が探るものは、二つのデイバッグ。
つい先程、クロックアップで離脱する直前にキングから奪い取ったデイバッグだ。
この中に何か回復の手段が入って居ればいいのだが、それらしいものは出て来ない。
デバイスらしきものは見当たるのだが……と、そんな時であった。
「これは……」
ガチャリと音を立てて取り出したのは、白い腕輪。
どうやら腕に装着する機会らしく、大げさなディスクがくっついていた。
これはリリカル遊戯王GXの世界に登場するデュエルディスクと呼ばれる機械なのだが、天道はそれを知らない。
何の機械なのかは解らないが、危なそうな気配は無い。好奇心からか、天道はそれを左腕に装着した。
されど、何も起こりはしない。どういう訳かとデイバッグを漁るが、説明書の類は見当たらない。
そこで気付いたのは、盤上にセットされた一枚の緑のカードであった。
「……治療の神、ディアン・ケト……」
不意に、そのカード名を呟いた。
瞬間、身体に残った疲労が消えて行くのを感じる。
カブトとしての戦闘による疲労、クロックアップによる疲労。
それらの疲労が溜まっていた筈の身体が、一気に軽くなるようだった。
同時に、天道はこのディスクの全てを理解した。
「成程な……そういう事か」
セットされた緑のカード。効果は、ライフポイントを1000回復するというもの。
ライフポイントの基準がいくらなのかは解らないが、これは使えるかもしれない。
一度天道は仮面ライダー龍騎に変身したが、このカードも恐らくはあの時と同じ手合いだろう。
龍騎だって、デッキからカードを引き抜いてドラグバイザーに装填しなければならなかった。
だが見たところ、龍騎の様にカードを収納するデッキケースは見当たらない。
そして、カードがセットされた腕輪を装着した瞬間に、天道の体力は回復した。
以上の事から考えるに、このカードは既にセットされた使用状態にあったのだろう。
かといってカードが無くならない事を考えると、誰か――
恐らくキングが一度回復に使って、そのままデイバッグに放り込んでいた可能性が高い。
回復量から考えても、恐らく1000という数字はそう小さいものでもない。
ちらとかがみを見れば、今にも死にそうな表情であった。
そんな理由があって、現在に至る。
天道の言葉に期待したなのはであったが、天道は期待を裏切る言葉を発した。
「だが、そいつに使ってやる義理は無いな」
「そんな……!」
「そいつは三人も人を殺してる。そんな奴を仲間に入れてどうするんだ」
「それは……罪は償う事は出来ます……この子だって――」
「そいつには無理だ。生きる気が無い人間を助けた所で、また同じ事を繰り返すだけだからな」
確かに、天道の言う事は正しい。
死にたがっているかがみを無理に生き返らせても、逆に今度は世界を憎むかも知れない。
何故自分を殺してくれなかった。何故こんな辛い世界で、自分を生き長らえさせた、と。
事実、かがみはこれまでも周囲を呪い続けて、その結果として三人も殺してしまったのだろう。
そんな状態のかがみを助ける事は、確かに得策とは思えない。
だけど……
「それでも、私はこの子を助けたい……! 後の事は、私が責任を取るから――」
「お前では話にならん」
「な……天道さん!?」
なのはの言葉を遮って、天道が進み出た。
全裸のかがみの前に立って、真っ直ぐにその顔を見下ろす。
鋭い視線で射抜くように見据えて、言葉を続けた。
「おい、お前……“かがみ”とか言ったな。死ねば赦されるとでも思ってるのか?」
「死なないと……あの子、私……許さない……だって、私も……浅倉、許せないから……
つかさ……殺された、から……だから、シグ……ナム、殺した私……死なないと……」
「あの子ってまさか……はやてちゃ――」
「甘えるのもいい加減にしろ! お前がそいつに殺されたとして、お前が殺した三人はどうなる……!?
例えお前を殺しても、そいつはお前を絶対に赦さない。死んだ者は還って来ないんだ。心が晴れる訳が無い。
だが、そいつが仇を取る為にお前を殺せば、死んだ三人はどう思う!? 絶対に喜びはしない筈だ……!」
なのはの言葉を遮ったのは、怒号であった。
天道総司という人間が怒鳴る姿を、なのはは初めて見た。
いつだって冷静に的確な判断を下していた筈の天道だからこそ、怒鳴るなどとは思って居なかった。
そういったイメージも手伝って、天道の迫力に拍車が掛っているように見えた。
だけど、きっとそれは錯覚などでは無いのだろう。
「生きた、って……皆、私を裏切る……だって、皆……別の世界の……人、だから……なのはも……」
「私は裏切らない……! もう、かがみを離さないから……だから、私を信じて? お願い!」
「でも……万丈、目……だって……バクラだって、私……裏切られたから……」
「だからって何だ。そいつらが裏切ったからって、高町までお前を裏切ると誰が決めた?」
おかしいな、となのはは思う。
先程まではかがみを助けるつもりは無いなんて言っていたのに、今の天道の言葉はまるで真逆に聞こえる。
まるでかがみを改心させて、助けようとしているような。助ける為に、かがみに罪と向かい合わせる為に。
もしかすると、天道は最初からそうするつもりだったのではなかろうかとすら思ってしまう程であった。
「……と、言った所で生きる気力の無いお前には何を言っても無駄だな。お前がどうしても死にたいと言うなら、俺は止めはしない。
だが……お前がここで死んでしまえば、お前の言いたい事や、伝えたい事……誰にも何も、永遠に伝える事は出来なくなってしまう」
「伝えたい……こと……そんなの……もう、私には……」
「かがみ、良く考えて……? 友達の事、家族の事……元の世界で待ってる皆や、ここで戦ってるお友達の事……本当にそれでいいの?」
恐らく、先の放送で呼ばれた「柊つかさ」というのは、かがみの家族だろう。
それはかがみの言葉を聞いて居れば想像がつくし、だからこそここまで壊れてしまったのも納得が行く。
誰だって家族が死んでしまって、平然としていられる訳が無いのだ。
それもかがみの様に元が完全な一般人なら、尚の事。
だけど、それでも生き残った人の事……死んでしまった家族の想いを、考えて欲しい。
「伝え、たい事……ほん、とは……沢山ある……こなただって、生きてる……戦ってる、って……
でも……でも……人を、殺した……こんな、私が……今更……こなたと……出来る訳ない……出来る、訳……」
「かがみ……事情があったにしろ、人を殺した事は赦されないし……多分、私だって貴女を赦す事は出来ないと思う……
だけど、それでも……貴女を想ってくれるお友達の事や、死んでしまった大切な人の想い、忘れないで欲しいんだ。
私の友達だって、何度もいがみ合って、ぶつかり合って……それでも、罪を背負ってでも、最後は解りあえたから……」
フェイトの事。はやて達ヴォルケンリッターの事。
彼女らはかがみとは状況も、罪の重さも全く違う。それくらいはなのはにだって解る。
なのははきっと、エリオやシグナム、チンクを殺された事……きっとかがみを赦す事は出来ない。
だけど、それでもかがみにはその罪を背負って、前を向いて生きて欲しいと思う。
だからなのはは、こんなにもかがみを殺したくないと必死になれるのだ。
死んだ三人の想い、ここでかがみが死んで報われるものでもないのだから。
だけど、ヒーリングを続けているとは言え、かがみが現在進行形で衰弱しているのもまた事実。
このまま話が長引けば、本当に死んでしまうかもしれない。それだけは避けたいのだが……。
そう考え始めた矢先、天道も状況を察したのか、顔色を変えて話始めた。
「良く聞けかがみ。お前にまだ生きたいと願う意思があるなら……罪を償いたいと思う心があるなら……
例え他の誰が裏切ろうと、俺と高町なのはだけは絶対にお前を裏切らない。離れていても、俺達がずっとそばに居てやる」
「えっ……う、あ……あぁ……そんな、都合良い……話……今更……うぐ……う、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――」
とっくに崩壊していた涙腺から、濁流の様な涙が零れ落ちた。
まるで子供の様に、その口から呻き声を漏らして……泣き崩れた。
今までずっと辛い思いをしてきたかがみに、初めてかけられた優しい言葉。
本心から、救いたいと願ってくれる者の言葉。
だけど、後戻りは出来ないと言う事実……重圧。
それらがかがみに、最後の壁を作って抵抗させる。
今なら解る。かがみは、本当に死にたいなんて言っていた訳ではない。
本当はこの子だって、戻りたいのだ。昨日までの、平和だった頃の自分に。
友達たちと笑いあって居たであろう頃に――。
不意に、天道が右手の人差し指をそっと掲げた。
空を軽く見上げながら、言葉を続ける。
「おばあちゃんが言っていた。……嘆くなら抗え。悔やむなら進め。不幸だと嘆くだけなら誰でも出来る……ってな。
いいかかがみ。世界はお前の敵じゃない……困難は多いだろうが、お前にはその困難に立ち向かう義務がある。
そしてそれを背負って生きて行く限り、お前には何処の世界でだって生きて行く権利がある」
「う、ぁ……だって……私……わた、しぃ……三人も……ひっく……ぐすっ……」
「その三人の事を、絶対に忘れるな。そして、その三人の分まで生きて、戦い抜け。それがお前に出来る償いだ」
ただ生きて行くだけではない。
嘆くくらいなら、抗え。悔やむくらいなら、前に進め。
殺してしまった三人の呪縛に捉われてがんじがらめにされるのではなく。
未来を生きたいと願う希望の光と、背負った三人の命、罪という名の闇。
自分の中の光と闇と……その両方を背負って、走り続けなければならない。
それこそがこれからかがみがしなければならない、終わる事の無い戦い。
自分自身を見失わない様に、自分の心と戦い続けなければならないのだ。
――それきりかがみは喋らなくなった。
ただ聞こえるのは、声にならない嗚咽と、すすり泣く声だけだ。
一人で何を考えているのかは、なのは達の知る所では無い。
だけど、生きたいと願うのであれば……何事かを告げる筈。
逆に、自分達の説得でも駄目だったなら……かがみは何も言わないだろう。
果たして、その答えは――
◆
嗚呼、私にはまだ、こんなにも想ってくれる人間が居たんだ。
なのはには、あんな酷い事をしたのに……裏切られたと思って、裏切っていたのは私の方だったのに。
それでも目の前の二人は、自分を信じてくれると言っている。裏切らないと言ってくれている。
その言葉は、今でも完全に信じる事は出来ないし……心の何処かでは、未だに疑っている。
だけど同時に、信じたいと願う自分も居る。
(わたし……生きていても、いいのかな……ここに居ても、いいのかな)
もうバクラは居ない。
つかさだって居ないし、こなただってどうか解らない。
だけど、自分にも生きる事が赦されるなら……生きていたいと思う。
そして、ここで生きていていいのなら。ここに居てもいいのなら。
犯してしまった罪はきっと、永遠に消えないのだろうけど……それでも。
誰かと一緒に、誰かの為に、死んでしまった三人の分まで戦いたい。
自分自身と戦って、生き抜きたい……きっと皆、都合が良いって言うと思うけど……。
あの関西弁の少女に会うのも、殺してしまった人の関係者に会うのも、迷惑を掛けてしまった皆に会うのも、正直に言えば怖い。
また殺されるんじゃないだろうか。自分なんて信じて貰えないんじゃないだろうか。
きっとこれまで関わった皆から、都合が良いって罵られる筈だ。
正直言って怖い。怖くて怖くて、また心がどうにかなってしまいそうだ。
だけど、それでも逃げる訳には行かない。自分はそれに立ち向かわなくちゃならないから。
罪を背負うって言うのはきっと……そういう事でもあるのだと思うから。
だから、私は――。
「なの、は……ありが、とう……私、最後に……あんたに、会えて……良かった」
「かがみ……最後だなんて言わないで! これからも、一緒に戦おう……一緒にゲームから脱出しよう!?」
「わか……るから……私、も……駄目、だって……だから、私の分、まで……なのは……生き、て……」
「かがみ……かがみ!? そんなの駄目だよ……かがみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」
悲しいかな、手遅れだ。
もう何をしても、間に合わない。自分でも解る。
体中からこれだけ血液を流したのだから、当然だ。
生きる気力はあっても、考え方を変える事が出来ても、現実には敵わない。
だけど最後の最後で本当の自分を取り戻す事が出来た。
そして、最後になのはにお礼を言えただけで、もう満足だ。
嗚呼、今の自分は、ちゃんと笑う事が出来てるだろうか。
最後くらいは、笑顔でいたいから……
だから――
「――ありがとう」
それだけ言って、かがみは意識を手放した。
と言うよりも、意識を保って居られなくなったのだ。
喋り続けた所為か、意識の混濁が余計に早まっているように思える。
だけど、意識が途切れる寸前に、男の声が聞こえた気がした。
「合格だ、かがみ」
何が合格なのか……今となっては何も解らない。
もう何も考える事など出来ないのだから……。
◆
柊かがみが意識を手放してから、既に数十分が経過していた。
天道総司も、高町なのはも、今はその場に腰掛けて、休憩をとって居た。
二人の表情に、先程までの緊迫感は無い。どちらも今はただ身体を休める事に集中しているようだった。
本来ならば、かがみの事でそう簡単には立ち直れないのだろうが……。
「天道さん、最初からかがみを助けるつもりだったんでしょう?」
「勘違いするな。俺は生きる意志を持つものしか助けるつもりは無い」
「でも、最初からかがみを見捨てようとはしなかった……
それは、かがみが本当は優しい子だって気付いてたからじゃないですか?」
なのはが問うが、天道はそれ以上何も答えなかった。
無駄話をしている暇があるなら、体力を回復させろ、と。まるでそう言っているようだった。
今の天道は、ただ目を瞑り腕を組んで、瞑想でもしているかのように俯いているのみ。
もしかしたら何事かを考えているのかも知れないが……それは天道にしか解らない。
二人が無言になれば、すやすやと聞こえてくるのは安らかな寝息。
紫髪の少女が身体になのはの上着の着物をかけられて、ぐっすりと眠っていた。
「デュエルディスク……カードさえあれば、何度でも使える支給品。正直、こんな便利な物があったなんて……」
「と言っても、かがみの場合はあと何度か使わないと完全には回復しないだろうがな」
「その……かがみの傷、やっぱりはやてちゃんがやったんでしょうか」
「それに関しては、起きてから直接かがみに話を聞くしかないな」
犯人はほぼはやてで間違い無いのだが……天道はそうだとは言わない。
それも当然だろう。天道だって、はやてがなのはの友達だと言う事は理解している。
絶対にはやてがやったのだと言う確信があるのなら話は別だが、そうでないなら想像だけで迂闊な事は言えない。
かがみが気を失う瞬間に、天道が咄嗟にデュエルディスクを装着させ、そのカード名を読みあげた上で、効果を発動させた。
天道による「発動」の掛け声を認識したディスクは、装着者のかがみを回復させたのだ。
咄嗟の機転のお陰で助かりはしたものの、下手をすればこのまま死んでいた可能性だってある。
そんな事を、あの八神はやてがした。シグナムの仇を取る為といっても、明らかに“やり過ぎ”だ。
悪い冗談だと信じたい、と……そう思っているのは二人ともであった。
「何にせよ、今は考えても無駄だ。放送まであと僅かだ。それを聞いたら、俺はこのまま西へ向かう」
「西……? でも、地図を見る限りじゃ、ここより先は……」
「俺の予想が正しければ……エリアの端と端は繋がっているかも知れない」
「え……それはどうしてですか?」
「かがみを拘束するのに使われていた服、見たところホテルの従業員の制服だ。
なのは、お前が最初にかがみと出会った時、確か制服を着てたって言ってたよな?」
「成程……つまりかがみは一度ホテルに行って着替えてから、この平野まで戻って来た……?」
「ああ。そしてここにかがみを襲った犯人は居ない。何も無い平野だ、この周囲に隠れている訳でもあるまい」
天道の言っているのはつまり、こういう事だ。
かがみはなのはと出会ってから、どういう訳か一度ホテルへ向かった。
そこでホテルの従業員の制服を手にし、それを着て移動を開始した。
だが、移動途中に何者かに襲撃され、この場に置き去りにされてしまった。
とするならば、その犯人は何処へ逃げた? この周囲に隠れる場所は無い。
かがみの傷を見たところ、恐らくやられたのはそんなに前という訳でもないだろう。
そう考えれば、考えられるのは、このエリアの向こう側はそのまま東側に繋がっているという可能性。
プレシアの事だ。エリアの外に出たからって首輪爆発なんてつまらない事はしないだろうし、十分にあり得る。
「それに、ゆりかごに向かうなら東側から行った方が圧倒的に近い」
「……それだけじゃない。もしも犯人がはやてちゃんなら、どうしてこんな酷い事をしたのか……
もしそこで出会えたら、きちんと本人から話を聞く事も出来るかもしれない」
これで話はまとまった。
まずは放送を聞き、それからかがみから事情を聞く。
そしてすぐに西へ向かい、エリアが繋がっているのかどうかを確認。
それからゆりかごへ向かい、ヴィヴィオを救出する。
これが当面の彼らの行動方針であった。
キングから奪い取ったデイバッグをその手に抱え、二人は星空を見上げていた。
各々の思考を巡らせながら、この無情なデスゲームに憤りを募らせる。
こんなゲームは絶対に終わらせなければならない。
その為にも、自分達は戦わなければならないのだ。
放送まであと僅かだ。それを聞いたら、すぐにでも動きださなければならない。
そして、そう考える高町なのはのデイバッグの中には――
彼女にとっての、最高の切り札が今も眠っているのであった。
【1日目 真夜中】
【現在地 D-1 平野】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康
【装備】とがめの着物@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デルタギア一式・デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。絶対にヴィヴィオを救出する。
1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。
2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。
3.天道と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを探し出して救出する。
4.出来れば銀色の鬼(メビウス)と片翼の男(アンジール)と話をしたいが……。
5.極力全ての戦えない人を保護して仲間を集める。
6.フェイトちゃんもはやてちゃんも……本当にゲームに乗ったの?
【備考】
※金居とキングを警戒しています。キングは最悪の相手だと判断しています。
※はやて(StS)に疑念を抱いています。きちんとお話して確認したいと考えています。
【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】健康
【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。
1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。
2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。
3.なのはと共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを救出、何としても親子二人を再会させる。
4.一応あとで赤と銀の戦士(メビウス)の思惑を確かめる。
5.キング及びアンジールは倒さなければならない敵。
6.エネルを捜して、他の参加者に危害を加える前に止める。
【備考】
※首輪に名前が書かれていると知りました。
※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。
※PT事件とJS事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。
※なのはとヴィヴィオの間の出来事をだいたい把握しました。
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】全裸、両手首の腱及び両アキレス腱切断(回復中)、腹部に深い刺し傷(回復中)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー
【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX
【道具】ホテル従業員の制服
【思考】
基本:出来るなら、生きて行きたい。
0.ありがとう、なのは……。
1.……(気絶中)。
【備考】
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。
※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
【チーム:スターズチーム】
【共通思考】
基本:出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。
1.まずは現状確認。
2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。
3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。
4.工場に向かい首輪を解析する。
【備考】
※それぞれが違う世界から呼ばれたという事に気付きました。
※チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。
友好的:なのは、(もう一人のなのは)、(フェイト)、(もう一人のフェイト)、(もう一人のはやて)、ユーノ、(クロノ)、(シグナム)、ヴィータ、(シャマル)、(ザフィーラ)、スバル、(ティアナ)、(エリオ)、(キャロ)、(ギンガ)、ヴィヴィオ、(ペンウッド)、天道、(弁慶)、(ゼスト)、(インテグラル)、(C.C.)、(ルルーシュ)、(カレン)、(シャーリー)
敵対的:アーカード、(アンデルセン)、(浅倉)、相川始、エネル、キング、アンジール
要注意:クアットロ、はやて、銀色の鬼?、金居、(矢車)
それ以外:(チンク)・(ディエチ)・(ルーテシア)、柊かがみ、(ギルモン・アグモン)
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|~|天道総司|Next:[[救済N/EGO~eyes glazing over]]|
|~|キング|Next:[[闇よりの使者]]|
|~|柊かがみ|Next:[[救済N/EGO~eyes glazing over]]|
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