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CROSS CHANNEL ◆WMc1TGFkQk




 暗き空、白き月、張り詰めた気配、漂う死の匂い……その中に、彼らはいた。

【Channel 1st】

 月を眺める男。オールバックの黒髪、妖しく輝く青眼。
 既に亡き男。人格のコピー。作り物の体。
 その名を、アンジール・ヒューレーと云った。
「ここは……?」
 自分は確か、セフィロスを引きつけていた筈。それが何時の間にこんな場所に?
 答えは、恐らく「プレシア」と呼ばれた女に攫われたから、だろう。
 そして、その場景を思い出し、アンジールは歯噛みする。
 少女を一人、爆殺した。
 今はスカエリッティという犯罪者と行動を共にしている。『夢』や『剣』と共に託してきたつもりだが、アンジールには未だ『誇り』はある。
 あのような行為を赦しておけるわけがなかった。
「プレシア……ッ」
 不快感を露わにした声。
 いきなり殺し合いをしろ、その為に人を集めた……そんな心境は、全く以て理解不能だ。
 しかしとて、備えは必要。そばに置いてあったデイパックを拾い上げ、中身を取り出す。
 そして名簿を広げ、アンジールは声を上げた。
「クアットロ、チンク、ディエチ……!?」
 驚愕――無理もない。

 ここにあったのは、アンジールが守ると誓った「妹達」の名なのだ。
「ク……」
 それなのに、むざむざとこんな場所まで連れて来させてしまった。こんな殺し合いの場に。
 彼女達は強い。ただの人間や、管理局の魔導師に遅れをとるとは思えない。
 しかし、それだけでは拙いのだ。この場には、より凄まじい存在がいる。そう、
「セフィロス……」
 かつての良き友人、クラス1stのソルジャー、そして、ディエチの腕を切った男。
 そんなセフィロスと、彼女達が出会ったらどうなるかは想像に難くない。
 そしてプレシアは、「デス・ゲーム」と言った。そんなゲームはワンサイド・ゲームではならない。
 あくまでも、均衡足らずとも、最低限、同等の戦力は用意するべき。
 ならば、自分やセフィロスに並ぶ人間がいるのも必然。

 そんな人間と、「妹達」が出会ったなら、ほぼ確実に殺されるだろう。
 そうさせてはならない。
 この手にかかるは命。ならば、
「俺が……守り抜く」
 それが、アンジール・ヒューレーの、この場での目標。

 決意を胸に、デイパックから刀を引き抜くアンジール。
 その耳に、聞き覚えのある声が届いた。

【Channel No.4】

 月を見上げる少女。茶髪、眼鏡、メガネ姉――メガ姉こと、クアットロ。
 やがて視線は手元の紙――名簿へ。
「ゼロファースト、ゼロセカンド、ルーお嬢様に、陛下。チンクちゃんにディエチちゃん……ふぅん」
 月明かりは眼鏡に反射され、瞳は伺えない。しかし、口は確かに『笑み』を形成している。
 開始のセレモニー。勝手に呼び出され、拘束されたのは遺憾だったが、無力な命を蹂躙したそれは、堪らなく愉快だった。
 プレシア・テスタロッサ――中々な催しごとだ。ただし、こんな時でなければ。

「お祭りにお祭りは重ねちゃいけないのにねぇ~~~」
 特殊部隊襲撃、「聖王の器の確保」、地上本部の制圧――大事な祭りごとの直前なのだ。こんな余分は困る。
 それに、聖王の器までこの場に集められてしまっている。何事かあってはそれこそ一大事だ。
 ただし、逆に言えば、この場で確保出来る可能性がある。自分達は三人。そこまで広くはないこのフィールド。手分けをすれば……。
「と、あーらら……通信はできないのぉ」
 内蔵された通信機による通信は不可能。まあ、考えれば当然か。

 参加者同士で連絡を取り合われては困るというものだ。
 『参加者』。
「ふふふふっ」
 自然と笑みが浮かぶ。
 この場での弱者は何人いるだろう? デバイスを奪われた魔導師は? 魔法も知らないただの人間は?
 対する自分達は戦闘機人だ。固有武装を奪われようと、その身に宿るISは健在だ。
 そんな状況で、遅れを取るだろうか?

 とは言っても、実際何が起こるか分からないので、慎重を期すべきだ。そう、特に戦わすして勝つ為に。
 この場に管理局員のような人間は何人いるだろうか。即ち、弱者の保護に出る人間は。
 この場に弱き人間は何人いるだろうか。即ち、徒党を組む人間は。
 そんな人間の中に入り、内から崩壊させることは、どれだけ愉快なことだろうか。
 それに、そんな人間と組んだ方が、「聖王の器」と巡り会う可能性は高いだろう。

 これで、行動の方針は決定した。後は誰かにコンタクトを取るだけ。
 例えそれが「ゲーム」に乗った存在だろうと、問題はない。それならそれで、襲われたことにして、更なる庇護を求めれば良いだけなのだ。
 そうして、クアットロは接触を開始した。

【Channel 13th】

 月をねめつける男。月光を反射し、闇に浮かび上がる丸眼鏡。左手が顔を押さえており、表情は分からない。
 神父、アレクサンド・アンデルセン。
「…………」
 無言だが、それは何よりも有言だった。
 即ち――怒り。

 呼びつけて、殺し合いをしろと言われた。
 よりにもよって、教皇庁に、第十三課に、この自分に。
「巫山戯るなよ……薄汚い売女(ベイベロン)。法皇の命令のつもりか?
 売女(きさま)が、魔導師(きさま)が、異教徒(きさま)のようなものが?」
 そんな舐めくさった真似をされて、ハイそうですか、なんて具合に殺し合いをするほど、アンデルセンは信心の薄い人間ではなかった。
 やるとしては自分達十三課、引いては法皇の為。それは変わりない。
 その為ならば、異教徒共に手を貸す命令も致し方ないことだと考えている。
 この場での自分の役目は、一刻も早くここを抜け出し、法皇の下へ帰ること。
 必要とあらば、異教徒共と手を組むことも辞さない。
 ……もっとも、相対して殺意を押さえていられるかは別問題だが。


 そんな風に、とりあえずの行動の方針は決定した。
 ならば一先ずの装備の確認。
 あんな売女から配られたものを使うのは屈辱的なことだが、利用出来るものは、全て利用しなくてはならない。
 この場から脱出するために。

「グラーフアイゼンか」
 アンデルセンの支給品の一つ目は鉄の伯爵・グラーフアイゼン。
 使用者は闇の書の守護騎士ヴィータ。アンデルセンの元・同僚、とでも言うべきか。
 デバイスを取り上げられたヴィータはどうしているか、とも思うがまあいい。アンデルセンはグラーフアイゼンに力――法術用――を通わせ、起動させる。
 攻撃には向かないが、起動程度になら流用は出来た。

「これは……弾薬」
 2つ目では、デバイスのカートリッジ、9mmルガー弾など各種弾薬が30発程詰め合わせになっている。
 その中からカートリッジを抜き出し、アイゼンへと装填した。
 他に、支給品は確認出来ない。どうやらこの2つだけのようだ。

 武器の確認が住んだアンデルセンは、次に地図、そして名簿を広げた。
 しかし、突然の来訪者により、それは中断する。


 月光の下、二人の非人間が出会う。
 一人目――戦闘機人、クアットロから声をかけた。
 言いだしは極めて一般的なものだった。殺し合いに乗っているかどうかとか、真っ当な人間が口にすること。
 別に目の前の男に危険を感じなかったし、騙すなら武装がないほうが良い――そんな理由で、クアットロは武器を持たなかった。
 ISだってある、たかが人間ごときに遅れを取るようなことはない――自身への自信、それ故の慢心。
 しかし、そんなクアットロの問いかけに答えず、男は月を見るばかり。
 流石に不審に思ったクアットロが行動に移るより先に、男は言った。「今夜は月が綺麗だな」、と。
 そして男はデバイスを構えた。月明かりに十字の影を作るそれは、見覚えがあるものだ。
 それから男は、「我々の神を侮辱した貴様らに容赦はせんよ」、と口にする。
 初対面の筈だが――と言う言葉が浮かぶより早く、クアットロの体が宙を浮いていた。
 落下、それから衝撃。そこで漸く認識する。自分は、目の前の男に殴り飛ばされたのだ、と。
 倒れ伏すクアットロに、ゆっくりと男が近づく。その過程で男は話す。
 何故、クアットロの事を知っているのかを。

 曰わく、貴様らに付いての報告は電話で受けた。曰わく、マクスウェルから容姿の説明を聞いた……etcetc。
 どれも全くクアットロの身に覚えのない話だが、男に嘘をついている様子はない。
 そうしてクアットロの元に辿り着いた男は、四文字の言葉を口にしながらデバイスを振り下ろし――銀色の大きな魚に受け止められた。

 この場に乱入したもう一人の男。こちらも声をかけてきた。どうやらこの男もクアットロのことを知っているようだ。
 正直わけが分からないが、この男から害意は感じられない。話を合わせておいた方が良さそうだ。
 急に襲いかかられただの、知らない相手だのと説明――殆ど事実――その間も切り結ぶ二人。
 どちらも戦闘機人に勝るとも劣らない――勝っているのでは、とさえ感じる動き。
 しかし、二人とも顔が苦い。まるで本調子では――本調子を発揮できないとでも言うような。
 そうして幾たびの応酬ののち、大魚使いはクアットロに襲い掛かった男を跳ね飛ばし、何やら呪文を唱えて、襲い掛かった男を凍結。
 それから男は手を取り、クアットロを抱えるとお姫様抱っこでその場から離脱した。

「クアットロ……すまない。遅くなって」
 そう告げるアンジールに知る由はない。
 目の前クアットロは、自分の知る存在でないと言うことを。

【一日目 深夜】
【現在地 F-5】
【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】健康、消耗中
【装備】レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER
【道具】支給品一式、ランダム支給品(確認済み:0~2品)
【思考】
基本:妹達(クアットロ、チンク、ディエチ)を守る
1.チンクとディエチを保護する
2.セフィロス……

【備考】
※第七話終了~第八話、からの参戦です
※クアットロが自らの知る者でないと気付いていません
※制限に気が付きました


【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】左腕に大ダメージ
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品(確認済:1~3品)
【思考】
基本:この場から脱出する
1.目の前の人間に話を合わせる
2.他のナンバーズともコンタクトをとる
3.聖王の器の確保

【備考】
※地上本局襲撃以前からの参戦です



「次は殺す、必ず殺す」
 凍結から脱出したアンデルセン。
 憎々しげに、月夜にひとりごちた。

【一日目 深夜】
【現在地 F-5】
【アレクサンド・アンデルセン@NANOSING】
【状態】健康、消耗中、ダメージ中(回復中)
【装備】グラーフアイゼン(3/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式、各種弾薬(各30発)、カートリッジ(27/30)
【思考】
基本:この場から脱出する。売女(プレシア)の言うとおりにするつもりはない
1.最後の大隊は鏖
2.異教徒共と化け物共については一先ず保留。ただし殺意を抑えられるか……?
3.脱出に必要な情報を集める

【備考】
※第九話以降の参戦です
※制限に気が付きました
※クアットロが魔法少女リリカルなのはStrikerSからの参戦とは気付いていません
※グラーフアイゼンはアンデルセンを警戒しています




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GAME START アンジール・ヒューレー Next:幻惑の銀幕
GAME START クアットロ Next:幻惑の銀幕
GAME START アレクサンド・アンデルセン Next:SWORD DANCER meet TYPOON






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