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童子切丸は砕けない(後編) ◆jiPkKgmerY




轟音を撒き散らし、何百もの瓦礫へと姿を変えたビル。
その上空にナイブズは居た。
あの一瞬、瓦礫に落下してくる寸前、ナイブズは自身の真上に『門』を形成し、瓦礫を消し飛ばしたのだ。
その結果、ナイブズはビル崩壊によるダメージを受ける事なく、無傷での脱出に成功を収める。

「……バラバラになったか、瓦礫に潰されたか」

無表情に瓦礫の山を見渡し、ナイブズが呟く。
バラバラ、生き埋めとは、おそらく殺生丸の事だろう。
確かに上空から見る限り殺生丸の姿はどこにも無い。

「あの戦闘力……少々惜しかったな」

あそこまで追い込まれたのは初めてだった。
制限下とはいえこの自分と斬り合い、右腕を潰した男――殺生丸。
爛れた右腕は、ピクリとも動かず、常に激痛が走っている。
少なくともこのゲーム中に回復する事は有り得ないだろう。
それにエンジェル・アームを使った事による疲労も無視できない。

「休息をとるか……」

ポツリと呟き、ナイブズは身を翻す。


ドゴォッ!


――その時、背後から奇妙な音がした。
首を回し、音のした方に顔を向けるナイブズ。
その瞳に映った光景は、光の鞭で瓦礫を吹き飛ばし宙に躍り出る男の姿。

「逃がすと……思ったか?」

殺生丸といえども何百もの瓦礫の塊は防ぎきれなかったのだろう、華麗な銀髪は赤に染まり、着物もボロボロ――一目で満身創痍だと分かる。
だがそれでも最強の妖怪は仇敵へと剣を突き付けた。
決して、戦から逃げようとはしない。

その鬼気迫る姿にナイブズの瞳が見開かれ、次の瞬間には、愉悦の色が浮かんでいた。

「フ、ハハ、やるじゃないか、殺生丸! 素晴らしい! 本当に素晴らしい! 秀逸だ!」

嗤う。
両手を広げ、最強の妖怪を見下ろし、男は嗤う。

「凄まじい執念! そして何よりも瀕死の身体でも全く衰えない殺意!! 最高だ!!!」

それは新たなオモチャを与えられたような、愉しげな笑い。

「……それ故に残念だ……お前を殺す事が」

ナイブズは理解している。
殺生丸が決して自分に、いや、他の誰にも服従しない事を。
だからこそ、面白い。
自分の、この圧倒的な力を見て、刃向かう者など居なかった。
恐れるか、敬うか、逃げるか、今まで出会った人間の誰もがそうだった。
だが、この男は違う。変わらない殺意で、反抗の牙を突き付ける。
その身が満身創痍だろうと、決して揺るがない。
あのバカな弟のように、自分の信念を貫き通そうとする。
――最高だ!


「何を勘違いしている。死ぬのは貴様の方だ」

呟きと共に掲げられるは、童子切丸。
殺生丸の分身、爆砕牙には劣るが、それでも充分な力を誇る妖刀。
その刀身を蒼い光が渦巻いている事に、ナイブズは気付いた。
その光から発せられる、今までの長い人生でも感じたことのない、プレッシャー。
瞬時に理解した。
これが殺生丸の本気の一撃なのだろう、と。


「いいぞ……来い! お前の全力を見せてみろ!」

ナイブズも刃と化した左腕を構え、『門』を造り出す。その大きさは、今までで最も巨大。
制限下でなければ都市一つを丸々破壊できる程の力が込められている。

世界が氷ついたかのように、静寂が二人を包む。
人間を越えた者達の戦闘は、人間では到底成し得ない力で決着がつこうとしている。
その衝突を邪魔する事など、誰にも出来ない。



「――蒼龍破ッッ!」
「――消えろッッ!」


妖刀から放たれる蒼色の極光。
『門』から放たれる無数の斬撃。
蒼色の光と不可視の斬撃が激突し、白い光へと姿を変えた。

本来なら有り得るはずのない邂逅が、世界を包む闇を消し飛ばし、市街地を真昼のように照らす。
その圧倒的な破壊力の前では、全ての物が脆すぎた。
地面や木々は余波にすら耐えかれず砕け散り、そびえ立つビル群も、まるで怯える小動物のように振動を始める。

光の強さが段々と増していき、強すぎる光が世界を塗り潰す。

だが、その光の中心に居るはずの二人の男は寸分も怯まない。
ただひたすらに、極光の先にいる相手を睨み、持てる限りの力を込める。





(……馬鹿な……!)

完全な拮抗状態。
その中、焦りの色を浮かべたのはナイブズであった。
本来、彼の能力、エンジェル・アームはこのような拮抗を生み出す筈がない。
エンジェル・アームから放たれた斬撃は何物をも斬り裂き、刻み落とす。

たが今現在、実際にエンジェル・アームは、殺生丸が持つ最強の術『蒼龍破』と衝突し、極光を散らしている。

何故か?

答えは、殺生丸が振るう妖刀・童子切丸、そして蒼龍破の特性が持っていた。

童子切丸――人間の生き血を捧げれば、あらゆる防御術式を貫く事ができる妖刀。
蒼龍破――殺生丸自身の妖力と妖刀に宿る妖力を複合し、相手に放つ殺生丸の奥義。

ここで注目するのは、童子切丸の『あらゆる防御術式を貫く』という特性と蒼龍破の『妖刀の妖力を複合して』という特性だ。

『あらゆる防御術式を貫く』――確かに強力な特殊能力。
上手くいけば最強の剣になる可能性すらある。
だが、残念な事に殺生丸は人間の生き血を捧げていない。
その効果は発動しないはずだ。

だが、ここで蒼龍破が持つ特性が現れる。
『妖刀の妖力を複合する』――つまり、童子切丸の『あらゆる防御術式を貫くという力』を複合。

そう、今放たれている蒼龍破はただの蒼龍破ではない。
『あらゆる防御術式を貫く妖力を複合した蒼龍破』なのだ。
それはエンジェル・アームという人知を越えた力さえ効果の範囲内。

とはいえ、殺生丸が生き血を捧げていないのも事実。
だからこそ、エンジェル・アームを貫けない。だが、童子切丸の能力により、触れられない斬撃を捉える事は出来る。
あとは、蒼龍破とエンジェル・アーム、殺生丸とナイブズの力勝負。
そしてその力勝負は拮抗――いや、殺生丸が圧している。

ゆっくりと、ゆっくりとナイブズの方へと傾いていく極光。
唇を噛み、力を込めるも圧倒的な暴風は進行を止めない。


「――突き抜けろッ!!」


咆哮の主は殺生丸。その絶大な圧力に震える両腕を渾身の力で振り抜く。
瞬間、極光が割れた。
世界を染める白の中から現れる蒼き龍。
打ち出した時と比較し明らかに弱体化しているが、それでも龍は光を貫き仇敵へと迫る。








――世界が蒼色に染まった。








何時しか光は消えていた。
世界は再び闇に包まれ、建物を震わせていた轟音も聞こえない。
光に呑まれた木々や瓦礫は、存在すら許される事なくこの世から消え去っていた。
光の範囲から逃れた建物群もヒビが入り、今にも崩れ落ちそうな痛々しい姿を見せている。

その光景はまるで台風が通り過ぎていったかの如く。
二人の男が作り出したとものとは誰も信じないだろう。

そんな市街地を、空に立つ一人の男が見下ろしていた。


「惜しかったな……」




風になびく金髪、そしてその中の三割ほどを領する黒髪。
男は何処か遠い眼をして、思考する。

――死を覚悟した。

あの一瞬、自分の能力を突破し迫る蒼い光を見て、確かに自分は死を意識した。
あの時――数年前、今は亡きジュライにて半身を吹き飛ばされた時と同様に。
しかし、身体が無意識に行動を起こした。

反射的に『門』――『持っていく力』を出現させ、出口を殺生丸の真後ろに形成。
出口から飛び出した龍は、主である殺生丸に炸裂し、命を奪った。
奴は自分が死んだ事すら分からずに、自らの勝利を確信したまま消え去ったのだ
ろう。

「予想以上に厄介だな、この制限とやらは……」

もし蒼き龍が万全な状態であったなら『持っていく力』も喰い破られていただろう。

憎々しげに首輪を触る金髪の男。
制限さえ無ければ……だがそれは、あの男とて同じ。互いの状況は変わらない。
自分は……負けたのか――


そこまで考えて、不意に体から力が抜けた。
意志と反して身体が地面へと落下していく。


制限下でのエンジェル・アームの連発、殺生丸に潰された傷。
それらは飛行魔法を維持する事すら出来ない程に、男の体力を奪っていた。
地面に降り立ち膝をつく男。

「チッ、身体が……動かんか……」

ぐらり、と身体が揺れ、男は固いアスファルトへと倒れ伏す。
男からしたらあるまじき醜態。だが、今の男には自尊を考える余裕もなかった。
襲ってくる猛烈な疲労に身を任せ、男の意識は闇の中へと消えていく――





「なんだったのだ、あの光は……」

E-7に位置する平野の中、唖然といった様子でインテグラルが呟いた。
背中には傷だらけのキャロを背負っている。

隣に立つギンガもインテグラル同様、呆然とその現象が起こった方角を見つめていた。




――それは唐突に起こった。

殺生丸にあの場を任せ、逃走を始めてから十数分経った頃、突然、後方から強烈な白色の光が発生したのだ。

それは、魔法を知る二人にとっても異常な規模の光。
まオーバーSランクの砲撃同士をぶつけたとしても、あれ程の光は発さない。
明らかに異常であった。
光は、蒼色に変化した後、これまた唐突に消失してしまったが、それでも二人は走り始める事が出来なかった。






「……行きましょう」

インテグラルを現実へと引き戻したのは、ギンガの一言であった。
ギンガは今までにない程に冷静な表情をインテグラルへと向けている。

「あ、ああ、そうだな」

そんなギンガに僅かな違和感を感じつつもインテグラルは頷き、歩き始める。


――冷静すぎやしないか?

いくら自分以上に魔法の知識を持っているとはいえ、先程の現象は異常だったはずだ。
もう少し動揺があっても良い。
しかも、あの場で足止めしているのは、ギンガ自身が語っていた殺生丸――敵であり、おそらく憧れの男。
普通の少女だったら多少の焦りが見えても不思議ではない。むしろその反応の方が正常だ。

それなのに――。







解ける訳のない疑問にインテグラルが頭を悩ませている時、ギンガも同じく思考の海を漂っていた。


多分、先程の光は殺生丸さんと金髪の男との戦闘により発生したもの。
シグナム副隊長すら退かせた殺生丸さんなら、あれ程の砲撃魔法を行使できたとしても頷ける。
……そして、それ程の攻撃を使用しなくてはいけない程、あの金髪の男は強いのだろう。


――大丈夫。

殺生丸さんが負けるはずない。
あの人は、自分なんかより何倍も強い。負けるところなんて想像も出来ない。

大丈夫、大丈夫。
今自分に出来る事は、一刻も早く駅へとたどり着きキャロを休める事、それだけだ。
市街地に戻ったとしても、戦闘が終わってなかったら足を引っ張ってしまう。
今あの場に行くのは、危険。殺生丸さんを信じるんだ。

……そういえば、名前を読んだ時、殺生丸さんは不思議そうな顔をしていた。
考えてみれば、空港火災から助けてもらった事を言っていない気がする。

そうだ。

殺生丸さんが駅に着いたら、あの時の礼を言おう。
元の世界に戻ったら再び敵対するかもしれないけど、この場に於いて彼は味方なんだ。
いくらでも説得が出来る。
いくらでも礼を言う事が出来る。
いくらでも自分の気持ちを伝える事が出来る。

そう、いくらでも――。




傷だらけの少女を背負い二人は走り続ける。
彼女達が待つ男が、もうこの世に存在しない事を知らずに。
三時間後――放送の時に襲う絶望を知らずに。


――彼女達は走り続ける。


【1日目 黎明】
【現在地 E-7 南部の平野】

【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】
【状態】顔面に打撲(小)、疲労(極小)
【装備】なし
【道具】支給品一式×2、ランダム支給品1~3(確認済)、ランダム支給品1~3
【思考】
 基本 この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する
 0:殺生丸さん……
 1:駅に向かい、殺生丸を待つ
 2:インテグラを護衛し、アーカードを捜索する
 3:殺生丸が帰ってきたら話をつける
 4:できることなら誰も殺したくはない
 5:可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい
【備考】
 ※なのは(A's)、フェイト(A's)、はやて(A's)、クロノの4人が、過去から来たことに気付きました。
 ※一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることに気付きました。
 ※「このバトルロワイアルにおいて有り得ないことは何一つない」という持論を持ちました。
 ※制限に気がつきました。
 ※インテグラがいなくなった後のアーカードに恐怖を抱き始めました。
 ※アーカードを暴走させないためにも何としてもインテグラを守るつもりです。



【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング@NANOSING】
【状態】健康
【装備】ジェネシスの剣@片翼の天使
【道具】支給品一式、ランダム支給品0~2(確認済)、葉巻のケース
【思考】
 基本 この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす
 0. ギンガ……大丈夫か?
 1:駅にむかい、殺生丸を待つ
 2:その後地図上のHELLSING本部に向かう
 3:アーカードと合流し、指揮下に置く
 4:できることなら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す
【備考】
 ※同行しているギンガが、自分の知るミッドチルダに住む人間ではないことを把握しました。
 ※一部の参加者はパラレルワールドから来た人間であることを把握しました。
 ※葉巻のケースは元々持ち歩いていたもので、没収漏れとなったようです。
 ※アーカードは参加者に施されているであろう制限の外にあると思っています。



【キャロ・ル・ルシエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(中)、脇腹に切り傷、左太腿に貫通傷、気絶中
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:殺し合いを止める。殺し合いに乗ってる人がいたら保護する。
1:……………
2:仲間を探し合流する。
[備考]
※取り敢えずキャロの傷は命に関わる程ではありません。
※バルディッシュはF-9のホテルアグスタの近くに落ちています。
※別の世界からきている仲間がいることに気付いてません。






「カレンさん! あと少しですから頑張って下さい!」
「ああ……大丈夫だよ、なのは……」


遡ること十数分前――まだ殺生丸とナイブズが戦闘を開始したばかりの頃。
高町なのはとカレン・シュタッドフェルトの二人は、現在ギンガ達の居る地点の上空を飛行していた。


彼女達が目指しているのはH-6にある病院。
理由は、勿論カレンの治療の為だ。

最低限の応急処置はしたものの、それは気休め程度。

――本格的な治療をするには、圧倒的に器具が足りない。

そう判断したなのはが病院を目指す事を提案、拒否するカレンを無理矢理背負い空を飛び始め――現在に至る。

最初は「子供に無理させられるか!」と喚いていたカレンも、決して意志を曲げないなのはに呆れたのか、怪我による消耗か、徐々に大人しくなっていった。







そして、それは不意に発生する。


光。

世界を照らす優しげな光ではない、全てを染め上げる暴力的な光が前方の市街地から発生したのだ。


「何だったのだ、あの光は……」
「多分……魔法、ですかね……。でも、だとしたら相当な実力者ですよ……」
「……本当に魔法というモノは凄いんだな……」


突然起こった謎の現象に、首を捻りながらも直進を続ける二人。
そして数分後、二人が見たものは地獄絵図と化した市街地であった。

ひび割れた地面。
薙ぎ倒さた木々。
窓が全て吹き飛んだビル群。
ひね曲がる街灯や信号機。
余りに凄惨過ぎるその光景に、二人は息をのむ事しか出来ない。
先を急ぐ事すら忘れ、呆然と立ち尽くしていた。


「……行きましょう、今はカレンさんの怪我の治療が先決です」

口を開いたのはなのはであった。
破壊し尽くされた市街地を見下ろし、呟く。
その表情は苦々しく歪んでいた。

「なのは、無理しなくても、良いんだぞ…………気になるんだろ、生存者が居るかもしれないって……」

だが、そんななのはの呟きに、カレンは優しげに返した。

カレンは、応急処置の途中、なのはの持つ情報を聞いた。
痛みにぼやける頭では、把握しきれないところもあったが、それでもなのはが魔法という強大な力を持ち、人々を守る仕事をしているという事は理解できる。

だから、気付いた。

この凄惨な光景を見てなのはが、何を考えているのか。

「そ、そうですけど……」
「私なら大丈夫だ……止血はしたし、それに私はそんな甘い鍛え方はしていない……な、心配するな」
「で、でも……」
「それに魔法を使えば直ぐに終わるのだろう……? 大丈夫だ……私を、信じろ……」

そのカレンの言葉を聞き、何かを考え込むように押し黙るなのは。
そして、数秒後。

「…………分かりました。一分で終わらせちゃうんで待ってて下さい!」

なのはは、ビルの一つへと舞い降り、カレンを横たえた。
直ぐさま立ち上がりS2Uを掲げ、魔力を集中させる。
使用する魔法はエリアサーチ。
生み出された光球が市街地を駆け抜け、なのはの脳内に周囲の状況をフィードバックさせる。
……十秒程経っただろうか。
唐突になのはが顔を上げた。

「カレンさん、生存者が居ましたよ! 気絶してるみたいですけど………………カレンさん?」

声を掛けてもカレンは反応を示さず、仰向けに寝転がったまま動かない。
――まさか。
ある可能性に行き着き慌ててカレンの顔を覗き込むなのは。

「カレンさん! カレンさん!!」

大声で呼び掛けても、やはり返事はない。
気絶している。


――当たり前だ。

手を吹き飛ばされて平気な人が居る訳ない。
自分の心配そうな顔を見て、カレンさんは嘘をついたのだ。

肩を揺さぶっても全く反応がない。
血を流し過ぎたのか、それとも疲労からかは分からない。ただ、漠然とした危機感がなのはを押し寄せた。

「S2U、アクセルフィン!」

叫びと共になのはの両足首に桜色の翼が形成される。
『アクセルフィン』――高速移動の為の魔法。

「カレンさん……死なないで!」

カレンを背負うと同時に空に飛び上がり、桜色の両翼が羽ばたき加速。
眼下の市街地が物凄い勢いで後方へと流れていく。



数秒後、目的地――エリアサーチで見つけた金髪の男が倒れている場所へと着いた。
周囲には、凄まじい破壊痕が見えるが、それを詳しく調べている時間はない。
たが――

「ひ、酷い……」

――男の右腕を見た時、なのはの動きが止まった。


それはあまりに酷い傷であった。
男の右腕は、ドロドロに爛れ紫色に変色している。
辛うじて元の状態を保っている皮膚もベロンベロンで、今にも剥がれ落ちてしまいそうだ。
ドロドロの奥に見える白色の物体は骨だろうか――。


頭の片隅がそこまで理解した瞬間、猛烈な吐き気が襲ってきた。
必死に口元を手で抑えるが、ほんの少しでも気を抜けば、胃の中の物が逆流しそうになる。

数秒におよぶ吐き気との戦闘。

何とか吐き気を抑えつつ、立ち上がるなのは。
男の右腕を見ないようにしながら、急いで男を背負い、再び飛び上がる。

(お、重い……けど)

カレンに加え、長身痩躯の男。
魔法少女として縦横無尽に空を飛び回るなのはとて、流石にキツい。
だが、なのは弱音を吐かずに飛行の速度を上げるため魔力を高め続ける。

「絶対に、絶対に死なせませんから!」

時たまふらつきながらも、魔法少女は自身が成せる全力全開で空を駆ける。
二つの命を救うために。

――だが、少女は知らない。
その背負っている男が、この破壊現象を起こした張本人だという事を。
未来の自分の部下を傷付けた男だという事を。

知らずに少女は闇夜を突き進む――。






【1日目 黎明】
【現在地 F-7市街地の上空】
【高町なのは(A's)@魔法少女リリカルなのはA's】
【状態】疲労(中)
【装備】S2U@リリカルTRIGUNA's
【道具】支給品一式、ランダム支給品0~2個
【思考】
 基本 プレシアと話し合いをする
 1:病院に向かい、カレンと金髪の男(ナイブズ)の治療
 2:仲間との合流
 3:もう一人に私に会って……


【備考】
 ※制限に気がつきました
 ※自分がクローンではないかと思い悩んでます
 ※パラレルワールドという考えには至っていません
 ※プレシアの目的がアリシアの蘇生か、アルハザードへ到達するためにあると思っています
 ※S2Uがなのはの全力に耐えられるかは分かりません



【カレン・シュタットフェルト@コードギアス 反目のスバル】
【状態】疲労(小)、重傷(左手欠損)、気絶中
【装備】ヴァッシュの銃 (0/6)@リリカルTRIGUNA's
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~2個
【思考】
 基本 元の世界に帰る 0:気絶中
 1:病院で治療
 2:なのはから情報を得る


【備考】
 ※なのはとチンクが普通の人間でないことに気がつきました
 ※ここが日本でないことには気がついてます
 ※異世界の存在には気づいてません
 ※参戦時期はSTAGE10でいなくなったゼロを追いかけていったところからです



【ミリオンズ・ナイブズ@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(極大)、黒髪化三割 、全身打撲(小)、右腕壊死、気絶中
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品(1~3)
【思考】
基本:出会った参加者は殺す。が、良いナイフ(殺戮者)になりそうな奴は見逃す。良いナイフになりそうな奴でも刃向かえば殺す。
0:気絶中
1:中心部へ向かい人を探す。
2:ヴォルケンズ、ヴァッシュは殺さない。
3:制限を解きたい。


【備考】
※エンジェル・アームの制限に気付きました。
※高出力のエンジェル・アームを使うと黒髪化が進行し、多大な疲労に襲われます。
※黒髪化に気付いていません。また、黒髪化による疲労も制限によるものだと考えています。
※はやてとヴォルケンズ達が別世界から来ている事に気付いていません。
※F-7にて大規模な発光現象が起こりました。周囲一マスくらいに届いたかもしれせん。




そして無人となった市街地。
煉獄と化したそこに、何かが突き刺さっている。

それは刀。

刀身には幾多に及ぶ亀裂が刻み込まれ、使い物にはならない事は一目瞭然であったが、それでも刀は威風堂々と自らの存在を誇示し続けていた。


それは、まるである妖怪の信念のように。
誰にも従う事なく己の力を信じて生き続けた男のように。


――童子切丸は、砕けない。





【殺生丸@リリカル殺生丸 死亡】

※F-7市街地に、ボロボロの童子切丸が刺さっています。
※殺生丸のデイバッグ、基本支給品、スタングレネード×2は消え去りました。



Back:童子切丸は砕けない(前編) 時系列順で読む Next:シャーリーと爆砕牙
投下順で読む Next:最初からクライマックスなのか!?
インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング Next:残酷な神々のテーゼ(前編)
ギンガ・ナカジマ Next:残酷な神々のテーゼ(前編)
ミリオンズ・ナイブズ Next:ちぎれたEndless Chain
キャロ・ル・ルシエ Next:残酷な神々のテーゼ(前編)
高町なのは(A's) Next:ちぎれたEndless Chain
カレン・シュタットフェルト Next:ちぎれたEndless Chain
殺生丸 GAME OVER






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