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夢・オ・チでリセット! ◆RsQVcxRr96




デパートの薄暗いロビーに仄かに光る明かりが1つ。
それは見る人に不気味な印象を与えそうだが、近づくとそれが誘蛾の雰囲気を醸し出すランタンの光だと分かっただろう。
照明が消えて暗いというのは分かるが、それなら用が済むまで照明を付けたらいいだけの話だ。
ここは一般的なデパートだから探せば配電室の場所などすぐに判明するはずだ。
しかしそれはできない。
照明を付けたらそれこそ本当にこの場所は誘蛾灯に成り果ててしまう。
ただし引き寄せるのは光を求める蛾ではなく、他者の命を求める悪意である。
そんな事を考えてフェイトは少々薄暗いのを仕方ないとしてランタンの光でデパートの案内板を照らしている。
今まで培ってきた経験からフェイトは照明を無闇に付ける事の愚かしさをなんとなく知っていた。
確かに引き寄せられる人が危険な人物とは限らないが、現状は慣れない環境での不測の事態。
ここは無用な戦闘は避けて慎重に行動する局面と判断した結果だ。

(それにしても、エリオやキャロまでいるなんて……)

名簿に載っている60の名前。その中には自分の知っている名前もいくつもあった。
なのはやはやてみたいな魔導師や矢車のような人ならこのような状況でも的確な判断の元に行動していると思える。
しかしそれに当てはまらない名前もあった。
エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。どちらも自分が保護した子供達の名前だ。
二人とも特殊な事情があるにせよ本質は保護を受けるべき子供だ。
そんな子供達までこの場にいる事に、改めて先程の誓いを強く念じるフェイトであった。

誓いを新たにフェイトは行動を起こすためにまずはこのデパートの構造を知ろうと屋上からエレベーターを使って1階へと降りてきていた。
しかしそこでふと疑問が浮かんだ。
電気が通っているのだ。
エレベーターが問題なく作動している事からそれは明白だった。
つまりどこかで発電をしているという事になる。
自家発電や魔法による発電の可能性もあるが、わざわざそんな事をする理由が分からなかった。
他にも思い立ってトイレで蛇口を捻れば問題なく水が出た。
水道もしっかり機能していた。
確かにライフラインがあれば参加者にとっては便利だろう。
しかし今は殺し合いを強要される状態。
そんな状態でわざわざライフラインを提供する意味は果たしてあるのだろうか。
殺し合いを進めたいのならライフラインを絶って、参加者の精神を揺さぶるべきではないのだろうか。

(でもライフラインが無事なら、もしかして期待できるのかな)

総合案内板によるとこのデパートは地下1階と地上5階で構成されている。
食品、衣料品、雑貨、見たところ一般的なデパートにある物は全て完備しているようだった。
しかし案内板の通り実際に物品が置いてあるかは甚だ不明だ――というのは、つい先程までの考えだ。
どういう理由かは分からないにしろ、こうしてライフラインが無事にある以上、デパートに物品が残っている可能性が非常に高い。
今後の事も考えてまずは医療品を探すべきだと方針を決めた瞬間――

「いやっ! 誰か、助けて!!」

救いを求める少女の悲鳴が聞こえてきた。
聞こえた声の大きさと方角からデパートのすぐ近くなのが分かった。
その声を無視する気は当然の如くフェイトにはなかった。
無用な戦闘は避けようと思っていたが、目の前の危難を見過ごすほどフェイトは非情ではなかった。
どちらかというと人情は厚い方だ。
そして後ろを振り向くと、自動ドアの透明のガラスの向こうに救いを求めた人物がいた。
暗い夜道の上に倒れこんでいる少女、そして剣を手にして今にも襲いかかりそうな赤いジャケットの少年。
どんな状況かは一目瞭然だった。

「プラズマランサー! セット!」

ドアに向かって走りながら使い慣れた射撃魔法を発動させる。
その数4つ。
魔力運用に若干の違和感があったが、さほど問題ない。
フェイトは今にも少女に襲いかかろうとする少年に怒りを向けつつ牽制の魔法を放った。

「――ファイアッ!!」

狙いはほぼ正確に少年の周囲に着弾して爆発による衝撃で少女と少年の間には距離ができた。
フェイトはその間に滑り込むと、少女の盾となるべく少年と対峙した。


    ◆    ◆    ◆


「おい、待てよ!」
「いや! 来ないで!」

あれからしばらく経つが未だに十代はつかさと追いかけっこをしていた。
少し走り続ければ追いつけるのだが、そうなると決まってつかさは拒絶の意思を表して必死に逃走する。
追いつかなければいけないが、追いついたところでまた逃げられる。
そこで十代は少し方針を変えていた。
しばらく走り続けてつかさが走れなくなるまで走り続ける事にしたのだ。
そうすれば嫌でも話す時間ができるし、体力は十代の方があるのは明白だった。
そして十代の考え通り数分も走り続けると、つかさの体力は限界に達した。
ついに足をもつれさせて再び地面へスライディングをかましていた。

「いやっ! 誰か、助けて!!」

さすがに再び地面に倒れこむとは思っていなかったが、概ね考えていた通りだった。
あとはゆっくりと相手を落ち着かせて話し合うだけだが――

「――ファイアッ!!」

いきなり降りかかった金色の閃光に阻まれた。
突如として周囲で爆発したそれによって十代とつかさの距離はまた広がってしまった。
そしてそこに赤を基調とした中世風の鎧に身を包んだ少女が割り込んできた。
目の前に現れた少女に十代は見覚えがあった。

「まさか!?」

異世界で出会った魔導師――そして今は戦いを求めるだけになってしまったデュエルゾンビ。
それが十代の知るフェイト・T・ハラオウンであった。
だからこそ十代はこの状況をすぐさま理解した。
おそらく戦いを求めて彷徨っていたフェイトが自分達を発見して戦いに来たというところだろう。
そうでなければあのフェイトが無闇に攻撃を仕掛ける事などありえない。
十代の中でフェイトの行動は至極当然のものとして映った。

(あの反応、私を知っている?)

一方フェイトはフェイトで目の前の少年の正体を測りかねていた。
当然の事ながらフェイトは十代に見覚えなど全くなかった。
管理局時代に知り合ったか、もしくはワーム退治の時に出会ったか。
とにかく十代が悪事を働こうとしているのは蹲る少女の様子から見ても一目瞭然だった。
元からなのか、ここに来てなのかは分からないが、フェイトに十代を許す気はなかった。
戦闘力を奪って話を聞かせてもらう気だった。

「ハァァァ!!!」

まずは大剣・大百足による上段からの一撃。
もちろん狙いは十代を少女から更に遠ざけるためだ。
よって剣速も遅く狙いも大きく外していた。

「――ッ!!」

そしてフェイトの狙い通り十代はつかさから更に離れる結果となった。
十代から見て今の状況は最悪に近いものだった。
泣き崩れているつかさ、戦いを求めているフェイト。
自らと比べて圧倒的に強いフェイトの攻撃を掻い潜って、未だ混乱しているつかさと共にこの場から脱するなど無理な話だった。
考える時間も碌になく追い詰められた十代は苦渋の決断をした。

すなわち一時撤退。

「くらえ!」
「なっ!?」

十代はデイパックから支給品として配られた「んまい棒」を地面に叩きつけた。
非常食であり、いざという時は煙幕にもなる便利なものだ。
んまい棒の煙幕によって一瞬で辺りは白い煙に包まれた。

「つかささん! しばらくの辛抱だ。俺が戻ってくるまで無事でいてくれ!」

そう言い残すと十代は支給されていたバイクに乗って、その場から全速力で離れて行った。
目指す方角は北。
南は川があり、なにより北に行けば中心部だ。
そこでフェイトにも対抗できるだけの仲間を集めるつもりだ。
仲間を集い、つかさをフェイトの手から救うべく十代は夜の市街地を駆け抜けて行く。

(フェイトさんがデュエルゾンビなら、やっぱり万丈目やエリオも……)

この場にいる十代が知る者の中でデュエルゾンビになったのは万丈目とフェイトとエリオの3人。
フェイトがあのような状態である以上、他の2人も注意が必要だ。
だがそれにも増して今十代を悩ましている事は自分が先程取った行動の是非であった。
一時撤退――その判断が正しいかどうか十代は不安だった。

(俺はつかささんを見捨てたのか? いや違う、必ず救うんだ。でも……
 くそ、なんて無力なんだ!)

さらに十代は致命的な勘違いを抱えたままであった。
元々フェイトはデュエルゾンビなどではなかったのだ。
その事に終ぞ気付かず、十代はどこか悲しげなエンジン音と共に夜の街へ消えて行った。


【1日目 黎明】
【現在地 H-5 市街地北部】
【遊城十代@リリカル遊戯王GX】
【状態】健康、多少の罪悪感、バイク搭乗中
【装備】ヴァイスのバイク@魔法少女リリカルなのはStrikerS、バヨネット@NANOSING
【道具】支給品一式、んまい棒×4@なの魂
【思考】
 基本:殺し合いには乗らない。
 1:中心部へ行き、つかさを救うための仲間を集める。
 2:俺はつかささんを見捨てた? いや違う。
【備考】
 ※万丈目、フェイト(StS)、エリオがデュエルゾンビだと思い込んでいます。

【ヴァイスのバイク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
本編十話と最終話でティアナが乗っていた一般的なバイク。持ち主はヴァイス。
使用頻度からティアナやアルトの所有物になりかけているらしい。


    ◆    ◆    ◆


煙幕が晴れるとそこには寄り添う形で固まっているフェイトとつかさの姿があった。
あの瞬間、フェイトは十代を逃がす気は無くすぐさま追いかけようとした。
しかしそれは叶わなかった――今も必死に自分にしがみついている少女によって。
おそらく突然視界が塞がれた事で軽度のパニックになった事で近くにいた自分を頼った結果だろう。
さすがに怯えている少女を残して行く訳にもいかず、フェイトは少女の気が済むまでじっとしていた。
その際に注意を少女に向けていたために逃げる少年の去り際の言葉があまり聞こえなかった。
「しばらく」や「戻る」という単語が辛うじて聞こえた事から態勢を立て直して再び襲ってくる可能性が高い。
とりあえずデパートに戻って中に潜んで様子を見る事にした。

「もう大丈夫だよ。えっと名前は……」
「? 柊、つかさ……です」
「つかさか。私はフェイト・T・ハラオウン。よろしくね」
「は、はい。よろしく」

挙動不審な感じがするが、さっきまであんな目に遭っていたのだ。
落ち着くまでには時間がかかるだろう。
こんな普通の少女まで巻き込まれた事にフェイトは少なからず怒りを覚えた。

「えっと……フェイトちゃん、だよね? お姉ちゃんと一緒のクラスの?」
「え?」

突然かけられた質問。
それにフェイトは少々困惑してしまった。
フェイト自身が学校に通っていたのは、もう7年も前の話だ。
そんな前の事を言っているとは思えないのに加えて、つかさの口振りでは現在進行形の事を言っているようだ。

(もしかして混乱している? 無理もないか。いきなり連れて来られて怖い目に遭ったから。
 とりあえず余計な心配をかけないように、しばらくは話を合わせよう)

フェイトはつかさに話を合わせる形でつかさから話を聞いた。
まとめると、どうやらつかさの言う「フェイト」は転校生でつかさの姉の柊かがみと同じクラスらしい。
そして気づいたらここにいて、訳も分からずに先程の少年――遊城十代に殺されかけたとの事だ。
つかさから話を聞く限り十代は本気でつかさを殺そうとしていたらしい。

(やっぱり拘束しておくべきだったか。私が逃したばかりに……)
「ねえ、フェイトちゃん?」
「ん? なに、つかさ」
「さっき服が変わったけど……それも魔法なの?」

現在フェイトはシーナのバリアジャケットを解除している。
いつまでも臨戦態勢では気が疲れる……というのは建前で、実際は胸の辺りがきつくて行動に支障が出るのが理由だった。
これから先も長いのに常にあの格好ではいざという時に何かあっては大変だと思ったのだ。
それにストレージデバイスである大剣・大百足でもバリアジャケットは展開できるから問題なかった。
魔法の事は簡単に先程話したのだが、見たところつかさはあまり理解していないような気もした。

「うん、そうだよ。この赤い宝玉を使って――」
「それって私にもできるかな?」
「……どうだろう。つかさの魔力適合次第だけど……やってみる?」
「え、いいの。えっと……セットアップ」

つかさはフェイトから宝玉を受け取ると、先程聞いた起動の呪文を唱えた。
フェイトからすればどう見ても魔力のない一般人のつかさが何をしようと変化はないと思っていたのだが――

「わあ、すっごーい。綺麗だね」

あっさりとバリアジャケットが展開されていた。
薔薇の意匠があしらわれた白いニーソックス。
羽毛のようなファーのついたロングブーツ。
白地に水色の縞模様が刻まれたショーツの上に重なる赤いプリーツのミニスカート。
赤茶けた上着の下にある中世風の白い衣服の胸元で輝く鋼鉄のブレストプレート。
腰に回した漆黒のベルトに収まる花の如き流麗な曲線を描いたサーベル。
幾何学模様のプリントされた短いマントの首元で映える燃える炎の如き赤いリボン。
ちょこんと頭に乗っかった羽飾りの付いた真紅のベレー帽。
全てがフェイトの身につけていたものと一緒だった。
流石に胸は丁度いい具合みたいだったが。

(でも一体どうして?)

しっかりと確認はしていないが、つかさにはデバイスを起動するだけの魔力など無かったはずだ。
これは一体どういう事だろうか。
つかさは自分の姿が変化した事に多少驚いたものの、今ではターンなどして自身の姿を確認している。
その姿からも魔法など初めて見るといった感じがする。

(つかさ自身には魔力が感じられない……怪しいのは、首輪?)

フェイトの疑問は解ける事はなかった。


    ◆    ◆    ◆


(やったー。あはは、やっぱりそうだったんだ)

つかさは自分の服装が一瞬で変わった事に驚いていた。
しかしそれも一瞬の事、すぐに現れた服装がどのようなものか確かめた。
幻ではない本物のような感触。
まさしく自分が魔法を使っているという事を知ると、つかさはずっと考えていた事に確信を抱いた。

(やっぱり、これって夢なんだ!)

何の覚えもなく突然降り立った場所。
転校生が実は世界を守るために戦っている正義の魔法使い。
そして極めつけは自分が魔法を使えた事。
どれもこれも現実ではありえない事ばかりだ。
つまりは全部夢。
今つかさ自身は不思議な夢を見ていると認識していた。

(でも妙に本物みたいだけど、そういう夢なのかな。
 ……いいや、夢なんだし眼が醒めるまで思いっきり楽しんじゃお)

柊つかさは夢の終わりまで今の状況を楽しもうと決めた――夢が終わる時、それが何を意味するかも分からぬままに。


【1日目 黎明】
【現在地 H-5 デパート1階】
【フェイト・T・ハラオウン(StS)@仮面ライダーカブト】
【状況】健康、若干の困惑
【装備】大剣・大百足@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる
【道具】支給品一式
【思考】
 基本:誰も犠牲者を出す事なく、この殺し合いを止める。その上でプレシアと対話を行う。
 1:これはどういう事だろう?
 2:つかさが落ち着いたらデパートを探索する。
 3:機動六課隊舎に向かい首輪を外す。その後、なのは達と合流する。
 4:もう少し扱いやすい武器が欲しい。欲を言うならバルディッシュ・アサルトが欲しい。
【備考】
 ※なのは達「八神班」が他の世界から来た人間である事を知りません。
 ※このゲームがアリシア蘇生のためであると推測しました。
 ※大剣・大百足は他の形態にはフォームチェンジしません。
 ※しばらく話をつかさに合わせる気でいます。
 ※遊城十代が殺し合いに乗っていると思っています。


【柊つかさ@なの☆すた】
【状態】疲労(小)
【装備】シーナのバリアジャケット@SHINING WIND CROSS LYRICAL
【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】
 基本:夢から醒めるまで楽しむ。
 1:フェイトちゃんと一緒にいる。
 2:家族や友達に会いたい。
【備考】
 ※自分が夢の中にいると思い込んでいます。(望めば大抵の事はできるかもと思っています)
 ※遊城十代が殺し合いに乗っていると思っています。



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